10 29

栄養が身体に滲みた感じがするもんだ。
今日は、そんな日だった。
時々、栄養が足りないと感じる。
タイミング良く補給されると元気になる。


先日、あるところで一日を過ごしとても幸福な気分を感じたものだった。

節目の年齢に入るせいか、どうも記憶を手繰ることばかりをする。
記憶は頼りにならないものだけど、それでも頼るものだ。

そして、幸福になる。

最近、そんなことをして過ごす時間がある。

10 24

10月も最後の週に入る。

昼、作業していた生徒が帰ると雨になる。
雨は本格的に降りはじめる。

僕は作業をしている。
日曜日の午後にひとりで作業をするのは非常に珍しい。

雨は止まない。

夕方も遅くにY君が来る。
Y君がひとりでここで作業をするのも珍しい。

夜になり止まない雨の中をY君が帰り、僕は夕食を妻と一緒に食べる。
明日からの3日間、妻と一緒に夕食を食べない日が続く。

10 23

龍馬の話。

龍馬は遭難するその日の昼に2度ばかり福岡藤次を訪ねる。
福岡藤次は後に福岡孝弟と名を変え五箇条のご誓文を起草する人物になる。
当日、福岡はその下宿先に不在で龍馬は会うことが叶わない。
会っていないので、龍馬の用件は不明になるけれど、おそらくは大政奉還後の徳川家臣団の論議だったろう。
福岡は土佐藩の重役として大政奉還の運動では主要な働きをする。

龍馬は遭難の前日、幕臣永井尚志に会う。
永井尚志は当時幕府若年寄を勤めた人で、大政奉還の幕府方の交渉役はこの人になる。
従って、龍馬は福岡と一緒にこの永井尚志と会う機会が多かった。

龍馬暗殺の10日ほど後に、永井は新撰組の近藤勇を呼び、龍馬暗殺の下手人ではないかと問いただす。
近藤は否と返答する。
近藤を呼び出す以前に、永井は京都見廻組の佐々木只三郎を呼び出した筈で佐々木の返答も否ではなかったと思う。
佐々木は龍馬暗殺の下手人であったとしても、それを口外しない。

龍馬暗殺が幕府の密命によるものであれば、密命は永井から出るはずで、けれどそういう形跡はなく、
永井尚志にはそういう印象もない。

10 22

たこのクッキーで栄養を補給する。
たこが身体に満ちる訳ではないけど、どっか可笑しい。

金曜日は年配の女性で溢れる。
つまりは、騒がしい。
ほどが良い騒がしさで、僕は僕で作業をしている。

先日、大野まで行き、すると大野ってどこにあるの?とみんなに聞かれた。
最近では、誰も知らない地名らしい。
ところが、今日の年配の女性たちはみんな大野町を知ってる。
新舞子と大野は世代が変われば、海水浴のメッカみたいなところで、
夏の極楽地って感じがする。

そういえば、新舞子が無人駅ではなく、大野町が無人駅と知って、随分と驚いた。
昔は逆だった。
時代が変わると、そんなことまで変わる。

10 21

なんか、いろんな人と一緒にいた。

昼に時計屋さんが来る。
打ち合わせをしていると、ここを見学したいとひとりの美大生が来る。
美大生がいると、いつもの生徒さんが来る。
ふたりがいると、岩村のMさんが来て、Iさんも来る。
都合4人がいて作業をしている。

夕方になると、ひとりひとりが順番に帰り、MさんとIさんが残る。
Mさんは、かんから餅をお土産に来てくれたので、みんなで食べる。
すると、Mが来る。
Mは10ヶ月ぶりの訪問で、随分と来なかったなと感嘆する。
しばらくおしゃべりをしていると、野球の始まる時間になる。

ドラゴンズとジャイアンツの対決は昨日からはじまり、ドラゴンズ優勢でシリーズは続いている。
今日の試合にドラゴンズは勝った。
いつまで野球の日程はあるんだろう?

