12 30
1週間前の雪はまだ道端に残っている。毎日が随分と寒い。こんな12月も珍しい。
さて、今年もいよいよ残り2日となる。わずか2日間が残された今年の日々かと呆然としている。
あまりに色々と残している。今年すべき色々なことを僕は残している。
12 25
本日はクリスマス。昨夜はクリスマスイブ。
この言葉が個人的にはどのような意味も持たなくなったのがつらい。
息子が近所のSという店でバイトをしている。この店には僕もお世話になる。ここに来る生徒の何人かもお世話になっている。
Sは居酒屋のような料理店のような田舎の和式のレストランのようなお店で予約が必要になっている。お店の内部は暗い。
で、クリスマスイブの夜、若いカップルの予約が殺到していたそうだ。若いカップルはここでクリスマスイブの夜、デートをする。
つまり、お店はカップルで溢れた訳だ。
ところが場違いなお客というのはどこにでもいるらしく、この夜もそうで、そんなお客が何人か来たらしく、来て、場違いに気が付いて大急ぎで店を出る。
何だか、こうした事に気を使うのはやはりつらい。
12 24
煙草を買いに道を歩く。午前11時を20分ほど過ぎている。自販機が僕の目の前にある。
突然、ドンというような音がする。とっさに地震だと直感する。家が揺れているんだろうかと目の前の家を見て、電柱を眺める。
揺れはなく、自転車に乗った人は驚くこともなく走り去る。その姿を眺め、煙草を買って帰宅する。
帰ると妻が地震が怖かったと言って、テレビを見ていた。テレビは震度4の地震の速報を流がしている。
震源地は愛知県西部というから、ここだ。
近所にレンガ作りに工場がある。建物がレンガではなく、塀がレンガで出来ていて、まあ、この辺りの名所みたいなところ。
この建物を壊すと言う。工場を壊す理由は土地そのものの汚染調査らしいのだけど、レンガ塀も壊されるらしい。
実はこのレンガは塀だけなので耐震が殆どなされていないので、安全のために壊すらしい。だから、近所から名所がひとつ消える事になる。
もっとも今日の地震では倒れなかった。震度4というのは、建物に対しては意味がないみたいらしい。で、震度5の場合はどうなんだろう?
話を変える。
司馬遼太郎が死んで10年が過ぎる。10年はひとつの区切りで、区切りを元にした回顧特集を雑誌などで読んでいた。
僕も暇があれば、なくてもだけど、彼の本はよく読んでいる。
再読が中心になるけど、現在もひとつを読んでいる。題名は「11人番目の志士」という。
この小説は架空の人を主人公にした幕末もので、これが馬鹿馬鹿しいほどにまずい。
まずければ読まなくていのだけど、まあ、無理して読んでいる。
あんまりまずいので、解説が気になって途中で解説を読んだけど、解説を書いた某という歴史学者をしている人も解説など書きようないみたいで、
小説の解説ではなくて幕末の長州の話などを長々と書いていた。司馬という作家にはそんな作品も結構ある。
小説の話を続ける。
夏に「終戦のローレライ」「亡国のイージス」というふたつの本を読んでいた。
どちらも長編で、作家名は忘れた。ついでに書けば、作家名は忘れていいと考えている。こうした小説はそれでいい。
(普通の場合、作家がいて作品があるのだけど、作品だけが出て、作家が消える場合もある。)
続けて書くと、どちらも荒唐無稽の話で、現実味は全くない。
小説というものはそうしたものだから、それで良く、面白ければそれでいい。という類の小説がある。
これがその典型みたいな作品で、面白く読めるのだから、それでいい。
ただ、それ以上にこの小説に付き合うのは止めたがいい。
12 22
朝起きたらテレビは大雪情報を流していた。外を見れば雪が降っていた。
雪は途切れ途切れに降り続け、町は銀世界に変わる。
名古屋は雪があまり降らないせいか、雪対策には無縁で、苦戦する。
今日から冬休みに入るせいか、近所の中学校から中学生が集団で帰宅する。
帰宅する彼らを眺めていると、雪に騒いで、雪で遊んで、まるで犬が雪にじゃれているのと同じで、何となく面白かった。
12 20
もう眠いので寝る事にする。午前2時に近い時刻。
いつも徹夜をしている。仕事は徹夜でするものと考えている。だから、明け方まで仕事をしたり、HPを更新していたりして、明け方にシャワーを浴びて寝る。
