「ダカーポ」で連載されていた対談をまとめた対談集。
様々なジャンルで活躍する総勢26人の人々との対談する中で、鈴木光司氏は、「才能」の正体、「才能」の謎について
考えてみたかったという。そのために、この対談では、ブレインサイエンス・ラボラトリー所長の塩田氏監修のもと、
26人それぞれが、自分の得意とする分野・仕事としてやっている分野に取り組んでいるときの脳波を測り、一般の人の場合
と比較し、才能についての客観的な分析を試みている。
鈴木氏のが対談しているのは、糸井重里・いっこく堂・秋本康・俵万智・柳美里・立川志らく・326・土屋敏夫・桜庭和志・
横尾忠則などのほか計26人で、そうそうたる顔ぶれである。
26人それぞれ印象的だったが、やはりホスト役の鈴木光司という作家が一番印象に残った。『リング』『らせん』『ループ』と
ホラー小説のベストセラーを連発しているが、実はホラー小説を書いていこうという気はないのだという。どちらかといえば『楽園』とか
『光射す海』とかを読んでほしく、自身も海洋文学を書いていきたいと言っている。船で太平洋横断を計画中とかいう無類の海好き
のようだから、これから面白い海洋小説をたくさん書いてくれるはずだ。これを読んだ後、『シーズ・ザ・デイ』を読んでみたいと思った。
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