5 30

朝刊にNHKカルチャーのタブロイドが入っていた。
夏の講座の募集は30日にはじまると聞いていたので驚かなかったけれど、
いよいよ準備が必要かななどと焦る。
道具類は無料貸し出しの予定なので道具を揃えることも準備に入る。

タブロイドの7月スタートの講座のはじめに掲載してある写真は去年の区役所での生徒作品展の写真で、
あの写真がこんなところで役に立った。
区役所が撮った写真か自分が撮った写真かの記憶はない。

ついでに書くと、NHKカルチャーのサイトに僕の講座募集のサイトが出来ていた。
なんだか、他人の講座の案内を眺めている気分になる。


昼、チョッと気分のいいメールのやりとりをした。
浮かれた気分で珈琲を飲んで煙草をふかした。


5 29

今週の末に横浜へ行く予定をしている。
突然に配偶者がMさんに会ったらいいよと提案をする。
Mさんとは随分と会っていないし随分と長い間連絡も入れていない。
横浜に行くといっても時間がたっぷりある訳ではないし、Mさんの都合もあるし、それは難しいだろうな。
そんな話をしていると突然に携帯にMさんから連絡が入る。

言霊があるのか偶然なのかと不思議に感じる。


昨夜は「一心」で6人が飲んでいた。
3杯のビールを飲んで一心にしかないものを食べて主と主の奥さんとおしゃべりをした。
随分と愉快な時間を過ごし、雨の中を歩いて帰宅する。
僕と一緒に歩いたのはAで、車で帰るAを見送るとなんだか疲れが出る。
仕方ないかとそのまま寝てしまうと朝になる。

今日の朝は土砂降りの朝で、その土砂降りの中、傘をさしてナゴノスペースまで荷物を運ぶ。
これは、みきちゃんがナゴノでワークショップをするせいで、
車にしなかったのは荷物が少ないせいもある。
ナゴノに到着すると服が濡れている。革靴も濡れている。

ナゴノから帰宅して誰もいない時間を過ごしていると携帯に連絡が入る。
これはナゴノにいるみきちゃんからで、忘れ物をしたらしい。
仕方ないかと忘れ物を届けにナゴノまで自転車で走る。
相変わらずに土砂降りは続き、帰宅するといよいよ服はびしょびしょの事態になってしまう。
仕方ないかと着替えをする。

それが今日の午前で、午後になるとふたりの生徒が来る。
ふたりは体験に来た生徒さんで教えているとSさんが来る。
Sさんは久しぶりでSさんが講習を手伝ってくれる。

本当にSさんはし久しぶりで、そろそろ名簿から消そうかと思っていたよと言うと、
だから来たんです、などと笑って言う。

なんだか昨日から今日にかけていろんなことがあった。
長い時間を過ごしていた気がしている。


5 27

梅雨に入ったらしい。
雨の一日で台風も近いらしい。
こうなるとしばらく天候は良くない。

先日、工房の前で中年の男性がここを眺めていた。
どうぞと言うと静かに中に入って来る。
展示してある品を静かにを眺めて興味深そうに触ったりしている。
面白いものがあるね。とお客が言う。

ここはオーダー専門の工房なので売る品が殆どない。
そんなことを僕が言う。
他のお店にある品は他のお店で買えばいいとそんなことも言う。
それが面白かったのかお客は少し笑う。

なんだか、端的な表現の気がする。
本当にそうなのだけど、他のお店あるものはここにはない。
だから、本当にここが好きなお客しかここに来ない。

ずっと、そんな気がしている。


まれに間違って来る客がいる。
まれに間違って作業をしてゆく生徒もいる。


5 22

午後1時にシャッターを上げるとMが来る。
日曜日に生徒がひとりというのは珍しく、随分とのんびりとする。
Mの作業ものんびりとしている。

日曜日の午前は雨模様だった。
昼になると曇天になり、夕方には晴天に変わりMの財布も完成する。
完成した財布を眺めてはMはニコニコしている。

Mがここに通いはじめて3年ほどになる。
おそらく人生の中で重要な年代のなる筈の年代の3年間のはずで、
だから、ここに通うということがそれに何か影響を与えるんじゃないかと考える時がある。

Mに限らないんだけど、ここに通う生徒は重要な年代のある時間をここで使う。
これは、おそらく大変なことだと思う。
そんなことも考える。

いつも、生徒と過ごす時間というものには責任というものを持っていた方がいい。


5 21

5人の生徒が来て4人が帰るとN野さんがひとり残る。
N野さんはきつい作業を3ヶ月ばかり続ける予定になっている。
きついのは作業時間がかかるということで、作業がひと段落すると7時半を過ぎている。
自宅まではここから1時間ほどの距離になるので、確かにきつい。

時々きつそうだなと思う作業をする生徒がいる。
提出期限付きの作業というものは、たいていはそうなる。
期限がついてしまうと予定を組むのも必要になる。
予定にはミスも含まれる。
ミスを含むということは時間に余裕を含ませるということにもなるけれど、期限付きというものは余裕と逆の性格を持つので、
その矛盾がきつくする。