そんな習慣にしているけれど、さすがにそれが毎日では身体が持たないので、時々眠り続けてしまう事になる。
仕事の効率がいいのか悪いのかは正直なところ分らないけど、そんな生活習慣はそろそろ止めたがいいか。
12 19
すごい景色になっている。
午前4時の外を眺めていた。雪は降り続け、街灯の明かりは雪を映し、明け方の町は異様に明るい。
時々、屋根とか電線とか電柱に溜まった雪が音を立てて落ちてくる。車の屋根へと落ちてくる。ドスン、ドスンと音がする。
12 13
国とは視界に映る風景のことだ。
岩村の城跡に登り、昔の岩村藩に生きた藩士が見た風景を眺め、つくづくとそう思った。
岩村はそれでもまだ大きな風景かも知れない。
突然の話だが、新撰組にいた安藤早太郎という人を想像していた時、不意に涙が出そうになった。
安藤早太郎は池田屋で死んだとも、大阪で死んだとも伝えられてる人で、墓は壬生寺にある。
彼は西三河の挙母藩を脱藩した人で、放浪の末、新撰組に入る。
新撰組の話ではなく、挙母の話を書こうとしている。挙母は今の豊田市である。
この藩は藩というには小さ過ぎ、その城下は6000石でしかない。
飛び地を合わせて何とか1万石程にはなるので、ひとまず大名に列する事になるのだが、城はない。
城はなく、陣屋があり、陣屋には大手門がある。
城がなく、天守閣がない事実を藩士たちは恥じたらしく、大手門を自慢することでその慰めにしたらしい。
大手門を七州城という。大手門に上がれば七州が見渡せたので、そう呼ぶのだが、所詮は大手門である。
早太郎はこの大手門に上ったことがある。まだ子どもの頃で、眺めた七州を国と思ったかは分らない。
いや、多分そうは思わなかったろう。彼の国はあまりに小天地であり過ぎて、上った大手門の眼下に映る城下のみが彼の国でしかない。
そうした事実は彼を苦しめたかも知れず、それが脱藩の動機になったかも知れない。彼は武術に秀でていた。
彼は彼の武というものを試したかった。試すには彼の国はあまりに小さい。
放浪するということはどういうことなのだろう。故郷を思い続けるという事なのか。
後年、彼は大手門から眺めた風景の遥かな地でその若い晩年の死を迎える事になるのだが、死の際に彼の瞼に浮かんだのは、
こどもの頃、大手門から眺めた風景だったのではないかと、そんなことを考えていた。
12 12
先週の土曜日に先月に結婚したという二人を招いてすき焼きなどを食べた。酒を飲んで、ケーキも食べた。食べ疲れたくらいに食べた。
だから、しばらくの間は肉もケーキもいらない感じの身体になっている。
結婚する若い女性は僕の生徒で、若い男性は今もって僕の何であるかが分らない。
まあ、どうであれ、幸福であり続けることを祈る。
結婚といえば、今年に入り、5人の僕の生徒が結婚した。これは呆れるような数字で、目出度い事柄が続くというのはいい。
確かに僕も暖かな気分にはなる。ホント、僕のこの工房は出会い系サイトかも知れない。
12 8
太平洋戦争が始まった日。64年前のこの日の朝、ハワイ真珠湾上空に日本軍機が舞う。
これに合わせ、夜、NHKが山本五十六の伝記をが放映していたので、録画して、観た。
山本五十六という人の功罪を書く気はない。
ただ、この家庭に恵まれたとはいえない人、ギャンブルと愛人への手紙を書くことのみに憩いを見つけようとしていた人が
連合艦隊司令長官であったことが、日本に幸いしたか災いしたかはこの国の風土を考える手がかりにはなりそうである。
真珠湾を目指したのが彼なら、ミッドウェイを目指したのも彼である。
唐突だが、山本は東郷平八郎に批判的だったという。東郷平八郎は幕末を生き、活動し、日本海海戦を指揮した人で、海戦ののち30年を生きる。
彼が海戦後30年を生きたという事実には驚いていい。彼は昭和9年に死ぬ。その死は国葬になり、彼の死以前も以後も世界的な英雄として喧伝される。
おそらくは英雄であったろう。
で、あるにしろ、30年を生きたというのは彼の罪でないにしろ、その30年を生きて存在したことがこの国に幸いしたか災いしたかは分らない。
英雄とはそんな意味を持つらしい。
12 7
画家だという人は椅子に座り、帰る気配はない。とても高名な画家らしく、あの病院のあの壁画は僕が描いたと言う。
