Date: Thu, 9 Dec 1999 22:34:53 +0900
To: 成相明人 <janariai@po.synapse.ne.jp>
From: athml staff <mikokoro@mvb.biglobe.ne.jp>
Subject:
フマネ・ヴィテ研究会ホームページに見られる事実に反する記載への反論

                          1999年12月9日

成相明人神父様

                  みこころの部屋運営スタッフ 濱田洋一
                                丹野里絵
                                川崎重行

フマネ・ヴィテ研究会ホームページに見られる事実に反する記載への反論

謹啓  時下ますますご清勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、私どもihmml(聖母マリアの汚れなき御心メーリングリスト)の元管理
人で現みこころの部屋の運営スタッフたる3名は貴師の製作された
フマネ・ヴィ
テ研究会のホームページに見られる数々の誤報
に愕然と致しました。

 インターネットという公の場で一方的に中傷され、著しい事実誤認に基づく貴
師の錯覚をあたかも事実であるかのように報道されるのは遺憾の極みです。貴師
がホームページを持たれるのは自由ですが、誤りは誤りとしてすみやかに訂正し
ていただきたく本状送信の運びとなりました。

1.事実に反する箇所

 私どもはフマネ・ヴィテ研究会のホームページを閲覧させていただき、一部の
内容には感銘を受けましたが、ゲストブックに見られる貴師の文章には事実に反
する内容の記載が目立つため、批判された当事者としては毅然たる抗議をしなけ
ればなりません。

 以下、事実に反する箇所を箇条書きしてその誤りを指摘させていただきます。
最初に貴師のホームページの文章から抜粋させていただき、次に事実を記します。

(1)私どもが貴師にihmml脱退を迫ったという事実はない

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

メジュゴリエの出現はインチキであるとするわたしの発言を封じるために、ihmml
の管理者たちは指導司祭であったわたしに脱退を迫ったものですが、わたしは拒否
しました。

【事実】

私どもが貴師に脱退を迫ったことは一度もありません。私どもは貴師のメジュ
ゴリエに対する姿勢をめぐりihmmlが紛糾したことを憂い、事態の改善をはかる
ために貴師には1998年6月23日付「メジュゴリエ問題の総括とihmmlの指
導司祭たる成相明人神父様への要望書」(以下、要望書と略)を送り、それに対
する回答を求めました。要望書では、貴師の回答次第では
私どもの方が退会する
意志のあること
を申し上げましたが、事実をあべこべにして公の場で発言なさる
とは誠に理解に苦しみます。

 貴師が要望書に対して然るべき手続きを踏まれた上で当時の会則に定められた
指導司祭の拒否権を正しく発動されていれば、私どもは管理人を辞任する意向で
したので、その後のihmmlは貴師が中心となって運営されることになったものと
思われます。
私どもが貴師に脱退を迫ったという事実は客観的に認められません。

 公的な場において発言されるときは事実を客観的に捉える必要があるといえる
でしょう。察するに、私どもが貴師に送付致しました要望書の趣旨を貴師が読み
違え、要望書が「脱退を迫ったもの」であると解釈され、それに対して無回答を
決め込まれた貴師の対応が貴師の言われるところの「拒否」であるとするなら
ば、
フマネ・ヴィテ研究会のホームページにおける記述は主観的報道を通り越し
て現実とは正反対の報道である
と心得るべきです。 

 ちなみに、もうご記憶にはないかもしれませんが、貴師は当時管理人の一人で
あった大野雄大氏に退会勧告をされています。ご自身が管理人の一人に心理的打
撃を伴う退会勧告をしておきながら、いつのまにかご自身が被害者であるかのよ
うに報道されるのは理解に苦しむところです。

 又、私どもは貴師から要望書に対するご回答をいただけなかったために、わざ
わざご回答を催促する書簡、すなわち「要望書へのご回答のお願い」(以下、催
促状と略)を1998年7月9日付で送付致しております。このように貴師には
何度も発言の機会を与えたにもかかわらず、一切のコミュニケーションを拒絶さ
れた上、
貴師の行為がもたらした必然の帰結ともいえるihmmlの解散をご自身に
都合良く悪意に解釈されるのは社会常識に明らかに反するものです。

 ihmml解散にあたって私どもが貴師を含む全ての会員に対して発表致しました
1998年7月17日付最終声明文(以下、声明文と略)でも断っておりますよ
うに、メジュゴリエを個人的に否定される貴師の姿勢までは全く問題に致してお
りません。

