志木第九の会

第12回定期演奏会(07.2.4) から       

満員のお客さまに圧倒的な感動!

 志木第九の会第12回定期演奏会は2月4日(日〉午後、志木市民会館ホールで開催され、お客様から「圧倒的感動を受けた」という評価をいただきました。
 抜けるような晴天、でも寒い北風が吹いて、それでも開館時間前には観客が会館を取り巻き、入場を繰り上げました。

 定刻2時、満席のホールに、気持ちは高まるばかり。朝、会長の「ステージに立てる幸せを感じ、来ていただいた方々に、私たちのメッセージを伝えられるよ う最善を尽くそう」の言葉を心に反芻して、三澤先生の登場を待ちます。

 ◆ J.S.Bach:マニフィ力卜
  藤崎美苗,s1
  黒澤明子,s2
  佐々木昌子,a
  初谷敬史,t
  初鹿野翻,b
  椎名雄一郎,org

 私たちとして初めてのバッハであったため、かなり緊張しましたが、三澤先生のタクトをしっかりと見つめて歌いました。ソロでは、佐々木さんと初谷さんの 二重唱が、技巧的なフレーズを見事にこなして、この世のものとも思えぬ美しさでした。どうやら歌い終わった瞬問、スッと肩の荷が下りた感じがしました。

 ◆ L.v.Beethoven:交響曲第9番
  黒澤明子,s
  佐々木昌子,a
  嘉松芳樹,t
  初鹿野剛,b

 今回は4回目の第九でしたが、みな初心に返つて、言葉と音を一つずてつ心に刻み込む練習を重ねました。戒めるのは、慣れからくる“慢心”。16年前、《市 制20周年記念第九》で、当時、もちろん技術的には今と比べも のにならない合唱団に向かって、「万一失敗したら、それは全部僕の責任だから、安心して歌いなさい」とおっしゃった三澤先生寛い心を思い出し、もし今日上 手くいかなかったら我々の責任だ、と言い聞かせました。
 ソリストの方々も力が入っていたようで、今までにない気迫を感じました。四重唱では、4人のバランスが絶妙で、聴かせどころを盛り上げていました。
 終わった「ブラヴォー!」のタイミングが素晴らしく、歌つていた私たちが感動してしまいました。

 打ち上げで先生は、「志木は“第二のふるさと”という感がする。三澤家の歴史と志木第九の会の歴史が重なっている」    と。
 「志木第九の会は指導者と団員とのきずなが強く、それが演奏会のクォリティ・アップだけでなく、内容を伝えることにつながっている。今日は今までで一番 良いものが伝えられた」と言ってくださいました。
 その後の二次会は、54名が出席、日頃交流の機会がない先生方と団員との交歓が遅くまでつづきました。

 みなさん、お疲れさまでした。私たちの新しい歴史ができました。 (N) ∴

演奏会、お客さまの声
 
■ プロからのコメント
 前回の「エリア」に続き、上尾市に往む学生時代の同級生J氏ほか1名に来てもらった。氏は、吹奏楽部でトランペツトを吹きつつ、演奏会では指揮棒を 振っていた。卒業後も、大手自動車会社で混声合唱団を結成し、数年後には全国大会での優勝に導く等、私から見れば、ややセミプロに近い。

 厳しい批評を覚悟しつつ、演奏会翌日に印象を尋ねたところ、私自身は気がつかなかった感想とコメントをもらった。

 マグニフイカトの全体的なまとまりはよかったらしい。加えて、「子音がはっきり聴こえなかったね。R音の巻き舌が足りなかったかな。次にバッハをやるな ら、ロ短調ミサ等はどうかな?」と。
 わが合唱団にもできるかね?
 「できるよ! そのくらいの力はあるよ!」とのこと。

 第九については、意外な感じを持たれたようだ。どうも313小節目(Gの部分)辺りから、合唱のカが入り過ぎととられたようだ。
 「ずっこけてしまわないかと、何か冷や冷やしたよ。でも、マーチになったところ(331小節目〉にきて、ほっとした。ちょうどいいところに、天使のよう に トライアングルが鳴り始め、非常に効果的だったな。ドイツのマーチらしさが出ていたよ。まあ、全体的にはよかったけど、男性は好きなように歌っていたので はないの?」

 あとは雑談。
 「80人のアマチュア合唱団を10年以上維持していくのは大変だろ。うらやましいよ。指導陣も充実して。次のスターバトマーテルはいいよ。何ともいえな い味わい深い曲なんだ。楽しみだな。恒例になりそうだよ。」等々……。

 日本では波乱に満ちた生涯を送ったベートーヴェンヘの共感は多いが、マグニフィカトを作ったライプツィヒ時代のバッハも恵まれた境遇にあったわけではな いことを知った。
 両作曲家の共通性を、若干でも理解できた演奏会であった。  <M.K., b>



    常連のお客さまから

■ オケが途中で変わった!

