9 23

携帯を変更した。手続きの面倒さはあった。
ところで、この携帯を誰が鳴らすんだろう?

先日の21日、YKKファスニングアワードの入賞作品がナディアパークデザインホールで展示された。
僕は都合で行けず、残念だったけど、生徒がそこへ行き、彼から感想などを聞く。

NHKの7時のニュースが「つま恋」を流す。拓郎、かぐや姫のコンサートの野外コンサートの風景を流す。
あれから30年が過ぎ、30年間という時の流れに、彼らを見たり、観客を見たりして、ある種の感慨を持つ。
そして、この感慨をどう説明したらいいかと悩む。
30年間という時間の流れは、途方もなく長い感覚か、そうではなく、昼寝をしていれば流れてしまったという時間に過ぎないという感覚で語られるものなのか。
という疑問は僕にとってはひとつの仕事のようになる。
この30年、そしてこれからの30年。その時間の流れの後で、戦後のある風景は確実に消え、僕も消える。

9 16

昨日、天野美保さんが来た。
天野さんは「第6回YKKファスニングアワード」で
優秀賞を受賞した大学生です。
先日の電話の最後に「お土産頼むよ。」なんて話したら、彼女は、本当にお土産を持って来た。
「はい、お土産。」と渡された品が「サザエさん饅頭」。東京のお土産にそんなものがあるなんて知らなかったな。
つい、笑ってしまった。
で、この饅頭の箱にサザエさん一家というか一族の系図などが印刷されていた。それを読むというか、眺めていた。
僕の後で、息子もずっと眺めていた。
まあ、話題というものは尽きることがない。


9 14

すばらしいこと、おきてくれないかな。なんて書いていたら、本当におきた。

夜、僕の生徒から電話が入り、YKKファスニングアワードの審査結果を知らせてきた。
(実は、この件には僕もどきどきしていた。)
今日、「ラフォーレミュージアム六本木」というところで「第6回YKKファスニングアワード」というコンテストのショーと授賞式があった。
僕の生徒が、このコンテストに応募して、2次審査を通過していた。通過した以上、グランプリか優秀賞を得る可能性が少なからずある。
この受賞式には、僕は出席しなかったけれど、生徒は出かけた。そして、僕に電話を入れた。
電話の向こうで生徒が言う。グランプリは取れなかったけれど、優秀賞だよ。
絶句する僕。聞き返す僕。本当かよ。

僕は現在、弟子を育成する事に専念するつもりで、実際、そうしているけれど、こうした仕事にも結果が形で現れる感じがして、凄く嬉しい。

9 12

雨が降っている。明日も雨らしい。

僕は、何だか静かに暮らしている。8月までの騒々しさは、今はない。

奇遇があった。
最近、僕の工房に革職人志望の青年が通って来る。彼とはよく話をする。
会話の中に彼の父親の話が出て、父親の年齢を知った。すると、彼の父親が僕の弟と同じ年齢だと気がついた。
偶然だが、弟と彼の父親の中学校は同じだったらしい。同じ年齢で同じ中学なら同窓ではないか。
さらに驚いたのだけど、同じ高校に進学したらしい。すると、これはもう知り合いとかの関係以上ではないか。
そんな事に驚いていると、当の弟から電話が入る。この電話も偶然だが、そんな話をして、彼の姓を言うと、彼なら知っているよ。と弟は言う。
それから、何で?と聞く。事情を説明すると、弟も驚く。そんな随分な奇遇な話が今日、あった。
奇遇の続き。
円頓寺でのイベントに僕の生徒がクラフト体験の講師をしていた。何人かの体験者が集まり、クラフトで遊んでいた。
遊んだ中に区役所の担当者もいた。担当者は女性で、女性が席を離れてから、僕の生徒が怪訝な気持ちを抱く。
抱いた理由を翌日に知ったのだけど、どうもその担当者が僕の生徒の知ってる人にそっくりだったらしい。
ただし、僕の生徒の知っている人は彼女の高校の先生で、市の役人ではない。だから別人に違いがないのだけど、どうにも気になるらしく、
イベントの後で、失礼を承知で聞いてみた。すると、担当者はあっさりと答えたものだった。よくそう言われますよ。地下鉄などでよくそう言わますと言う。
それ、私の妹です。妹とそっくりですから。
確かに姉妹なら似ているかも知れないな。とそばで会話を聞いていた僕は思ったんだけど、彼女は続けて言う。双子ですから。

9 9

司馬遼太郎は「坂の上の雲」の執筆に5年の準備をし、書くに5年を要したという。
従って、司馬遼太郎の40代はこの小説に費やされた。
40代という人の年代が社会ともっとも密接に関わる時間に、これほどの仕事をしたかと考えると、
やはり司馬遼太郎という作家は偉大であるに違いない。

「のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。」
明治の楽天家のことを司馬はそう書く。

どうでもいいような話を書く。
どういう訳か、僕はこの「坂の上の雲」の題名からの連想を、季節は夏で、雲は入道雲に違いなく、
上る坂の途中には木造の2階建ての舎があり、白く雄大に天に湧く雲とその木造の舎を交互に眺めて歩く人を連想していた。
舎は学生舎かなにかの建物で、その1階は木々に隠れて見えないけれど、坂を歩く人は外にはいない。
坂をの登りきると、その向こうに何があるかは想像もせず、蝉のしぐれはただ盛夏を思わせる。


僕は、勝手にそう連想していた。

9 4

日差しは、肌に痛い。
9月に入り、途端に朝夕は秋めいてきたけれど、さすがに昼間はそうもいかずに日差しが眩しい。

本日の昼に、突然、時間が空いた。滅多にないことなので、久しぶりに母のいる施設に顔を出す。
知り合いの介護員は久しぶりですね。などと言う。たまには来て下さいよ。と言う。
考えてみれば、かれこれ2ヶ月は母の顔も見ていなかった。
本当に施設は近いところなので、顔を出せばいいのだけどね。

さて、9月。
すばらしいこと、おきてくれないかな。

9 1

今日から9月が始まる。どんな月になるんだろう?

そういえば、先に焼肉を食べていた話を書いた。
追伸みたいな話だけど、焼肉の後で、コーヒーを飲もうよ。と藤澤が言う。全員が賛成するので、コーヒー店を探す。
探す必要はなく、焼肉屋の前にはホテルがあるので、そこで飲もうと僕が言う。
ホテルにはコーヒーハウスがある筈だから。
すると、藤澤がそれは無理だよと言う。
デブとデブになろうとしている男とそれに浮浪者みたいな格好の連中を入れてくれるホテルはないよ。
ちなみに、以上は藤澤の弁で、僕の弁ではない。
台詞の中の浮浪者みたいな格好とは僕のことらしい。
確かに僕は仕事着のままで、汚いジョギングシューズを履いていた。散髪はかれこれ3ヶ月はしていないし、無精ひげは濃い。
浮浪者といえば、それが誰をも納得させそうな表現で、確かに入店は断られるかも知れない。

そんなことがあって、先日、散髪をした。髭を剃り、朝にシャワーを浴びる事にした。
すると、今日の午前に生徒が遊びに来て、「先生、さっぱりしているね。」と言う。

うん、最近、気分もさっぱりしてるんだよ。