 本状とともに声明文、要望書、催促状の一式をご参考までに再送信致しますの
で、今一度、ご自身の目でご確認下さい。問題の本質をメジュゴリエの賛否をめ
ぐる争いであると解釈されるのはお門違いです。私どもはihmml管理人としての
立場で公的な場においてメジュゴリエに肯定も否定もしておりません。議論にお
いては論点をそらさぬように以後、お気をつけ下さい。

(2)内山神父は貴師の登録解除には無関係

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

実際、司祭のマリア運動の責任者である内山恵介神父から許可があったというこ
とで、わたしが知らぬ中に除名したことさえありました。

【事実】

 貴師のもとにも配信された声明文にも記載されております通り、私どもは貴師
に対し、幾度もコミュニケーションを試みながらご返事をいただけなかったため
に緊急避難的な意味合いで、一時的にihmmlから貴師の登録を外したことがあり
ます。貴師はこれを「除名」と称しておられますが、語彙の選択は慎重になさっ
て下さい。

 除名というのは通常、権威ある者が自己の統括する組織内の構成員をなんらか
の事情によって不適格と判断し、権威をもって退会処分することを意味する言葉
です。これから私どもが申し述べる内容を読まれる方は一般常識を備えた方であ
れば、それが除名と呼べる性質のものではなかったことを理解されるはずです。

 声明文にもありますように、管理人代表の濱田は電話や電子メールで再三にわ
たって貴師とコミュニケーションをはかったにもかかわらず、貴師からは正常な
コミュニケーションを拒絶されたため、致し方なく個人的に「何名かの司祭」
(註・声明文の表現)と相談した結果、管理人代表としての責任感の発露により
緊急避難的な措置として、一時的に貴師の登録を外したのです。内山恵介神父と
相談して貴師の言われる「許可」を得た訳ではありません。又、当時、ihmmlの
一会員にすぎなかった内山神父には貴師を除名する権能などなかったことは客観
的に見て明らかです。

 尚、濱田は貴師との正常な対話が可能になれば(電話で一方的に自説をまくし
たて、相手の言い分に全く聞く耳を持たず、相手が何か言いかければすぐにそれ
を遮るように話し続ける貴師の態度が改まれば)即刻、再登録する意向を有して
おりました。もっとも、別の管理人の進言により、数時間後には再登録すること
になりました。

 客観的な事実を並べて論理展開することなしに公的な場においてご自身の直感
や想像をもとに報道する行為は大きな問題であると言えないでしょうか。殊に個
人の実名(内山神父)を出して報道する場合は人権侵害にならぬようくれぐれも
ご注意願いたいところです。

(3)貴師に抗議されたからihmmlの登録を復旧させたのではない

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

わたしが抗議したところ復活を認めてはくれたのですが、

【事実】

 声明文にも書かれておりますが、管理人の一人であった川崎が貴師のことを不
憫に思い、濱田に説得して貴師の登録を復旧させただけのことです。貴師はサー
バから送られてくる入会確認書(註・一度、メンバー登録を外した後に再登録す
ると新規入会の扱いとなり、サーバからこの通知書が送られてくる)をご覧にな
ってはじめて事の次第を知ったのです。貴師がそのことを抗議されたはその後で
す。「このような通知書が送られてきたが、これはどういうことか」と抗議され
たことをお忘れになったのでしょうか。
貴師が抗議される前にすでに登録は復旧
していました。

 些細なことのようですが、ご自分に都合良く物語を作るのはおやめ下さい。事
実の経過を記す時に順番を微妙に変えるだけで受け取る側のニュアンスはかなり
変わってきます。貴師に悪意があるとは思いませんが、今後はくれぐれもご留意
下さいますようお願い申し上げます。  

