「ラブひな」の豆知識(その2)



  • 第38話で、サラの言ってる「13金」とは、 1980年〜1993年にかけて作られたホラー映画「13日の金曜日」シリーズのことです。 「13日の金曜日」 「13日の金曜日 PART2」 「13日の金曜日 PART3」 「13日の金曜日・完結編」 「新・13日の金曜日」 「13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!」 「13日の金曜日 PART7 新しい恐怖」 「13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ」 「13日の金曜日 PART9 ジェイソンの命日」 の全9作があります。 基本ストーリーは、呪われたキャンプ場に遊びに来た若者たちが、次々と、殺人鬼に殺されていくという話。 血がよく飛ぶので、「スプラッタムービー」という言葉もこの映画から生まれました。 このシリーズでは、ホッケーマスクをかぶった殺人鬼のジェイソンが有名ですが、 実は、1作目と5作目の犯人はジェイソンではありません。 また、マスクをかぶるのは3作目からで、2作目では袋を頭からかぶっています。 個人的に一番恐いのは、1作目のラストシーンだと思う。(^^;

  • 第37話に出て来た西遊記について。

    • なるの言ってる夏目雅子の三蔵法師とは、 1978/10/1〜1979/4/1、1979/11/11〜1980/5/4の2回に渡ってTV放送された 「西遊記」のことを言っています。(なるの生まれる前!(^^;)
      三蔵法師…夏目雅子、孫悟空…堺正章、猪八戒…西田敏行(2では左とん平)、沙悟浄…岸部シロー、 白竜…藤村俊二、釈迦如来…高峰三枝子、ナレーション…芥川隆行 と、今では考えられない豪華な配役でした。

    • 玄奘三蔵は実在の人物です。 彼は唐からインドに渡って仏教を学び、仏教の三大聖典「経蔵」「律蔵」「論蔵」の三蔵すべてに精通している証として 「三蔵」という称号を与えられました。 そういう意味では、「西遊記」でインドに向かう往路で既に「三蔵法師」と呼ばれているのは実は辻褄が合っていないのです。

    • 悟空が頭に巻いている輪は「緊箍児」と言って、三蔵が菩薩からもらったものです。 お経を唱えると輪が締まります。 悟空を弟子に取った後、あまりに言うことを聞かないので、三蔵がかぶせました。 だから、出会ったときに付けてるのはおかしいんですよね。 ちなみに悟空は、500年間、五行山の岩の下敷きになっていました。鎖にはつながれていません。(^^;

    • 沙悟浄は、流沙河の水棲妖怪ですが、実はカッパではありません。 原作では、髪がボサボサの青黒い顔をした妖怪とだけ記されています。 沙悟浄をカッパとするのは日本独自の解釈です。 首に9個の髑髏をかけているのは、流沙河を渡ろうとした取経者を食べた証です。 沙悟浄が持っているは「月牙[金産]」と言って、 僧が各地を行脚するとき持ち歩いていた農器具から発達した武器です。 一端に三日月形の刃が付き、もう一端には本来シャベル状の刃が付いています。 このシャベルは、武器として使う他、 遺体を埋葬する際の墓穴を掘るときにも使ったらしいです。

    • 三蔵が乗っている馬は、白竜と言って、竜が化けた馬です。 この竜は、西海竜王傲閏の子で、竜宮で火事を起こして御殿の珠を焼いてしまったために、 珠帝から宙づりの刑を受けていたところ、菩薩に助けられ、三蔵の馬になりました。 悟空がいない時には、本来の竜の姿に戻って妖魔たちと戦う仲間であって、 決して金角や銀角が正体ではありません。(^^;

    • 金角大王・銀角大王は、平頂山蓮華洞に棲む兄弟の妖怪です。 銀角が背負っている壷は「紫金紅葫蘆」と言って、 名前を呼ばれて返事をすると、この中に吸い込まれて溶かされてしまう武器です。

