福田昌範の吹奏楽講座

第23章 組曲「海の情景」の演奏上のヒント

 

 この章では、福田昌範作曲、組曲「海の情景」の演奏上のヒントを
掲載いたします。何かの参考にしていただければ、幸いです。

 


 この章では「海の情景」の演奏上のヒントを、このホームページにいらしている皆様に
お教えしたいと思います。

 第1情景は、海を臨む丘に聳え立っている学校(「神奈川県三浦市立南下浦中学校」)を
イメージしながら作曲しました。
 そもそも、この曲を作曲した発端は、当時同中学校の顧問であった、明日山賢一氏に
夏のコンクールの慰労を兼ねて「釣り」に連れて行って頂いたことがあり、そのお礼として、
同中学校吹奏楽部の為に作曲し、同中学校吹奏楽部によってアンサンブルコンテストで
初演されました。(1・3楽章)

 当初は、2つの楽章しかなかったのですが、後に2楽章が完成し、3つの楽章として、
BMSエディションズより出版されることとなりました。
(現在は、ウインズスタイルより出版されています。)

 第2の情景冒頭の「Wave sound」ですが、打楽器の古くなったヘッドを再利用して、
作成されても良いでしょう。(中身は、お米か小豆みたいなものがいいかも?)
その際、Tpのミュートはカットして、Wave soundが2枚(二人で演奏)あっても、
サラウンド効果で良いと思います。(その際、Glockenは演奏してください。)

 A~のメロディは、フルーゲルホーンが最適だと思います。
(ビブラートなどをかけて、情感たっぷりに演奏してみてくださいね。)
その後すぐに、Tp(Mute)に持ち変える時がありますが、もし間に合わないようでしたら、
もう、8小節ぐらい、(Muteなしで)フルーゲルホーンのまま(ファンファーレまで)演奏し、
その後、Tpに持ち替えても良いと思います。

 B~のEuphとTubaのメロディですが、もし、音量が出ないようでしたら、
Tb2とEuphを置き換えても良いと思います。
 また、ここの、グロッケンは是非演奏していただきたいので、Bの8~11小節目のTb1st
Hrnに置き換えて演奏しても良いと思います。(8人で演奏の場合)
移動の関係で、グロッケンを2台用意するのも良いアイデアだと思います。

 アンコンなどで2・3楽章を演奏する場合のカットは、
2楽章はDの前から(Dに入らず)コーダに飛ぶと良いかもしれません。
(2楽章のテンポ設定も、全体的に若干速めの設定のほうが、時間的に無難だと思います。)

 第3の情景は、朝5時に集合し、沖釣りに船で行った情景です!
冒頭は、朝早く「釣れるかな~、釣れないかな~。」とわくわくドキドキしながら船に乗り込み
大海原(ちなみに太平洋・神奈川県三浦海岸沖です。)に出発するシーン。
D~がいよいよ竿を海に投げ込んだシーン、E~が魚が釣れまくっているシーン、
で、最後は船が港に帰港するシーンです。

 この楽章は特に特別なことはないのですが、Gの8小節目から少しテンポアップをして
(アッチェレランド気味に)追い込んでいって、Hの5小節目(78小節目)のBroadly
3,4拍目の2分音符はフェルマータ気味にして79にはいる前を全員で一度切って、
79に入ったほうが、アンサンブル的に、うまくいくかもしれません。

 他にもいろいろなアイディアがあるかもしれません。
皆さんの素晴らしい演奏を楽しみにしていますね。

 

 

(C)2004 Masanori Fukuda