 素晴らしい演奏会でした。バッハは初めてなので多少ぎこちない部分もありましたが、「第九」はさすがぁと感じ入りりました。.歌う人達の気迫が、聴く側 にも乗り移ったようで、まさに鬼気迫る演奏でした。

 第2楽章が終わり、合唱団が入場した後の第3楽章から、オーケストラの音色ががらっと変わり、それまでの演奏がまるで序曲か前奏曲だったのではないかと 思われたほどで、こんなに演奏が変わった例を知りません。三澤先生の気合がオケに乗り移ったのでしょう。 合唱もそれに応えて、熱気があふれ出すようで、 久しぶりに感動しました。

 前回の「エ リア」で頂点に立ったかと思われましたが、今回その高さを乗り越えたようです。また 次回が楽しみです。 (さいたま市のIさん)


■ 「フルヴエンの第九」に迫る演奏
 いままで聴いた「第九」の演奏の中で最高だった(もちろん演奏会やレコ…ドのプロの演奏を含めて〉。これに匹敵するのは、かのフルトヴェングラーが指揮 した“バイロイトの第九”くらいで、今度聴いたのはナマ縷奏だから、こっちが最高ということになる。
 その理由が分か,た、、プろグラムで、三澤先生がバイロイトで「第九」を指導されたことを書いておられたのを.見て.さもありなんと思った。一皮剥けた 三澤音楽監督の精神牲1こ、合唱団が、ものの見事に反応したのだと思った。

 「第九」はよく聴いて食傷気昧なんて不遜な考えを一蹴し、改めて「第九」の魅力を感じさせてくれた。(佐倉市のMさん) ∴

■ 生で聴く醍醐味

 2月4日“立春”にふさわしいような トランペットの響きがホールにこだますると、そとの寒さをいっぺんに忘れさせられました。もっともプログラムの曲目解説によればバッハのマニフィカトはク リ スマスのためのものなので、私の感じたのは少々的外れではありますが、大目にみてください。
 つつましやかなアリアと寄り添い、会話をしているようなオーボエ、チェロ、オルガンなどを聴いていると、春の日差しをいっぱい受けた部屋の中にいるよう で暖かい気持ちになりました。

 主役であるコーラスが注目されたのは、最後のバス、テノール、アルト、ソプラノと(“神に栄光あれ”と歌っているのでしょうか?)歌い継がれ、 次は逆にソプラノ、アルト、テノール、バスと戻ってくるところでした。これまでCDやレコードで聴いていた限りでは全然気づかなく(素晴らしいオーディオ 装置で聴けば分かるのでしょうが)、生で聴く醍醐味であると思いまし た。

 休憩後はいよいよベートーヴェンの第九。コーラスがこの名前を戴いているだけに期待が高まりました。しかし、舞台にコーラスはいません。まずは、オーケ ストラが前座をつとめますというような演奏がよく見受けられますが、きょうはちがいました。

 最初のあの和音の断片の響きが尋常ではありません。一気に壮大な音の世界に引き込まれました。それは、指揮者の三澤さんとオーケストラが正に一体となっ て繰り広げられる音楽のなせる技なのでしょう。とくに、第3楽章はゆったりとしたテンポで音を紡いでいくのがとても印象的でした。

 いよいよ第4楽章、そしてコーラスが始まりました。第九は何度も演奏しているだけあってか、余裕を感じさせるものでした。ただし、二重フーガのところな ど、人数で圧倒的に優勢な女声に男声が埋もれてしまったのは、ちょっと残念でした。

 今回のオーケストラ東京ニューシティ管弦楽団が、前半のバッハと後半のベートーヴェンで全く異なる音色を披露したのには(ともすると、バッハもベートー ヴェンも同じ音色で演奏することがある中で)、驚きました。

 このように見どころ、聴きどころいっぱいの演奏会で楽しませていただきました。ありがとうございました。 
(東京都北区 Oさん)  ∴

第12回定期船総会(Magnificat)
J.S.Bach  Magnificat BWV.243
ソプラノT:藤崎美苗 ソプラノU・ 黒澤明子 アルト・佐々木昌子 テノール・初谷敬史 バス・初鹿野剛
指揮・三澤洋史 東京ニューシティ管弦楽団 オルがン・椎名雄一郎

第12回定期演奏会(第九)
L.v.Beethoven Symphony No.9 "Choral" op.125
ソプラノ・ 黒澤明子 アルト・佐々木昌子 テノール・嘉松芳樹 バリトン・初鹿野剛
指揮・三澤洋史 東京ニューシティ管弦楽団



指揮者とソリストの皆さん
初谷敬史(ten.) 三澤洋史(cond.) 椎名雄一郎(org.) 嘉松芳樹(ten.) 初鹿野剛(bs.)
   佐々木昌子(alt) 黒澤明子(sop) 藤崎美苗(sop)      <提供:初鹿野剛さん>



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