10 30
婚活の続き。
棒グラフを見て、棒グラフの中のある年代の推移が突出して高いのが分る。
それは20代後半の女性の未婚率で、この30年で3倍になっている。
3倍とは煙草の価格上昇率と似ている。
にしても、3倍とは・・・・・。
30年前の20代後半女性の未婚率20%が現在では60%を超える。
男性の同じ世代が1.4倍であることを眺めると、これは異様な上昇です。
この異様さが男性の未婚率に関係し、男性の30代、40代の未婚率を引き上げる。
最終的には男性の生涯未婚率を引き上げ、現在16%の未婚率が将来は30%ほどになる可能性がある。
これは、生涯結婚しない男性が10人のうち3人ほどになり、それだけ父親がいなくなるということで、
子供の数は自然に少なくなる。
少子化現象は止まることがないのは予測として出来る。
未婚率の増加は晩婚化現象ではなく、男性の生涯結婚不可能化現象です。
考えるとこれは本当にすごい。
深刻なすごさがある。
ところで、婚活は就活から連想して出来た言葉で、
就職が終身雇用ではなくなったと同様に結婚にも終身という意味合いが薄れる。
つまりは、離婚が増える。
未婚率があるので離婚率もある筈で、それを調べたけれど、離婚率は計算が単純ではないので、
世間の印象として書くしかないけど、どうも世間にはざらにあるみたい。
印象としてはそうで、実際に僕の知人の何人かも離婚をしている。
例えば、両親がちゃんといるという子供って、30年前よりは多い印象がある。
(実際はよく分らない。)
結婚って、こんなに難しいものなのか。
個人的には、滅茶苦茶簡単なものだったけれど。
10 29
結婚活動、略して婚活という言葉があると先日知って、未婚率のグラフを見ていた。
生涯結婚したことのない人の比率を未婚率というのだけど、見事なくらいの上昇グラフになっている。
この30年間の棒グラフには下降はない。
30年間とは親と子供の世代のことで、30年前の結婚観が現在あまり意味を持たないのが分る。
30年前、20代の半分以上の男性は結婚をしていたけれど、現在は結婚するのはまれで4人にひとりという感じで、
30代前半でようやく半分になる。30代後半の3人にひとりは結婚をしていない。
女性も同様のカーブを描いて、20代後半の女性の未婚率はほぼ60%
30代前半でようやく32%になる。
グラフは2005年度だけど、一年でのポイント上昇は1だから、おそらく現在は35%ほどのはずになる。
結論すると、35歳以下の女性の3人にひとりは未婚になり、男性の35歳以下のふたりにひとりは未婚になる。
35歳以上、40歳以上も同様のグラフを作り、50歳以上も同様になる。
考えたこともなかったけれど、50歳以上の男性の16%は未婚で、女性の7%は未婚とグラフは書く。
これを生涯未婚率というらしい。
何だかすごい。
未婚者は未婚であることを望んでいる訳ではなく、それで婚活という言葉が出来る。
現在は、活動しないことには結婚できない事態になってるらしい。
恋愛するのではなく、活動する・・・・・・・。
ところで、30代の女性も男性も必死に婚活する割りに、何で未婚者が増えるかがチョッと分らない。
これが分る人がいたら、教えて欲しい。
30年前の僕と配偶者の結婚に困難さはなかったけれど、子供たちの結婚には困難さがあるんだろうな。
10 27
滋賀の近江八幡から犬の首輪を作りに若い男性が来る。
前回と同様に秋田犬を2頭連れて来る。
2頭の犬は駐車場の車の中でおとなしくして、寝たりしている。
夕方近く、車の中の犬を見てる女性がいた。
秋田犬ですよと僕が言うと、女性は思い出したように我が家に入る。
