「DOG DAYS」第3シリーズ製作決定&「ヨルムンガンド」TVアニメ完結記念特別企画
「もしココと愉快な仲間たちがフロニャルドに召喚されたら」
どう考えても何かの手違いで召喚されたとしか思えないココたちだが、せっかくなので戦興行に参加することに。
とりあえず紋章砲について説明を受けるルツたち。
ルツ「すげえ! 手からビームが出た!!」
アール「おおっ、ほんとだ!!」
トージョ「よーし、 か(中略)は!!」
30分後
ト、ア、ル『づがれだ〜、もうじぬ〜』
レーム「加減てもん知れや、おめーら」
ノワール「三バカだ..」
ジョーヌ「三バカや〜」
ベール「三バカです〜」
ト、ア、ル「三バカゆーな!!」
レオ様「見るがいい!! 我がガレットの勇者を!!」
???「お〜い! ココーっ! ヨナーっ! ふふ〜んっ♪」
ココ「キャスパー兄さんっ?!」
ヨナ「チェキータたちも一緒だ..」
クー様「ミルヒ姉ぇ〜っ! レオ姉ぇ〜っ! ウチも勇者召喚に成功したのぢゃ〜っ!!」
???「お〜いココ〜っ! なんかここ、珍しい動物がいっぱいだね〜っ!!」
ココ「ミナミもぉっ?!」
ミナミ「すごいね、この耳..ほんとに生えてんだ..」
クー様「これ、やめぬか..くすぐったいのぢゃ..」
マリーン「すみませんすみませんすみません....」
レーム「勇者とか以前に、戦えそうなの、いねーじゃん」
バルメ「いますよ、ほらあそこ」
カレン「ここは.. どこなんですか..?」
ココ隊キャスパー隊ともに修羅場慣れしているだけに、フロニャルドの地でも大活躍。
特に白兵戦タイプのバルメとチェキータさんは、レオ様とかダルキアン卿とか、戦いがいのある相手に困らない。
あのふたりだったら、手にしたナイフを芯にして光刃を発生させるくらい、すぐできそうだよな。
あのふたりも、フロニャルドで大ダメージを受けると服が破けるのか?
姉御だったら、
「キャーキャー恥ずかしがりつつ、中継カメラをぶっ潰しまくる」
「すごい顔でカメラをにらんで中継を中断させる」
といったリアクションが予想できるが、チェキータさんは想像しづらいな..
で、戦が終わって、
姫様「皆様のおかげで、戦興行は大盛況でした」
クー様「なのぢゃ」
レオ様「どうした? 何やら顔色が優れぬようじゃが..」
一同うつむいて、
『なんだよあの「けものだま」って..
元の世界に戻った時、人が撃てなくなってたりしたら、やだなあ..』
人類最強の武器商人チームといえど、異世界で大した商売ができるわけでもなく、送還の準備が整うまで、そこそこ気ままな日々を過ごすことに。
バルメ、ココにビスコッティ製付け耳をプレゼント。
バルメ(犬耳付き)、うっとりした表情で、「とってもお似合いですよココ〜〜」
ココ「そ、そうかな..?(汗)」
トージョ「なんかココさんが犬耳を付けると..」 メガネを光らせて、「犬というより女狐というか..」
ほぼ一同『それだぁっ!!』
ココ「ふふ〜ん♪」
レーム、リコに「地球の武器を分解させて欲しいであります」とせがまれる(さりげなく恐いなリコ)
おっさん「あぁ? ダメダメ、こいつぁガキのオモチャじゃ..って、あいつ(ヨナ)もガキか..
それに昨日の戦で「ひとりMLRS」やってたの、このワンコだっけ..」
頭をかきながら、ちらとリコを見る。
戦場や裏社会を歩いてきた彼に、リコのつぶらな瞳は正視しづらいものがあった。
大きくため息をついて、「バラすのはオレが見ている前でだけ。あと、ランチおごり、それでいいか?」
チェキータさん「懐かれてるね〜、レームパパぁ〜?」
おっさん「っせぇ、いいかワンコ、あんな風になっちまうと、ロクな男が寄り付かなくなるぞ〜」
チェキータさん「寄り付いてきたロクでもない男がよくいうね〜」
リコ「ほほ〜お、おふたりはそういうご関係でありますか〜?」
おふたり『昔の話さ』
リコの工房。レーム、自分の拳銃からマガジンを抜いて、銃の方をリコに手渡す。
「いいか、こことオレらのとこじゃあ、銃といっても構造がいろいろ違う。実弾にはオレがいいというまで触るな。
あと、念のため保護ゴーグルとかもあったらかけとけ」
言ってる間に、リコはみるみる銃をバラしていく。
「って、さすがに器用だな。じゃあ次はメンテだが..」
メンテや再組み立てが終わり、次は試射。
平時には使われない戦場(いくさば)の一部に、ココ隊の仮設射撃演習場が設営されていた。
幼女に射撃を指導するレームの姿はイヤでも目立ったが、変なタイミングで茶々入れして幼女にケガさせるわけには行かないので、みんなうつむいたり顔を背けたりしながら、肩をプルプル震わせていた。
パンッ、キィィィンッ....
