&書店の危機(1999.6.16)
現在、毎年およそ1000軒の書店が潰れているのだという。その原因はいくつかあるだろう。
@不況
これは書店に限らず、ほとんどの商売に当てはまることだ。
A若者の活字離れ
これもよく言われてることだ。確かに、読書よりゲームや漫画を好む若者が多いのは確かだろう。実際、
僕が家庭教師を受け持った中2生徒で、全く小説の類は読まないという子がいた。そのせいで、
国語の成績は最悪だった。人格形成のためにも若者こそ読書をすべきだと思う。このテーマについては、
また後でじっくり書こうとしよう。
B大型書店の進出
都市部では、大きな書店があるのは当たり前だ。しかし、最近では、都市部以外にも大型書店が
進出しているようだ。僕の家の近くにも、パソコンによる検索システムを完備した、豊富な品揃えの大型書店が、進出してきた。
おかげで、既存の中小書店は、大きな打撃を被っているようだ。
Cオンライン書店の出現
ネットによる書籍の販売は、現在、年間約15億円の売り上げがあるそうだ。最近でも、大手のトーハンが、セブンイレブンや
ヤフーなどとともに、ネット上で書籍を販売する合弁会社を設立すると発表したばかりだ。しかし、僕は、よっぽどのことがない限り、
オンライン書店は利用しないつもりだ。僕は、「特にあてもなく、書店に直接足を運び、並んでいる本をじっくり見て、ゆっくりと面白そうな本を探す」というのが好きだからだ。
僕にいわせれば、オンライン書店は、自分で面白そうな本を探すという楽しみがないし、なんか味気ない。
しかし、今後、オンライン書店はますます発展していくことだろう。
さらに、最近では、書籍のコンテンツ(中身)だけを販売するというビジネスまで生まれているそうだ。コンテンツだけダウンロードするから、
品切れや、絶版の問題がないし、配送料・印刷コストがかからず、さらに紙の節約にもつながる、といいこと尽くしだが、
ちょっと邪道ではないか。紙をぺらぺらめくって、付箋を貼ったり端を折ったりしながら読んだり、本棚にずらっと並べ、
いかにも知的に見せたり、表紙や挿し絵で選んだりするのが、読書の楽しみなのではないか(そんなことないかな)?しかし、これも時代の流れなのか。
その昔、レコード(LP)が、CDやMDさらに進化してMP3になったように、書籍も紙から電子本にとって代わることになるのだろうか。
とまあ、以上のような理由で、中小書店には厳しい時代になっているようだ。中小書店が生き残るためには、やっぱり独自のサービスや特異性を
売り物にするしかないのではないか。がんばれ中小書店!
&小説の映画化について(1999.10.5)
鈴木光司の『リング』が映画化され大ヒットしたことは記憶に新しい。それに続けとばかりに松岡圭祐『催眠』、東野圭吾『秘密』、
司馬遼太郎『梟の城』など有名作家のベストセラーが次々と映画化されている。他にも、有名作家のベストセラーが続々と映画化される予定だ。
ここにちょっと例を挙げてみると、
◎宮部みゆき 『クロスファイア』(決定)、『理由』(予定)
◎鈴木光司 『バースデイ』(決定)
◎松岡圭祐 『千里眼』(予定)
◎貴志祐介 『黒い家』『十三番目の人格 ISOLA』(決定)
◎野沢 尚 『破線のマリス』(決定)
◎真保裕一 『ホワイトアウト』(決定)
◎高村 薫 『レディージョーカー』(予定)
など、これでもかとばかりに小説の映画化が続く。
作家自身は、映画化を喜んでいるのかも知れないが、多くの読者は複雑な気持ちなのではないだろか。少なくとも僕は、
映画化というのはあまり賛成ではない(ただし、最初から映画化をにらんで書かれたような小説なら賛成)。
小説は、登場人物や舞台設定など、読む人によって、頭の中でイメージするキャストや舞台が異なり、
まさに十人十色である。しかし、いったん映像化されると、そのイメージが固定されてしまい、自由な想像が難しくなる。
しかも、その舞台設定やキャストなどが、自分のイメージとは全く異なっていたりしたら最悪である。特に、自分の思い入れの
強い作品だったりすると、なおさら映画化には賛成できない。今回で言えば、『クロスファイア』と『ホワイトアウト』が
そうだ。『クロスファイア』のキャストはまだ知らないが、『ホワイトアウト』は、織田裕二と松島奈々子が主演するそうだ。
ちょっと織田裕二はイメージと違うかな、という気がするが、二人とも演技が上手いので、とりあえずキャストに関しては
それほど不満はない。後は、『ホワイトアウト』を読んだときの、あの緊張感や衝撃、そして雪山の寒さ・過酷さ、をどれだけ感じさせてくれるか
が問題だ。おそらく公開前になったら、各種マスコミが騒ぎ立てると思うので、そのときに映像をちょっと見て、映画化した方がよかったのか
どうか、自分なりに判断したいと思う。
どうせ映画化するのだったら、是非とも多くの読者を失望させないような映画にして欲しいと思う。
&図書館のすすめ(2000.5.30)
皆さんは、図書館を利用しているだろうか。僕は、最近になって、市営の図書館を利用するようになった。図書館というと、高校、大学などの経験から、
”調べものをするところ””静かに勉強するところ”というイメージが強かった。ところが、最近の図書館は、資料的な本はもちろん、新刊書籍から、
一般小説、雑誌、CD、ビデオと何でも無料で借りられるのだ。貸し出し数に制限はあるものの、”無料”というのは嬉しい。
図書館で借りると、当然のことながら返却しなければならない。だから、蔵書を増やすことに情熱を注いでいる人や、本に線を引いたり折ったり、
空白をメモに使ったりする人には、向いていないかもしれない。でも、たいていの人には絶対お薦めの施設である。全国的に、図書館というのはあまり多くはないけれど、
近くにあったら是非一度足を運んで見てはいかがだろうか。
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