- エピローグ2で、花嫁のなるが投げたブーケをひなたガールズが必死で受け取ろうとしています。
これは「ブーケトス」という欧米の風習です。(本来は後ろ向きで投げます)
しのぶが言っているように、ブーケをキャッチした独身女性は、次の花嫁になれるという幸福のおすそわけの意味があります。
この風習の起源は、14世紀のイギリスであると言われています。
当時は、結婚式の列席者たちが、おめでたい出来事にあやかろうと式典の終わりに、
花嫁のドレスを引きちぎったり、ブーケの花やリボンを奪い取ったりしていたので、
しばしば会場は混乱し、ケガ人まで出ていました。
そこで花嫁はその予防策として、ブーケを投げるようになったということです。
なお、ブーケトスをした後は、花婿が花嫁の脚に付けているガーターをその場で外して、
独身男性に投げる「ガータートス」という習慣があるのですが、
ウェディングドレスの中に手を入れて外すためか(正式には頭を入れて口で外す)、日本では定着していません。
- エピローグ1の裏設定で、むつみは医学部に在籍していることになっています。
東大の医学部医学科に進めるのは、
単位を満たしている理3類の志望者全員と、理1類から1名・理2類から約10名の高成績者ということになっています。
文科のむつみが、医学部医学科に進んだのであれば、
一旦、文科から進める学部を4年で卒業してから、
医学部大学院修士課程の医科学専攻コースを受験して合格した可能性が高いと思われます。
毎年20名程度を取るそうです。
なお東大の医学部では、5・6年生はもちろん途中から修士に入って来た者であっても、「大学院生」とは呼ばないそうです。
- エピローグ1で、スゥが異星人(絵馬)を見つけて、「第一種接近遭遇」と言っていますが、
これは誤りで、正しくは「第三種接近遭遇」に当たります。
接近遭遇分類は、元米空軍UFO研究部科学顧問で天文学者のジョセフ・アレン・ハイネック博士によって提唱されたもので、
「第一種接近遭遇」はUFOの至近距離(150m以内)からの目撃。
「第二種接近遭遇」はUFOが目撃者やその周辺に影響を与える状態にまで近づくこと。
「第三種接近遭遇」はUFOの搭乗者を目撃、ときには肉体的接触を行った状態。
と分けられています。
- 第118話で、神鳴流の道場が国の重要文化財に指定されていますが、
建造物は文化財の種別の中では「有形文化財」に該当します。
文化財保護法の第27条によると、
有形文化財のうち重要なものを重要文化財に指定することができるのは、
文部科学大臣(2001年8月なら、小泉内閣の遠山敦子さん)です。
- 第118話で、景太郎となるが山手線に乗り続けていますが、
山手線が約1時間で1周すること、第119話でなるが9時56分ごろ乗り込んだことを考えると、
終電の時間から見て、14周ぐらいしたのではないかと思われます。
なるが目を覚ましたのは確率的に見て、大崎車庫のようですが、
運行番号07Gの車両は平日なら、19時59分に池袋着後、車庫に入るようです。
- 第117話でアナウンスされている「シンガポール行き205便」は実在しません。
一応、成田発パリ行きの全日空機に、205便というのが存在します。
- 第114話で、サラが言っている「せんしっぽ」とは、中国拳法・八極拳の秘伝「箭疾歩」のことです。
敵との距離を一歩で近づく歩法で、相手の距離感覚や時間感覚を狂わせるという効果があります。
また、体当たりの勢いが突きに加わるので打撃力も絶大になります。
- 第113話の中の皆既月食の変化ですが、
月がだんだんと満ちていった末に赤い満月になったかのように描かれていますが、これは間違いで、
実際は、満月がだんだんと欠けていった末に赤い満月になります。
(赤松先生談・月は非常に適当に描いているんだそうです。)
- 第111話で、なるが飛行船を上っているときと駆け下りているとき、「映画でこーゆーのあった」と言っていますが、
前者は「天空の城ラピュタ」、後者は「ルパン三世 カリオストロの城」だと思われます。