「きゅ〜っ、音も反動もすごいであります〜っ!!」
「にしちゃぁ、いい筋してるじゃねえか。全弾撃ってみな」
5発目あたりから、レームの表情から余裕が消え始める。
「ちょっと貸してみ」
3発撃って確信した。
「前より命中精度上がってるよ..(汗) たく、なんてガキだぁ?(苦笑)
おいワンコ、次はライフルを頼む!! ルツ! お前のも貸せ!!
ランチの件、なし!! 三食好きなだけ食わしてやる!!」
ウゴ、エンジン付きの乗り物がないことに一時落ち込むが、「お嬢の運転手」という本分に立ち返り、騎車の運転を習い始める。
マオ、砲兵出身ということで、砲術士のリコやパスティヤージュ騎士たちと仲良しに。
目付きがきつめだけど、妻子持ちでそっち方面の心配がなさそうな分、女性騎士たちにモテる(慕われる)かも。
マオ、家族の写真を見せて「ほら、かわいいだろ〜」
女性騎士たち「わあ〜、みんな目元がそっくり〜」
リーシャ「マオ様、お昼の号砲撃ちますけど、ご覧になります?」
リコ「マオさま〜っ、「はくげきほう」の図面を書いてみたであります〜っ」
三バカ『いーなー、マオだけモテモテでー。奥さんにちくってやる〜っ』
マオ「だから誤解だって。みんな、引率の先生くらいにしか思ってないから(苦笑)」
あ、リコと絡むのは、レームより彼の方が向いてたか?(笑)
カレンって、現役時代は「剣付き二丁拳銃」というリアリティのかけらもない武器を使ってたけど、マイアミに拾われてからは大きな戦闘を経験していないよな。
パスティヤージュの技術で同じような武器を作ってもらい、それを手に打倒バルメに向けて特訓する一方、やっぱりマイアミに振り回される日々を送っていそう(笑)
ワイリ、戦闘工兵の経験を生かして戦場(いくさば)の後片づけや整備を手伝う。
兵士「ありがとうございます。おかげで作業がはかどりました」
ワイリ「いやいや、お役に立てて何よりだよ」
そして地図と実景を丹念に見比べながら、
「大人数を効果的に爆破できそうなポイントはこことここ。あらかじめ仕込んでおくのは反則らしいから、戦闘のどさくさにまぎれて仕掛けるとしたら..」
ワイリのメガネが放つ異様な光に気づく者はいなかった。
ヨナ、ガウル殿下やジェノワーズにあちこち引っ張り回される。
同年代の彼らと一緒に食べ歩いたりバトルしたりするうちに、少しずつ子供らしい表情を見せ始める。
「・・・・」
「よ〜ココ〜、なにコソコソしてんだ〜?」
「うわあっ?! レ、レームッ?! びっくりしたーっ!!」
「へっへっへっ。 ・・気になるかい?」
「な、なにがよっ?!」
「ヨナくんが、オレらと離れてここへ残る、って言い出すんじゃないか、てな」
「・・・・」
「ま、本人に直接訊いてみるんだな」
そのまま立ち去ろうとするレームだったが、ココも負けてはいなかった。
「ところでレーム〜、チェキータとは最近ど〜なのよ〜?」
かっこよく去りかけた背中がガハガハ咳き込む。
「いや、あれは風呂場の男女札をメイドが間違えてだな..
それにバルメや姫さんもいっしょだったし、別になんもねえって..」
「ふふ〜ん?」
そんなやりとりを、アールは少し離れたところから見つめていた。
バルメとチェキータさんとミルヒ姫様の間にどういう会話が成立して、そこにのこのこ入っていったおっさんがなんで生きて帰って来れたのか、
・女性同士といえば、やっぱり恋愛関係とか?
・そこに入ってきたおっさんとばったり(ここで「カポ〜ン」と効果音)
・瞬間移動のようなスピードでおっさんの背後を取ってナイフを突きつけるバルメ
とかなんとか、いろいろ作れそうだな。
まおうがあらわれた!!
しかしバルメやココのきがえをのぞいたために、こめかみをじゅうだんがかすめたりほっぺたにでかいてがたがのこっていたりと、すでにおおきなダメージをうけている!!
