2016年度版、VSR10、APS2命中精度比較

written 2016/4

VSR10とAPS2SVの命中精度を比較してみましたので結果をまとめてみました。
テストに使用した銃は以下の2丁。

VSR10プロスナイパー


VSR10プロスナイパー初期ロット。
新型チャンバー(Gスペック型チャンバー)組み込み
ピタリング使用。
ピストンのエアブレーキ棒カット
ノーマルスプリングを数巻きカット
初速
ホップを0.25gに合わせた状態で、0.2g測定時で94m/s、0.25g測定時で84m/s

APS2SV


ノーマルスプリングをカットして短くしたもの。
初速
0.2g 92m/s前後
0.25g 83m/s前後
※チャンバーを変更することが多いので初速も変動する。

30mでのターゲットペーパーへの射撃

ターゲットペーパーに10発ずつ撃ち、全弾命中時のみグルーピングを出しています。

チャンバー使用弾命中弾数(10発中)
ターゲットペーパーサイズ=21*30cm
グルーピング(全弾命中時のみ)ホップの強さ
VSR10
VSR10マルイ純正別売り品マルイ0.25gバイオ1018cm弱めホップ
VSR10マルイ純正別売り品マルイ0.25gバイオ1017.5cm弱めホップ
VSR10マルイ純正別売り品マルイ0.25gバイオ1016.5cm弱めホップ
VSR10マルイ純正別売り品マルイ0.25gバイオ9--弱めホップ
VSR10マルイ純正別売り品G&G0.28gバイオ9--落ち気味ホップ
APS2
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ9--強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ8--強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ1012cm強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ9--強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ1015cm強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ1025cm強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ1018cm強めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルG&G0.28gバイオ7--弱めホップ
APS2スポーターホップ+ロングノズルG&G0.28gバイオ5--弱めホップ
APS2くらげ黒マルイ0.25gバイオ7--弱めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ109.5cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1018cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1015cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1020cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1016cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1015cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1010.5cm強めホップ
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ1015cm強めホップ
APS2くらげ青マルイ0.25gバイオ1021cm弱めホップ
APS2くらげ青マルイ0.25gバイオ8--弱めホップ
APS2くらげ青マルイ0.25gバイオ1019.5cm弱めホップ
APS2くらげ青マルイ0.25gバイオ9--弱めホップ


ターゲットペーパーへの命中弾数

チャンバー使用弾発射弾数ターゲットペーパー命中弾数
ターゲットペーパーサイズ=21*30cm
命中率
VSR10
VSR10マルイ純正別売り品マルイ0.25gバイオ403997.5%
VSR10マルイ純正別売り品G&G0.28gバイオ10990%
APS2
APS2スポーターホップ+ロングノズルマルイ0.25gバイオ706692.854%
APS2スポーターホップ+ロングノズルG&G0.28gバイオ201260%
APS2くらげ黒マルイ0.25gバイオ10770%
APS2くらげ赤マルイ0.25gバイオ8080100%
APS2くらげ青マルイ0.25gバイオ302790%

・弾
マルイ0.25g、G&Gの0.28gを使っていますが、マルイ0.25gバイオがかなり当たります。
G&Gの0.28gのほうは、重量弾のわりにはイマイチでした。
銃のほうが重めの弾に対応しきれてなかったということもありますが、どうも精度自体がマルイの0.25gに劣るように感じました。

・VSR
VSRもかなり高い安定性を示していますが、VSRはホップを強くすると弾速と弾道安定性が落ちてしまい、若干弱めのホップでの測定です。
弱めのホップは30m程度までは高い安定性を出しますが、40m、50mでの落差が激しく、落差計算が難しくなりがちです。

・APS2
APS2で高い結果を残したくらげ赤のほうは、やや強めホップでの測定です。そのため、40m、50mの遠距離でも撃ちやすい弾道です。
測定ミスがなければ、APS2+くらげ赤の組み合わせが80発連続ヒットという驚異的な命中精度になっています。
スポーターホップでも強めホップで高い命中精度のため、APS2のほが強いホップに向いているようです。

10年以上前の「APSとVSRの比較」

10年以上前にAPS2とVSR10を撃ち比べたことがあります。
APS2、VSR10比較のコンテンツです。
どちらも初速は0.2g測定時で97m/s程度で、今手元にあるVSR10よりも初速は上回っています。
1jにかなり近いパワーになっていますが、当時は銃刀法改正前だったため、ぎりぎりまでパワーを上げられたためです。
距離15mでエクセル0.25g弾を使ってテストした結果です。
先ほどのターゲットは30mですが、こちらは15mなので要注意です。

グルーピング

APS2SVVSR10
10発 aps2vsr10_aps10.jpg(16443 byte)
10cm
aps2vsr10_vsr10.jpg(16966 byte)
7.5cm
25発 aps2vsr10_aps25.jpg(15942 byte)
13.5cm
aps2vsr10_vsr25.jpg(15855 byte)
7cm
10発測定時よりもなぜか小さい
このときはAPS2はかなり散る結果となりました。
APSはホップの方式のせいだと思いますが、弾の良し悪しの影響を顕著に受けるように感じます。
実際、当時でもAPS2で高精度な弾(マルイ・スーパーグレイド0.25gや、マルゼン・グランドマスター0.29g)を使えばかなりの命中精度を出した記憶があるので、エクセル0.25gの精度の低さの影響を受けたものと思われます。
このときに使用したエクセル0.25gですが、今の弾に比べるとかなり精度が劣り、弾道は目に見えてわかるど違いました。