    • 牛魔王と羅刹女(別名・鉄扇公主)は夫婦で、その息子が紅孩児です。 玉面公主は、牛魔王の愛人です。 牛魔王は、積雷山魔雲洞で玉面公主と一緒に暮らしていて、羅刹女とは別居中です。 実は、牛魔王は悟空の義兄弟です。 羅刹女は、翠雲山芭蕉洞に住む仙女で、強力な風を起こす芭蕉扇を持っています。 玉面公主の正体は、白面狸の精です。 紅孩児(あどけない幼児のような容姿のため、別名を聖嬰大王と言う)は、 枯松澗火雲洞に棲み、火を自在に操る「三昧真火の術」を駆使する魔王です。 紅孩児は、かつて三蔵法師を襲ったことがあり、 このとき孫悟空に敗れ、観音菩薩に仕える身になりました。 これが原因で、牛魔王と羅刹女は、孫悟空を恨んでいるという関係です。

  • 第36話で、景太郎が言ってる「オカピー」とは、 1901年にイギリスの探検家ハリー・ジョンストン卿によって発見された偶蹄目キリン科の動物です。 ジャイアントパンダ・コビトカバ・ボンゴに並んで、世界4大珍獣に数えられています。 コンゴ民主共和国東部に分布し、大きさは体長2m・体重210〜250kg、生息数は12,000〜13,000頭。 多雨林地帯で主に単独で生活していますが、 大きな木で覆われた暗い森より、食物として利用できる若い木や低木が茂る明るい二次林を好み、 餌はキリンのように長い舌で木の葉や新芽をたぐり寄せて食べます。 雌のほうが雄よりもやや体が大きく、雄には皮膚で覆われた2本の短い角があります。 日本では、よこはま動物園「ズーラシア」で見られます。

  • 第36話で、瀬田が卑弥呼の墓を探していたと言っています。 「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は3〜4世紀の日本にあったという邪馬台国の女王です。 この邪馬台国が日本のどこにあったかは、古来より様々な研究者によって論争されてきて、 現在、畿内(関西地方)説と九州説が有力です。 (大まかにいうと、「魏志倭人伝」の方角が間違ってると考える学者(主に京大系)は畿内説。 距離が間違ってると考える学者(主に東大系)は九州説。) 卑弥呼の墓については、「死後、大きな墓が造られ、召使い100人が一緒に埋められた」と記録にあるので、 日本の古墳のどれかではないかと推測されています。 これまで、奈良県の箸墓古墳がそうではないかと言われていたのですが、 最近になって、卑弥呼の時代よりも、もっと後になって作られたことが判明したので、考古学的には否定されています。 瀬田の言うように、神奈川県近辺にあったら大発見ですね。(^^;

  • 第34話で、景太郎が手際良く、しのぶに人工呼吸しようとしています。 確かに、溺れた人を見つけて、意識がなかった場合、 気道閉塞や呼吸停止や心臓停止の疑いがあるので、すぐに心肺蘇生法に入ります。 景太郎の手順通り、まず行うのが気道確保で、 空気が肺まで楽に通るようする心肺蘇生法の中で最も重要な基本手技です。 ただこの際、女性の場合、上半身の水着が邪魔になります。 胸部に密着しているために、肺が膨らみにくくなってしまうのです。 ビキニタイプのものなら、ホックを外すだけで済むのですが、 しのぶのようなワンピースタイプやセパレーツタイプのものは脱がせるしかありません。 あれだけ手順を踏まえている景太郎が、なぜやらなかったのか不思議です。(^^;

  • 第33話で、なるが瀬田の2年間を「インディ・ジョーンズ」に例えています。 これは、シリーズ映画3部作の主人公の名前です。 アメリカの考古学教授であり、冒険家でもあるインディアナ・ジョーンズ博士の活躍を描いた作品です。
    1作目「レイダース 失われたアーク」は、 モーゼの石板を納めたという「アーク(聖櫃)」をめぐって、 ナチスとの争奪戦が、ネパール、エジプト、地中海を舞台に繰り広げられる。 2作目「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」は、 上海の暗黒街のボスの罠にはめられ、命からがら逃げ込んだインドの奥地の村で、 シバ神が聖者サンカラに渡したという聖なる石「サンカラ・ストーン」を 邪教集団から奪い返すことを頼まれ、ジャングルの奥にある魔宮に乗り込む。 3作目「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」は、 キリストが最後の晩餐に使ったという「聖杯」を求めて、 ナチスと十字剣兄弟団との三つ巴の攻防戦が、 ベニス、オーストリア、ドイツ、トルコを舞台に繰り広げられる。

