谷口の意思を引き継ぎ、継承していく為に、今年の「1999 PHOTO DIMENSION 〜写真の広がり〜」展を初年度とし、
5年ないし10年のスパンで運営を行なう。運営費用に関しては、東川町が
予算の計上を行なうというもの。現在、町側と話し合っているところですが、
今までは全て、参加作家持ちだった費用を 町が予算を計上して下さる
というだけでも大変ありがたいことです。来年も引き続き運営されることは
まちがいない話です。今後ともご協力をお願いいたします。
これからはソフトの時代だと言われています。大きな器を作り続けてきた
時代は終わるのかもしれません。それよりも、その大きな器の中で何が
行なわれ、何を行なうのかが重要になってくるのだと感じています。
自分自身のスタンスをはっきりできる人たちがたくさん生まれ育ち、
そして、そのネットワークこそ、これからの時代なのではないでしょうか。
これは、写真だけのことではないと思います。
えらそうなことを言ってすみません。でも、50代から40代、40代から30代と
世代の継承の意思がなければ、私たちが見直すもの、残すべきものが
はっきりしないまま寸断していくのではないでしょうか。
これからは、もっと歴史を語ることです。自分よりも若い人たちに伝えることです。
そんな思いで、谷口の「PHOTO DIMENSION 〜写真の広がり〜」は続いて
いけたらと思っています。「20代〜30代の若手といわれる写真家の発掘の場、
そして育成を目的」とし、「サブカルチャーとしての写真というよりもカルチャーとしての
写真の軸をゆるがないものとし、世代からの提言を試みたい」と思っています。
また、お会いできる日を楽しみにしています。お体を大切に。
99年9月19日 「写真タワープロジェクト」代表 谷口雅彦