Fantasticheria

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メヰルマガジン創刊号見本です。

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 Fantasticheria * The Letter from Mr.Goodfellow
                             vol.00
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 リドル君には行きつけのお店があります。
 雑貨店、骨董店、ミュゼオ、或いはカフェー、そのどれにでも当てはまる、
玩具箱のようなお店…屋号を『Fantasticheria』と言います。
 店内には真昼の夢のような品々がずらりと並んでいました。
 ただ、このお店、営業日よりも、お休みの日の方がはるかに多いのです。
 理由は簡単。店主のグッドフェロウ氏には、放浪癖があるから…。

 さて、休業状態が続いていたある日のこと。
 リドル君の元に、一通の書簡が届きました。
 差出人はグッドフェロウ氏です。
 氏が書簡を送ってくることなんて、これまで一度もなかったので、リドル君
はびっくりぎょうてん。「何事だろう」と慌てて封を切りました。
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 親愛なる友へ

 やぁ、変わりはないかね?
 わたくしは今、異國の地で、見聞を広めたり、仕入れをしたりしながら過ご
している。
 ここはホントウに不可思議なところだ。
 わたくしたちの国とは根本的に何かが違っているのだ。

 珍しい雑貨があるからかもしれない。
 いや、わたくしたちの國では見かけない種類の動物たちがいるからか。
 それとも、考えもつかないような奇妙な風習があるからもしれん。

 きちんと説明できず口惜しい限りなのだが、とにもかくにも、とらえどころ
のない違和感につきまとわれている。
 わたくしはここの謎を突き止めようと、つい長居をしてしまう…というわけ
なのサ。 

 君なら、わたくしと同じように異國について興味を持ってくれるのではない
かと思い、筆を執ってみた。
 また思い立ったら書簡を送るよ。暇なら付き合ってくれたまえ。
 次に会う日まで、どうか元気で。
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 わざわざ書簡を送ってくるくらいですから、よほど彼の国を気に入ったので
しょう。グッドフェロウ氏の興奮が文字からも伝わってくるようです。
 けれど、氏のことです。
 次の書簡は、いつになったら届くことになることやら。
 そして、『Fantasticheria』が次に開店する日は、果たして?
 「今度からは、メイルボックスを覗き込むのも癖になりそうだな」
 リドル君は小さく笑うのでした。
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                           +++次回入荷予定の小品:百色飴玉+++
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●当メイルマガジンについて
 『Fantasticheria』店主グッドフェロウ氏が、旅先でしたためた書簡──と
いう形の【短編読み切り連作集】です。
 また、氏が取り扱っている、真昼の夢のごとき小品カタログは、当マガジン
とはひと味違う切り口で展示中。
 →『朱里通信』 http://www2u.biglobe.ne.jp/~daydream/
 こちらも併せてお楽しみいただければ幸いです。
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Written by 朱里(Mag2 Mail Magazine ID:0000090793)
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