10 20

昼ごはんを食べながらNHKのニュースを見ている。
地域ニュースになり、南区の高校で窓ガラスが100ほど割られたとアナウンサーが伝える。
次に高校の名前を伝える。
高校名は名南工業高校と言う。

うっ、エツオの高校だ。
エツオとは僕の高校以来の友人で、ここに時々Eと書かれる男性だ。
彼がこの高校の教頭をしている。

なんか、大変だなと考えていると、アナウンサーは教頭の談話を伝える。
ついでに教頭の名前を伝える。
カトウエツオ教頭は、生徒に動揺しないで欲しいと言っています。

あー、名前が出てしまった。

食事を終えて、携帯にメールを入れる。
エツオから返信が届く。

大変だよ。寝不足で眠い。

事件が起きれば寝不足になる。
これは仕方がない。

10 19

突然に思い付いて海を眺めに行く。

午後2時を過ぎて駅まで歩き、名鉄の構内を歩き電車に乗る。
40分ほどで大野町に着く。
大野町は常滑市の北に位置した古い町並みを色濃く残す港町になる。

駅が無人駅とは知らなかった。
駅から少し歩けば矢田川が流れ、その川べりを歩く。

昔、僕はこの町の電気屋さんで働いていたことがあるので、路地を知り尽くしていた筈だけど、
記憶に頼ることは無理と悟り、勘を頼りにふらつくことにする。

昔と書くことは止めた方がいい。
37年の昔になる。

古い町は死んだ町かも知れない。
民家は空き家が多い。

ぶらついて国道に出る。
車は少なく、道路沿いの町並みを眺め路地に入る。
大野町は路地で出来ている。

世界最古の海水浴場と書かれた看板を眺める。
路地をうろついていると、海に出る。
あー、海だと感動する。

1時間ばかりを海を眺めて過ごす。
風はなく夕闇に包まれる海を眺めていると感傷的になる。

今年の夏は猛暑が続き、きっとこの浜辺は海水浴客で賑わったんだろうと想像する。

大野町は以前は海水浴客で溢れたものだった。
夏の路地は賑やかで旅館も多かった。
これは40年という時間を戻るしかない風景になる。

そうでも、いくつかの古い旅館が大野には残っている。
その旅館の風情を眺め、いつか泊まってみたいと思うけれど、
名古屋から準急で40分の土地に泊まるには勇気がいる。
自転車で走ったとしても2時間の距離になる。

路地の散策を続けていると、港に出る。
信じようが信じまいが、江戸時代には伊勢湾で捕鯨が出来た。
伊勢湾の捕鯨の北限が大野町で、そんな絵図の残る。
そうなると、港は栄えたものだろうと想像するけれど、今はひとつの人影もない。

矢田川の川べりの風景をデジカメで写す。
さっき、その画像を眺め、突然に「廃市」という小説を思い出す。
福永武彦の小説の題名だ。

大野町は、決して「廃市」ではない。
町おこしは盛んで、この町が好きな人がいくつかのブログで紹介もしている。
出会う人は挨拶をしてくれて、駅前には老舗のえびせんべいのお店もある。


昔栄えたひとつの町が錆びるように今に残り、人も残る。

10 16

午前11時にりょうが来る。
相変わらずで相変わらずの雰囲気が工房に漂う。
りょうからは微かに香水が匂い、悪い気分はしない。

何ヶ月ぶりなんだろうと、りょうが来るたびに考える。
飲みに行く約束は果たせす、そうでも反故にもならずりょうの笑顔がある。

いろんな話をしていると午後1時になってしまう。
その時間になると他の生徒が来る。

りょうは帰ると言い、僕は駅前まで車で送る。
りょうには晴天の日の静寂が似合っているなと運転しながら思う。
賑やかな女性なんだけどね。

夕方、花ちゃんが来たので、朝、りょうが来たよと僕が言う。
花ちゃんはりょうを知らないので、これはどうでもいい話になる。
そのどうでもいい話を僕はする。
りょうが来ると、いつもそんな話をする。

りょうは他の生徒と重なる時間がないので、他の生徒はりょうを知らない。
本当にりょうという女性がいるかと考えて、りょうとは誰かと聞かれたら、
どう答えたらいいんだろう?


