Kanon
1999年Key発売
評価:
[B-3A-2A-3A]
新ブランド
Key
の処女作品。実は
"ONE〜輝く季節へ〜"
を作った元タクティクスのメンバーが作っている。99年話題作の一つ(と思っている)。最後の最後まで発売日がのびた作品。初回限定版にはオリジナルCDがついていた。基本的には"ONE〜輝く季節へ〜"とおなじシステムで、オーソドックスな選択型のAVGである。
感想
99年最高の作品(ああ、まだ今年は半分しかたっていないのに。ちなみに書いてる時点で1999.6.30)といっても過言ではないと思うほど、良いできだった。もちろん人それぞれなので、こういったシナリオが嫌いな人もいるだろうが、個人的には超ヒットの作品である(すでに、v-logのほうでべたほめだし)。基本的に私はそのゲームの善し悪しのかなりの部分をシナリオのできではかるので注意されたい(もちろん、他の部分があまりにもひどいとだめなのだが)。シナリオについてはあとでここのヒロイン別に述べるので、ここでは他の部分について述べよう。
このKanonもONEと基本的には変わっていない(シナリオはもちろん例外)。もちろん、システムを除いてグレードアップしており、特に音楽は最高の出来。OPテーマ "Last regrets"、EDテーマ "風の辿り着く場所" はもちろんのこと、OPの"朝影"も非常によい。お薦めは、先の3曲に、"約束"、"夢の跡"、"残光"など・・・なんだ、ほとんどじゃん。とにかくどれもおすすめ。曲を聞くだけでも価値あり。
CGもONEよりかは良い出来になっているが、やはり人を選ぶ絵にはかわりがない。まあ、キャラクター原案の人いっしょだし(
CGリンク
)。個人的にはもうなれてしまったのでなんてことはないが、初めてする人はちょっと抵抗があるかもしれない。個人的にはあゆの羽を広げたシーン(初回限定版の表紙)がお気に入り。
さて、残すシステム面だが、これはほとんどONEとかわっておらず、台詞の戻りがないのでいったん見逃すと見れないのは残念なところであるが、それを除けば特に不満な点はない。まあ、もともと単純なシステムだから、特に難点はないんだが。
さて、肝心のストーリーだが、ヒロイン別に感想を述べるので、これから先はねたばれ必死です。見たくない人、攻略だけみたい人は、
こちらへ
。ちなみに順番は説明書に載っている順。
・水瀬 名雪
主人公のいとこで、居候先に住んでいる同年代。彼女のシナリオは、ヒロイン5人(6人?)中のなかでも一番平凡であるといえる。ただそれは、他があまりにも強烈なためで、このシナリオも非常にできが良い。最後の母親の出来事に対する主人公の行動にはちょっと胸打たれます。ただ、あまりにも母親の出来事は突然すぎて、その前の伏線が伏線になってないが(笑)。
「けろぴー」
・美坂 栞
主人公より一つ下の病弱?でアイス好き(笑)な少女。不治の病なのでなんとなく先は見えるのだが、それでも、感動なくして語れない。姉の香里ともども、栞の感情が非常にうまくあらわせており、最後のシーンは涙でまっせ。その後の展開も読めたが(笑)。しかし、この最後の展開と、この物語の大本がクロスしているので、非常にうまくできている(これは名雪もいっしょだが)。あゆの前にやると、最後の栞の言葉は非常に意味深になってくる。あゆの後だとその意味がわかるが。しかし、一体なんの病気だったんだろう?
