9月7日
 サンフランシスコ周遊(ゴールデンゲートパーク〜ゴールデンゲートブリッ ジ〜ソーサリート〜フィッシャーマンズワーフ〜フォートポイント)

 この旅初めてのドミトリーでの目覚めとなりましたが、実によく眠れまし た。日中に自転車に乗っているとある程度は疲れてしまって後は寝るだけの状 態になっているので、ドミだろうがキングサイズのベッドのモーテルだろうが だろうがあまり変わらなくなっています。・・・なら、一泊17ドルのドミト リーの方がいいか。

 本日はサンフランシスコ周遊。観光です。前日夕刻にケーブルカーとか フィッシャマンズワーフなど徒歩で回るような所はあらかた見たので、本日は 自転車でサンフランシスコ巡り。

 その強い味方があります。

 前日、街の中をぶらぶらしていた時、Market通り沿いツーリストインフォ メーションでバイクマップなる自転車用の地図を手に入れました。3$なりな んですが、これが実に秀逸。サンフランシスコの街中に縦横無尽に設定されて いるBIKE ROUTEをくまなく表示し、その道が専用レーンの自転車道なのか車道 の路肩が広く作られているのか、はたまた狭い道路を車とシェアしながら走る ルートなのかが図示されています。
 さらに、坂の多いサンフランシスコ、激坂(〜18%)のあるところ、超激 坂(18%〜)のあるところなど斜度別に4段階に赤色っぽく着色されていま す。どうしても坂を登るのがいやな人(←ちんた)は赤い道路を避けて走れば 良いわけです。でも、そうしようとすると実はどこにも行けません。
 さらにさらに、市内にある自転車屋の位置がすべてプロットされています。 ぶらぼー。もともとサンフランシスコは「地球の歩き方」にさえ「レンタサイ クルを借りて・・・」と書かれているくらい自転車で周遊するのに向いている 街(坂以外は)なので、表通りを見てもたくさんの自転車が走り回っていま す。ちなみにちょっとレンタサイクルショップ(フィッシャーマンズワーフの そばにあります)を覗いてみたら、貸している自転車はスペシャライズドのM TBかシクロ。なかなか自転車フレンドリーな街なのであります。

 とりあえずは、自分の幸せの黄色い自転車でサンフランシスコ・ポタ。いき なり激坂登坂を強いられるわけですが、うんこらしょと伝家の宝刀28Tで登 りきると眼下にはサンフランシスコの街と海。サンフランシスコが好きでたま らない人はこの景色が何にも代えられないくらい快感なんだそうですが、なる ほどつい足を止めて見入ってしまいます。ただし、この風景を写真に収めよう とするとどうしても車道の真ん中で仁王立ちすることを強いられ、なかなか難 しいです。
 坂を登りきるといきなり下らされるわけですが、世界最大級の公園(@歩き 方)のゴールデンゲートパークに入ります。ここでもエクササイズ好きのアメ リカ人はあちこちで走っていたり自転車を漕ぎ倒しています。なんかアメリカ 人って健康が好きというかなんというか。なんでこんなに健康に気を遣ってい るのに食い物はあんなに大雑把にでかくて油なのでしょう?

 このゴールデンゲートパークに街中の方から進入し、反対側まで突っ切る (公園でも3マイルほどある)と太平洋岸(Ocean Beach)に出ます。外海の 気候は厳しくて、市中は良いお天気なのに、太平洋岸まで出ると霧は出まくっ てるわ、それがまた強風でものすごい勢いで流れていくわで大変なことになっ ています。ちなみにこの太平洋岸に出て再び出会うのがPACIFIC COAST BIKE ROUTEです。またこの道に出たわけです。ロスからまじめにここまで漕いでき ていたらまた別の感慨があったかもしれませんが、よわぞうには叶わぬ夢。
 その自転車道にまた少し乗って海岸づたいに行くと、Seal Rocks、Cliff Houseと観光スポットを辿って行くことになります。そしてまた坂登り。もう すでに伝家の宝刀でもなんでもなく常用してる28Tでえっちらおっちら登っ て降りると(降りるならのぼらさすなよな〜)見えてくるのが赤い橋。いよい よこれこそがゴールデンゲートブリッジです。もうこの橋を渡るためにロサン ゼルスからここまで来たというか、サンフランシスコというとこれくらいしか 思い浮かぶものがなかったのですが、もうこれを渡らないことには何しにここ まで来たのかというコトになってしまいます。自転車でも渡れます。無料。さ すがナンバーワン観光スポットだけあって橋の上は歩いて渡る人、自転車で渡 る人が多く、それほどスピードは上げられません。橋の上はとにかく風が強く てカメラを出そうとしてかばんを開けると財布とかパスポートとか大事なもの までふっとばされてしまいそうな感じです。霧がかかっているので絶え間無く 霧笛が響いています。景色とか橋の橋脚とかすごいのはすごいので、じっくり と眺めてみたいのですが、とにかくすごい風(+寒い)なので黙々と橋を渡り ます。