- 第111話で、はるかが瀬田に使っている技は、八極拳の大纒崩捶という技です。
槍術の崩桃槍を応用したもので、振り上げた腕を敵の胸や股間に当てて投げ倒す技です。
- 第109話で、ひなた荘に届いたFAXの送信元の電話番号に「012-3…」と書かれていますが、
日本に「012」という市外局番は存在しません。
「0123」という市外局番なら、北海道恵庭市・千歳市のエリアが該当します。
- 第109話で、疾風が小さくなっていますが、これは式神という設定であるためです。
式神とは、人間的な感情や柔軟性が全くなく、思考能力も限りなくゼロに近い召使のようなものです。
主に紙を材料にして人間や鳥獣などの形代を作り、
それに呪文を唱え、息を吹きつけるなどして霊を込め、実体化させます。
陰陽道では、この式神の操作こそが最重要の秘訣とされています。
式神が忠実になるか気まぐれになるかは、それを操る陰陽師の力量次第らしい。
- 第108話で、景太郎が素子に渡したシャーペンは、三菱uniの「シャ楽」です。(赤松先生愛用品)
なお、実際の中国拳法には、「判官筆」という筆の形をした武器があります。
中央に中指を通す輪が付いていて、主に点穴に使います。
ちなみに、「判官筆」という名前には、「判官(裁判官)の筆は人の命を左右する」という意味も含まれています。
- 第105話で、なるたちが稚内駅から宗谷岬まで疾走していますが、
実はこの区間、約30kmの距離があります。
- 第104話に出て来た「はつかり13号」は実在します。
盛岡駅 14時48分発で、函館駅には 19時13分に着きます。
- 第103話に出て来た「やまびこ31号」は実在します。
仙台駅 8時8分発で、盛岡駅には 9時29分に着きます。
つまり景太郎は1時間ぐらいしか寝られません。
- 第102話で、キツネが左目に眼帯をしているのは、「あしたのジョー」の丹下段平のマネです。
主人公・矢吹丈のトレーナーで、後にジョーの必殺技になるクロスカウンターを教えました。
クロスカウンターは、相手が右(左)を打ち込もうとする反動を利用して、左(右)を合わせるパンチで、
相手のパンチの4倍の威力があるらしい。
- 第102話で、なるが「芭蕉の奥の細道は門人曾良を伴って」と言っていますが、
実は曾良は、旅の最後までは同行していません。
江戸の出発から120日余りも芭蕉と旅を共にした曾良でしたが、
石川県の山中温泉に到着した頃、腹を病み、
このままでは師の旅の足手まといになると判断して、ここで芭蕉と別れて一人で江戸に戻りました。
芭蕉は寂しさを表すかのように、「今日よりや 書付消さん 笠の露」と句を詠んでいます。
(芭蕉は出発するとき、笠の裏に「乾坤無住 同行二人」と書いたのだそうです。)
なお、「曾良随行日記」によると、
曾良は、山形県の温海温泉に立ち寄るために、
出羽と越後の国境である鼠ヶ関の前後でも、芭蕉と別行動を取っています。
- 第102話で、サラが「輸入だろ 日本のバナナ」と言っていますが、これは全くその通りで、
平成11年の大蔵省貿易統計によると、日本のバナナは、
主にフィリピン(73.9%)から輸入されていて、次いでエクアドル(20.1%)、台湾(4.5%)、中国(0.9%)と続きます。
その他、メキシコ・ドミニカ・ハワイなどからも輸入されています。
その量は、年間平均86万トンにもなり、これは日本人1人あたりが1年間に約50本消費していることになります。
また、日本に輸入されている果物の半数以上も占めています。
- 第102話に出て来た「新庄行き つばさ111号」は実在します。
東京駅 6時32分発で、山形駅には 9時11分に着きます。
景太郎たちは、時間的に見て、かみのやま温泉駅(9時1分着・9時2分発)から乗り込んできた模様です。
また、東京−山形間の新幹線の料金は、運賃が5780円、通常期自由席特急料金が4380円で、合計10160円。
7人分で71120円で、山形駅の駅員さんの計算は間違ってます。
