FOOTWORK SETTING Vol3

『ZZRの足周り改良記』 サスペンション


ホイールをマグネシウムに交換して感じたのは、切り返しの軽さと押して歩いた時の軽さでした。でも次第に接地感の無さとサスのストロークが短くなったような感触を強く意識しだし、実際に首都高速へテスト走行(ツーリングね)に行ってみると高速コーナーではユラユラとリアが落ち着かず、ちょっとでもギャップがあるとヨーイングとピッチングが両方現われて始末に負えませんでした。おかげで何度壁にはりつきそうになった事やら....これらの症状だとまずはサスペンションを固くするのが定番でしょうが、サスペンションに腰が無いと路面追従性が損なわれて一気にスリップダウンします(経験済み)。

そこでようやくサスペンションのグレードアップに着手となったわけですが、巷ではオーリンズやWPといった名前をよく聞きます。実際に値段を調べるとどれも似たような価格ですが、いまいちピンと来る物が見つかりません。そこで参考にしたのがショップのお客が施している足周りチューンでした。それらの殆んどがレースの世界では超有名『スクーデリアオクムラ(元ワークスレーサー奥村さんのショップ)』のMEチューンサスとPENSKEという組合せで、見ためにも格好良くスムーズで腰のあるサスとの評判でした。
しかしZZRのサスに関してはいろいろ試してみてもなかなか良い結果が得られなかったらしく、ショップの工場長ONさんとも相談している最中、ZZR用の新しいチューンメニューが完成したから試してみないか?との打診があり、早速飛びつかせていただきました(しかもお値段据え置き)。(^^;

さて仕上りはどうなったか?いや〜「目から鱗」とはまさにこの事で、フロントサスの動きが全く違う!それまでリバウンド動作なんてあるのかないのか判らなかったのが、しっかり路面からの情報が伝わって来るし、なんといっても接地感が素晴らしい。ただ今回スプリングは無難に純正を使ったので、初期の動作に固さがある割に沈み込むと速いな〜?という段付きを感じます。これは純正が不等ピッチのスプリングを使用しているのも影響していると思うので、次回OH時にスクーデリアオクムラのスペシャルスプリング(等ピッチ)にしバネレートも上げてみたいと思います。
この辺は好みの問題もあるので一概には言えませんが、今回MEチューンを施した事により、各種バネレートが揃ったスクーデリアオクムラのスペシャルスプリングを使えるのは魅力です。欲を言えばアウターをZRX用に交換したい所ですが、現実は厳しいですね〜(どなたか安く譲って下さい!)。

でリアのPENSKE(8987)ですが、これははっきり言って最初は何が良いのかさっぱり判りませんでした。出荷時の固さもあってかゴツゴツしててちょっと固いかな〜?くらいしか判らず、普通に走ってると普通のサスです。オーリンズやWPのインプレでは換えた直後から『素晴らしい!』とあるので、こりゃ失敗か?なんて思ってると大間違い。高速コーナーや攻めた走りをした時に『うひょ〜』と叫びたくなるくらい素晴らしさを感じることができます。どんな感じかというと、ギャップやうねりを通過した時にはドシンと一発で挙動が安定し、後の動作に影響を与えません。しかも連続したギャップ(路面の減速帯等で実感)を通過しながらコーナリングしても、そのギャップ一個一個をしっかりとタイヤがトレースしているのを感じる事ができます。

これらサスの動きもホイールが軽いという事が大いに影響しています。ZZRでただサスを換えただけではここまでの感激はなかったかもしれません。でも普通に乗ってると普通としか感じず、人によってはなんだかゴツゴツしてて乗りにく〜いとなるかもしれません。純正が持ってるバランスを一つ壊せば、対するリバウンドがどこかに現われて来ます。足周りのカスタムは特に影響が大きいので、信頼のおけるパーツとショップの助言は僕のような素人には大変貴重な物です。今回ZZRの足周りを変えてそう感じました。
これからのステップはいかにセッティングしていくか、ショップのON氏は『これはただの吊し状態、内部構造だって希望があればいくらでも変更できるぞ。でもそこまで解って注文つける奴はなかなかいないけどな』と笑います。なんとか違いの解る男になりたいものです。(^^)

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