 橋を渡り、対岸から見ると、霧がかかって風が強そうなのはサンフランシス コ側だけで、橋を渡った側(ソーサリート)は青空が広がって実にのどかな天 気です。なんか海峡を挟んでこれほどまでに違うのかというか、どうみても天 候が厳しそうな、霧のかかったサンフランシスコを海峡を挟んだ対岸から見る というのもなんだか面白いです。
 ソーサリートは昔造船所があった街らしく今ではサンフランシスコの人々向 けのヨットハーバーとなっている街のようです。白い船体を幾重にも並べた ヨットハーバーを横目にソーサリート海岸をポタポタ。ちなみにサンフランシ スコにもう一度自転車で戻ろうとすると再度の激坂登坂+厳寒のゴールデン ゲートブリッジに再チャレンジしなくてはならなくなるのですが、そこはそ れ、自転車に優しいサンフランシスコ、陸路とは別にフェリーで中心部に戻る ルートが用意されています。フェリーといっても今となっては車の人はゴール デンゲートブリッジでさっさと戻れば良いわけでまったく必要ないはずです が、ほぼソーサリートに渡った自転車客ために運航しているようなフェリーで す。利用客は結構います。ソーサリートには切符売り場が無く、船が出てから 船内で切符を買って降りる時に係員にそれを渡していくシステムです。自転車 は客室の中のてきとうにそこら辺に立てかけておくだけ・・・です。

 フェリーは有名な刑務所のあったアルカトラズ島をかすめてサンフランシス コに再上陸。今度はフェリーターミナルからゴールデンゲートブリッジを下か らゆわすために橋のたもとの広場、Fort Pointを目指します。ずっとサンフラ ンシスコの海岸沿いを走るわけですが、こちらは自転車道が完備されていて非 常にリラックスしたツーリングを楽しめます(風が強いのは相変わらずです が)。Fort Pointでは先ほど横断したゴールデンゲートブリッジを見上げま す。下から見上げると改めてでかいこの橋。

 海沿いから宿のある市街中心部に戻るには、やはりこれ、坂越えです。サン フランシスコはどこに行くにも坂越え。越えないことには宿に戻れませんか ら、とにかく我慢の子でえっちらおっちらと坂登り。途中、路面電車やらトロ リーバスに追いついたり抜かしたり抜かされたり。ウザイこと山の如しで気分 は世田谷通り@三軒茶屋。それでも地元民・観光客問わず自転車人口が多いの がとても不思議なサンフランシスコ。

 宿に戻ってとりあえずシャワー、んでもって昼寝。実にお気楽な生活で、夜 になってから、同宿の日本人学生と一緒に近くのバーにくり出して一杯。バッ クパッカー同士(←ちんたのようなスタイルをそういう風に言うのかどうかは 別として)だとやはり話題は旅の話。自転車で旅していると、たいていのパッ カーは非常に珍しそうに話を聞いてくれます。で、調子の上がっちゃったちん たさん、貧乏でぴーひゃら言ってるくせについつい年上風吹かせて全おごり。 金無いくせにどうしてこうも見栄を張るのかと今になっては自分で自分をな じってやりたい気分ですが、さかのぼればドイツ・ケルンで女の子二人にまと めて100DM(←一日分の予算よりも大きい)奢った前科もあるので、もう叩い ても延ばしても治らないのでしょう。
 その奢った彼。翌日(9月9日)にNY行くと言っていたのですが、無事な んでしょうかねぇ。名前も知らないパッカー、調べる術もありません。

本日の走行距離:50km

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