(4)貴師を排除するためにihmmlを閉鎖したのではない

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

わたしを排除するために、ついにはihmmlを閉鎖して新しいメーリング・リスト
を作ったようです。

【事実】

 貴師もお読みになった声明文にも記載致しましたように、私どもは管理人の一
角であった貴師から一切のコミュニケーションを拒まれたため、ihmmlの運営が
不可能になったのです。
貴師を排除するためにメーリングリストを閉鎖したので
はなく、管理人同志でありながら貴師と他の管理人との間に正常な対話が成立し
なくなってしまったため、やむを得ず多数決でihmmlの閉鎖を決定したまでで
す。このような結果をもたらした非は明らかに回答を拒絶した貴師の側に起因す
るものと考えられます。

 くどいようですが、貴師が要望書に対して公式回答をされていれば、このよう
な事態は回避できたものと思われます。私どもは貴師に注意を促すために再度、
催促状を差し上げましたが、時間的に十分に余裕のあると思われる回答期限を設
定したにもかかわらず貴師からはご回答をいただけませんでした。そのため、や
むを得ず解散に至ったのです。管理人の間で正常な対話が持てなければメーリン
グリストは不毛の論争の場となることは火を見るより明らかです。

 これがihmml解散の真相ですが、そのことは貴師にも配信された声明文の中で
余すところなく説明されています。この期に及んで
事実無根の話を展開されるの
は甚だ心外です。

 又、貴師はihmmlへの投稿という形で何度か「マイケル・デイビースの著作の
翻訳を最後まで読むように」と訴えられました。無理に解釈すれば「私はメジュ
ゴリエを否定するデイビース氏を支持する。したがって、メジュゴリエに対する
如何なる議論も許さない。従って、管理人の要望事項(後述)は認められない」
との気持ちの表れかもしれませんが、社会通念上、これは回答にもなんにもなっ
ておりません。連名で出された要望書への回答は飽くまでも差出人に送るべき性
質のものでしょう。

 さらに貴師の根本的な過ちはメジュゴリエの真偽をめぐってメーリングリスト
が紛糾したという独善的解釈を一向に放棄されないことです。声明文にもありま
すように、私どもはメジュゴリエの真偽そのものは全く問題にしておりません。

 私どもが閉口した貴師の行為は、外国で起きたとされる聖母出現を日本の一教
区司祭(貴師)が偏った資料のみを根拠に偽物であると勝手に裁定し
、メーリン
グリストの指導司祭のポジションを語り、本来、自由であるべき私的啓示の解釈
ご自身の裁定に従うようにメンバーに強要した越権行為ともとれる行動でした。

 ついでに申し上げますと、貴師はihmmlの会員のホームページにまで口出しさ
れ、メジュゴリエ関係の記事を削除するように命じられましたが、ihmmlの指導
司祭の権限が会員の独自の運動にまで及ぶとは到底考えられません。越権行為も
甚だしいことは客観的見てに誰の目にも明らかでした。

 貴師は日頃から「偽りの出現を宣伝する権利は誰にもない」というようなこと
を言われますが、これを世間では乱暴な論理展開と呼びます。ご自分の思い込み
だけで全ての事象に白黒をつけ、ご自分が間違い(黒)であると断定するものに
は全てにわたり声高に反対するのが貴師の特徴ですが、全体のコンセンサスが得
られていない中で、自己流の乱暴な論理を通そうとすれば、「なぜ?」、「その
根拠は?」という類の質問が次から次へ噴出するのが世の常です。何事において
も定説を覆すためには人々が納得するのに十分な証拠と論理性が求められるから
です。それに対して貴師はつねにありふれたデータしか提示されないため、貴師
の持論は定説を覆すのに十分な反駁として認知を受けることがないのです。貴師
のメジュゴリエ批判も全くこのパターンに当てはまるものでした。

 念のために申し添えますが、カトリックの信仰箇条やカテキズムのように論証
の必要のものとメジュゴリエの解釈のようなものとの性質上の違いを理解され、
両者を混同なさらぬようお願い申し上げます。貴師の強力なリーダーシップは時
として人々を良い方向に導きますが、それが裏目に出ると一人の司祭に許された
権能を遙かに超えた命令への従順を誰に対しても強要することになりますので、
困惑させられます。要望書には指導司祭の権限を確認する目的も含まれていました。

