その高校には、不思議な『行事』が存在していた。秘密裏に「サヨコ」と呼ばれる役を命じられた生徒が、全校生徒の誰にも
その正体を知られることなく、あることをやり遂げれば、その年の「サヨコ」は勝ちとなり、「吉きしるし」となるのだった。
そして、「六番目のサヨコの年」とよばれる今年、津村沙世子という不思議な美少女が転校してきた。
女流作家・恩田陸のデビュー作。
解説で綾辻行人氏が書いているように、本書はホラー小説でありミステリであり学園小説である。たしかに
怖さがあり、謎に満ちているが、僕は学園小説としての魅力と面白さを一番感じた。僕が男子校だったからなのかもしれないが・・・。
ビックリする恐怖ではなく、読み終わってからジワジワくる怖さだった。学校が舞台だと、誰もが通った経験があるだけに、
イメージがわきやすく、その分恐怖も倍増されるのだと思う。
とても読みやすいので、普段あまり本を読まない人にもお薦めできる一冊である。
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