アール「お嬢や姉御の着替えをのぞくなんて、なんて命知らずな奴なんだ?!」
ル、ト『姉御のムネさわってぶっ飛ばされたおめーがゆーな!! あと鼻血ふけ!!』
ココ(狐耳付き)、口元だけで笑い、無言で「狩れ」の合図。
一同の気配と眼光が一変した。
マオ「ひさびさの狩りぢゃ〜っ!!」
ルツ「狩りぢゃ〜っ!!」
クー様「なのぢゃ〜っ!!」
レーム「オレらのボスは、ときどき過激だぜぃっ!! って、あれ?」
輝力吸引能力を持つ魔王ヴァレリに対し、ココ隊は実弾攻撃で対抗。
RPG、ミニガン、爆破トラップ、スナイパーライフル、あと、マオ、リコ、ワイリが「こんなこともあろうかと共同開発した手作り迫撃砲」による猛攻は、確実に魔王を追い詰めていく。
ヴァレリ「ちょっと待てお前ら!! いたいいたいいた、ぐはっ!!」
ルツ「くそっ、ヘッドショット何発喰らってんだよ?!」 ジャキッ、キィィィンッ....
レーム「落ち着いてけぇ、向こうも無傷じゃねぇらしい。
とはいえ、アンチマテリアルでもほしいとこだが.. ん?」
振り向くと、「すごい顔」で笑うバルメ(犬耳付き)と、いつも通りに笑っているチェキータさん(ネコ耳付き)が立っていた。
レーム「・・だな」
レームらのアウトレンジ攻撃に加え、小回りの効くヨナとカレンが、ミドルレンジでのヒットアンドアウェイを決行。
カレン「ドクターの命令でなければお前たちなどと..ぶつぶつ」
ヨナ「前より動きが良くなってる? いっぱい練習したんだ..」
カレン「・・・・」
さらにマオたちが煙幕弾を発射。ヴァレリの視界を奪ったその隙にバルメ(犬耳付き)とチェキータさん(ネコ耳付き)が背後を取り、柔らかい脇の下にナイフをざっくり突き立てようとしたのだが、一瞬の差でアデル様のトゲ付き鉄球がヴァレリを殴り倒す。
アデル様「本人もこの通り反省しておりますので、みなさんどうか許してあげてください☆」
一同『ちぇー』
そんなこんなするうちに、送還の日がやって来た。
キャスパー「この世界は素晴らしい!! 戦争で人が死なないということは、顧客が減る心配もないということ!!
まさに武器商人にとって理想の..」
チェキータさん「はいはいキャスパー、ガレット組の帰りはあっちだってさ。じゃね、ミーシャ(ヨナ)」
マイアミ「じゃね、ココ〜」
カレン、バルメやヨナと少しだけ視線を合わせた後、マイアミの後に続く。
ココ「ヨナ」
ヨナ「?」
ココ「残っても、いいんだよ」
ヨナ「・・・・」
ココ「ほ、ほら、殿下やジェノワーズと仲良くしてたし、友達のことなら心配いらない、兄さんには私が話を..」
ヨナ「・・・・ありがとう、ココ」しかし首を振って「でも、約束は約束だ。 ココと、ココたちと、一緒に行くよ」
ココとメンバー全員の顔アップがワンカットずつ入り、もう一度ココのアップに戻る。
ココ「 !! ・・ふ・・ふふ〜ん♪ それでこそ我らのヨナ隊員だぁ〜〜っ!!」
バルメ「ちょっとココ〜、ヨナくんにそんな抱きつかないでください!! ずるいです〜〜っ」
レーム「へっへっへ..」
ヨナ「それに、ここにはまた、来れるような気がする」
アール「そうだな、またみんなで来れるといいな」
ココ「では姫様、またいつか」
姫様「はい、待ってます!!」
送還からしばらくの後、アールはヨナたちをかばって壮絶な最期を遂げた。
彼が最後に発した「みんな..」という言葉には、フロニャルドで出会った人々も含まれていたのかもしれない。
そして数年後「ヨルムンガンド」発動。
それは人類に何をもたらし、何を奪ったのか。
そしてフロニャルドの人々は、ココたちの行いをどのような思いで見つめていただろうか..
あとがき
初めて「レームとリコのやりとり」を思いついたのが、「DOG DAYS ダッシュ」放映決定の報が流れた直後。
両作完結まで発表を待っただけあって、結構たくさんのネタが出来ました。
でも、レームのおっさんはすごく動かしやすかった反面、ドクターや姫様の見せ場をろくに思いつけなかったのが残念。
4コママンガみたいな内容ですが、思いついたことを文章にするまでにはたくさんの時間と体力を消費することを、今更ながらに思い知らされました(苦笑)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
表紙へ