きついだろうなと感じながら彼女の作業を見ている。

5 20

夏の感覚でいる。
久しぶりに深夜にジョギングをしたり歩いたりした。
汗が出た。
風邪気味でね。などと言ってる場合ではない。

昼に名古屋城から電話が入り、今年も「名古屋城宵まつり」に出て欲しいとの依頼があった。
来週には日時が決定するけれど、例年のとおりになるのだろう。
これで3年続けて夏が暑くなる。

な訳で深夜に汗をかいた。
しばらくこれを続けないと、夏が乗り切れない気がする。
本当にそうで、夏のイベントは体力勝負になる。

そういえば、7月からNHK文化センター教室の講座がはじまる。
文化教室の継続する講師というものをしたことがないので、どう準備をしたらいいかが分らない。
基本的にはここの教室をNHKビルに移動するというだけのつもりはしているんだけどね。

忙しい。

5 17

ここは6月に開店したと先日書いて、昔はショップだったと懐かしい。
今は工房の体裁を整えているので、ショップの雰囲気があまりない。
工房の場合は開房と書くかも知れない。

Aが「Beans」という工房を起こしたのは5月だったから今月でちょうど1周年を迎える。
つまりは、1年が過ぎたってことになる。
1年はあっという間に過ぎてしまったはずで、2年目もあっという間に過ぎるはずだろう。
3年続けると、ようやく仕事への感想じみたものが出て来る。
3年がひとつの目安のようなものになる。

以上は僕の経験による。
1年はキャリアといわない。

以前、Aはここで作業をしていた。今は自分の工房があるのでそこで作業をしている。
だから、ここにはあんまり来ない。来ないので会わない。
随分と会ってないと思っていたら、今日、Aが僕の携帯を鳴らした。
通話のあとで某所へ出向く。出向いた先が懐かしい。

5 12

志賀淑雄という名を聞いて、あー、あの人かと感じる人は戦記に詳しい。
343空と聞いて紫電改を連想する人も戦記に詳しい。
烈風という名を聞いて、それが零戦の後継機だったと知っている人も戦記に詳しい。
戦記も歴史である。

志賀淑雄という人の終戦時の階級は海軍少佐になる。
海兵は62期になり、昭和20年に存在した第343海軍航空隊飛行長を勤めもした。
第343海軍航空隊は紫電、紫電改を主力戦闘機とし防空戦闘に従事し、今では伝説じみた回想の中にある。
映画にもなれば、漫画にも登場する。
この志賀淑雄という人のインタビュー記事を読んだのは今年の正月の頃で、今日、突然にそれを思いだした。
志賀氏はテストパイロットでもあった。
ここに烈風が登場する。
この烈風のテストパイロットをした人が志賀淑雄だった。

実は、烈風は未完の戦闘機で実戦の経験はない。
ただ、零戦の後継機ということで、随分と期待もされた。
カタログ値から最優秀の艦上戦闘機と思いこんでいる人もいる。
その烈風を、あれは実戦に登場しなくて良かったと証言したのが志賀淑雄でもある。
とても戦闘に向く飛行機ではないと。
テストパイロットにそう言われてしまえば、そうなのかと頷くしかない。

ついでに書けば、頷くしかなさそうな史実に343空の戦果もある。

5 11

午前の土砂降りの中、お客さんが来ていて1時間ばかりを過ごす。
土砂降りでもお客さんが来てくれているのは、少し奇妙な気がするけれど、ありがたい。

唐突な話だけど、今日、美宝堂の倒産の報道が流れた。
美宝堂は創業以来60年になる。
60年という時間を考えると、長く続いた方かなとも思う。

企業の平均寿命は30年ほどだと誰かに聞いたことがある。
これは、平均して30年で企業は潰れるか潰すということだ。
永続的な企業とか店舗というものは、そんなにないということでもある。

夢と希望を詰め込んで起業して、30年が過ぎればどう維持するかが問題になる。
不景気が原因の場合があれば後継者がいないという原因もある。
或いは、社会変化の中で不必要なものだと認識されれば、自然に淘汰される場合もある。
30年という時間は意味深い。

ところで、僕の工房は30年目を迎える。
30年前の6月にはじめた工房は来月で30年目である。

なんだか、恵まれている。
人間の財産は人間だろうなと考えて生きてしまうと、つくづくとそう思う。
ここには土砂降りの中を来てくれるお客がいる。人間性の豊かな生徒が何人もいる。
おしゃべりのある空間があり、弟子と呼べる人もいる。

30年で得た財産は、やはり大きい。

5 10

3.11という表現を使い、現代の歴史には震災後という区分が出来るだろうと予感している。
そう書いたのは、もう2ヶ月も以前のことになる。
早いものだと思う。
震災から2ヶ月が過ぎ、今日、中部電力が浜岡原発の停止要請を受け入れると表明する。
遅いような気もするけれど、悪くはない。

