古今亭 菊之丞

中学の頃から一人で寄席に通い、 地元では「落語少年」として有名だったそうだ。 そのせいか、 いい意味で「今どきの人でない」顔をしている。 落語に出てくる「役者にしたいようないい男」とは、 菊之丞さんのような顔を言うのかもしれない。 芸風のほうも、 若々しさの中にもどことなく古風な味がある。 この人の演じるキャラクターでは、 若旦那やおかみさんもいいが、 幇間がまた妙にいい。

来年になると、 落語協会の二ツ目では上から三番目になる。 いよいよ真打が射程距離に入ってきた。 真打昇進を間近に控えた噺家が、 一所懸命になってネタを増やしたり、 持っているネタに磨きをかけようとしているのを見るのは気持ちがいい。 菊之丞さんを今からチェックしておこう。 (2002-07-30)