【オキナグサ生長記】

絶滅危惧植物の「オキナグサ」、名前も聞いたことがない野の花でした。
「オキナグサの種子あげます」 (宮崎)
ヨウコの生け花がきっかけでメンバーに入れてもらった、花リレーMLで始めて聞いた名前でした。 「面白そう(*^_^*)」単純なきっかけで種子を頂くことになりました。ちょうどその頃に、地元の山陽新聞(平成12年5月20日付け)に、この花が「高価」、「珍しい」ということで盗掘により姿を消していく典型例であることが載っていました。同時に、岡山県内の真庭郡の山間部で、3ヶ所の山肌計70アールに数万株が群生しているとのことでした。岡山大学資源生物研究所が現地調査し、種子を乾燥させた後、氷点下20〜30℃冷凍保存し、今後50年間は保存が可能とのことです。そうこうしていると、オキナグサの種子(野生種ー茶色、洋種ー黄色)が到着!「どうやって、蒔こうか?」
役に立ちますYahooの検索!。秦野おきな草愛護会のページがヒットしました。 そこの おきな草の育て方が唯一の入門書でした。「種子がわずかに見えるように砂利か土で綿毛を押さえ、発芽まで水分をきらさないように管理します」ただ、これだけの記載でした。 とにかく、家にあった園芸用の土(詳細不明→のん気デスね)に平成12年5月21日に蒔きました。「大丈夫・・?」

「咲きますか不安に土かけオキナグサ」


6月11日に見たことがない、でもただの雑草にも似た双葉が何本か出てきました。オキナグサ発芽でしょうか?。「見たことないので良く解らないな〜。」

「若葉かな?抜こうにぬけないオキナグサ」










6月24日、種蒔きから1ヶ月が経ちました。本葉が出ました。未だ、正体不明なので頂いた宮崎さんにデジカメの写真を添付したメールを送り、オキナグサであることを確認出来た。
「我が家も同じ頃に蒔いて、今同じですよ」(宮崎)メールにしっかり、記載有り!

「頂いた種子に名札がオキナグサ」







7月2日、本葉が3枚になりました。10株成長中です。とても暑くなったが、そろそろ移植時期とのこと。自信がない時は「宮崎さん!」ということで、またまたメールにて確認する。
「9月に少し涼しくなってからでも良いでしょう」
「元気だぞしっかり育てオキナグサ」











ところが、7月7日(七夕ですね)の夕方に急に3株がダウン!
「あ〜あ・・・」。 いくら多年草で、根はまだ力がありましたが、7株(野生種2株、洋種5株)になりました。



7月15日、本葉は4枚で野草らしい風格が出てきました。また、洋種の1株が、今度は虫(時々ムカデを見たけど・・)に本葉を食べられてしまい、双葉一枚となりました。野生じゃないのに、生存競争は厳しい。
「美味しいの?虫も大好きオキナグサ」










7月23日、6本のオキナグサは元気です。野生種の一本はもう一本茎が出ました。虫に本葉を食べられた洋種の一本は双葉も食べられましたが、少し緑の葉らしいものが見えます。光合成は出来ないはずだけど、葉が出るかな?
「夏の日に負けずに育てオキナグサ」









8月18日、野生種の一本は茎が「ひょろひょろ」と長くなりました。弱弱しい茎ですが、風になびいても元気です。洋種の方が勢いがあり、9月には移植する予定です。
「夏の日に負けてはないぞオキナグサ」