- 第99話に出て来た「サウナマシーン べなれす君」。
ベナレスとは、インドのガンジス川のほとりにある街の名前で、ヒンズー教の聖地です。
この街のガート(木浴場)で朝日に向って沐浴することが、ヒンズー教徒にとって一番尊いこととされているようです。
- 第96話で「忠臣蔵」が出て来ました。
忠臣蔵は、元禄14年(1701年)3月14日、江戸城本丸白書院松の廊下で、
播州赤穂藩主・浅野内匠頭が、高家の吉良上野介を斬りつけ負傷させたことから始まりました。
これにより、内匠頭は即日切腹、浅野家は改易となりましたが、上野介については咎めがありませんでした。
このことを不服とした浅野家の家老・大石内蔵助をはじめとする家臣47人が、
元禄15年(1702年)12月14日、吉良邸に討ち入り、君主の仇を取ったという事件です。
- 赤穂浪士は、いろいろな職業に身をやつし、吉良邸の様子を探りました。
前原伊助は米屋に、神崎与五郎は小豆屋に、大高源五は茶人に変装しました。
なるが言ってる屋台で敵情視察をしていたのは、蕎麦屋に扮していた杉野十平次です。
- 内蔵助役をやっている可奈子は、陣太鼓を鳴らして討ち入ってます。
「忠臣蔵」でも、一打ち二打ち三流れの山鹿流の陣太鼓の音を合図に討ち入ったことになっていますが、
これは、明治時代の浪曲師による創作とされています。
討ち入る前に大きな音を出したら、奇襲の意味がないからです。
- 上野介役をやっているキツネは、酒蔵に隠れていました。
「忠臣蔵」では、上野介は庭隅にある炭小屋に隠れていました。
実は、吉良邸の間取り図には炭小屋がないことが確認されています。
また、当時の旗本たちは、木炭を大量に保管するような炭小屋は持たず、茶道具などとともに「炭納戸」に入れて保管していました。
上野介は、この「炭納戸」の中に隠れていたようです。
- 第93話で、くすぐられたなるが「ル ルパ○!?」「不○子ちゃんなの〜っ!?」と言っていますが、
これは、「ルパン三世」旧シリーズの第1話「ルパンは燃えているか‥‥?!」の中のネタを指しています。
敵に捕まった峰不二子が、台に磔にされて、その台から出て来た無数のマジックハンドにくすぐられて喘ぐシーンがありました。
当時、こんなAVのような場面が日曜の夜7時半に放送できたのは、1971年だったからでしょう。(^^;
- 第93話で、可奈子の部屋に「真空片手駒」という掛け軸がかかっていますが、
これは、ゲーム「KOF(THE KING OF FIGHTERS)」の二階堂紅丸の必殺技です。
片手を地に着いて軸とし、駒のように回転して放つ蹴り技です。
元ネタは、「破裏拳ポリマー」の「真空片手独楽」です。
- 第91話で、2001年の桜花賞の予想を
キツネが2−5、可奈子が3−8と予想しましたが、
実際の馬連は8−13で、配当は1080円でした。
マガジン掲載時は天皇賞でしたが、これも1−5で、配当は500円でした。
- 第91話で、スゥが「サナダさん」と言っていますが、
これは、「宇宙戦艦ヤマト」のメインキャラである技師長(後にヤマト副長)の真田志郎のことです。
天才科学者で、ヤマトの主力武器のほとんどは彼が開発しています。
ピンチになると、「こんなこともあろうかと・・・」と言って、
ちゃんと対策用の発明品を作っておいてくれる予測の達人でもありました。(^^;
子供の頃の事故で両手両足を失い、彼の体は義手義足(爆弾内蔵)です。
- 第90・92話に出て来た「東大まんじゅう」は実在します。
実際には、「東京大学」という文字が焼印されています。
5個入り800円、10個入り1500円で、東大の各購買系店舗と一部の食堂にて販売。味は、黄身餡と粒餡です。
製造元は、東京都八王子市の青木万年堂。
- 第90話で、可奈子が女子寮を閉鎖して住人たちを追い出そうとしていますが、
借地借家法第27条に
「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。」
とありますので、即日に追い出されることはありません。