犬を見てたのではなく、ここを目的に来た事がようやく分る。
女性は自己紹介をして、おもむろに取材を始める。
アポイントを取らずにテレビ局の番組制作会社のディレクターが来たと理解する。
困ったなと僕は思う。
テレビ番組には出る気が僕にはない。
この辺りで頑張ってる人を探しているんですと女性は言う。サイトを読んでここだと決めてきたんですなどと言う。
そうだろうなと思うけど、困ると僕は言う。
テレビに出ると宣伝になると考えるのは間違いで、理由はここでは書かないけれど、いいことはあまりない。
だいたい宣伝をする必要のない仕事を僕はしている。
女性との話は1時間ばかりに及ぶ。工房では滋賀からの生徒が首輪を制作している。
1時間も話したりしていると、1時間ばかりの取材を受けた感じがしてくる。
取材の下調べみたいなもので、困った僕はある提案をする。
区役所の3階に地域振興課があるので、そこへ行くといいよ。
そこでこの辺りで頑張ってる人を紹介してくれるから。
で、女性の前で区役所に電話を入れる。
区役所は了解して、女性との明日の約束をする。
区役所が誰を紹介するかは知らないけれど、「ものづくり」の紹介をしてくれるといい。
テレビで僕を紹介しても無意味だけど、「ものづくり」の紹介には意味がある。
その中で僕の仕事が紹介されるのはいい。
僕はクラフトの広報みたいな仕事もしている。
この辺の機知が分ってくれると僕は助かる。
話を変える。
先日、生が人間ドックに入る。これを知って生にメールを送る。
生は適切な不健康を知るのはいいとメールに書く。
例によってよく分らないことを彼は書く。僕に不適切な不健康を知った方がいいとも書く。
で、しばらく考え込んでいた。
案外、生の言うことは正しいかも知れない。
不健康には適切と不適切がある・・・・・・・・・。
うん?
10 24
昨日、東京の内藤めぐみさんからカードが届いた。
めぐみさんは東京で「エイジング」という革製品の会社を経営している。
その会社の移転と、オープニングパーティの案内状で、チョッと行けないのが残念です。
めぐみさんと初めて会ったのはスウェーデン大使館でのあるパーティ。
もう何年前になるんだろう?
これは僕が彼女を誘ったのだけど、それまで彼女に会ったことはなく、ただ相互リンクをしていたせいで、
少しだけの繋がりがあり、それを頼りに連絡をしたら、来てくれた。
もう何年も友達をしていますという感じで会い、おしゃべりをして、サンドイッチを食べて別れた。
2年ほど前だったか、彼女は仕事で名古屋に来て、僕の工房に寄ったことがあり、
「しゃしゃんぼ」という近所のお店で一緒に飲んで食べた。
長々と飲んで食べてたせいか終電がなくなり、妻が車で彼女の実家まで送った夜がある。
彼女は名古屋の近郊の町の出身で、東京で起業をして頑張っている。
考えたら、その2回しか会ったことがないのに、フレンドリーさがすごくある。
だから、めぐみさんから連絡があると、いつもホッとする。
めぐみさんからの連絡もそうだけど、最近、いろいろな人が連絡をくれる。
来月になると、いろんな人に会えるな。
みんな僕の好きな人で、好きな人は大事にします。
10 22
亀山から生徒が来た。2ヶ月ぶりに来た。
亀山からだとあまり来れないので、2ヶ月ぶりになる。
12月に四日市に引越しますから、近くなる。
結婚するんですと言う生徒は25歳になる。
僕に結婚すると言う女性は一年に何人ぐらいになるんだろうと考える。
多いな。男性は滅多にいないのに。
月曜日にKEIから電話があった。すごく明るい声を出す。いつもの明るい声を出す。
制作途中の鞄があるので、行きたいけどいいですか?