  • 第32話で、景太郎が考古学に興味を持ち始めました。 東京大学で考古学を学ぶには、文学部 歴史文化学科 考古学専修課程に進まなければなりません。 各科類から進学できる学部は、原則として、

    文1…法学部
    文2…経済学部
    文3…文学部、教育学部
    理1…理学部、工学部、薬学部
    理2…理学部、農学部、薬学部
    理3…医学部医学科

    となっているので、景太郎は文3を志望するのではないかと思います。 ただ、東京大学では、他大学と異なり、 全学生は入学後の2年間を教養学部の教養課程(前期課程)で学んでから、 専門課程(後期課程)に進学しなければなりません。 その際、行われるのが「進学振り分け(通称:進振り)」と呼ばれる独自の制度です。 2年生の6月ごろに、自分の志望する学部学科を届け出るのですが、 各学部学科には定員があり、定員をオーバーした場合には、 2年生の夏学期までの成績上位順に進学を許可されることになっています。 文3は、この「進振り」が関係しているので、 1年生のときから、しっかり勉強しておかないと、希望の学科には入れません。 もちろん、志望者が定員に満たなければ、単位が足りている限りそのまま進学はできます。 これを「底抜け」と呼ぶらしいです。 東大考古学科の定員は10人だそうですが、それでも毎年、底抜けを起こしているそうです。 出土品の採寸技術の実習用埴輪が7個しかないため、本当の定員は7人だという噂もあります。

  • 第31話で、瀬田が、沢木耕太郎と猿岩石の名前を出しています。
    沢木耕太郎(作家)は、26歳から27歳にかけて、 香港・マカオ・バンコク・マレー半島・シンガポールを飛行機と鉄道で移動した後、 インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで移動するという旅をしました。 この体験は、「深夜特急」という小説になっています。 ちなみに「深夜特急」とは「ミッドナイトエクスプレス」の邦訳で、 トルコの刑務所の外国人受刑者たちの隠語である「脱獄」を意味します。
    猿岩石は、「進め!電波少年」という番組の中で、 香港からロンドンまで10万円の所持金とヒッチハイクだけで移動するという旅をしました。 ワイドショーなどで有名ですが、 バンコク(タイ)〜ヤンゴン(ミャンマー)〜カルカッタ(インド)と テヘラン(イラン)〜アンカラ(トルコ)の3区間だけは飛行機で移動しました。 政情不安定なため、歩くにはあまりに危険な地帯であったためらしい。

  • 第30話で、サラが截拳道を使っていますが、 「截拳道」とは、あのブルース・リーが編み出した拳法です。 (「相手の攻撃(拳)を遮る(截)方法(道)」を意味する。) ブルース・リーは、映画スターであると同時に、マーシャルアーツ(総合格闘技)の達人でした。 「格闘は自由でなければならない」という理念から、 詠春拳・北派中国拳法・空手・柔道・柔術・合気道・ボクシング・ムエタイ・テコンドー・ エスクリマ(フィリピン武術)・ベンチャクシラット(インドネシア拳法)など、 いろいろな格闘技を研究・習得した後、生み出されたのが「截拳道」です。 フェイントと多彩な蹴り技を多用して、相手に虚を生み、 そこへ必殺の一撃を加えるというスタイルがあるだけで、「型」がないのが特徴です。 しかも、敵を倒す行為には本質を求めず、 己を知り、世界の根幹に存在する何かを見つけ出すことに本質を求めています。 「截拳道」は拳法であると同時に、哲学でもあるのです。 ちなみに、「VIRTUA FIGHTER」のサラも使っています。

  • 第29話で、瀬田やサラが土器類を破壊していますが、 土器は発見しても「落とし物」として扱われます。 当然、落し主は永遠に現われないため、発見者と土器が見つかった土地の持ち主の両方に所有する権利があります。 また、文化財保護法第61条に、 「物件が提出されたときは、文化庁長官は、当該物件が文化財であるかどうかを鑑査しなければならない」とあります。 つまり土器は、鑑査が終わるまでは、所有者の器物でしかないんですね。 瀬田が、土器が破損してもそんなに慌ててなかったのは、 所有権が東京大学にあり、鑑査をする前のものだったからなのでしょう。