ただ、借地借家法第28条に
「建物の賃貸借の解約の申入れは、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。」
とあります。この場合の旅館として建物を使用することは、6ヶ月以内に借家人を立ち退かせるための正当事由となります。
- 第89話で、スゥが「黒猫が前を横切ると不幸になる」と言っていますが、
これは中世の頃、黒猫は魔女の手先であると考えられていたことに端を発する言い伝えです。
不幸を祓うには、その場で唾を3回吐いて十字を切るとか、来た道を戻って別の道を使うとかいう方法があるようです。
- 第88話で、景太郎は521便の飛行機でアメリカに旅立ちましたが、
2000年11月の成田空港発の全国際線の中に、521便という飛行機は存在しません。
- 第88話で、素子が晴明神社のお守りを景太郎に送っています。
晴明神社は、平安時代最強の陰陽師・安倍晴明を主祭神とする神社です。
京都市上京区堀川通一条上ル晴明町にあります。(つまり、京都の鬼門)
ここは晴明の屋敷のあった場所とされています。
建てられたのは、晴明が亡くなった2年後の寛弘4年(1007年)で、一条天皇の勅旨でした。
境内のあちこちには、晴明が考案したとされる五芒星(正式名:晴明桔梗印)が見られます。
この印は、陰陽五行の宇宙観を形象化した呪符で、魔除けの役割もあると言われています。
ですから本来なら、晴明神社のお守りには、この五芒星が描かれてないといけないんですね。
- 第87話で、景太郎が「君の瞳にカンパイ」と言っています。
これは映画史上に残る有名なセリフで、「カサブランカ」に出て来ます。
シャンパンで乾杯する場面で、 ハンフリー・ボガードがイングリッド・バーグマンに言います。
英語では、「Here's looking at you, kid!」と言っているので意訳なのですが、
バーグマンの美貌と綺麗な瞳を踏まえて、乾杯のときの決まり文句「Here's to you!」を洒落た表現にした名訳とされています。
- 第86話で、ハロウィンを祝っています。
「ハロウィン」とは、10月31日の夜に行われる万聖節(11月1日)の前夜祭のことです。
古代ケルトでは、この日が1年の終わり(つまりケルト暦の大晦日)を意味していたので、
秋の収穫と新年を祝う「サムハイン祭」という祭りをしていました。
また、この日の夜は、闇を徘徊する悪霊を追い払うことができ、
死者の魂が家に帰れると信じられていたので、先祖の霊を迎える行事も行いました。
これをキリスト教の聖人すべてを祝う「万聖節」の前夜祭として吸収されたのが、現在のハロウィンです。
いまでは、カボチャに目鼻口を開けて、中に蝋燭を灯した提灯「Jack-o'-lantern」を作って飾ったり、
子供たちがお化けや怪物に仮装して、
「Trick or treat?(悪戯が嫌ならお菓子をちょうだい)」と言って近所の家を訪ね歩く行事などが一般化しました。
カボチャの提灯を飾るのは、悪霊を追い払うと同時に、先祖の霊が帰る際の目印にするためです。
(この風習がアメリカに渡って来る前は、カブの提灯を使っていました。)
子供たちが、恐ろしい仮装をするのは、
悪霊たちを驚かせて追い払うためという説と、悪霊そのものの真似をしているという説があります。
近所の人を脅かして、お菓子をもらうようになったのは近年のことらしいです。
- 第81話で、景太郎が壺を持って言っている「これはいいものだーっ」というのは、
「機動戦士ガンダム」の敵キャラで、壺マニアのマ=クベのセリフです。
- 第80話に出て来た台風9号(2000年)の実際の動きですが、
8月10日3時、北緯14.5°東経139.1°の太平洋上で発生して、本州に向かって北上し、八丈島の南で北東に進路を変え、
8月20日3時、北緯39.5°東経150.7°の三陸沖で消滅しました。
つまり、沖縄付近は通過していません。
- 第77話で、はるかが八極拳の達人であることがわかりましたが、
