「オートレース構造改革」に見るオートレースの現状
(1)各レース場の状況 オートレースの存続問題が持ち上がる中、各レース場の状況について説明します。なお、この状況は、オートレース改革が行われた、 昨年平成17年4月時点の状況となります。 (A)山陽オートレース場 山陽町は昨年、平成17年4月に小野田市と合併しました。合併に際し、小野田市側からは赤字経営の山陽オートレース場の廃止 を提案されましたが、山陽町側の希望で存続が認められました。 また、平成17年度より、日本小型振興会に支払う交付金を、数年の間猶予、つまり上納せず、その期間に経営を立て直す計画を 打ち出しました。全売り上げの5%を国に収める制度がありますが、この制度を一時的に免除してもらい、その間に経営を立て直す ことを条件にしています。つまり、この期間に経営が好転しない場合、レース場の存続問題に発展することは必定です。 (B)伊勢崎オートレース場 伊勢崎オートの最大の問題点は、「アレッグ越後」の失敗問題です。レース場の経営では問題がなかったのですが、「アレッグ越 後」設立から閉鎖にかかった赤字が大きく経営を揺るがしています。 そのため山陽オートと同様に、国への交付金を昨年より免除してもらい、経営の立て直しに努力中です。 また、「アレッグ越後」の赤字責任として、行政責任を問われ、市長以下、市議会議員に至るまで、その給料から一定額の補填金 を支払っている現状です。 従って、今回の交付金猶予期間に、経営状況の改善がない場合、行政の意向での廃止はより確率の高いことになります。 (C)船橋オートレース場 船橋オートはもっと深刻な状況です。船橋ではすでにこの交付金猶予制度を平成17年3月で使い切ってしまいました。 しかし経営が好転することもなく、厳しい状況です。 「日本トーター」による施行業務委託、また千葉県は赤字の船橋オート存続のため、現在県内で唯一の黒字経営となっている松戸 競輪から撤退しました。これは赤字を抱える船橋オートから現在撤退することが出来ず、黒字の間に松戸競輪から撤退することにな ったもので、船橋オートからの撤退の準備といえます。 「日本トーター」による民間委託で、大きな成果が出ない場合の廃止は、待ったなしの状態と考えられます。 (D)浜松オートレース場 昨年、廃止問題で揺れ動いたのは記憶に新しいと思いますが、やはり「日本トーター」による業務の民間委託により、5年間の存続 が決まりました。しかし、民間委託の結果次第では厳しい状況は変わりません。 また、老朽化した走路改修問題や、東海地震対策に伴うスタンド施設の補修や改修費用の問題など、難題が山積みです。 (E)飯塚オートレース場 具体には問題になっていませんが、基本方針は、経営の好転がなければ廃止を視野に入れ検討するとのことです。 (F)川口オートレース場 川口オートレース場の考えとしては、オートレースの衰退を防ぐため、6場すべての存続を第一に考え、他場の場外発売を積極的 に行い、売り上げに貢献することになりました。レース開催の本場より、場外発売の川口のほうが売り上げが多いということはよく目 にします。また、他場に日程を譲ることにより、日曜休日を含まない平日のみの開催も川口では受け入れました。 また、場外発売の大改革が行われ、実際には、賞金や費用の掛からない場外発売の方が、利益になるレース場もあります。 |