福田昌範の吹奏楽講座

第19章 楽器のレッスンを受けよう!

 

この章では「レッスンを受けよう」と題して、管楽器のレッスンが
決して特別なことではないことをわかりやすく解説してみたいと思います。

ピアノのレッスンの場合

 

 私は幼少のころからピアノを習っておりました(いや、正確には習わされていた!?)。そう言えば、ピアノのレッスンに
ピアノの先生のご自宅に、毎週1回(月4回)、坂道を歩いて通っていたのをよく思い出します。

 (ピアノを習っていた方々なら経験されたと思うのですが、)やっていませんでしたか?「ハノンピアノ教本」
この教本は、ピアノを習う人へのバイブル的存在で、習った人なら必ず持っている本ですよね。スケールがたくさん載っていて、
音の跳躍スケールやら、半音階スケールやら、いや〜〜〜な指使いの音階がたくさんの載っていたのをよく覚えています。
音楽高校などでも「スケールテスト」なんてものがあるぐらいですから、相当大切な教本なのです。
 そして、「ツェルニーピアノ教本」なんかも必ず避けては通れない教本でしたね。
番号は110番ぐらいからスタートして、30番40番となってゆくにしたがって難しくなってくる・・・・・。
これらの教本をやっているとどちらかと言うと気がめいってくるのですが、その後、バイエルやソナチネやソナタの曲集を
練習すると妙に楽しくなってくる感じがしましたね。

 その後、ピアノの発表会に出演したりして、ステージの上でドキドキしながら楽しく演奏したことをよく覚えています。

 


管楽器の場合

 

 では、吹奏楽のような管楽器ではどうでしょうか?もしかすると、多くのアマチュアの人は、

「個人で先生に付いて習ったことがない。」
「(ウオームアップは別にして)教則本は練習したことがない。」

 と、いう人が意外に多いのではないでしょうか?
 しかし、管楽器の奏者はピアノを習っている人がピアノの発表会に出演することと同じように、
吹奏楽のコンクールやコンサートには出演しているのではないでしょうか・・・・・・・・。
これでは、ピアノで言う処の、

「ハノンの指使いも知らないのに、いきなりベートーヴェンソナタのような難しい曲集を演奏している。」

 という事に類似するのではないでしょうか。ややもすれば、自分のバンドが合奏コンクールで良い賞を受賞したり、
合奏をプロのバンドディレクターにレッスンしてもらう事だけで、「自分(たち)の個人レヴェルは上達した!」
と、たかをくくってしまっていることも良よくある話
なのでは・・・・?
(曲をまとめることのできる指揮者・指導者は多々存在しますが、すべての楽器を良い音で演奏でき、指導できる
指導者なんて人は世の中に存在しませんね。)(笑)

 ピアノの場合は、もし、「どこの先生習うこともなく発表会に出演して、独学で素晴らしい演奏をした。」ということであれば、
恐らく、「世間の話題になること間違いなし!」と、いったところで、(素人考えで)独学で練習していて成功できるほど、
この世の中は甘くない!といったところでしょうが、「管楽器」は意外にこの「素人考え」がはびこっていて、レッスンに
ついたこともなければ、年に1〜2回の特別レッスンしか受けていないのに、「自分は上達した!」と勘違いしている輩も
多いことも事実。(自分も、かつてはそうでした!(笑))

 ピアノは毎週レッスンに通って上達している人が多いのに、同じ音楽の楽器である管楽器はどうして(最低でも、
月1回又は週1回
の)レッスンを必要としないのでしょうか?

 


個人レッスンを受けよう

 

 最近は、音楽情報雑誌にプロの奏者の「ワンポイントレッスン」などが載っていて、
その練習の仕方を詳しく説明しているものも、多く見受けられます。
 しかし、それだけでは頭でっかちになってしまい、実際の「良い音」「良い響き」については無頓着になってしまいがちです。
また、教則本はごくごく一般的なことが載っているだけで、決して個々の個性に応じた練習方法が記載されているわけでは
ないのです。

 そこで、最もお薦めなのが、

「プロのレッスンを受講する。」

という事です。

 プロは個人個人に応じた対処法を身に付けていますし、自分自身がいろいろな経験してきている為、それが
様様なニーズに対応できるのです。そして何より、間近に良い音を感じることが出来るということが何物にも変えがたい
事なのです。
 このように、個人レッスンを受けると言うことは、ピアノ教室にピアノを演奏する人が通うことと同じ事で、
決して特別なことではないのです。
(だって、音楽を志して大学に進む人ばかりがピアノを習っているわけではないでしょう?管楽器だって同じ事です。)

 その逆の意味言うと、「誰にも教わることなく、独学で人前で演奏する。」と、いうことは「相当、勇気のいること。」事ですね。(笑)

 


プロのレッスンを受けるときに必要なもの一覧

 

楽器・教則本・筆記用具・(自分の)スケジュール帳・必要経費などです。
(詳しくは、付きたい先生に個人的に電話などで聞いて確認しておくことが必要です。)

 *プロの奏者の中には、「音楽大学受験希望者のみ」をレッスンしている方もいらっしゃいますので、
  音楽大学受験希望以外の方は、その旨を最初に話して、レッスン可能かどうか確認しましょう。

 

 


最後に、再度もう一度

「楽器のレッスンを受けると言うことは、決して特別なことではないのです。」

 


 

(C)2017 Masanori Fukuda

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