15 果実酒の本当の味
 
              果実酒の本当の味
 
                              参考「現代林業1994.9」
 
 〈果実酒になる実や植物体〉
 ウワミズザクラ,アズキナシ,ケンポナシ,オウレン,キハダ,ヤマボウシ,ヨモギ,
ウドの実,サンショウ,ナルコユリ,ツルニンジン,クワの根の皮,チャの花,マツブ
サなどなど,数十種のもので果実酒が造れるそうです。
 その中で,イカリソウの葉,ナナカマドの実,ガマズミ,サルナシ,マタタビ,ノブ
ドウなどに人気があるとのことです。例えばイカリソウの葉は,5月下旬〜8月にかけ
て採取し,陰干しの後,焼酎に入れます。
 
 〈氷砂糖は控えめに〉
 果実酒造りのポイントは,氷砂糖を控えめにすることです。氷砂糖を多く入れますと,
果実酒特有の味と効能を損ねてしまうようです。氷砂糖を加えるのは,甘味を出すとい
うよりも,材料のエキスを引き出すのが主目的なのです。
 一升瓶に,焼酎6〜7合,氷砂糖50g,これに梅の例では200gを目安に入れます。果
実酒が熟成して実を取り出したときに,実がしわしわになっていれば成功です。逆に実
が伸びきっていれば砂糖が多かったことになります。
 砂糖の量が少ないと飲みにくいかもしれませんが,そのときは,飲むときにハチミツ
とか砂糖を加えて下さい。この場合,砂糖を一気に溶かすのがコツです。例えば砂糖を
ガーゼにくるんで糸で巻き,焼酎の中に1〜2時間垂らしておきますと,砂糖はすっか
り溶けてしまいます。
 果実のヘタは必ず取り去って下さい。ヘタを入れますと果実酒の味が変わってしまい
ます。
 また,果実酒は3〜6ケ月経ちますと熟成しますので,実を取り出して下さい。実な
どを入れっぱなしにしておくと,味が変わります。
 果実酒をいただくときは,コーヒー用の濾布などで濾しますと,不純物がとれて,非
常にきれいに,そしていい色になります。
 
 秋には野山の果実も熟します。
 試しに造ってみて下さい。
 焼酎は35度の強いヤツですので,生で一気に飲むと酔っぱらいます。桜
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