本当に明るい声だな。
マイカという2歳の可愛い子がKEIの子供で、、マイカはアンパンマンが大好き。
少し前にテレビを見ていたらアンパンマンが放送されていて、いそいで録画をしたことがある。
マイカが来ると、アンパンマンが必要になると反射みたいにそうした。
録画してるので見なくていいのだけど、アンパンマンを見出したら、終了まで見てしまった。
不思議な番組だな。
そんな話をKEIにしたら、そうでしょと返事がある。
KEIはもうすぐふたりの子供の母親になる。
アンパンマンも忙しくなるんだろうな。
夕方、母の退院が土曜日と聞く。
8月26日からの始まる入院は10月25日に終わる。
ちょうど2ヶ月になる入院期間にはいろいろと考えることが多かった。
夏に始まり、秋の真ん中でこれも終わる。
昼、妻が病院に行くと母は寝ていて、夕方僕が病院に行くと、やはり寝ていた。
呑気な人です。
10 20
昨日、「西区民まつり」が開催されて、天気は上々。
日差しは強く、10月のこの時期に暑さを感じてしまう。
人出が多いのは勿論天候のせいで、人ばかりが目立ち、食べ物のブースには長い行列が出来ている。
お祭りだな。
イベントの後で、みんなが我が家に来てピザを食べて、ビールを飲む。
延々と飲むという感じで飲んで喋る。
楽しかった。
みんなとは僕の生徒たちで、イベントではいつも一緒に体験の先生を務めている。
愛美さんが来る。
日曜日も仕事だったと言い、イベント終了間際に来て、一緒にビールを飲む。
お久しぶりでした。
ミキちゃんのお父さんとお母さんがイベントに来てくれました。
僕は挨拶をする。
ミキちゃんと書いているけど、ミキさんが本当だろうな。
10 18
随分以前に近所の酒場で友人とお酒を飲んでいたことがある。
40年ばかりの付き合いが彼とはあり、友人と呼べるのは彼ぐらいかなと思っている。
僕には友人が多くはない。
彼は、昔こんなことをしたなと実に詳しく記憶していることを話す。
それを聞きながら、何も記憶してない自分に驚いたことがある。
凧揚げ。
凧を作り、凧を名城公園まで揚げにいったよ。それ、オマエの家で作ったよ。
ふーんと僕は聞いている。思い出そうと努めたけれど、どうにも無理で、
彼には記憶として残り、僕には記憶のかけらも残らない。
不思議なものだと思う。
彼は以前、胃に癌を患い手術の経験がある。
もういいかと思ったと彼は言う。もういいかとは人生を終えたとしてももういいかと言う。
もう一度人生をやり直したいか?いやだよな?
それを僕もよく考える。
もう一度人生をやり直したいとは思わないと同感する。
ふたりとも、そんな会話をする歳ではなく、彼は工業高校の教頭を勤め、僕は個人工房を営んでいる。
まだまだ動いて、仕事をし、仕事で社会と関わるしかない年齢でいる。
そうでも、そんなことを話題にする。
人生をやり直したいと思わない。
もう一度生きて来た道を歩いてみろといわれても、とても歩けるものではないと彼は言う。
彼は生きてしまったのだろう。
おそらく、僕の中にも生きてしまったという感想がどこかにあるのだろう。
人生は2度もあるものではない。
生きるとはどこかに辛いものがある。それ以上に嬉しいことがある。
人生ってなんだろうな?
時々、唐突なことを書いている。
最近、ノーベル賞の受賞者の話題が報道される。
それを見るたびに、ああ、と感じる。
ノーベル賞の受賞者を眺め、この人たちって違うよね、と誰かが言った。
頭がいいとかそういうことじゃないよね。
頭がいいとかじゃないだろうな。
世の中には頭のいい人なんて腐るほどにいる。本当に頭がいいと感じさせる人も相当にいる。
でも、それだけではなくて、感性とかそんなものが強くあり、それを信じてそれに人生を注いたのだろうなと思う。
つまりは、天才としか呼べない人で、天才はそんなに多くはない。
ところで、天才は天才という理由で偉いのだろうか?