  • 第28話で、景太郎が訪ねたバイト先の中に、異常に時給の低い店がありましたが、 あれらは最低賃金法に違反しています。 最低賃金法の第5条第1項に、 「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」 とあり、この法律は全ての使用者および労働者(アルバイト、パートタイマー、臨時、嘱託など)に対して適用されます。
    また、第5条第2項に、 「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金に達しない賃金を定めるものは、 その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」 とあるので、たとえ、労働者と使用者の双方合意の上での給料であっても、 使用者は労働者に、最低賃金以上の給料を支払わなければいけないのです。 ちなみに、ひなた荘のある神奈川県では、時給が、690円(平成10年10月1日以降)以上でなければなりません。

  • 第28話で、信楽狸が頻繁に出てきますが、 信楽狸には、その体の各部分に人生を成功に導くための8つの教えが刻まれています。 これを「信楽狸の八相縁起」と言い、昭和27年に石田豪澄が以下のように詠んだものです。

    傘‥‥‥思いがけない災難から身を守る
    目‥‥‥何事も前後左右に気を配り、正しく見つめる
    顔‥‥‥常に愛想良く、真を以って務める
    徳利‥‥飲食には困らず、徳を持てるように努力する
    通‥‥‥世渡りには信用が第一
    腹‥‥‥常に冷静沈着に、しかし決断には大胆さが必要
    金袋‥‥金銭を自由自在に扱える金運に恵まれる
    尾‥‥‥物事の終わりは大きく、しっかりと身を立てることが幸福


    なお、徳利や通帳にある「八」のマークは、 江戸時代には既に書き込まれていたので、八相縁起を意味する「八」ではありません。 由来ははっきりしませんが、徳川家康にタヌキのニックネームがあったことから、 尾張徳川家の裏紋(尾張八郡を支配するという意味)を入れるようになったという説があります。

  • 第27話で、素子が道路標識を引っこ抜いていますが、 これは、道路交通法第115条の 「信号機若しくは公安委員会が設置した道路標識 若しくは道路標示を損壊して道路における交通の危険を生じさせた者」にあたるので、 5年以下の懲役又は20万円以下の罰金になります。
    ただ、警察に尋ねたところ、「車両進入禁止」と「区間内」を組み合わせて使うことはないそうなので、 あの標識はオブジェの可能性があります。

  • 第26話で、なるの時計は温泉に深く浸かっています。時計の防水規格は、

    ・ 1種潜水時計(空気飽和潜水防水)
      200m防水
    ・ 2種潜水時計(飽和潜水用防水)
      100m防水、300m防水、600m防水、1000m防水
    ・ 1種防水時計(日常生活防水)
      3気圧防水
    ・ 2種防水時計(日常生活強化防水)
      5気圧防水、10気圧防水、20気圧防水

    となっているので、あの時計は、5気圧防水には対応していると思われます。 現代の時計は、汗や洗顔の際の水滴や雨がかかることを想定して、 「日常生活防水機能」を付けるのが普通になっているので、大抵3気圧までは対応しています。

  • 第26話で、ひなた荘の源泉は地下から湧いてることが判明しました。 「温泉法」により、 「温泉とは、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、 温泉源から採取されるときの温度が摂氏25℃以上、または1kg中に以下の物質を有するもの」と定義されています。
     溶存物質(ガス性のものを除く)・・・ 総量1000r以上
     遊離炭酸・・・ 250r以上
     リチウムイオン・・・ 1r以上
     ストロンチウムイオン・・・ 10 r以上
     バリウムイオン・・・ 5r以上
     フェロ又はフェリイオン・・・ 10r以上
     第一マンガンイオン・・・ 10r以上
     水素イオン・・・ 1r以上
     臭素イオン・・・ 5r以上
     ヨウ素イオン・・・ 1r以上
     ふっ素イオン・・・ 2r以上
     ヒドロひ酸イオン・・・ 1.3r以上
     メタ亜ひ酸・・・ 1r以上
     総硫黄・・・ 1r以上
     メタほう酸・・・ 5r以上
     メタけい酸・・・ 50r以上
     重炭酸ソーダ・・・ 340r以上
     ラドン・・・ 20(百億分の1キュリー単位)以上
     ラジウム塩・・・ 1億分の1r以上
    景太郎となるが落ちて平気なところを見ると、ひなた荘の源泉の温度は高くないように思われます。

