&若者の活字離れ(2000.8.1)
何年も前から言われていることだが、今の若者は、本を読まなくなっている。最近の調べでは、1ヶ月に1冊も本を読まないという子は、
小学校全体では約1割、中学校全体では約5割、高校全体では約6割にも及ぶという。当然といえば当然の流れだ。なぜなら、今の若者
(僕も含め)は、生まれたときからカラーテレビがあり、マンガがあり、ゲームがある。小学生になるまでにそういった派手なメディアに
触れてしまう。テレビやゲームは映し出されるものを、ただ見て聞いていれば楽しいし、難しいこと考えずひたすら遊べばいい。
一方、読書は、文字で読んだことを自分の頭で映像化し音声化しなければならない。テレビやゲームの仮想現実とは違い、想像力が要求される。
そして何より、読書には「読書感想文を書くために読む」とか「読解力が付くから読む」とか「漢字の勉強になるから読む」など、まるで勉強の延長
のようなイメージが強い。単なる遊びであるゲームやテレビと、勉強の延長である読書、どちらを選ぶかといわれれば前者を選ぶのが、
平均的な若者なのではないだろうか。
どうしたらこの活字離れを止められるだろう。思うに、子供に本を読ませたいなら、親が本好きにならなければならない。
親ができないことを子供に押しつけるのは都合がよすぎる。そして、子供がゲームやテレビやマンガに夢中になる前に、本の面白さを理解させる。
具体的には、「読み聞かせ」がいいと思う。僕も、幼い頃は、夜寝る前「日本昔話全集」「世界昔話全集」のような本を読み聞かせられた。
ただ、これは、本当に子供が小さいときでないとダメだろう。そして読み聞かせを続けることで、子供はいつしか本の魅力を理解し、
自ら進んで読みたい本を探すようになるのではないかと思う。
だが、中学生や高校生になってから読書の習慣を身につけさせるのは、とても難しい。中学生、高校生になれば、行動範囲はずっと広がり、
その分読書以外の遊びの誘惑もふえる。また、部活動や塾、そして受験勉強などで読書の時間がとれない。そんな彼らに読書の習慣を
つけさせる特効薬は、僕には思いつかない。
そうはいっても、その”本を読まない中学生や高校生たち”もいずれ親になるだろう。しかし自分が本を読まないから子供にも読書の魅力を教えられない。
そしてその子供がまた親になり・・・。悲観的ではあるけれど、こうして若者の活字離れは改善することなく今後、ますます加速していくのではないかと僕は思う。
&読書記録のすすめ(2000.8.1)
一度読んだ本を再読する人、すぐ売ってしまう人、一度読んだら本棚に飾っておく人(僕はこのタイプ)、図書館で借りる人、どの人にもお勧めなのが、
読書記録だ。
僕はこういうHPを開設しているので、HP自体が読書記録のようになっているが、僕はこれとは別に下書きを兼ねて大学ノートに
読書記録をつけている。書いてあることは、タイトル、出版社名、著者名、その本の中で印象的だった言葉や表現、読んだ感想、あらすじ、
読んだ日付などこのHPと大差のないことが書いてある。それでも、後で読み返すとちょっとした日記のような存在になっている。
記録といっても1,2行でもいいし、ホンの一言でもいいと思う。最初は面倒だと思うけど、続けているとそれほど苦じゃなくなってくる。
試してみる価値はあると思いますよ。
&電子本と紙本(2000.8.1)
インターネットを利用してデータをダウンロードし、代金を払うという新しい本の形が登場した。
今後どれくらい普及するか予想もつかないが、とりあえず今回は、電子本のメリット・デメリットを考えてみようと思う。
メリット
@軽量で場所をとらない
データをダウンロードするだけだから紙本と違って、場所をとらないし、どんな長編であっても重量がない。これは、狭い国土・日本の
住宅事情を考えれば大きな利点になると思う。
Aローコスト
データだけだから、紙代・印刷代・製本代がかからない。だから安い。
Bコピー・検索が簡単
C品切れ・絶版がない
D音や画像などを組み込める
ひょっとすると音や映像を利用したトリックなどを使った推理小説、などというものもできるかもしれない。テレビゲームに
「サウンドノベル」というジャンルがあるが、それとはひと味違う小説になるかも。
などのメリットが考えられる。
デメリット
@本としての魅力に欠ける
電子本のデメリットはこれが一番大きいと思う。ちょっと抽象的だけど、つまり、ページをめくる感触、文庫・ハードカバー・
単行本などそれぞれ異なる重量感、装丁・帯などの外観、というように紙本ならではの魅力がたくさんある。
A読めない人が出る
パソコンなどの受信機を持っていない人や機械類に弱い人などは気軽に読むことができない。でも
紙本ならば、文字さえ読めれば金が無くても図書館に行けばタダで読める。
B電気代がかかる
電子本を読むにはやはりパソコンなどの機械類を起動する必要がある。そうするとやっぱり電気代がかかる。
地味ながらも紙本にはないデメリットだと思う。
とりあえず、これくらいのデメリットがあるが、致命的なのは@だと思う。タダ、これは個人的好みもあるし、小さい頃から機械に親しんでいる若い世代は、
電子本の方に魅力を感じるかもしれない。結局は、個人の嗜好の問題だから、電子本が今後普及するかどうかはまだ未知数だということだ。
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