八極拳とは、清代、中国河北省滄州で発生した拳法です。
敵を打つときに、激しい震脚とともに体ごと飛び込んで行く接近戦を得意とします。
猛烈な発勁を誇り、その打撃の威力は中国拳法の中で一番と言われています。
敵の門(防御)を六大開と呼ばれる六種の開法(頂・抱・[手単]・提・跨・纒)をもって打ち破ることから、
正式には、開門八極拳と言わています。
ちなみに、はるかが使っているのは、外門頂肘という脇の下を外側から打つ技です。
- 第77話で、瀬田がはるかの左手小指に指輪をしていますが、
古代ギリシャでは、小指には霊感を強くしたり、予知能力を伸ばしたりする力があると言われていたので、
小指にはめる指輪には、異性除け・結婚除けの力が宿るとされていました。
ちなみに、小指にはめる指輪は「ピンキーリング(pinky ring)」と言います。
- 第76話で、しのぶがお子様ランチを食べていますが、
実は、多くの店で、お子様ランチは、大人が注文できない料理になっています。
中には、8歳未満限定などの年齢制限を設けている店もあります。
理由は、原価率の問題で、お子様ランチは、原価が高くて利益率の低い出血サービスメニューであるためです。
つまり、お子様ランチは、大人用の食事をしてくれた親御さんへのサービスであって、
大人にお子様ランチだけを食べられては、商売が成り立たないのです。
- 第75話でスゥが七夕とは何か尋ねています。
日本の七夕祭は、奈良時代から行われてきましたが、
中国の宮廷行事「乞巧奠(きこうでん)」
(天帝の娘織女と牽牛の星の恋物語に因んだ星祭。女性たちが糸を通した針を祭壇に奉げて、織姫に針仕事の上達を祈るという行事。)と、
日本の農村の禊の行事
(7月7日の夕べに、巫女が水上に棚を作って機を織る禊ぎの行事があった。
その巫女を棚機女(タナバタツメ)と言った。「七夕」の当て字は、ここから来ている。)
の2つを混合した行事になっています。
七夕の笹飾りは、日本独自のもので、古来より日本のこの時期は、
笹や人形を川や海に流すような水に関する行事が多く行われていたので、
江戸時代頃から、笹の葉に願い事を書いた短冊を吊して、
織姫と彦星に願い事をかなえてもらえるように祈る風習が生まれたようです。
- 第73話で妖刀「ひな」が出てきますが、普通、妖刀と言えば、「村正」の銘のつく刀剣が有名です。
「村正」とは、室町時代から江戸時代初期、伊勢桑名で三代続いた刀鍛冶の名であり、
彼らの作り出した一連の作品の銘です。
鋭い切れ味の刀、短刀、槍などたくさんの作品が残っていて、
尖った互の目で表裏の波紋が揃っていることが作刀上の特徴です。
村正の妖刀伝説は、時の権力者であった徳川家康に祟ったことが起源になっています。
家康の祖父の松平清康や父の松平広忠を斬り殺した刀、嫡男の信康を介錯した刀、
関ヶ原の合戦のとき家康に怪我を追わせた槍が、すべて村正だったのです。
不吉なものを感じた家康は、家中のすべての村正の廃棄を命じました。
そして、このことを聞いた他の大名たちも、徳川家への忠誠を示すために村正を敬遠しました。
(幕府に反感を抱く、福島、真田、島津などの外様大名は村正を密かに愛用したらしい。
また、幕末時代、倒幕の志士たちは競って村正を買い求めたらしい。)
やがて、この話は民衆にも流れ、
村正を帯刀した武士が発狂し、友人を惨殺した上、自害する事件を起こしたとか、
村正を売ろうとした刀商が、銘を削って正宗としたが、その短刀で妻に自害されてしまったとか、
泥棒が村正を盗もうとしたら、自然と鞘走った村正に腕を斬り落とされたとかいう
徳川家とは無関係な怪異談が次々と生まれていき、いつしか持ち主に祟りをなす妖刀という伝承ができあがってしまったようです。
実際のところは、当時、村正は、多量生産される名刀として知名度があり、
生産地の伊勢が徳川家の三河に近かったために、
村正を所持している徳川家の武士は、たくさんいたようです。
そのため、村正で死傷するのは珍しいことではなかったらしい。