  • 第26話で、なるが亀の性別を見分けていますが、 確かに亀の性別は、甲羅をひっくり返して、しっぽを見ます。 しっぽの裏側には肛門があり、肛門が甲羅よりも外側にあるのがオス、内側にあるのがメスです。 また、難しい見分け方では、 太くて長いしっぽがオス、細くて短いのがメスというのがあります。 ただこれは、充分に成長した亀の場合で、子亀では無理です。
    ちなみに、多くの亀類の場合、孵化するときの温度で性別が決まります。 低温で孵化するとオス、高温で孵化するとメスです。

  • 第24・26話で、スゥが亀を食べようとしています。 日本ではウミガメを食べる習慣は一般には定着していませんが、 離島をはじめとする一部地域では根強く習慣化しています。 ウミガメ漁は捕鯨船の時代から盛んに行われ、 いまでは、刺身、ステーキ、煮込み、スープなどのウミガメ料理として確立しています。 魚を食べる肉食のカメの肉は臭くて食べづらいが、 海草を食べる草食のカメの肉はおいしいらしい。

  • 第24話で出て来たスゥの「しゃんから君」ですが、 「シャンカラ」とは、ヒンドゥー教の三つ目の破壊神シヴァ(三大神の一人)の別名で、 「恩恵を受ける者」という意味があるらしい。 ただ、マスクの目3つ、イリジウムの目2つ、スゥの目2つを足すと、目が7つあることになります。 聖書で7つの目を持つ神ヤーヴェは、「すべてを見通す」神なんですよね。

  • 第24話で、素子が峰打ちをしてますが、 峰打ちと言っても結局は鍛鉄で殴ってるわけなのですから、 専門家によると、胴中や太股なら打撲傷、肩や腕なら骨折、頭なら死に至ることがあるそうです。 時代劇の峰打ちでは、刀を返してから振り下ろしていますが、 古武術では、斬り付ける途中で瞬時に刀を返して峰で打ち、再び瞬時に元に戻す形を取っていたので、 峰で打たれたことがわからない相手は、斬られたと思って、ショック死する人もいたらしい。

  • 第22・24話で、素子が屋外で真剣を使っていますが、 銃砲刀剣類所持等取締法の第22条に、 「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、 総理府令で定めるところにより計った刃体の長さが 六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。」とあります。 つまり、大道芸に使うということが「業務その他正当な理由」に当たるので、 違法にはならないんじゃないかと思います。

  • 第23話で、景太郎がもらった温泉ガメですが、 手がオール状になっているので、ウミガメの一種だと思われます。 ウミガメは、世界的に絶滅の危機に瀕しているといわれ、 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」において「国際希少野生動植物種」に指定されている上、 「ワシントン条約」では、その国際取引が最も厳しく規制されている動物でもあります。 また、物理的に一般家庭で飼うのは、とても難しい動物でもあります。

  • 第23話で、飢えと渇きに苦しむ景太郎たちに、むつみがスルメを勧めていますが、 もし塩味がついていないのであれば、これを噛むことで唾液の分泌が促され、 一時的に渇きを癒すことができます。 またスルメは、脂肪が少なくカロリーは低いのですが、タンパク質は他の魚類とあまり変わりませんし、 うまみ成分であるタウリンは、血圧を下げ、疲労回復に効果があります。

  • 第22話で、景太郎となるが乗ったフェリーは、 船上で夕焼けが見れたこと、翌日に到着したこと、昼までに鹿児島市内に入れたことを考え合わすと、 大阪発(18:00)志布志着(10:00)のさんふらわあ号(ブルーハイウェイライン)だと思われます。

  • 第21話で、しのぶに群がっている鹿はオスばかりだが、 鹿の繁殖期は10〜11月なので、決して発情しているわけではありません。(^^;

  • 第21話で、スゥが食べてる「鹿センベイ」は、 奈良公園で10枚150円(99年4月現在)で売られています。 でも、主原料は米糠で、つなぎに小麦粉が使われているだけなので、人が食べても味がしません。

  • 第20話で、スゥとしのぶが北海道の宗谷岬に到着しましたが、 実際には、このあたりに鉄道は通ってません。

  • 第19話で、スゥが自分の国の紙幣を出していますが、 インドの紙幣の中に象の図柄はありません。 ちなみにインドの通貨のルピーだとしても、日本の銀行では両替できません。