10 17
空を見ている。
晴れか曇りかの区別が付かない。
19日に「西区民まつり」があるので、その準備をはじめる。
当日、雨は降らないらしい。
病院に行き、部屋にいた看護士に退院について聞く。
チョッと聞いて来ますと看護士は言い、部屋を出て付く。
しばらくて、医師が来る。
前回の母の入院時の医師には僕は好感を抱いていなかった。
どうにも意思の通じなさそうな人の印象があり、この人でいいかという不安を感じていた。
これは今でも拭い切れない印象として残っている。。
今回はそうではなくて、どことなく安心感があり、話をよくする。
医師との話は今回の処置の感想まで入る。感想を言い合えることはいい。
退院出来る状態ですよ。
今は受け入れ先と打ち合わせをしている最中で、受け入れ先からの連絡待ちですよ。と医師が言う。
会話の横では母が寝ている。
目を動かし、無言で寝ている。
栄養が良くなったせいか、血色はいい。
時々、ベッドを上げて上半身を起きた状態にしているらしい。
そんな話を弟にすると、病院にいた方がいいのにな。と言う。
そうかも知れないけど、病院通いはもういいよ。
いい加減くたびれた。
電動べっドいるなという弟の言葉に、それはいるだろうなと答える。
退院は今週ではなかったけれど、いよいよになる。
退院の日の天気がいいといい。
そういえば、5年前の「区民まつり」の朝に父が逝き、「区民まつり」に合わせたように母が退院をする。
何かの縁を感じてしまう。
10 16
午後8時、夜の生徒が帰り、酒屋へ僕は行く。
酒屋からの帰宅途中に警官に呼び止められる。
昨日と同じで、さすがに気分は悪くなる。
顔に気分が出たかも知れない。
若い警官で、昨日の私服巡査と同じことを言う。
警官を怒らせていいことはないことは知っているので、話を合わす。
若い警官は当たり前のことを説教する感じで話す。
そう、当たり前のことを長々と話す。
世の中で何が嫌い言えば、至極当たり前のことをもっともらしく諭す人間ほど嫌いなものはない。
諭すなど、大人が大人に出来るはずのないことで、諭す人間ほど愚かな人はないと僕は考えている。
どんな偉い人でも人を諭してはいけない。
偉くないと分っている人はさらにいけない。
人は誰でも同じで偉いも偉くないもない。そんな区別は人にはない。
愚かな時代と偉い時代が人の生きてる間にあるだけだ。
これは誰も同じで、だから、人は悩んで生きている。
だから、諭すのではなく、別のことをしなくてはいけない。
人は人に人が優しく感じる何かをしなくてはいけない。
前半に書いたことと後半に書いたことの関連はあんまりないけど、若い警官の顔を見ながらそんなことを考えていた。
10 15
銀行のATMからお金を引き出す。
それを財布に入れて、機械から離れて外に出る。
すると、僕を待ち伏せていたように若い女性が現れる。
警察の者ですと私服の女性は言った。
振込み詐欺の警戒をしてるんですけど・・・・・・・・。
それ、ニュースでやってますねと僕が言い、
ええ、同時に自転車の点検もしていますと巡査は言う。
つまり、振込み詐欺ではなくて、僕の自転車に不審を感じたらしい。
鍵、付いていませんね。
鍵、ちょうど壊れたところです。チェーン鍵で、壊れたところ。近所ですから。
鍵して下さいね。
そうします。でも、盗られませんよこの自転車は。分ります?
巡査は沈黙する。
サドルを思いっきり高くする。すると誰も乗れません。
おそらくは納得はしない答えになったろうけど、その会話を最後にして帰宅する。
サドルを思いっきり高くするのが、盗難に効果があるかは知らない。
鍵の効果とどっちがあるかも、まあ、分らない。
ただ、自転車は僕の目の前にいつもある。
この日も、ATMから5メートルも離れてないところに置いて、時々確認をした。
あの質問、自転車の盗難の心配ではなくて、僕が盗ったと思ったからの質問だったのかな?
