「ハヤカワ文庫海外ミステリ・ベスト100」
特徴  正式には、『読者・作家・評論家が選ぶハヤカワ文庫海外ミステリ・ベスト100』。
 早川書房刊 <ミステリマガジン> 2000年5月号誌上で一般読者を対象に行われたアンケートの投票結果に、別途実施された作家・評論家の投票結果を合わせ集計されたもの。
 基準は『後世に残る傑作かどうか』で、対象とされる作品はハヤカワ文庫から刊行された海外翻訳ミステリに限られる。一般読者405、作家・評論家43の合計448名が投票している。
 点数によるランキング制を導入しており、一般読者が1位に推すと10点加算、以下2位=9点、3位=8点、4位=7点、5位=6点、6位=5点、7位=4点、8位=3点、9位=2点、10位=1点とされる。作家・評論家は一般読者の3倍の点数が与えられた。
1位 『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー 1629点
2位 『幻の女』ウイリアム・アイリッシュ 1416点
3位 『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティ 882点
4位 『火刑法廷』ジョン・ディクススン・カー 855点
5位 『深夜プラス1』ギャビン・ライアル 843点
6位 『死の接吻』アイラ・レヴィン 642点
7位 『Yの悲劇』エラリイ・クイーン 627点
8位 『さむけ』ロス・マクドナルド 597点
9位 『あなたに似た人』ロアルド・ダール 588点
10位 『偽のデュー警部』ピーター・ラヴゼイ 573点



「MWA:The Mystery Writers of America Awards」
特徴  MWA賞は正式名称を <The Mystery Writers of America> といい、1945年にミステリーの普及とミステリ作家の地位向上・利益保護などを目的として設立された。52名からなる発足当時のメンバーにはアントニィ・バウチャー、エラリイ・クイーン、レックス・スタウト、E・S・ガードナーなどの錚錚たる面々が名を連ねていた。
 設立より半世紀を数える現在では、9つの支部に作家・編集者・書評家などの会員も含めて2500人を超える大所帯となり、アメリカ最大のミステリ作家親睦団体となっている。各支部は月例会を開き、講座や講演会を開催することでミステリの普及に腐心している。
 このMWAが毎年春に開催する年次大会の中で授与するのがMWA賞であり、ミステリ小説の始祖の名を冠した、 <エドガー・アラン・ポオ賞> の別名でも知られている。誰もが認めるアメリカ・ミステリ小説界における最も権威ある賞である。
 創設当初(1946年)から存在する、最優秀処女長編賞の <Best First Mystery Novel> 、1954年に新設された最優秀長編賞 <Best Novel> 、最優秀短編に贈られる <Best Short Storyl> (1948年創設)、日本での文庫本に相当するペーパーバック版最優秀賞である <Best Paperback Original> 、長年にわたってミステリ界に貢献してきた作家に授与される巨匠賞 <Grand Master> などから成る。最近では、日本人作家である桐野夏生著『OUT』が、2004年度 <Best Novel> にノミネートされて話題を読んだ。受賞者にはポオをかたどったトロフィが贈られる。
1955年 アガサ・クリスティ <Grand Master>
1955年 『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー <Best Novel>
1970年 『罰金』ディック・フランシス <Best Novel>
1972年 『ジャッカルの日』フレデリック・フォーサイス <Best Novel>
1974年 『十億ドルの賭け』ポール・E・アードマン <Best First Mystery Novel>
1977年 『約束の地』ロバート・B・パーカー <Best Novel>
1980年 『ラスコの死角』リチャード・N・パタースン <Best First Mystery Novel>
1981年 『利腕』ディック・フランシス <Best Novel>
1988年 『ソフト・モンキー』ハーラン・エリスン <Best Short Storyl>
1991年 『検屍官』パトリシア・コーンウェル <Best First Mystery Novel>



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特徴




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