  • 第19話で、スゥとしのぶが乗った やまびこ15号(東京発13:08)は実在します。本来なら、23分後に大宮に停まります。

  • 第18話で、景太郎となるが乗った東京発新大阪行の新幹線ですが、 マガジン掲載時は、ひかり12号でした。これは実在しません。 単行本では、ひかり123号になってましたが、これは東京14:07発博多行です。

  • 第17話で、景太郎が乗ろうとしている新大阪行きの始発列車は、 東京6時17分発のこだま401号です。 ちなみにマガジン掲載時は、京浜東北線の大宮方面のホームである3番線になっていました。

  • 実際の1999年東大文1の前期合格者の中に、 「浦島」や「成瀬川」という名前の人は、やっぱりいませんでした。(^^; でも、「健太郎」という名前の人は5人も合格していました。 景太郎も1字違えば、受かっていたかもしれない。 (2000年以降、東大は名前を発表しなくなったので調べられなくなりました)

  • 第17話で、なるが東大に落ちましたが、 東京大学には、「全国模試でトップを取ったことがある人は東大に現役合格できない」というジンクスがあるらしい。

  • 第17話で、スゥが口の中にカエルを入れています。 インド料理にはカエルを使いませんが、中国や東南アジアではカエルは普通の食材です。 味は鶏肉に似ているらしい。 もしかしたら、スゥは何かの機会に食べたことがあるのかもしれない。 だから、口の中に入れても違和感がなかったのでは?

  • 第15話で、景太郎が試験を途中退出しようとしていますが、 東大の第2次試験では途中退出はできないそうです。 また、自分の受験科類や選択科目を示すために、 解答用紙に三角形の切り込みを入れる必要があるので、ハサミが必需品なんだそうです。

  • 第15話で、景太郎となるが、お茶で胃腸薬を飲んでますが、 鉄分を含む胃腸薬は、お茶のタンニンが金属塩と結合したり、 お茶のミネラルと結合したりして、薬の小腸から血管内への吸収を妨げるため、 薬の効果をなくします。

  • 第14話で、景太郎がバレンタインの起源を自問していますが、 日本のバレンタインデーは、1936年に神戸のモロゾフが、 欧米で聖バレンタインが殉教死した (皇帝の結婚禁止令を無視して愛し合う若者のために結婚を手助けしたことにより処刑された)日である 2月14日に、親しい人へ贈り物をする習慣に注目して、在日外国人向けの英字新聞に、 「バレンタインデーにはファンシーボックス入りのチョコレートを贈りましょう」 という広告を出したのが始まりです。 本格的に流行し出したのは、 1960年に森永製菓が新聞に大々的にキャンペーンをしてからです。 このキャンペーンによって、バレンタインの知名度が前年度調査の3%から90%に跳ね上がりました。

  • 第13話で、素子が景太郎に飲ませたガマとヤモリの黒焼きですが、 ガマの黒焼きは「惚れ薬」、ヤモリの黒焼きは「性力剤」の効能があるらしい。(^^;

  • 第13話で、スゥが景太郎に飲ませたダチョウの卵は、 茨城県石岡市にある「ダチョウ王国」(TEL:0299-23-2244)で購入することができます。 価格は1個5000円!食べてみたい方は問い合わせてみては?

  • 第12話で、素子が景太郎に指圧をしています。 このとき押してるツボですが、 命門、腎愈、志室、三焦愈あたりの腰のツボを押しているようです。 実は、これらのツボは、ホルモンの分泌を促すツボ・・・ つまり、精力を強めるツボなんですよねえ。 水着姿で、こんなツボを押すなんて・・・(^^;

  • 第11話で、素子が出題しているクイズの答えは「不明」が正解かもしれません。 「用心棒」で主人公は、偽名を使っている可能性があるからです。

  • 第11話で、しのぶが出している世界史の問題の各人物の在位期間は、
    以下の通りで、確かに4番が正解です。

    1. ウィリアム3世・メアリ2世‥‥1689〜1702年
    2. ピョートル1世‥‥‥‥‥‥‥‥1682〜1725年
    3. 康煕帝‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1661〜1722年
    4. G・ワシントン‥‥‥‥‥‥‥‥1789〜1797年