VSR vs APS2の命中精度比較結果

今回、両方を撃ち比べてみて思ったことは、どちらも性能的にはだいたい似ており、ほぼ同等の命中精度になっていました。
銃よりも弾の方が大事で、精度の低い弾を使えばどちらも大きく散ります。
逆に高精度な弾でも、機会があればテストしてみようかと思います。

ただし、手元の二丁には次のような違いも感じました。

得意とする弾重量の違い

VSRは0.25g以下の比較的軽い弾で手軽に高い命中精度を出します。
対してAPS2は、弾に強いスピンをかけるのが得意で、VSRよりは重めの弾と相性が良いように感じました。

扱いやすいVSRと調整が難しいAPS2

VSRは可変ホップなので0.25g以下の弾なら、非常に扱いやすいです。
APS2SVとの比較では、初心者層には圧倒的にこちらが楽に高性能を出せます(TYPE96やAPS-SR2系との比較では分かりません)

APS2は、今回つかったものは固定ホップのくらげと、可変ホップながら調整範囲の狭いスポーターホップのため、だいぶ扱いづらい印象です。
電動ガンと同じ感覚で使ってもそこそこ良い結果を出してくれるVSR。そしてAPS2は逆に弾やチャンバーを選んで苦労する反面、セッティングがしっかり決まれば高い結果を出してきます。
実際、今回のテストでもクラゲ赤ではVSRを上回る結果を出しました。
2005年ごろの命中精度比較では、正直比べ物にならないほどAPS2がVSR10に劣る結果となりましたが、これはどうやら弾との相性などがあったようです。

APS2系の主流派すでにTYPE96、APS-SR2系になっていますので、機会があればそちらもテストしてみたいと思います。
また、マルゼン系だとCA870系も優れた狙撃銃のようです。

銃の性能以外の要素とグルーピング取りについて

グルーピングを取る場合、銃以外の要素がかなりの重要度を占めます。

「風」「弾」「ホップのかけ方」「撃ち方」

これらの4要素だけで、グルーピングは二倍にも三倍にも広がりますし、逆に良くなることもあります。

風については、屋外だとなかなか避けられません。インドアのレンジを使うかアウトドアだと森の中のような風を遮るもののある場所のほうが弾道が安定します。

今回のテストでも弾が大きく影響しました。
重量違いではまったく弾道が違い、基本的に重いほうが安定します。ただしその銃の相性がいい重さを超えてしまうと満足のいくホップがかからず、射程距離は短くなってしまいます。
可変ホップであっても実際に相性のいい重さは決まっており、一般的な銃では0.25g程度まではなんとか相性が良い感じです。
ものによっては0.25gの弾でも重すぎる物もあるので、その場合は0.2gなど軽めの弾を使ったほうが良い結果を得られます。
また、弾重量が同じでも、銘柄により弾道は大きく違いました。
今回テストしたマルイの0.25gバイオは優れた結果を残しました。
ただ、さらに高級な弾(マルイだとスペリオール弾など)などは、さらに上の結果を残すと思います。

ホップのかけ方

基本的にターゲットペーパーに対し正面から弾が当たるようにするとグルーピングは縮まります。
30mぐらいだとなんとも絶妙な距離で、ホップのかけ方によって大きく差が出始める距離です。
弱めホップだとターゲットの手前あたりでドロップしはじめ、強めホップだとターゲット手前で浮き出します。
弾道がターゲットペーパーに対して斜め(ドロップ中、または浮き上がり中)になると、ターゲットの縦幅は実質小さくなっているのと同様となり、グルーピングは悪化します。
サバイバルゲームにおいては、弱めホップは中距離での命中精度に優れる上に、「伏せ撃ちvs伏せ撃ち」で有利に働く反面、射程が短くなり、40mを超える距離では不利になります。
逆に強めホップは低い姿勢での撃ちあいでは下草に弾がハジかれる事が多く不利になる変わりに、遠距離まで弾を送り込みやすくなります。
今回はグルーピング結果の「ホップの強さ」には、あえて「適正ホップ」という言葉をデータに乗せませんでした。 適正ホップという言葉は幅広く、人によってはやや落ちる弾道の「弱めホップ」を適正とする人もいますし、遠距離で浮き上がり気味な弾道を「適正ホップ」とする人もいます。
つまりは適正ホップの範囲は「弱め〜強め」での範囲全体をさすように使用しました。

撃ち方

グルーピング取る上で、人の技量の占める割合は、実はかなり大きいようです。
銃を構えてスコープを覗いたとき、スコープ越しの視界がどうしてもフラフラしてしまいますが、この状態だとフラフラした分散ります。
プローンなどでバイポッド使用か、なくてもある程度に持つを詰め込んだバッグなどを使う事で安定性を出すことができます。
たとえ銃のせいで当たらなくても、狙いが甘くなるとさらにあたらなくなるので、しっかり集中して撃っていくことが大事です。

グルーピング取りの勧め

ある程度命中精度にこだわりたければ、グルーピングは取っておくことをお勧めします。
用意するものはA4程度の紙(価格的にこのサイズが安い)で、その中心あたりに目印をつけ、決まった距離で撃っていくだけです。
紙の的を撃ち、グルーピングを取っておくことで、その銃の性能など、自分の撃ち方、弾との相性など、いろいろなものが見えてきます。

仮に良い結果が出なくても、上に書いた4要素「風」「弾」「ホップのかけ方」「撃ち方」を抑えるだけで、一般的な銃でもだいぶ良い結果が出るようです。

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