戻る

はじめてのおいしゃさん  ZERO

 全国のお兄ちゃんというか、炉な人に大いに受けたはじめてのおるすばんの続編が早くも登場!ということで、今度は医者となってちっちゃい双子姉妹を診察する話。はじるすのレポの時に「続編はでるのか?」と書きましたが、本当にでましたな。この分だとさらにシリーズは続きそうですが。とりあえず次は学校か塾の先生になって「はじめてのおべんきょう」あたりでどうでしょう?放課後の学校であんなことやこんなことを〜〜
 ところで、まったく関係ありませんが、その昔アップル][というパーソナルコンピュータの解説本で「はじめてのあっぷる」という本があって、そのタイトルと表紙のデザインが性教育の本っぽくってどきどきしたことがありました。閑話休題。

 さて、基本的システムは同じですが、前作が大いに受けたためか今回は妙に力が入っており、CDは二枚組。OPからしてバンクCGの組み合わせ編集とはいえ前作よりも完成度が高くなっています。またボイスもより炉らしい声優さんになり、違和感はなくなりました。CGも前作よりグレードアップで質がかなり向上しています。CG枚数も若干増えていますが、実際にはイベント数も増えているためイベントあたりのCG数は実際には減っています。次回はイベント内でのCGの充実を目指してもらいたいです。
 ということでCGの向上、より適切な声優、イベント数の増加と、まさにグレードアップしているのですが、私としては全体的にぬるい雰囲気となり不満が多いです。

 まず、プレイヤーの分身であるお兄ちゃんは、医者という設定もあるのでしょうが、日常部分でもHシーンでも言動が妙に理屈っぽく優柔不断の二重人格で、Hをするにしても愛を語るにしても中途半端。前作では「俺は2人みたいなちびっ子が好き!」というようなノリだったのに対して、本作では「俺は2人が好きなのであって、ちびっ子が好きなわけではない」という言い訳がましい、往生際の悪い態度をしめします。また、お兄ちゃん先生は蘊蓄もいろいろと語るのですが、ちょっとうるさすぎ。女の子をほっといて勝手に語ってる場面も目立ちます。どうせ蘊蓄を語るならみにてぃーんずの先生くらいかましてもらいたいです。
 そして、お兄ちゃんの駄目さ加減は、「ゆうなとお友達」イベントで前作の双子であるしおりとさおりの指摘により再認識されます。本当に駄目だね、このお兄ちゃんは。

 さらにこの「ゆうなとお友達」イベントで示されるのは、ゆうな&まいな姉妹のキャラの弱さ。さおりの言うように目の前で着替えをしてお兄ちゃんの心を弄ぶような小悪魔性に欠けています。そのため、小悪魔系であるはずのまいなは前作の小悪魔であるさおりよりキャラが弱くなっています。さらにイベントでは受け身のゆうながまいなより恋愛面で贔屓されおり、それがさらにまいなのキャラクター性を弱めています。まぁ、まいなの方はより受け身になっており、いまいち反応が面白くないかな? あと、しおりの声に慣れるとまいなの声では物足りず、満足できません。

 スタッフロールを見るとシナリオにかなり多人数が参加しているようで、イベント数とバリエーションの増加に寄与していると思うのですが、逆にそれがキャラクター性とシナリオの連続性の希薄化を引き起こしている気がします。
 前作では姉妹とお兄ちゃんの関係がプレイ開始時より確立しており、さらにそれがエンディングまで変化することなく繋がっています。シナリオ的にも1話完結ではあるものの、「交互にお留守番」「よく壊れるクーラー」といった基本設定により連続性が見られました。対して本作では通院して入院という基本設定はあるものの連続性が薄く、そもそも2人が入院する経緯に無理があり、入院中も2日寝込んだだけでリハビリしないと歩けないとか、溲瓶の使い方が変とか、7月末にテストがあるとか、看護婦もいないのに入院患者が何人もいるとか違和感のあるイベントばかりで興ざめ。なにより病気だか元気なんだか判らない状態がだらだら続くのが辛い。そしてエンディングは意味のない交通事故とか話の流れに無理があります。 
 どうせなら初めから病気で入院していて、最初は体調が悪いので軽くおとなしいプレイ。そして「早く元気になるようにお兄ちゃんがお薬を飲ませてあげるからねえ〜」と特製の白い飲み薬を直接飲ませるとか色々悪戯したあげく、病気が改善してくるにつれプレイもハードになり、2人とラブラブになったところで退院してエンディングにというのが無難な流れではないだろうか。もしくはエンディングで地方に療養のため引っ越してお別れ、HappyEndで元気になって戻ってくるとか、首尾一貫した流れを作ってもらいたかったです。

 それからHに関しては、前作ではちっちゃい子がこんなにハードなHで大丈夫?というくらい肉感的表現に力の入った物でしたが、前作が純愛よりもHだった反動か、また「はじめて」にこだわったためか、今回は肉感的な表現もなくHの描写が薄くなっています。前作と同じ様なシチュエーションのイベントもありますが、明らかに前作に比べテンションが低い。特にお母さんと電話しながらHというイベントなどは明らかに薄い。スタッフの方々があぁいう生々しさを嫌ったのでしょうか?
 今回は特に個々のイベントは医療器具を使ったプレイとコスチュームプレイがメインですが、医療器具プレイはともかく、コスプレはやりすぎ。体操服やスク水、チアガールとかはいいけど巫女服やメイド、ウェイトレスなどいかにもウケそうな服を選んでいますが、炉的要素がその分減っている気がします。それからバニースーツはやはり硬い生地じゃないと!胸元からのぞけてしまうチラリズムが!!その点でBELL・DAのまゆ(声:こおろぎさとみ)は良かったね。

 CGを見ると前作よりも胸はペタンコ(個人的には前作の密やかな膨らみくらいの方が好み)で、下着もお子様(というか、前作では下着姿はありませんな、すぐ脱いじゃうから)であるが、CGがリファインされシナリオもおとなしくなり、万人向けの普通のちびっ子ゲーになってしまった感じ。こういうフェティッシュなネタは個人の好みが色々あり、最大公約数的にまとめるのは難しいとはいえ、フェチ感自体が弱くなり、イベントの炉的やばさも無くなってぬるくなった気がして残念なり。次作はもっと突き抜けたものを期待します。ZEROが万人向けのゲームを作っちゃいかんよ。(02.5.24)

評価:67

 戻る