9月22日、やっと夏の強い日差しも一段落したので一株ずつ移植しました。土は鹿沼土を少し多めにして、桐生砂と赤玉土を混ぜた用土とし、肥料として遅効性のマグワンプKを適量混ぜました。根を切らないようにして堀上げ、土を落とし、根を広げて植えました。小さいのに3mm位の太さのしかりした根が出来ていました。6鉢の可愛いオキナグサにしっかり水をあげました。
宮崎さんの経験:「日当たりがよく、風通しのよい所に置き、少し乾燥気味がよいように思います。できるだけ自然に近い環境で育てたいものです。葉を多く、大きく、葉を枯らさないように(冬場は枯れますが)長持ちをさせますと、普通は2年目に開花しますが、管理しだいでは来春花が見られるのではないでしょうか。当方では、庭の日当たりのよい庭石の横などで、地植えにしています。できるだけ自生地に近い環境にと思っています。春にはこれを鉢に移し、花が終わる頃地植えに戻します。冬場、葉が枯れ休眠期には水やりは控えめにし、できれば、自然の雨や雪や霜にあて、過酷な自然環境で春を迎えると、花が期待できるかもしれません。」
「オキナグサ風に揺られて涼し顔」

ヒョロ長い野生種 しっかりした洋種


10月22日、曇り時々晴れ。オキナグサ達は元気です。まだ新しい本葉が出てきます。野生種は6枚、洋種は5枚の本葉がついています。ただ、洋種の一鉢の本葉が早く落ちたのが気になります。
「秋風に揺れて揺られてオキナグサ」

野生種 洋種


11月12日、晴れ後曇り。初冬を過ぎましたが本葉は枯れる様子もなくしっかりしています。それどころか新しい本葉が出て、野生種は本葉が8枚、洋種は6枚です。茎は洋種の方がしっかりしています。写真は野生種です。
「寒空に本葉を出すかオキナグサ」









12月31日(大晦日)、曇り。時々薄日がさします。20世紀最後の日、21世紀の一日前ですが、 一部の葉は枯れました。新しい芽はお休みですが、まだ青々した葉がしっかりと残っています。やはり暖冬でしょうか。
「大晦日みどりの葉もありオキナグサ」









平成13年2月4日、21世紀の最初の写真です。さすがに大寒になり葉は褐色になりました。洋種は一枚だけ緑の葉が残っています。今日は立春です。さて花芽が出てくれるでしょうか。
「茶葉なれど寒を乗り越えオキナグサ」










平成13年2月18日、新芽が出てきました。洋種は緑が初々しく、野生種は薄紅色です。さて春に向けて順調に大きくなってくれるでしょうか。
「新芽には春の息吹がオキナグサ」

洋種の新芽 野生種の新芽



平成13年3月4日、新芽も大きくなり葉が開きました。野生種は2株、洋種は3株が元気です。 オキナグサの特徴的な産毛もはっきりあります。ただ、花は来年以降のようです。
「オキナグサ春の便りを葉に込めて」

洋種の新芽です 野生種の産毛









平成13年3月18日、新芽は順調に成長しています。
以前に比べ葉も茎も格段にしっかりしています。野草の風格が出ています。
「オキナグサ産毛あれども茎太し」












平成13年3月24日、中央の新芽は実は花芽で昨日から膨らみ始め、野生種は一輪咲きました。とても嬉しいので、開きかけの花をスライドショーにしました。雨の日には花は閉じます。開花しきると花は俯きかげんになります。3月30日までの開花の様子を
ダイジェストにしました。洋種の一株も徐々に大きくなっています。洋種の二株は元気不足です。発芽した10株は4株になりました。これが自然でしょうか。開花して14日目の4月7日には萼の一部が変色してきました。だんだん茎が真っ直ぐになり、開花から17日目の4月10日に萼が散りました。花のアップの変化をまとめてみました。さらに4月28日にはだんだん翁の白髭のような感じになってきました。いつ採ったら良いか早速確認しました。
宮崎さん曰く「種の採取は羽毛状になり、軽く手でつまんで取れればOKです。写真を見ると下の方は取れるのではないでしょうか。そのまましておきますと風に吹かれて飛んで行きますので注意して下さい。植え替えは普通の草花と同じようでOKですが、多少深鉢とお考えください。なお、肥料は控えめの方がよいかと思います」
5月5日に待望の種が採れました。5月6日に種蒔きと植え替えをしました。根は5mm以上の太さでした。さてまた大きく育ってくれますか。萼が散ってから種になるまでをまとめてみました
「陽光に咲き誇る花オキナグサ」

スライドショーを見てね

<波乱万丈の生長記2に続く>
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