夕方、病院で母が言葉を出した。
1週間ぶりの会話で、先の会話と似ている。
分った? ワカル。
一度だけの会話。か細い会話。
ただ、月に一度の会話が1週間に一度の会話になった。
間隔が縮まり、やがては、毎日の会話があるということになればいい。
明日は木曜日。
今週中に退院と聞いているけど、まだ病院からの直接の話はない。
退院?
10 13
午前中、うとうとしてるとバイク音がする。
近所でバイクが走るとその半分は我が家の前に停まる。
今日の朝のバイク音も我が家の前に停まった気配がする。
窓を開け、外を見ると一台のハーレーが停まったところで、停まったハーレーには見覚えがある。
生がいた。
今日、休みです?と生は聞く。
休日の午前は休みにしている。
誰も来る予定がないので、午後からのんびりする。
うたた寝をしたりして夕方になる。
天気は良く、自宅にいていいかと自問する。
勿体ないな。
何だか蚊が多い。
ベープのランプを点けているのだけど、蚊はベープを無視して、音を立てる。
昨日、女性が3人いて、作業をしながら騒いでいた。
蚊は騒ぎの元になるな。
革が多いと蚊が多い。これは本当です。
10 11
3連休のはじまりは、一日中風が強く、町には落葉が舞っている。
舞う落葉は開け放したドアから家の中に入り込んで踊り続ける。
気にはしないでそれを眺め、風は木から葉を吹き飛ばすほど強いのかと思ったりする。
或いは、元々、葉は力が弱いのかと。
僕は休みではなく、お客さんの相手をして、生徒の作業を見ている。
明日もそうなのだろう。
退院?
点滴を終えた母を見に行く。
確かに点滴のチューブはなく、腹に付けたチューブを点滴のチューブと間違える。
ベッドの横の小さなロッカーに洗った洗濯物を入れ、洗う洗濯物の袋を手にする。
この日課も今週で終わるのだろう・・・・・?
10 10
銀行のATMに行くと人が行列をしている。
時間帯が悪かったかも知れない。行列には並ばないことにしてるので、行列を見て帰宅する。
明日から3連休のせいなのだと後で気が付く。
連休の前にはATMからお金を引き出す人が多くなる。
退院。
退院と妻が病院で医師から言われたと僕に言う。
退院?
来週のいつか退院ですよ。と医師は妻に言ったらしい。
今日で点滴も終わります。
点滴はひとつきと2週間が続いた。
それも今日で終わるかと夕方、病院へと行く。
腹にチューブを付けて食事をする母は相変わらずで、会話をしない。僕を誰かと考えて顔を横にする。
退院?
手術の経過が良ければ3週間で退院になりますよと言われていたので、そのとおりになるのだろう。
残りは1週間。いよいよ僕の病院通いも残り1週間となる訳だ。
ひとつきと3週間が母の入院期間になる。
そういえば、5年前の母の入院は3ヶ月続いた。
一月に病院に入り、桜の咲く頃に病院を出た。
よく生きて病院を出たと人は思うけど、後遺症が今を作る。
次が何かの想像はしないで、退院を眺める。
このひとつきと3週間になる入院期間の最初の2週間を僕は呑気に過ごす。
次の2週間を悲観で過ごし、残り3週間を淡々と過ごす。
おそらく、退院後も僕は淡々と過ごすのだろう。
いろいろあったな。
悲観の中で、いろいろなものをなくすと予感したけど、結局、僕は何もなくさなかった。
何故かと考えて、人が僕に優しいせいだろうと結論付ける。
人は誰もが優しい。そう感じてしまうと、何もなくさない。
大事なものはなくしていけない。絶対に。
10 9
昨日、電話があって明日の予約はいいですかと聞いた女性がいた。
名前を言うけど、僕の記憶にはない。ないけど、僕は知っているふりをして話をする。
何だか電話の向こうの人は僕をすごく知ってる話し方をしているので、誰とも聞けない。
