仕事じゃないんか?(^^;)
電話の池袋の彼女
ちょうど土曜ゴールデン洋画劇場を見ていた頃、一本の電話が鳴った。
「こんばんわー、あのー、七瀬(仮名)ですけど〜」
なんか、やたらに元気がいい。が、七瀬さん、僕の知らない人。こういう知らない女性からの電話は間違い電話よりはセールスの電話であることの方が多い。特に港区に引っ越してきてから多い。今日は土曜日なせいもあってか、朝からこの手のセールスの電話3本目である。1本目のマンションの勧誘で起こされ、2本目は昼過ぎにガソリン先物取引の電話、そして3本目が来たらしい。
「あ、あの〜、すみません、私たちはぁ、池袋で宝飾店をやっているお店でしてぇ・・・」
ほら来た。宝石店は以前もあったよね。ま、いいや、暇だからお話につきあってみましょう。
「いや〜、私たちはですね池袋にある宝飾店なんですよぉ、それでぇ、ぜひぃ、ちんたさんにもうちの店のこと知ってもらいたいなぁって思って電話かけたんですよぉ」
ふむふむそうですかぁ(←暇なのでつきあってる)
「今日はお休みなんですかぁ?そうですかぁ、いいですねぇ、私仕事なんですよ〜、それも今日は電話当番で・・・」
こらこら自分で言うな(^^;)。なんでもこういうセールスの電話はお店の女の子で持ち回りで、当番の時はオフィスで電話をかけるのがお仕事になるんだそうで。やっぱりお店に立つ方がおもしろいらしく、七瀬さんとても電話番はたりぃんだとか・・。うーん、なんでもいいが七瀬さん、ちとあけすけ過ぎないかい?(^^;)いや、僕はそれでも楽しいけどさ、聞いてて。
「どうですかぁ?宝石とか興味ありますかぁ?彼女さんとか欲しがるんじゃないですかぁ?」
う〜んそうなのかなぁ?あなたもやっぱ欲しい?ふ〜ん、でも彼女があなたみたいに宝飾店の人だと、目が肥えちゃってるから男としても宝石はあげづらいよねぇ・・・
「そうなんですよぉ。前、つきあってた彼氏なんかもそうだったらしくって、くれたのは宝石じゃなくって電子レンジでしたよ〜」
うわ、電子レンジですかぁ。あなたセールスの割にはおいしいネタかけてきますねぇ。
「それでも、お店でいつも見ているとやっぱり欲しくなっちゃうじゃないですかぁ、でも誰もくれないんですよぉ。悲しくないですかぁ?結局、自分で買っちゃったんですよぉ」
げらげら、何言ってんだ、こいつ?(^^;)おもしろすぎ(^^;)。
なんか話しやすそうな子なのでちょっと聞いてみよう。あのさぁ、僕の名前と電話番号さぁ、それ、どういう名簿に載ってるの?