 そのため、要望書では私的啓示をめぐる教会の姿勢を明らかにした上、現在の
メジュゴリエのステータス(註・ラッツィンガー教理聖省長官が介入し、当地の
司教の否定を反故にして新しい調査委員会を発足させ、現在、調査続行中)
を明
記した上、私どもがメジュゴリエの真偽にこだわっているのではなく聖座から真
偽の判定を委ねられた人々(新調査委員会)の正式の声明が出るまでの間、貴師
がこの件で公的な場と考えられるihmmlで自説を強要する発言をされぬことをお
願いしたのです。もう一つの要望事項はまだ最終的な裁定が有資格者より下って
いないメジュゴリエに関して、ihmml内で議論したり言及したりすることを貴師
が勝手に禁止されないことでした。

 私どもはこの要望事項への回答をひたすら待ち望んでおりましたが、貴師から
は一切のご回答をいただけず、貴師はメジュゴリエ批判の投稿にお忙しいご様子
でした。当時、連日のように相次いだ貴師のメジュゴリエ批判の投稿から貴師が
メジュゴリエに対して相当な嫌悪感を抱いていることは想像に難くなく、要望書
の正式な却下は十分に覚悟しておりましたが、私どもが待ち望んだのは承諾にし
ろ却下にしろ貴師からの公式回答であり、メジュゴリエ批判の投稿ではありませ
んでした。

 貴師のご回答には私どもが管理人を辞任してihmmlの運営を貴師お一人に委ね
るか(却下の場合)、今後も従来通りの管理人体制を維持するか(承諾の場合)
を左右する重大な使命がかかっていたのです。これは通常の社会常識を備えた方
であれば見落とすことのないポイントであると思われます。

 今でこそ、必要に迫られて(歪曲報道の訂正を求めるため)私どもは非常に申
し上げにくいことを断腸の思いで表出しておりますが、当時は社会常識の欠如か
ら来ると思われる貴師の無責任行為を決して裁くことはありませんでした。今で
も私どもの司祭に対する姿勢は変わりません。私どもが自ら積極的に貴師を批判
をしたり悪く言うことはまずありません。

 ところで、貴師は私どもがあたかも熱心なメジュゴリエの推進者であり、貴師
と対立していたとお考えのようですが、私どもは貴師がメジュゴリエを個人的に
否定すること自体は一向に構わない旨、要望書の中でも明確に断っております。
ここまで誤解が生じないように努力しているのにもかかわらず「メジュゴリエの
賛否をめぐる対立」に論点をすり変えられるのは極めて遺憾です。

(5)内山神父は貴師の「退会問題」(?)にもメジュゴリエにも無関係

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

話はそれますが、なぜihmmlの一般加入者であった内山神父がわたしの退会を望
んだかと言えば、その理由はおそらくメジュゴリエ問題でしょう。

【事実】

 ここでも貴師は客観的な事実を観察することなく想像でものを言われておられ
ます。声明文に見られる「何名かの司祭」あるいは「複数の司祭」という表現を
貴師は勝手に内山神父と解釈されているようですが、どのような根拠でそのよう
な説を主張なさるのでしょうか。
内山神父は貴師の「退会問題」(註・現実には
誰も貴師に退会勧告などしていない)について全く無関係です。
察するに、貴師
が同時期に司祭のマリア運動を除名になったこととihmmlで行われた緊急避難的
な措置としての一時的な登録解除とを混同されているものと思われますが、内山
神父が貴師に対して「ihmml退会を望んだ」という事実はありません。

 外国で起きたとされる聖母出現を然るべき決済者に成り代わって裁定し、
ihmmlという公的な場において指導司祭の名のもとに会員に自説を強要した貴師
の行為
に対して、内山神父が私どもと同じく賛成しかねる立場をとられたのは事
実ですが、これをありもしない退会教唆と混同されては内山神父の名誉に著しい
損害を与えます。又、メジュゴリエ関しては事態を慎重に静観されておられるだ
けの内山神父があたかも熱狂的なメジュゴリエ推進者であるかのように受け取れ
る記述も迷惑千万であることは申すまでもないことです。