そもそも、僕は生徒の名前を聞かないし、記憶することは殆どない。
何故と聞かれても、まあ、僕はそんなんだとしか書けないけどね・・・・。
今日の昼、女性が来た。
来て思い出したのだけど、彼女は年に一度ぐらいの感じでここに来る。
知ってました?と聞く、知らないとは答えず、知ってると僕は答える。
これは、嘘とも本当ともいえる曖昧な返事になる。
僕がいちばん開くサイトはこのページだろう。
「ひとりごと」は僕が僕に言ってる言葉なので、僕が読む。
人が読むことを前提にしてるのではなく、あくまで僕が読むことを前提に書いている。
人が読まないとは思ってはいないけど、人が読むだろうとは殆ど意識をしないので、好きに書いている。
好きに書いているので、まあ、分らないことも書く。
「ひとりごと」なので・・・・。
最近、すごく書いてるのは、9月にいろいろあって、僕が僕に書くべきことというか考えることが多くあったせいだろう。
僕自身をまとめないとまずいなと。
唐突なことを少し書く。
ひとりの女性と暮らして30年ばかりが過ぎた。
これだけ過ぎてしまうと、さすがに恋愛感情はなくなる。
恋愛感情が、お互いにないことは、まあ、お互いが知ってることです。
歳月を経てもお互いの恋愛感情で成立してる夫婦って、世間にはあるのだろうけど、
恋愛感情ではない何かで成立している夫婦もある。
この何かが世間ではいろいろ説明されるけど、ひとまずそれは省く。
因みに、僕と妻は仮面をかぶることで夫婦関係を成立させてる訳ではない。
いろんなことを考える。
僕たちの夫婦関係が理想なんですよ。とよく人に言われることがある。
生徒にもそう言われ、結婚式に夫婦で出席したことさえある。
ただ、どう理想の夫婦かを僕は聞かないので、僕は理由を知らない。
何が理由なんだろうな・・・・・・?
仲は、驚くほど悪いのに。
時々思うのだけど、夫婦ってもともとは他人のようで、実は他人でないな。
他人であると断言してしまえば、恋愛が必要かも知れないけれど、恋愛は情熱と同意語で、つまりは冷める。
熱量が永遠に続く筈がなく、いつかはゼロになるのと同じように。
でも、冷めても残るものがある。少なくとも僕たちにはある。
これって何かとずっと考えてる。
10 8
区役所に出向く。
税の支払いは忘れ、3階の会議室に入る。午前の日差しが少し暑い。
19日に「西区民まつり」が西区押切公園で開催されるとよくここに書いているけど、その打ち合わせ。
みんな打ち合わせの必要はないことは知っているので、みんなのんびりとコーヒーを飲んでいる。
係の人も冗談を言いながら、書類に書いてあることをのんびりと説明する。
「区民まつり」はいつも天気が悪い。
今年はどうなのだろう?
ミキちゃんという僕の生徒がいる。
ミキちゃんは、今、鎌倉にいて、「区民まつり」に来ると連絡してきた。
去年、すごく楽しかったとメッセージを書いてくる。
ミキちゃんは僕の娘の友達でもあるので、娘とミキちゃんのことを話題にする。
彼女は名古屋だよと娘が言う。鎌倉は一時滞在しているところと言う。
彼女はすごく明るい女の子で、すごく真剣に生きている。
ずっと真剣に生きてきて、これからも真剣に生きてゆく。
ミキちゃんは僕の子供の年齢だけど、本当はとてもいい感じの大人の女性です。
案外、僕よりは大人なのかも知れない。
朝、起きるたびに自分の回復が分る。
不眠はすっかり解消されて、いよいよ秋の真ん中にいる。
10 7
明け方、テレビを観ていて、思わずえっと声が出た。
緒形拳が急死したという報道で、えっ本当?
緒形拳が死んだ・・・・・・・・。
昼、革屋に寄ると、主人がのんびりしている。
用事を済ませ、店に来た時から気になることを僕は聞く。
ラジオ聞くのか?