10 15

金曜日にはバーガーサンドを食べる。

Aはココアを頼み僕は珈琲を注文する。
バーガーサンドを一皿頼んではんぶっこする。

僕の前にAがいる。
うんっ?
Aの横に誰かいる。知らない女性がいて僕を見ている。
うんっ?

人かな?とAに聞く。横にいるよ。
えっという顔をAがする。いないよって顔をする。
横って、ずっと後だよ。

時々、錯覚をするんだけど、Aの横にいたのは壁に飾ってあるポスターの女性で、
位置によっては本当の女性に見えてしまうことがある。
ポスターの女性にずっと見られている感じがして、どうにも変だった。

10 14

重い仕事が終わると、重い仕事が待っている。
今年に終わらせる仕事の量はあるので、今から入る仕事は来年の仕事になるな・・・・・。
カレンダーを眺めて、そんなことを考えている。

10 13

昨日の昼、コミセンにいた。
昼にコミセンで長居したのは、学区の役をして連絡協議会に出席して頃以来になる。

コミセンへ出かけたのは国政調査の書類提出のためで、50分ほど待たされる。
なんだか確定申告に似ているなと感じる。

コミセンに来た区役所の担当はAさんで、こんな時にはとても助かる。
僕の場合、書類提出は簡単に済む。
コミセンで前区政委員長のMさんと会う。

コミセンから帰宅すると、そのMさんが来る。
久しぶりに来て、久しぶりの会話をする。
Mさんは80歳になったと言う。
なるほどなと思う。
Mさんも地域の仕事の殆どからリタイアしている。

地域の役をするとは地域で顔が売れるということらしい。
僕の顔が売れているとは感じたこともないけれど、
先日のイベントの時に、ある人にある人を紹介された。
コンドーさんだよ。江西で有名な人だよとそのある人は言う。
アホかと思う。全部リタイアしてるよと僕が言う。

この紹介された人が今度の市会議員選挙の立候補予定者になる。
とても若い人で、身嗜みはすこぶるいい。
市長の感想などをのんきに話す。
その市長は、例の如くにステージで遊んでいる。

そう言えば、今日、Mさんが帰り際に出るの?と聞く。
?、何にですか?
選挙だよ、出るの?

80歳の人と会話をすると、時々、意味の分らない会話になることがある。

10 11

我が家には誰もいないと起きて気づく。
妻は奈良に遊びに出かけ、息子は仕事に出かけ、娘は展示会に出かけている。
休日の秋の日差しは昨日以上かも知れない。

昼にコンビニで弁当を買い、ひとりで食べる。
パソコンでサイトの更新をし、のんびりしていると眠くなる。
昨日の疲れが残っている。

横になって眠いなと感じ、寝てしまうかなと考えているとみきちゃんが来る。
みきちゃんはカービングの作業をはじめる。

僕は眠い。

で、みきちゃんに留守番を頼んで、少し寝るよと言って横になる。
何かを考えている、
何を考えている訳ではないけど、頭は動いている。
寝てしまえばいいのにな・・・・・・・・と思う。
しばらくそうしていると眠気がなくなったと気がつく。

寝てたんかな?

寝てましたよ。とみきちゃんが言う。
いびきが聞こえてました。

フーン、寝てたんだな。
にしても、みきちゃんに留守番を頼んでいびきをかいて寝てしまうとは、僕らしい。
どっか遠慮が足りない。みきちゃんに甘えてしまったのだ。

みきちゃんが帰ってしまうと一人になり、僕はCoCoでカレーをテイクアウトする。

10 10

天気予報では昼まで雨が、朝には晴天に変わる。
秋晴れの空には雲ひとつない。

午前9時前に車を押切公園までは走らす。
グランドの土の状態は悪いけど、人が溢れて準備に真っ最中。

車を駐車場に入れて会場に戻るとY君が準備をしていてくれる。
イベントに集まる僕の生徒はイベント開始の頃に来るけれど、Y君はそうではなく準備の手伝いをしてくれている。
これには感謝。
ステージでのマイク調整の音量がやたらと響いている。