(6)司祭のマリア運動とメジュゴリエは別のもの

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

司祭のマリア運動はメジュゴリエと深い関係があります。手元にある英語版のTo
Priestsという、創立者ステファノ・ゴッビ神父がマリア様からの内的話しかけ
を記録したと主張する本がありますが、司祭のマリア運動がメジュゴリエを支持
していた証拠は、その各所に掃いて捨てるほどあります。最新の米国版とか日本
語版にはそのような記述がありません。本当にそれがマリア様の言葉であれば人
間が自分たちにとって不都合な箇所を勝手に編集・操作していいものでしょう
か? 多くの人たちが騙されています。

【事実】

 司祭のマリア運動とメジュゴリエの間には公的な関係は一切ありません。「司
祭のマリア運動がメジュゴリエを支持していた証拠は、その各所に掃いて捨てる
ほどあります」とのことですが、『聖母から司祭へ』のどこにそのような箇所が
あるのでしょうか。是非、具体的にご教示下さい。日本語版にも英語版にも「メ
ジュゴリエ」という文字すら出てきません。

 もし貴師がお読みになられた本が司祭のマリア運動が発行している『聖母から
司祭へ』ではなく、同書とメジュゴリエを関連づけた別の著者の著作であるとす
れば、それは著者の考えであり、司祭のマリア運動とメジュゴリエを公的に関連
づけるものではありません。

(7)内山神父による警告は別の観点によるもの

【フマネ・ヴィテ研究会ホームページからの引用】

ちなみにこの本の日本でのタイトルは「聖母から司祭へ」となっています。司祭
のマリア
運動については、そのうちにもっと詳しいことを書きます。一時はわたしもその
会員でしたが、内山神父は(こちらの方は自分が責任者ですから合法的に)わた
しを除名してくれました。その際、今後一切この運動の批判を許さないという意
味の手紙を送ってきましたが、会員でないわたしは別にこの禁止に従う必要はな
いものと思われます。

【事実】 

 内山神父が貴師に対し上述のような警告をされたのは、貴師が司祭のマリア運
動の会員の身分でありながら根拠に乏しい自己流の理論をふりかざし、司祭のマ
リア運動に大きな打撃を与えかねない言動を繰り返しておられたからでしょう。
これは私どもの想像ではなく内山神父にも電話で確認をとっております。会の活
動への妨害行為をこともあろうにその会に所属する会員(貴師)から受ければ、
内山神父が会の責任者(司祭のマリア運動日本本部代表)として然るべき措置を
とるのは社会的な常識です。これは貴師を排除することが目的ではなく組織防衛
上の当然の措置であったことを貴師は理解されてないのではないでしょうか。

 おっしゃるように現在の貴師は司祭のマリア運動の会員ではありませんので、
言論の自由という観点からは如何なる意見の表明も自由ですが、当然のこととし
て、根拠の乏しい思い込み、事実誤認や想像の産物にすぎない批判で世界的規模
の運動でもある司祭のマリア運動のことをインターネットという公の場で攻撃す
れば、貴師が現在、会員であるなしにかかわらず司祭のマリア運動からは正式な
抗議を受けることは想像に難くありません。

 貴師がミッションとされているフマネ・ヴィテ研究会は素晴らしい活動である
と思いますが、フマネ・ヴィテとは無関係な運動を偏った資料に基づく思い込み
や直感先行型の切り口で批判されるのはおやめになった方が賢明です。

 私どもは司祭のマリア運動を代表する立場の者ではありませんが、現在、私ど
もが主宰するメーリングリスト、みこころの部屋には司祭のマリア運動の関係者
が多数含まれますので、彼らの言い分をも代弁させていただきました。

2.一連の資料を公開しなければならない理由

 現在、みこころの部屋のホームページでは、いわれのない誤解を解消するため
に、ihmml解散時に発表したご挨拶、声明文とともに参考資料として要望書及び
催促状を一般公開致しております。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~athml/ihmml/ihmml.html
これは組織防衛上、やむを得ない措置と考えます。