それから我が国のとても高名な画家についての人物評を言い始め、自分の個展の解説をする。
個展の売り上げ額を言い、画商の悪態をつく。個展を開催するデパートの話をして、ある人の話をする。
そのある人は僕の知人で、僕は彼の話への興味を抱く。僕しか知らない筈のその知人の趣味の話をはじめ、やがて僕との会話が成り立ってくる。
この画家と名乗る人は彼の妻の弟がイタリア料理店を開き、そのオープンパーティのお土産に僕の作る財布を配りたいのだと言う。
つまりは僕のお客だった。何十個かの注文を言い、期日を言う。
それから彼との時間が過ぎる。
コーヒーでも飲みに行きませんかと言う彼を車に乗せて、知っているコーヒー店まで連れ行く。
僕はコーヒーを彼と一緒に飲んで、彼の話す彼の履歴を聞いていた。彼は財布を持っていなかった。
注文の品の半額を妻が持ってくるから、チョッと待っていよう。と彼は言うけれど、なかなか彼の妻は現れなかった。
場所が分らないのかな。と彼は言う。
それから彼は駅に行きたいと言う。食事がしたいらしい。僕は帰宅がしたい。それで、彼を駅へと送る。
今夜、妻がそちらのお店に行きますから、よろしくお願いします。という彼を駅前で車から降ろそうとすると、
実は何も食べていないのでコンビニで夕食を買いたい。と言う。
彼は財布を持たないので、弁当代を借す。お酒も飲みたいなどと言い出し、つまりは彼の夕食代を彼に貸す。
コンビニ弁当から何処かのレストランでの食事に変更した訳だ。
車から降りた彼は僕に何かを言っていたけれど、僕は車を走らせた。
それ以来、彼も彼の妻も来ない。
僕は知人に電話を入れる。そんな人は知らないと僕の知人は言う。それは詐欺だよ。
彼は貴方のいろんなことを話していましたよ。と言う僕は、知人の店の隣には画廊があったのだと気が付いた。
その画廊に出入りする人なら、僕の知人を知るだろう。会話は成立する訳だ。
ところで、その詐欺のはなしだけど、被害額は彼に貸した夕食代ぐらいだった。4時間ばかり彼に遊んで貰った訳だから、腹も立たない。
で、こうした人も本当に世の中にはいるのだと、妙な事に感心してしまう。本当に色々と変な人はいる。
今年の夏の始まる頃の話。
12 5
寒い。突然に寒さが来たみたいだ。
寒さは家にいるのでよく分らなかったのだけど、バイク(自転車)で走って気が付いた。
手袋をしないで走り、手の冷たさに驚いたものだった。先日までは手袋なんてしなかった。
先日までの気分でいると、寒さがつらい。
久しぶりに実家の仏壇の前に座る。住職が来て、お勤めをする。
実家は寒く、暗い。暖をとるのにストーブを使い、これが今年初めてのストーブの使用になる。
昨日は雨の日曜日。
日曜日はたいてい生徒が多く来てクラフトをしているのだけど、昨日は予約がなく、従って誰もいない工房になり、
午後の時間をパソコンの前に座って作業をする。目が疲れたのだろう。背中と肩が痛くなる。
12 4
先日、午前の生徒さんがチョコレートと柿をお土産に持って来てくれた。
そのチョコレートを食べながらクラフトをした。何だか午前中を遊んでいたみたいだった。
チョコレートといえば、先々日も生徒さんから頂いた。柿が付録についていた。
チョコレートは餅を包んだチョコレートで食べてみた。柿も食べてみた。どちらも甘い。
そういえば、昨月の終わりの頃が僕の誕生日のせいか、お祝いと言っては、色々なプレゼントを頂いた。
誕生日など嬉しくもない年齢だけど、妻が誕生日だと宣伝していたせいか、色々と楽しんだ。
12 3
変な夢を見ていた。夢が悪い夢かどうかは分らない。
夢の中の僕は旅行中らしく、車窓を眺めていた。誰かが一緒に旅行をしているらしく、隣に誰かがいた。
誰かは知らないが、ひどく僕に好意を抱いているらしく、どこへでも付いて行くよ。などと言っている。男性だった。
やがて列車は東京に着いたらしく、東京の風景が車窓に映る。確かに東京の筈なのだが、車窓から墓地が見えた。
広い敷地の墓地らしく、列車は墓地の脇を走っているのだ。延々と墓が見える。
過ぎ行くひとつひとつの墓を見ながら唐突にカメラを自宅に忘れた事に気がついた。
最近、とても高額なデジタルカメラを購入したばかりで、何で忘れたかと悔やんでしまった。カメラを忘れた。と隣に声をかける。名古屋まで戻ろうか?