- 第73話で、素子が「お酢は美容と健康に良い」と言っています。
これはその通りで、酢には、疲労で酸性に傾いた血液を弱アルカリ性にする力があります。
つまり、血液内に溜まった乳酸を分解して筋肉を柔らかくするので、疲れや痛みを取り去る作用があるのです。
また、余剰な栄養分を分解し、脂肪として蓄積されるのを防ぐ一方で、
体内に取り込んだ栄養分のエネルギーへの代謝を促進する作用もあるので、肥満の防止にもつながります。
しかし、体脂肪を燃やす作用はありませんので、ただ酢を飲んでいるだけでは痩せません。
- 第73話で、素子がスゥに切腹の介錯を頼んでいます。
実はほとんどの人間が、刀を腹に1cmぐらい突き刺しただけで、腹膜ショックを起こして気絶します。
腹膜ショックは神経の反応なので、どんな強靭な精神力の持ち主でも起きるらしいです。
つまり、時代劇のように腹を切り裂くどころか刀を十分に刺すことさえもできなかったので、
切腹のときに介錯人が首を斬り落として死に至らしめることは必要だったみたいです。
また、刃物を持たせて切腹に臨ませると、死を目前にした武士が暴れ出したときに危険なので、
普通は、扇子や木刀で切腹の格好だけ真似させて、介錯で済ませていたようです。
- 第71話でなるが言っている店は実在します。
シナボン吉祥寺サンロード店
東京都武蔵野市吉祥寺本町1−98
1985年にアメリカ・シアトルで創業し、現在、アメリカ・カナダ・メキシコで約400店ほどあるシナモンロールパンの店。
2000年4月現在、日本には2軒(吉祥寺とお台場)しかない。
大勝軒
東京都豊島区東池袋4−28−3
開店前から行列のできる正統派東京ラーメンの店として有名。
中太の自家製麺とコクのある醤油味スープ。つけ麺が人気がある。
- 第70話で、景太郎の足を骨折させた武道館のタマネギですが、
高さは3.4m、重さは約3.5tもあるそうです。値段は500万円とか。
- 第68話でなるが下痢を薬で止めていますが、
そもそも下痢とは、体の中に入ってきた毒を外に出す正常な機能(腹痛は毒を知らせる注意信号)なので、
無理に消化薬などで止めてしまったら、胃腸が毒を吸収してしまい、体をますます痛めてしまいます。
下痢をしたら、何も食べずに水分だけを十分に取って、排泄に身を任せるのが正しい処置です。
(ただし、ストレス性の下痢は例外)
- 第64話で、砂漠に遭難した景太郎たちが日中歩き回っていますが、これは自殺行為です。
砂漠で遭難したら、救援が来るのを動かずに待つのが最善策です。
できれば陽射しを避けて、涼しく静かに過ごし、体液を保持することが大事です。
身を隠す場所がない場合は、東西一直線に深さ1mの細長い溝を掘ります。
溝の底は、陽が届かない上、地表に比べて温度が60度も低くなります。
また、救援を待つ際、「鏡」を持っているとベストです。(必需品の優先度は「水」より上)
- 第63話で登場したニャモ・ナーモ。
「ニャモ」とは、マレー語で「蚊」のことです。
「ナーモ」とは、J・R・R・トールキンの「シルマリルの物語」に出て来る神々の一人で、
運命を宣告する役を担う男性神です。死者の家の管理者であり、殺害された者たちの霊魂の召還者です。
- 第62話で、景太郎が注文している「ムートード」とは、タイ料理の「豚の唐揚げ」のことです。
タイ語で、「ムー」は豚肉、「トード」は唐揚げを意味します。
赤松先生は、旅行の本から適当に選んだんだそうです。
- 第61話で、ゾウガメが出て来ますが、現在、ゾウガメというと、
インド洋上のセーシェル諸島やアルダブラ諸島に分布するアルダブラゾウガメと、
太平洋上のガラパゴス諸島に分布するガラパゴスゾウガメの2種類しか生息していません。
景太郎が出会ったのは、ガラパゴスゾウガメと思われます。
ゾウガメは、水も餌もなしで、1年以上生きる事ができるので、
捕鯨船や海賊船の食料や油として乱獲され、絶滅の危機に瀕している国際保護動物です。
食べ物は、植物、主にサボテンなどの新芽や果実。
甲長は1メートル以上、体重は100キロを越える。