その時、ラジオからのおしゃべりが店に流れていた。
うん、ひとりの店番は淋しいからねと彼は言い、アナタは仕事をしてるので淋しくないだんだろうなと付け足す。
そう言われてしまえばそうかも知れないと思う。
ラジオのスイッチを入れたことが僕にはなく、最近ではパソコンの音量もミュートが多い。
淋しくないのではなくて、何だか音が煩わしくなっている。
昼、県税事務所に行く。これは納税のため。
納付書の期限は9月1日で、とっくに過ぎている。
忘れていた訳ではなく、億劫なことをしないで過ごしていたので、今日になった。
そういえば、先日、区役所の銀行で市民税を払う。
これは督促の知らせが来たので、出向いたのだけど、これも億劫だった。
税は億劫で済むことではないので、億劫な気分でも仕方がないか。
昨日、次の市民税の納付書が届く。
明日払うか。
10 6
午前中、電話がよく鳴った。
昼過ぎにRに電話を入れる。電話には誰も出ず、電話を切ると客が来る。
客と話していると携帯が響き、Rには後で電話をすると言う。
客が帰りRの携帯を鳴らしたはずだけど、誰も出ない。それで携帯は外っておいた。
夕方、病院へ行く。
帰宅途中に携帯が鳴り、Rだろうと出てみると娘からで、お客さんがいると言う。
帰宅するとお客さんが待っていた。
打ち合わせを始めると携帯が鳴り、これはRからで後で電話をすると僕は言う。
お客さんが帰り、Rに電話を入れる。
ようやくRと話が出来た。
Rと話をするのに4時間ばかりかかってしまった。
Rは呑気そうで、「先生、先生、センセ」と大声を出す感じで話をする。
随分疎遠になっていると思っていたけど、そうでもなくて、呑気さは相変わらずで、いろんな話をする。
病院へ行っても何もしない。
母の手術から10日ばかりが過ぎ、容態は変わらずで、変わらないとは文字どおり何も変わらない。
でも、何だか今日は違っていた。驚いたのだけど、母は片膝を立てていた。
起きていた。目が動く僕を追う。
手を握り、母の耳元で大きな声を僕は出す。
名前を言う。分る?と聞く。3度ばかり分る?と聞く。
すると、「ワカッタ」と一度だけ返事があった。母が返事をした。分る? ワカッタ。
これは正常な会話だ。
おそらく、僕はひとつきぶりに母と会話をした。
その話を妻にする。えっと明るい声が返って来る。
明るい。
9月は最悪の月で、大事な何かををなくす自分を眺めていた。
それは辛い時間であれ、過ぎてしまうと、明るくなる。
ところで、本当に僕は何かをなくしたのだろうか?と考えている。
多分、それは違い、何かに夏の色とは違う色を塗り、箱に入れただけなのだろう。
僕は箱を捨てることはせず、でも、箱に入れた何かを出すことはもうしない。
秋の時間に予感はない。
そうでも、呑気な秋があることに違いはない。
10 5
雨が降っている。
実家まで車を走らす。雨のせい。
10月5日は父の死んだ日で、住職が来て経を唱える。
5年になるな。月日は勢いを増して過ぎて行く。
5年前のその一日のことをよく思い出す。
秋の空が透き通るほどに美しく、病院の9階の部屋からその空を眺めていた。
父が逝った1時間後のことで、人も死んでしまうと事務が始まるかと変な気分を抱いていた。
感傷が始まるのは、随分あとのことだった。
5年になるか・・・・・・。
母がひとりになって5年になるか・・・・・・。
10 4
昨夜は焼肉を食べていた。
生と食べていたのだけど、生と一緒はいけない。
一緒にいた妻は、これはまずいと即座に退散をした。
まずいとは焼肉がまずいのでなく、生と一緒がまずい。
焼肉は驚くほどの上手さがある。