「そんなこと言う人嫌いです」
・沢渡 真琴
記憶を失い、いきなり主人公を襲ってくる少女(笑)。果たして、その正体は・・・。さて、真琴のいたずらは、どのシナリオでも出てくるので、なれてくるとうっとうしいのだが、それも、真琴編を終わらせると許せてしまう。いたずらが、非常にコミカルなので、ムードメーカー的な話かと思いきや、全ヒロイン中、もっともシリアスな話である。最後のシーンは圧巻。これで何も感じない人は人じゃない(言い過ぎ?)。個人的には、ご都合主義でも欺瞞でも詐欺でもいいから、最後に奇跡を起こしてほしかった。まあ、すでに奇跡は起こっているのだが・・・。
「あうぅ・・・」
・川澄 舞
夜の校舎で出会う、一つ上の無口な上級生。奇異な行動のため注目を集めるが、根はやさしい。彼女は、無表情、無口なので、はじめはとっつきにくく、それどころかでないときには全く本編にでないこともある。ファンタジー系の物語かと思いきや、最後の急展開は圧巻。主人公をこれほどうまく巻き込む?とは思わなかった。ただ残念なのは、最後の情報量が大きく、急過ぎるので、はじめてやるととまどうばかり。2回ぐらいやらないとちょっと消化しきれないのが残念。
「くまさんぱんだ」
・月宮 あゆ
食い逃げ途中で運悪く?主人公にぶつかる少女。このゲームのメインともいえる娘。はっきりいって、最高のシナリオ。他のシナリオともそれなりに関っており、この娘の後と前では、シナリオの印象、理解度が違ってくる。しかし、あゆシナリオをすると、あゆの誘いを断ることが辛い。このゲームの作られた想いの象徴ともいえるシナリオだと、おいらは思う。彼女の正体と約束を知ってしまうと、他シナリオのあゆの別れはちょっとジーンとくる。うーん、なんかうまく書けないね〜。やはりあゆシナリオは実際やってみないと。このシナリオだけでも買う価値あり(と私は思う)。
「うぐぅ」
・(オマケ)佐祐理
彼女は舞シナリオで出てくるのだが、脇役だけかと思いきや、ちゃっかりエンディングがある。舞シナリオクリア後に、今までなかった選択肢があるのだが、残念ながら、CGは舞のところに加えられる。オマケの割には非常によくできたシナリオだが、いかんせん、量が少ないため少し物足りない。ただ、佐祐理の心情などがよくわかるものになっているので、舞クリア後はやってみるとよい。
「ふえぇ〜」
さて、なんだかよくわからない感想になったが、まあ、実際この感動はやってみないとわからないでしょう(ああ、身も蓋もない)。
攻略
さて、攻略といきたいんですが、はっきりいってこのゲーム、選択は非常に簡単です。普通にやっていればまず間違うことはないと思うんですが、まあ、それでは攻略にならないので、多少ヒントを各ヒロインずつ書いていきたいと思います。
・水瀬 名雪
名雪の場合、他の人に比べて優先順位が低いみたいなので、他の娘に冷たくしておけばいけます。特に、舞は出さず(夜の学校に行かない)、真琴のいたずらは甘んじてうける、栞は「誰に会いに来たんだ」以外の返事をする、などをするとこの人たちのストーリーに行きません。あゆは一番優先順位が低いと思われるが、心配ならたい焼きを食べなければよい。基本的に、この避け方は他の子の攻略でも使う。後は、名雪と一緒に勉強さえ出来たら、後は大丈夫でしょう。選択肢は無難なものを選べば大丈夫。ただし、名雪CGの一枚だけ真琴攻略中に取れ、「その様子を想像する」(18日)を選べばよい。
・美坂 栞
基本的に他の娘たちは避け、初めの3回の選択肢を「誰に会いに来た」「何をしにきた」「とりあえず放っておく」にして、香里に相談する、香里のことを聞く、などを選んでいくといけると思います。
・沢渡 真琴
他の人を避けるのは基本として、いたずらに抵抗する、面倒を見る、いなくなった後もちゃんと見守る(立ち去ると一発アウト)、美汐に相談する、などを選んでいけば行けます。かなり簡単。
・川澄 舞
舞が多分一番優先度が高いと思われる(ので、他の人にかまっていても多分大丈夫)。名雪の要請で夜の学校に行くと出現。後は舞にかまい、よけることを忘れなければ怒濤の展開です。CGを取り残さないために、Hな本を読んで、想像力を働かせましょう(笑)。
・月宮 あゆ
メインだけあって、優先順位が一番低いと思われる(笑)。基本的に他の人にかまわず、たい焼きを食べ、普通に選択肢を選んでいけば大丈夫だと思われる。すぐに後を追いかけましょう。
・(オマケ)佐祐理
舞をクリアしていると、舞攻略中、26日に新しい選択肢がで、「聞いてみる」を選ぶと後は一直線。
さて、基本的にこのゲームはストーリーを楽しむようになっており、選択肢もセーブをうまく使えば何の苦もなくいけるようになってます。なので、それほど気にせずやっていくといいと思います(一部一発アウトもあるが)。それではがんばって。
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