誰かが返事をしないのは、寝ていたせいかも知れない。
窓に目をやる。墓地は相変わらず車窓いっぱいに続いている。結局、僕が目にしたのは墓だけだった。
次に気が付けば、僕は何とかという旅館の前にいた。
東京にまだこんな旅館があるんだろうかと思わせる平屋の和式の旅館でひどく暗い。
見える景色の中に旅館以外の建物がなかったのは、唐突に旅館が現れたからで、暗いのは電灯が少ないせいだ。
玄関に人がいた。人の顔は暗闇の中にあり、よく見えなかったけど、どうやら旅館の主で僕を待ちわびていたらしく、声を掛けてくれる。
僕の後ろに誰かが付いて来ていて、彼と一緒に玄関をくぐり、入り、部屋へと案内される。
空腹ではなかったけれど、夕食は出るんだろうかと心配をしたのは前払いで支払った代金が安価だったせいだ。
部屋へと案内する女性はきれいな人で、案内の途中に何かを言う。何を言ったかは聞き取れなかった。
聞き取れなかったのは、案内される途中に開け放たれた部屋の内部が見えて、それに気を取られたからだった。
その部屋に明かりはついてなく、暗い部屋の中に何人かの人がいて、寝転んで、小声で会話をしていた。
案内された部屋には布団が二人分並んでひかれていた。部屋は中途半端な光量で暗いような明るいような感じがして、変な部屋だな。と僕は言う。
付いて来た男性に言ったつもりだったけれど、振り向いたら誰もいなくて、案内の女性もいなかった。寝るしかないのか。
夢はそれで終わる。
夢のあと、ぼんやりとコーヒーを飲む。好物のおはぎがあると妻が言う。賞味期限は今日だから、今日の内に食べておいてね。などと言われて食べる。
甘いものが喉を過ぎると目が冴えるものだ。冴えた。
12 2
今日、NHKの「紅白歌合戦」という番組の出場者が発表されたらしく、そんな記事があった。
それを何気なく見ていて、僕は名前の書かれた歌手の半分以上を知らないのに気が付いた。
歌手の名前の読み方さえ分らなかった。そうしたことは困ることではないけれど、僕はそういう事態になっている。
もっともかれこれ20年ばかり僕はその番組を見たことがないので、それも仕方がない。
話を変える。
夕方、来年1月に結婚するという女性とクラフトをしていた。ついでに色々と話をする。
この女性の結婚式に僕は妻と一緒に出席することにしているのだけど、先日の日曜日、別の女性が結婚の報告に男性を連れて我が家に来た。
というか男性の方が報告に来た。
どちらも知りすぎている関係だけど、少しばかりショックを受ける。ショックの後で滅茶苦茶に嬉しくなる。鞄と財布をプレゼントする。
こんな目出度い話が続いている。
さて、12月が始まる。最近、休日を経験していないけれど、この月は間違いなく休日がない。
12 1
午前5時半を過ぎて、12月最初の朝を迎えている。
何だかすごい早起きをした。
ずっと書いていなかった。体調を悪くしてから書いてなかったので、心配のメールなどを頂いたこともあったけど、僕はどうにか元気です。
何だか季節が夏から秋へと向う頃には体調を含めて僕の何もかもが最悪という感じだったけど、何とか脱出して、いつものとおりです。
さて、今日から12月が始まる。師走という。僕も走る。