 最近の貴師の行いは悪意はないにしろ、結果的にカトリック教会の内部に大き
な分裂を仕掛けているようにも見えます。同じカトリックでも進歩派と保守派
(正統派)の対立は珍しくありませんが、貴師の行為は保守派の中に分裂を宿さ
れているようで残念でなりません。身に降る火の粉は振り落とさなければならぬ
ため、私どもは意に反して前述の資料の公開に踏み切り、組織防衛に専念致して
おります。しかしながら、私どもの本心を申し上げれば、今後も貴師のご活躍を
見守り、細かい見解の違いは違いとして、互いに尊重し合いながらそれぞれの活
動を行ってまいりたいと希望するものです。

 貴師が何を目的にihmml解散について書かれたのかは私どもの知るところでは
ありませんが、事実に反する報道は十分に名誉毀損にあたります。一方、私ども
が対抗措置として公開している一連の資料も正当防衛とは申せ、ある意味で貴師
の不名誉につながるものと思われます。可能であれば、今後は互いに如何なる利
益にもならぬ資料の公開は控えたいと願っております。もっとも、そのためには
貴師の同意が必要となります。

 私どもは昨年のihmml解散以来、公的な場において貴師の不名誉となる発言を
一切致しておりません。時にはいわれのない誤解すら甘受してまいりました。し
かし、このたびの事態に際しては温厚な対応ですませる訳にはいきません。

 不特定多数の人々が集まるインターネット上のホームページにおいて、事実に
反した報道をされたのであれば、嫌疑を晴らすために当方も事実を包み隠さず公
明正大に開示する必要に迫られます。私どもが好んでこのような抗議活動をして
いる訳ではないことを念のため申し添えます。

3.このたびの要望事項

 さて、私どものこのたびの要望事項は下記の通りです。

(1)私どもが1で指摘させていただいた事実に反する箇所を貴師のホームペー
ジ上でただちに訂正して下さい。

(2)貴師のホームページにはihmml発足時の会則が紹介されていますが、それ
には当時の管理人氏名と所属教会が記されています。インターネット上で所属教
会名を記しますと、一部の方からは私的な活動であるにもかかわらず所属教会の
主任司祭との関係が連想され、誤解を招くことが最近の事例で明らかになりつつ
あります。主任司祭に無用なご迷惑がかからぬようにするため、すみやかに旧管
理人の氏名と所属教会を削除して下さい。

 上記2点の要望を受け入れていただくならば、私どもは貴師の誠意を諒とし、
誤解解消のために現在、仕方なしに公開している一連の資料をみこころの部屋の
ホームページから外します。貴師から誠意あるご回答をいただけない場合、これ
らの資料は一般公開されたままの状態に留まりますが、これが私どもの本意でな
いことだけはご理解下さい。

 尚、今後の成り行き次第では本状及び貴師から送られてくるであろうご回答を
公開する意思があることを事前にお伝えしておきます。

 誠に勝手ながら回答期限は1999年12月23日とさせていただきます。

4.最後に

 今までの経験上、貴師との議論では、つねに論点がそらされます。(註・この
場合の議論という言葉には注釈が必要です。貴師は議論になると、当事者とのコ
ミュニケーションを無視して、本来、当事者に送るべき回答を無関係の第三者に
送る習性が見られます。もちろん、これは議論における回答とは成り得ません
が、ここではそれを回答に準じるものと寛大にみなし、議論と呼ばせていただき
ます)

 又、一司祭の権限の及ばない範囲まで司祭職の権能が拡大され、それへの従順
を強要されることがあります。その都度、私どもは対応に苦慮することになりま
す。このたびもその不安がないといえば嘘になりますが、貴師を信頼して真正面
から反論させていただきました。新たな誤解を生まぬよう婉曲的な言い回しは一
切用いず、敢えてストレートな表現を使用させていただきました。本状への回答
にも十分な時間を与えたつもりですので、今度こそは世間に通じる方法でご回答
を賜りたく宜しくお願い申し上げます。