震災を区分とするのは、快適と感じるものの質が変化を起こすということだと以前書いて、
今もそう考えている。
そうであって欲しい。

5 7

数日前にタルが遊びに来ていて、一緒にユーチューブを眺めていた。
ダンスの話をして、ダンスの動画を眺めていた。
今、ポールダンスが流行っているとタルは言い、そのダンスを眺めていた。
次にレゲエダンスもあるとそのダンスの動画を眺めていた。
どっちのダンスもなんだかエロっぽい。

タルが帰り、僕は一人でサファリを開いていつものようにAのブログを眺める。
Aのブログにはシューズの画像が張り付いて、「今日はダンスレッスンへ」などと書いてある。
読んで、びっくりする。
どうにもタイミングが合いすぎる。

びっくりすることを続けると、
昨日、Yという店にいて携帯に連絡が入り、急いで帰宅すると、ある女性がいた。
その女性が大量のクラフト道具を持って来てくれたのだけど、少しの革もある。
革の包装紙にマジックでYの名前が書いてある。
今、ここにいたよと僕は言う。
どうもYという店から購入した革らしい。
その女性はYという店を知らない。
そうですかと女性は言い、そういえば、家の前にHさんが住んでいるけど、Hさんって革やにいたらしいなどと言う。
Hさんと聞いて、さらにびっくりする。
昔、HさんはYという店の番頭だった人で、僕の工房の担当でもあった。
いつも会い、友達のようにもなり、HさんがYという店を辞めた時には一緒に食事さえしたものだった。

もう20年ほど前のことになるけど、そんな話をすると女性も驚く。
縁というはある。


今年のGWは明日までらしい。
町は静かだ。

5 6

昼、散髪しそれから銀行に走る。
そのまま、帰宅せず革やに寄ると革やにばあさんがいる。
革やの主は死んでしまったので、その母親のばあさんが店番をしている。
随分と久しぶりに会い、随分と久しぶりの会話になる。
会話の最中に携帯が鳴り、通話をして自宅に帰る。
帰ると、大量の染料と工具と刻印がある。
あまりに大量なので、さっきまでいた革やよりあるなと娘が言う。
これは誇張ではなく本当の話で、整頓に時間を使う。

整頓の最中にN野さんが来る。
今日の生徒はN野さんだけなので、作業をしながら会話ばかりしていた。
ひどく真面目な会話になる。

N野さんは、僕の生徒というよりは友人になりそうな女性で、随分と気が合う。
会話は楽しく、世間に感じていることも似ている。
似ているとは、生き方も似てしまいそうだということで、そう感じさせてくれるのは僕の場合は稀少である。

友人になれそうだと感じる人はそんなにいない。
異性となるとさらに少ない感じがするけれど、その少ない女性のひとりだと感じてそんなことをN野さんに言う。
N野さんが、そう感じているかは分らない。

5 5

子供の日ということで「ちまき」を食べる。
これはIさんからの差し入れで、夕食にはアサリを食べる。
これはNさんからの差し入れになる。
そういえば、Tさんから「たけのこ」も貰った。
なんか、そんなことが続いている。

今日は、天気のいい連休最後の日だった。
汗ばむ気温ではないので随分と快適な気分で工房にいた。
前夜12時間ばかり寝てたせいかも知れない。
そんなによく眠れるねと誰かに言われたけれど、随分と無理して寝てた気もしている。

寝てたのは、予定が何もなかったからだ。
連休といえど、外出する予定はなく遊ぶ予定もなく、かといって仕事に精を出す気分にはならないので、
つまりは、本当に何もすることがなかった。

何もすることがない連休が何もしないで本当に過ぎてしまった。


5 3

名古屋城の周りを走ると観光客で混んでいる
連休に城めぐりをしている人も多いらしい。

国立病院から介護施設に戻り、帰宅する。
朝からの曇天は続き、帰省している娘が東京へ帰る。

娘が帰り、パソコンを弄っているとタルが来る。
タルは遊びに来たらしく遊んでしまうと帰ってしまう。

3連休のはじめの日はそうやって終わる。

 

連休の最中に5月にチェンジされる。

連休ということで東京の娘が帰省する。
娘は友人を連れ来たので、夕食は賑やかになる。
ビールを飲んでお寿司を食べる。

酔って腹いっぱいになり眠くなり、それでも携帯の着信履歴に気づく。
着信先に通話を入れて、母の体調変化を知る。

この酔った体で走るは辛いなと感じながら、国立病院へと自転車で走る。
病院に到着し看護師から症状を聞き、入院になると聞かされる。
これで連休は消えるなと弟が呟く。

どうも、そんなふうに出来ているものらしい。

夜11時に帰宅すると、急激な眠気が襲ってくる。
仕方ないかと寝てしまう。

夕方、何人かの生徒が来ていた。
ここでの講習には遊びが入る。
ふたりの生徒を車で駅まで送り、帰宅して賑やかな夕食時を過ごし、随分と平和だなと感じていても数時間後には憂鬱な気分の中にいる。


いつまで続くんだ?