- 第61話で出て来たパララケルス島の語源は、スイスの錬金術師パラケルスス(1493〜1541)だと思われます。
彼は、一般的に、錬金術的化学と現代科学の接点を持たせた人とされています。
大学教授のポストを蹴って、各地を放浪しながら鉱山などで医者として活躍し、
金・銀を作ることではなく、効き目のある医薬品を作ることを志していました。
当時の二元素説(物質は、「水銀」と「硫黄」で構成されているという説)に、第三の原理「塩」を加え、
三元素仮説(物質は、「水銀」と「硫黄」と「塩」で構成されているという説)を提唱して、
病気はこれらの元素の混合の割合が乱れたことが原因で起こると考え、様々な医薬品(水銀塩など)を試用しました。
(赤松先生によれば、適当に考えたんだそうだが・・・)
- 第57話に出て来たお菓子用語
- デコレーション : クリ−ム等でケーキ等を飾ること。
- アイシング : 卵白と粉砂糖を混ぜて作ったデコレーション用クリーム。
塗ると薄氷が張ったように見えるところからこの名前が付いている。
- コ−ティング : チョコレ−トやフォンダン(水と砂糖と水飴を合わせ煮詰めたもの)等で
ケーキ等を被覆すること。
- レードル : 玉杓子のこと。柔らかい生地、クリーム類、ゼラチン液などをすくうときに使う。
- 第55話で、景太郎が「百年戦争」を1337年と暗記しています。
実は、百年戦争開戦については諸説あります。
1337年に、フランスのフィリップ6世がイギリスのエドワード3世に、
南フランスのアキテーヌ公領の臣従宣誓の不備を突いて領土の没収を宣言したところ、
エドワード3世が戦争での決着を挑んできたのが始まりだとする説が主流となっていますが、
以前からこの2人は、フランスの王位継承権のことでもめていたので、
1340年に、ガンで開かれたフランドル等族会議で、
エドワード3世が「フランス王」を名乗った時点を戦争開始とする説があります。
また、1339年に、北フランスのフランドルで実際に軍事的衝突が起こった時点を戦争開始とする説もあります。
- 第54話のスケートで、なるが景太郎を振り回しているシーンがあります。
あれは、フィギュアスケート・ペア競技の「デス・スパイラル」という技で、
ペア競技で組み込まなければならない要素の1つになっています。
(ショート・プログラムなら女子が最少1回転。フリー・スケーティングなら1回。)
本来は、男性のピボット(フロア上で片足でクルクル回ること)で、
女性を自分の周囲に円を描かせるように回転させる技です。
女性の体が良く伸び、また反っているのが良いとされています。
女性が前向きに滑ったり、後ろ向きに滑ったりするバリエーションがあります。
空中を振り回すのは危険なため、アマチュアでは禁止されています。
- 第51話で、「ジングルベル」の歌詞を使用するのに、
JASRAC(日本音楽著作権協会)の許諾を取っています。
雑誌に歌詞を使用する場合、その発行部数によって1曲あたりの使用料が違います。
週刊少年マガジンは、400万部以上の発行を誇っているので、
一番高い「100万部を超える場合」の51,000円を支払ったものと思われます。
- 第49話のリッド君のアニメの曲は、
「ガンバの冒険」のOP「ガンバのうた」のパロディです。
♪ リッド リッド リッド君と仲間たち → ♪ ガンバ ガンバ ガンバと仲間たち
♪ しっぽをたてて → ♪ しっぽをたてろ
♪ ウミネコの背にのって → ♪ アホウドリの羽の上
キャラは、リッド→ガンバ、ハカセ→ガクシャ、オオボケ→ボーボ という役どころみたいです。
- 第47話で、むつみが亀甲占いをしようとしています。
亀甲占いは、占うことを決めたら、亀の甲羅に小さな穴をいくつか開けて、そこを火であぶり、
そのときできるひび割れ(兆)の形を見て、吉凶を決める方法です。
その後、占ったことを占い字(卜辞)と呼ばれる墨字で書き、文字を彫ります。
殷代(紀元前18〜20世紀)の中国で、国の大事を決定するのに多く用いられました。