食べたところは「馬力屋」という名前の店で、どうも有名らしい。
検索すると、確かにヒットして評判はいい。
この店は我が家の近所にあるけど、初めて入った。
「馬力屋」は、もう牛肉を食うなら、ここで食うしかないな。と思わせる店だった。
また、行こう。でも、生と一緒は止めた方がいい。
軽く人の10人分は食う筈で、付き合うとつられて食べ過ぎる。
生ときたら帰宅途中の喫茶店でチョコレートパフェを食べた。
食べるんだろ? と僕が聞く。
一心不乱に食べる生をコーヒーを飲みながら眺めて、美味しい筈のコーヒーが苦くて仕方がなかった。
僕は、深夜、整腸薬を飲んだ。
今日、タルという女の子が来ていた。
タルとは愛称で、おしゃべりしながら作業をしていた。
タルは鞄を作っている。今日は持ち手の作り方を教えた。。
先の円頓寺でのイベントで大活躍をしたタルは、今度の「西区民まつり」に来ると言う。
彼女がいると、僕は遊んでいればいい。
みんなも遊んでいた方がいいかも知れない。
10 2
人はみんな優しい。
最近、そんなことばかりを感じる。
今日の空には秋がどこまでも広がっている。
気持ちは良くて、散歩がてらに革屋へと行く。
吉田君夫妻と一緒だった。のんびりとおしゃべりをして歩く。
彼はコーヒーを持ってきてくれた。先週は僕の好物のおはぎを持ってきてくれた。
いろいろと気遣う彼には感謝ばかりをする。
お疲れでしょうから、これどうぞと言う。甘いもの、いいですよ。
夕方、Iさんが来る。彼女ときたらプリンをお土産に来る。
どうも疲労困憊だった僕を見て、気遣いをしてくれたみたいだった。
呑気な返事を僕はする。
夜、2通のメールが生徒から届く。
返信メールだけど、今日の秋の空の感想を書いてくる。
みんな気持ち良さそうに生きて動いている。
さて、明日は焼肉を食べに行く。
回復した体に栄養を入れる。生と一緒で、妻が同伴する。
ところで、僕は人に優しいのかな?
これ、考えてみる。
10 1
いつもカレンダーを眺めている割に、今日は何日なんだろうと考えてしまった。
9月何日って。
でも10月なのだ。
今日から、10月がはじまったのだ。
9月は僕には人生最悪の月になったと思う。
先月、この「ひとりごと」にいろいろと書いたけど、無論、書かないことの方が多く、
読んだ人はこの人は何を書いているんだろうかと思ったかも知れない
書かないことは書くことではなく、言うことでもないので、省いていた。
それを承知して心情を書いていたので、どうにも詩を書いてるような気分になった。
心情を書くには詩を書く気分でいるといい。
何も伝わらなくとも、それでいい。
悪いことは起きる。連鎖して起きる。
起きたことは予想されることで対応する自信はあったけれど、連鎖すると精神は対応出来ないものだな。
暗い気分は暗い気分にさらに引っ張られてしまう。
精神が悲鳴を上げるのは本当だ。パニックする気分を味わって、味は苦いとつくづく思う。
だから、僕の精神は、どうにも弱いらしい。
人が相手なら、どうにかする自信が僕にはある。
相手が人ではなくなると、僕は何も出来ない。
後になって思うのだけど、もし、
僕が空にいて、地にいる僕を眺めれば、随分滑稽だろうなと思う。
僕の想像力は貧困か豊富かで標準値ではないな。きっと。
さて、10月です。
今日、西区役所からHさんが来る。
さすがに遊んでいけよとは言わないで、簡単な打ち合わせをする。
今月19日に西区押切公園で西区民まつりがあるので、その打ち合わせ。
これは打ち合わせが必要のないイベントなので、簡単に済む。
それから雑談する。
その雑談を聞いて、作業をしていた生徒のS君が笑い出す。
僕は、回復をした。