(註・回答期限を守り、要望事項の諾否について明確に記された書面を提出する
ことがこの場合の「世間に通じる方法」です。反論がある場合、当方が同じ説明
を2度も3度も繰り返す必要のない建設的な議論を心掛けて下さい。当方が今ま
での説明と重複する内容の文章を書かなければならない場合は時間のロスとなり
ますので返信致しません。又、なんの歩み寄りにもならず議論が平行線をたどる
ことが予想される場合、あるいは返信を出すことによって我々の関係が悪化する
と思われる場合、カトリック者としてあまりにも空しい気持ちに襲われることが
予想されますので、対話を打ち切る可能性のあることを前もってお断りしておき
ます。貴師の独特な言語感覚によってこれを「脅迫」と表現されないことを祈っ
ております。本来、このようなことは常識の範囲内のことですので、通常はいち
いち解説しないものですが、万一の誤解に備えて敢えて詳細に説明させていただ
いた次第です)

 貴師がインターネットという手段を用いて宣教に励まれるのは素晴らしいこと
ではありますが、根拠の乏しい不可思議な論理を展開されたり、著しく偏向した
資料を鵜呑みにして貴師のミッションとは無関係な運動やその関係者を直感的に
断罪する行為は目を覆うばかりです。他の運動に反対したければ、もう少し世間
に通じる方法を用いて行って下さい。
(註・この場合、定説を覆すに十分な証拠なり論証をもって「世間に通じる方
法」となります)

 貴師は何事においても直感ではなく熟慮の末の論理展開をされていると確信さ
れていることでしょう。又、偏向した資料のみならず幅広く資料を揃えたつもり
でいらっしゃることでしょう。しかしながら、貴師の論証方法、資料の揃え方は
社会の要求する水準を満たすものではありません。どの方面にもその道の専門家
がいるものです。司祭のマリア運動にもメジュゴリエにも専門家がいます。私ど
もはどちらの専門家とも交流がありますが、その知識の深さとあらゆる角度から
考察する批判精神、或いは客観的な事実を積み重ねながらの論理展開には賛否は
ともかく唸らされるものがあります。

 一方、貴師の論理展開はご自分だけ自信満々のように見受けられますが、識者
の批判に耐え得るものとはとても言い難いのが実状です。失礼ながら専門家の定
説を覆すに価する研究レベルとは認定されないでしょう。貴師の論証力の乏しさ
を指摘するのは私どもの本意ではありませんが、司祭としての影響力を考えれ
ば、聖母のメッセージのような貴師にとっては専門外の話題でこれ以上、信徒に
躓きをお与えにならないことを願うばかりです。

 本状の送信は飽くまでも言論機関たるメーリングリスト(みこころの部屋)の
管理者としての努めであり、貴師の最近の言動が私どもの顧問司祭ならびに会
員、又、関連団体にも迷惑を及ぼしかねないとの懸念から生じたリスクマネジメ
ントの一環による抗議活動であることをご承知おき下さい。貴師との間に個人的
なわだかまりは露ほどもありません。

 蛇足ながら貴師がフマネ・ヴィテ研究会のホームページを持つこと自体にはな
んら抗議するものではありません。貴師の独特な思考回路により本状が貴師のホ
ームページに対する妨害行為であると勘違いされないことを願っております。貴
師には是非とも素晴らしいホームページを作っていただき、力強く宣教に励んで
いただきたいと念願致しております。私どもも陰ながら応援致しております。

 言うべきことを率直に申し述べたため、きつい語調に感じられたかもしれませ
んが、私どもに貴師と対立しているという意識は毛頭ございません。不可避な状
況によりihmmlというごく小さな活動においては袂を分かつことになりました
が、カトリックの大先輩、敬うべき聖職者として、貴師の今後のご活躍をお祈り
申し上げます。これは外交辞令ではなく心から贈る言葉です。

 過去のことはすでに水に流しておりますので、貴師さえお望みであれば、私ど
もはいつでも面会に応じる意向を有しておりますし、スタンスの違いは違いとし
て笑顔でお話しすることができるかと存じます。私どもが貴師に遺恨を抱いてい
るとはゆめ疑われませんませんようお願い申し上げます。

 末筆となりますが、大聖年の幕開けでもある良いクリスマスをお迎え下さい。

                                 敬白