「え〜、え〜とですねぇ・・・言っちゃっていいのかなぁ・・・え〜と、なんか名簿屋さんから買った名簿らしいですよぉ、よくわかんないですけど、え〜と、お名前とぉ、港区に住んでるってこととぉ、あと電話番号、その3つが書いてありますよぉ」
そうなのかぁ。いや、ずっと気になっていたのだけど、七瀬さん僕のことを「健さん、健さん」と呼ぶのである。健さん・・・そこで「自分は生涯ポッポ屋ですから・・・」ってのはあまりにベタなギャグっすか?最初は名前の最初の文字を親しみ込めて呼んでるのかな?と思ったらどうも違うらしい。名簿に「ちんた 健」とそのものズバリ書いてあるらしいのだ。う〜む、心当たりはありまくり。実は1ヶ月前、暇だったのでネット懸賞に応募しまくって、10件ほど応募してみたのだけど、面白いので実験として、全部、下の名前は変えて応募してみたわけだ。で、どうやら、その名簿はその懸賞に応募した人のリストから漏れているらしい。う〜ん大きな新聞社だと思って信用していたのだが(^^;)。でも、こんなところで、そんな名簿の流れがわかって、なんだか海に流した手紙入りの瓶の反応が返ってきたような感じでうれしい。ネット懸賞には注意しましょうね、という感じ(おまけに宝石の懸賞じゃないんだぞ、それ(^^;))。
「え〜、でも港区に住んでるんですかぁ?港区ってなにがあるんですかぁ?東京タワーですかぁ?」
相変わらず七瀬さん、屈託がない。まぁ東京タワーはあるよ、いちおう港区に。う〜ん、何があるかっていると難しいけど、六本木とか青山は港区だよね。
「え〜〜!すごいアダルトな街じゃないですかぁ、そんなところに住んでるなんてなんかすごいですよぉ。アダルトな人の街って感じするじゃないですかぁ。私なんか練馬ですよぉ、それで勤めてるのも池袋なんですよ、わーん、うらやましい〜」
う〜ん、そこまでうらやましがるのは、いくらなんでも六本木や青山のイメージにひきずられすぎだよ(^^;)。ま、なんというか地方の人が横浜と聞くと決して保土ヶ谷区や栄区は思い浮かべずにひたすら中区と西区のイメージしかないのと同じようなもんかな?そんなにアダルトな街かねぇ・・・?
「え〜、池袋なんかコギャルばっかりですよぉ、24歳の私から見るとなんかあの格好とかってついていけないですよ〜って、わたし、なんかおばさん入ってますよねぇ。気持ちだけは若いつもりなんですけどねぇ・・・・」
う〜ん、君の元気さは確かに若いよ(^^;)
「え〜そうですか?SPEEDにも入れるって感じですか?」
いや、それはいくらなんでも(^^;)。
「うちの店、よく芸能人とか来るんですよぉ、前来たのは梅宮アンナとか・・・。あとプロレスの武藤とかも来てましたよぉ、奥さんとかにプレゼントするんじゃないですかねぇ。健さん、彼女さんとかに宝石とかプレゼントしたことあるんですかぁ?」
あ〜、あるよ、大昔にね。ダイヤモンド。誕生石だったからさ。それ以来さ、もう4月生(誕生石ダイヤモンド)の子は高く付くから絶対彼女とかにしたくないよね〜・・・・
「わーん、そんなこと言わないでくださいよ〜!私、4月生まれなのにー!(;_;)」
え?あ?そうなの?(^^;)でもやなもんはやなんだもん(^^;)。あなたはあなたで彼氏からもらえばいいじゃんさぁ。
「え〜、でも私、もう3年も彼氏いないんですよお。前の彼氏とは一緒に住んでたんですけどねぇ。なんかそれ以来、誰かを好きになるってことがないんですよねぇ、やばいですよねぇ、子供は欲しいんですけどねぇ」
あらら、七瀬さんなんだか語りに入ってきてしまいました。
「でも、結婚はまだ全然考えられないっていうか、彼氏も居ないのになんだって感じじゃないですかぁ。ああ、でもこうやって余裕かましてるとすぐ年とっちゃうんですよねぇ。25くらいで結婚しないとやばいじゃないですかぁ」
え?やばい?(^^;)そんなこと言うと僕のまわりやばい人だらけだよ(^^;)(←てゆーか自分がやばい(^^;))
「え〜やばいですよぉ、でもなんかわたしも結婚しなさそうですよぉ・・・・・」
いよいよ語りにターボがかかる七瀬さん。とても話しやすい元気な人なのでついついちんたもそれを聞きに回る。なんやかんやでとりとめもない結婚やら彼女の話をすること1時間、22時になって七瀬さんも退勤時間らしい。
「あ〜、それじゃーありがとうございましたぁ、楽しかったですぅ」
あ〜、僕も面白かったよ、じゃーね(^^;)。
カチャ
ところで七瀬さん、
あんたまったくセールスしてないけどええんか?
っつーか、なんのために電話してきたんだ?
とても謎な土曜の夜でした。(^^;)
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