10時になるとイベントが始まる。
同時に日差しのきつさを感じてしまう。どうも、10月10日の日差しではない。
ステージでは公職の方々の挨拶が続き、MCは流暢に司会を務めている。

僕のブースはいつも閑散としている。
イベント開始時はいつもそうで、それが1時間が過ぎると子供で溢れるようになる。
いつもエンジンのかかりは悪い。

昼を過ぎるといろんな人と会う。
会うというか、いろんな人と交流をする。
イベントは交流の場でもあるのでブースは生徒に任せ僕はいろんな人と話し込む。

午後3時になるとイベントは終わる。
荷物をまとめ、Y君とO君を車に乗せて自宅に帰る。
前日の睡眠時間は2時間ほどだったので少し眠い。

午後4時から午後6時までを自宅ですごし、みんなと連れ立って「しゃしゃんぼ」へ行く。
イベントの後には打ち上げがある。
Sさんは「しゃしゃんぼ」が初めてになる。
打ち上げにはYが来て、Aが来る。

なんだかYがエンジン全開って感じで、世の中はこんなに愉快なもんだという顔をしてのりまくっている。
こうなるとY君のエンジンは不調になる。
そんな調子で3時間が過ぎてしまう。

今度は忘年会だなという話をして、そうなんだよね、忘年会が話題になる時期なんだと思う。
一年は早い。

10 8

龍馬の話。

尾崎行雄という政治家は昭和29年に死去する。
憲政の神様と称された人で、生れは安政5年になる。
長命な人で、そのくらいを生きてしまうと、その人生に驚嘆するしかない。

安政5年とは大老井伊直弼全盛の時代で時の将軍は徳川家定になる。
家定が死に家茂が将軍になり、家茂が死に慶喜が将軍になる。
この間は8年ほどで、やがて明治になる。

明治の始まりから日清、日露の戦争を体験する。
大日本帝国が膨張し、やがては破滅する光景も見る。
帝国陸軍、帝国海軍の誕生から滅亡を見て、広島、長崎に原爆が落とされるのも見る。

この尾崎行雄の義父を尾崎三良という。
尾崎三良は幕末に戸田雅楽と名乗る。
三条実美のブレーンのような仕事をし、慶応3年ともなると坂本龍馬と同行する機会が多くなる。

坂本龍馬が脱藩し5年ぶりに土佐に帰郷した折に同行したのがこの尾崎三良である。
同行し、坂本家での宴の席にも侍る。

坂本龍馬の帰郷は彼が遭難する2ヶ月前の出来事で、帰郷が終われば大政奉還が成る。
大政奉還の後には新官制作成が必要になる。
これを新官制疑定書といい、その草案を坂本龍馬と戸田雅楽が計る。

草案には、関白、内大臣、議奏、そして参議の職を設ける。
実際は参議が政治をし、そこに14名の名前が連なる。
14名のうち4名は公家で、残りを大藩の重役が占める。
ひとりの例外を除けば、13人は筋目が正しいといえる。

坂本龍馬がその例外の人で、新政府では参議という職が内定していたことになる。
浪人身分で参議職になるとは、これは慶応3年に坂本龍馬の存在が、どうにも無視できるものではない証にもなる。

