4 20

上着を着ないで過ごせるような季節になった。
相変わらず僕はどこにも出かけず引き籠ってばかりの生活をしている。
工房などにいると外出は難しいのでそうなってしまい、そうなってしまうと出不精が性格になりもする。
先日、Rが来たのでどこかへ行った?と聞いたら淡路島と答えた。
淡路島なら去年の夏に僕も出かけた。
ふーんと聞いてて淡路島のどこ?と続けて聞いたら洲本と言う。
洲本には温泉がある。
そんな話をした2日後に初めてのお客さんから電話があって、ここに辿り着けないと言うので外に出て案内をした。
お客さんは我が家から50メートルの場所にいた。
遠方からなので迷ったとお客さんは言いオーダーの打ち合わせをした。
完成したら配達するからと住所を書いて貰うと兵庫県と彼は書きはじめた。
なるほど遠方からだ。
次に彼は洲本市と書いた。
へー・・・・・・・・・・・・。
洲本の話をしてたら洲本からお客さんが来た。

4 8

「カルテット」というドラマには「ありとキリギリス」のイソップ寓話が話題としてよく出てくる。
キリギリスはバイオリンを弾いて夏を過ごし冬には飢えて死んでしまうという話だ。

好きなことを趣味にすれば人生は楽しいだろうけど、好きなことを夢にすればキリギリスのように泥沼に落ち込むというそんな話だ。
夢を持つことが悪いという理由はどこにもないけど夢は叶わぬものだと分かり、さて、どうしようか?

最近、よく思うのだけど、夢は叶わぬものだけど夢のような時間を過ごすことは出来る。
過ごしてしまえばそれが宝物のように記憶の中で輝き続けるもんだと。
人生というものを詰めて書いてしまえばそういうもんだと。

「カルテット」を観ながら感じていたのはそういうことだった。

4 3

午後、西区役所まで出かけた。
玄関を通り抜けエレベーターで3階に上がり3番窓口まで歩いた。
考えたら区役所が新庁舎になってからの3階は初めてだった。
3階に地域振興課がある。
新しい職員さんに挨拶をして挨拶をされた。
それから1階に降りて広いロビーに寄った。
そこには1週間前に区役所に納品した看板が飾られていた。
いろんな角度で眺めた。
「もーやっこ広場」と書かれた看板のこと。
正しくは書いたのではなく革に文字を彫って染色をした看板だ。
こうやって飾られるんだなと妙に納得した。

区役所からそんな企画を聞いてから半年過ぎていた。
区役所ロビーに永続的に飾られるというのには不思議な気分がしている。