★極私的長文レビュー★
スーパーファミコン/データイースト/95年9月29日発売/RPG/10点
●良かったところ
金をかけて戦車を改造し、賞金首をひたすら討伐していくというだけのゲーム内容で、殺伐・ふてぶてしさがごたまぜになった傑作。
冒頭、親父から家をおんだされて荒野を駆け巡るハンターとなった少年が主人公というゲームも珍しい。
珍しいが、男らしくて格好良い。
こういう野郎臭いRPGがもっと出てきて欲しいものである。
友情とかおねーちゃんとか世界救済とか、もうそんなことはうんざりだ!って人はぜひ本作をプレイせよ。
ところで、ネットでは、戦車に乗って戦闘することがクローズ・アップされるが、本作の魅力はそこだけじゃない。
中盤以降、『ロマサガ』のように、自由度の高い攻略ができることも特筆すべきだろう。
いくつかの街、ダンジョンなどを、自分の思いのままに進めることができるのだ。
特定の物語がなく、ゲームの目的が、ひたすら賞金首を討ち取って行くことにしかないとしているから、むしろ最適な選択だと言えよう。
自由度が高まる中盤以降では、強い賞金首と弱いレベル・戦車で挑むという、無謀さが許容されるのは、純粋に金を取って凄い戦車を作りたい、という目的があるからこそなのだ。
リメイク作ということもあってか、1995年にしてはシンプルな映像だが、何、シンプルで多いに結構。
戦闘してレベル上げてダンジョン攻略して……という、当り前のRPGの構造が出来ていることこそ評価されなくてはならない。
●悪かったところ
敵とのエンカウント率が高すぎるのが最大の欠点。
ひどい時は、5〜6歩間隔で敵と遭遇することもある位で、これはデコが倒産した後も継承して『MM』を開発していきたいと望む、奇特なメーカーさんがいたら、ぜひ改良してもらいたい所。
本作はダンジョンが広いし、調査するシーンが多いので、尚更改良して欲しい。
後は、自由度の高さに比例してやらなきゃならない、情報量の不足が気になる。
自由度が高いということは、それだけ世界各地をシナリオなくして進めることなのだから、情報量の基本線だけは、きっちりと供給してくれないと無駄に時間を食うことになる。
レビュアー:サトー