「卜(ぼく)」という字は、ひび割れの象形文字で、「占い」を意味するのはこのためです。
また、「ぼく」という音も、甲羅がひび割れるときの音をそのまま表わしています。
「占」という文字も、卜を口で伝えるところから生まれました。
余談ですが、夏王朝の皇帝が、治水工事を行う際に亀甲占いをしようとして大きな亀を見つけたところ、
その甲羅が9つの模様に分かれていて、各模様の中にある点の数を縦横斜めに合計してみたら、すべて同じ数になりました。
これが魔法陣の発見であり、「9」という数字が天意を表すものと考えられて九星占星術が生まれました。
- 第47話で、むつみが「寒さは禁物」と言って、コタツでスイカを出していましたが、
暑い土地や暑い季節の果物は体を冷やす作用があるので、寒いときにスイカを食べるのはよくありません。
逆に、ミカンのような寒い季節の果物は、体を温める作用があるので、
風邪予防の効果のあるビタミンCの補充も兼ねて、ドンドン食べるべきです。
季節にはその季節の果物を食べるのが正しい食べ方です。
- 第44話のカンフー映画の字幕に書かれている「考えるな 感じるんだ (Don't think, Feel!)」は、
「燃えよドラゴン」に出てくるブルース・リーの有名なセリフで、截拳道の極意を表現しています。
ちなみにこの後、
「It is like a finger pointing a way to the moon. Don't concentrate on the finger or you will miss all that heavenly glory.
(それは月を指さすようなものだ。指先に集中していたら、天の美観が見えなくなってしまうぞ。)」と説明が続きます。
- 第43話で出て来た「ネバーランド」は、ピーターパンの住む国の名前です。
いつまでも子供のままでいられる場所です。
道順は、2つ目の星を右へ曲がり、朝までまっすぐ!
- 第42話で出て来た競走馬の名前ですが、
オンラインゲームの名前のもじりになっています。
・ アルティマライナー → ウルティマオンライン
・ ディアボロス → ディアブロ
・ ネバークエスト → エバークエスト
- 第41話で赤い月が出て来ますが、
月は南中高度が一番低くなる夏至の頃に赤くなりやすいです。
(欧米では、この時期の満月のことを「ローズムーン」とか「ストロベリームーン」と呼びます)
月光が大気を通過する距離が長くなるため、
大気に散乱・吸収されやすい短い波長の青系統の光が少なくなり、
透過しやすい長い波長の赤系統の光だけが届くようになるからです。
そして、火山の噴火などで大気中に舞う細かい粒子も、青系統の光をよく散乱・吸収します。
また、皆既月食のときに月が赤くなるのも、
大気によって青系統の光が散乱・吸収された太陽光が地球を回り込んで月に照らすためです。
- 第41話でスゥが言っている「アンビリカルケーブル」は、
「新世紀エヴァンゲリオン」に出て来た電力を供給するケーブルのことです。
「UMBILICAL CABLE」は「臍の緒」を意味します。
- 第41話に出て来た台風15号(1999年)の実際の動きですが、
9月13日21時、北緯18.1°東経116.5°の南シナ海で発生して北西に進み、中国河南に上陸後、
9月17日12時、北緯24.0°東経112.2°で、弱い熱帯低気圧になりました。
つまり、日本には上陸していません。
- 第39話で出て来たスゥの「クリシュナちゃん」ですが、
「クリシュナ」とは、ヒンドゥー教の温和と慈愛の神ヴィシュヌ(三大神の一人)の化身で、
「あまねく行き渡る」という意味があるらしい。
人気の高い神様で、インド全土で篤く信仰されています。
一般的に、四臂で描かれますが、
右上手は円盤、右下手は棍棒、左上手は法螺貝、左下手は蓮華を持っています。
実は、男性の神様です。
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