  • 第10話で、おみくじが大凶であったために木に結んでいますが、この行為は、 木々のみなぎる生命力にあやかり、願い事がしっかり結ばれるように木の枝に結ぶのであって、 本来は、おみくじに記されている教訓を戒める意味で持ち歩き、 その後に神社へお礼を込めて納めるのが最も良い方法とされています。 そもそも凶とは、占ったことが吉よりも勢いのないことを示しているだけなのであって、 決して落ち込むことはないのです。 凶を引いたときは、神様に御守護をお願いして、自分でも注意するとともに、 何事も今まで以上に努力することが大事なんですよ。

  • 第10話で、スゥが持ってきた獅子舞ですが、あれは、インドネシアの幻獣「バロン」のようです。 善の象徴の神獣で、別名バナスパティ・ラージャ(「森の王」という意味)と言います。 すべての魔に対抗する力を持ち、使い魔のブータやカーラと呼ばれる魔物を引き連れて、 悪の象徴である魔女ランダと戦う存在です。 元々は人々を襲う怪物だったのですが、災害を鎮めるために祭られているうちに、 いつしか聖獣として人々を守護するようになったと言われています。 バリ島などで見られる「バロンダンス」は、 そのランダとの戦いを描いた宗教的儀式で、日本の獅子舞に酷似しています。 ここで特徴的なのは、「善は悪に勝つ」というキリスト教的な発想ではなく、 「善と悪は同等で永遠に戦いを繰り返す」というどちらにも優位性を持たせない内容になっていることです。 ヒンズー教では、「この世は善と悪の二つが共存して成り立つ」という思想があるためらしいです。 これは、聖なる神を祝った儀式の翌日に、 明かりを消した家に閉じこもって悪の神を呼び寄せる儀式行うことからもわかります。

  • 第8話で、ひなた荘の公衆電話に、景太郎の母から電話がかかってきました。 確かに、公衆電話には着信機能はありますが、一般人から電話をかかってくることはありません。 公衆電話は、あくまでも、不特定多数の一般利用者のための発信専用電話機なのですから、 一個人の着信連絡で塞がることはありません。 しかも、公衆電話の番号は極秘扱いです。

  • 第8話で、スゥが「インドおせち」を作ると言ってますが、この料理は実在します。 現地では「パエス」と呼ばれていて、新米で作ったおかゆにミルクと砂糖をたっぷり入れたもので、 異様に甘いらしい。昔、釈迦が苦行中、村の娘が差し入れたパエスを食べたところ、 悟りが開けたことから、新年に食べて悟りを開こうということで定着したらしい。 ちなみに、この娘の名前は、スジャータという。

  • 第7話で、スゥが「インドとちゃうよ」と言いました。 実は、インド人は、自分のことを「インド人」とは言わないんだそうです。 インド人は、「あなたは何人ですか?」と問われたら、 「ベンガル人です」とか「マハラシュトラ人です」とか、 自分の出身地を答えるのが普通らしいのです。 彼らにとって「インド」とは、たまたま後になってできた 行政的単位程度の認識しかないんだそうです。 同じインド人でも、出身地によって言葉が通じないように、 それぞれの出身地にプライドを持っているようです。

  • 第4話で、景太郎がなるにココアの差し入れをしました。 ココアには、カフェインに似たテオブロミンという成分が含まれています。 テオブロミンはカフェインと違って興奮作用が穏やかで、 疲れを取り、気持ちを落ち着かせる働きがあります。 寒い夜、受験生が飲むには最適の飲み物なんですね。 また、便秘予防、コレステロール値低下、虫歯予防、血圧安定、血行促進、 貧血改善作用、抗ガン作用、抗ウイルス作用、抗ストレス作用、動脈硬化予防作用、 アレルギー予防、ピロリ菌・O157殺菌効果、記憶力向上などの効果もあるらしい。

  • 第1話で、なるの言った「ロブスターのミソ煮」は、 「カウボーイビバップ」の「Session#4 ゲイトウェイ・シャッフル」の冒頭で、 スパイクが、レストランで注文した料理です。値段は高いらしい。