浪人でその存在が大きくなれば、その得体の知れなさも誇大になる。
これが風評になる。

坂本龍馬の遭難の遠因は、この風評だろうと、ずっと考えている。

10 7

木曜日になると生徒が来る。
月、火、水は教室を休みにしているので静かなものだけど、木曜からは騒がしくなる。

水曜は教室が休みだけど、実は、昨日に限り二人の生徒が来ていた。
子供が2人で、今度の日曜日の体験教室の前倒しみたいになる。
昨日も騒がしかった。

夜、花ちゃんを名古屋駅まで車で送る。
運転席に座り、運転するのっていつ以来かと考えた。
どうも記憶にない。

ホントに出かけることのない日常を過ごている。
どっか行きたい。

だから、どっかへ行くよ。

10 5

先月の終わりの頃に、煙草を2箱持ってレジに並んだ時の話。

僕の前の女性客が煙草の買い置き如何ですか?と店員に聞かれる。
僕も聞かれだろうなと予想していたら、店員は聞かない。

毎日、煙草を買いにコンビニに寄るので、そういうことなんだろう。
毎日、煙草を買いに来て下さいってことだろう。
ついでにお菓子もよろしくってことだろう。

煙草が値上がってから節煙している。
節煙に合わせた訳ではないけど、アルコールの摂取も節約している。
煙草は半分にし、アルコールは30%減というところ。

煙草とアルコールが嗜好品でない人にはどうでも良さそうな話も、
煙草とアルコールが嗜好品の人には、重大な話になる。
嗜好品って、生活には重要な要素を占めているものだ。


話を変える。

今日の早朝、Mさんからテレビに出るから見てよというようなメールが届いた。
で、テレビの前にいた。
Mさんの出る番組は知っているし、時々は観ている。
早朝の番組で、番組の時間は長くMさんがいつ出るかがが分らず、寝てしまう。
寝ていいんかなと考えながら、寝てしまう。
眠たかった。

昼、妻がこれって生徒さんじゃない?と新聞を差し出して聞く。
確かに、「リビング」というフリーペーパーに「アライユカリ」さんとユカリさんの妹さんの写真が載り、
「マイロ」というパン屋さんの記事がある。
早速メールを送る。
それから、ユカリさんとどのくらい会ってないかと考えて、考えるのは止めた。

時々、あの時以来だなと言うと、違うよとよく言われる。
記憶力がトンと悪くなっているので、記憶を呼ぶ作業は止めることにしている。

10 1

10月は金曜日ではじまる。
金曜日はバーガーサンドの日のはずが、都合がつかずに中止になる。

夜、中日ドランゴンズが優勝する。
4年ぶりになるらしい。

そういえば、今年は一度も野球を観戦ことがなく、ビールかけシーンを眺めながら選手が分らず、
こうなると、ドラゴンズファンではないなと思う。

今月10日は西区民まつりが開催される。
この打ち合わせが昨日あった。
打ち合わせの後で、Iさんを紹介される。
今年の区民まつリには「戦国武将隊」が来るけれど、「おみやげ町娘隊」も登場する。
これに少し関係する話をする。

その話は省くけど、Iさんと小学校、中学校、高校と同じと知って、慌ててしまう。
世間は狭い。
どうにも狭い。


さっき、夢を見ていた。
夢じゃなくて、現実かも知れないと夢から覚めてぼんやりしていた。

夢の中での話。

僕は初めてあった中年の男性と話をしていた。
場所はコンビニの駐車場で、コンビニ店内には僕の生徒がいて買い物をしている。
男性はその生徒の知り合いなので、全くの他人という訳ではなく、その生徒を話題にしている。

実は、その生徒は宇宙人で中年の男性も宇宙人になる。

なんだか変な生徒だと感じていたけれど、宇宙人となると変に決まっている。

この生徒と中年の男性は、25光年先の星から来ている。
最近、20光年先に地球に似た惑星が発見されましたよね?と僕が聞く。
その辺りから、話が現実味を帯びて来る。

星までの距離と航海の時間を考えると、どうやって来るんだという疑問が湧くはずだけど、
疑問は湧かず、彼の操縦はどうでした?と僕は聞く。
やはり、優秀でしたか?

優秀って、ぐるぐる回って落っこちると思ったよと男性は言う。
25光年先から地球に来るとは、落っこちる感覚が必要になるらしい。

人間の持つ物理学と男性のそれは違う。
科学が違い、結果的に宇宙が違うらしい。

実は網目が窓から見えるんだけど、その網目のひとつを目標に落下する。
そうすると地球にたどり着く。
その落下が全然悪く目が回ると男性は言う。

宇宙は網目で出来ている。

彼は操縦が下手だね。

これはUFOというよりは装置らしく長い航海ではないらしい。

なんか、科学の言葉がやたらと夢の中を飛び回っていた。
反芻しようとして、僕はそれを止めた。
理解出来ることではなく、理解できてしまえば大変なことになる。