  • スゥの額に付いてるのは、「ビンディ(ヒンドゥー語で「点」という意味)」だと思われます。 (お風呂に入っても印に変化がありませんから、 「ティカ」と呼ばれるシールで貼るタイプのものかもしれません。) ヒンドゥー教徒の女性が額に付ける印で、第3の目として魔除けの意味があるそうです。 未婚者は何色でもいいのですが、既婚者は赤色と決まっています。

  • 素子の愛刀「止水」ですが、

    ・設定によると、太刀の長さは、5尺(約150cm)。
    ・身幅は広く、重ねは薄い。
    ・切先は、大峰。
    ・反りは、浅い。
    ・焼刃は、「直刃(すぐは)」でなく、「乱刃(みだれは)」。
     遠目には「湾れ(のたれ)」模様で、アップで見ると「互の目(ごのめ)」模様。
    ・刃文に、「沸(にえ)」は見られなく、おそらく「匂(におい)」。

    5尺という長さは日本刀としては相当長く、長刀で有名な巌流・佐々木小次郎の「物干竿」(備前長光)でさえ3尺でした。 このような長大なものの最盛期は南北朝期で、その他の形状的特徴も時代に一致しています。 また、湾れ調の互の目模様で、匂できがある刀は、備前長船によく見られる特徴です。 南北朝期といえば、長船派の兼光が代表格で、彼が上杉家に納めた刀は、 上杉家伝来になっている上、最上大業物にも評価されています。(この刀が止水そっくり) 以上のことより、素子の刀の素性は、 南北朝の備前長船兼光あるいはその一門の作ではないかと思われます。

  • 「成瀬川なる」の名前の由来は、上杉鷹山の
    「なせばなる なさねばならぬ 何事も ならぬは人の なさぬなりけり」
    だと思われる。 上杉鷹山といえば米沢藩つまり山形県。ひなた荘のモデルも山形県。 「ラブひな」の根元には山形県が重要な位置を占めているのかもしれない。 そういえば、赤松先生のご両親は山形県出身の方らしい。

  • むつみのことわざ録
    夫婦ゲンカは貘も喰わない(正しくは、夫婦ゲンカは犬も喰わない)
    夫婦喧嘩の細かい内情は知りがたく、かつ一時的なものであるから、 他人の仲裁や口出しは無用であるということ。 雑食性で残飯まであさる犬でさえ食わないとして言われる。 「夏の餅」と並べて使うことがある。
    三人寄ればかしましい(正しくは、三人寄れば文殊の知恵)
    平凡な人間でも三人集まって知恵を出し合えば、 文殊菩薩のような良い知恵が出るものだということ。 「文殊」は知恵を司る菩薩である。
    火事場のバカ頭(正しくは、火事場のバカ力)
    いざという時に発揮される力のこと。 人間の体は、骨や筋肉にダメージを与えないように、 限界以上の力を出そうとすると安全装置が働いてセーブする仕組みになっているが、 非常事態には、その安全装置が解除される現象が起きる。

  • 素子のことわざ録
    袖ふり合うも他生の縁
    袖が触れ合うようなちょっとしたことでも、 前世からの深い因縁によって起こるものであるということ。 「他生」は「今生」の対語で、前世の意味。「多生」と書くこともある。 「多少」と書く人がいるが、これは間違いです。
    武士の情け
    義理を通す一方で、人の名誉も立てながら相手を思いやること。
    人間到る所に青山あり
    人間は故郷を出て大いに活躍すべきであるということ。 「人間」は世の中、「青山」は墓地の意味。 人間はどこで死んでも骨をうずめる所ぐらいはあることを示す。 出典は、憂の詩僧・月性の漢詩の 「男子志を立てて郷関を出づ 学若し成る無くんば復還らず 骨を埋むるに何ぞ期せん墳墓の地 人間到る処青山有り」。 ちなみに、「青山」って素子の名字でもある。(^^;
    色即是空 空即是色
    この世のすべては実体がなく、執着すべきものは何もないということ。 「色」は人間の五感で捕らえられるすべてのもの、「空」は空虚・むなしさの意味。 出典は、「般若心経」の 「色は空に異ならず、空は色に異ならず。即ち是れ空、空は即ち是れ色」。
    則天去私
    自分本位の考えを捨て、大自然に従って生きること。 夏目漱石が、晩年に到達した文学観・人生観である。

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