#1 「紺碧の艦隊/旭日の艦隊」
著:荒巻義雄 「紺碧の艦隊」 全ニ十巻 発売元:徳間書店
「旭日の艦隊」 全十六巻 発売元:中央公論社
<STORY> 昭和十八年四月、ブーゲンビル島上空で戦死したはずの
連合艦隊司令長官山本五十六は、士官候補生だった頃の自分、高野
五十六に転生した。高野は、日本に再び悲劇の道を歩ませぬ為に、同
じく転生して来た陸軍の大高弥三郎らと共にクーデターにより政権を奪
取する。かくして、高野・大高の世界恒久平和へ向けた永き戦いは始ま
った。
<EXPLANATION> 架空戦記が広く知られるようになるのに貢献した作品のひとつ。
歴史変更型の代表的なものですが、登場人物の殆どが転生者と言うのは他の作品では見られないところです。
(世界全体が一種のパラレル・ワールドなのかもしれません)何より変り種なのは、「紺碧の艦隊」の途中から分岐して行
く「旭日の艦隊」が別の出版社から刊行されていると言う事。しかも、両方は完全に同期をとっているので交互に読んで行かないと、
途中で訳がわからなくなります。(実際に、片方を読み飛ばしたら話しが見えなくなりました(^^;)
当然の事ですが、高野五十六や大高弥三郎(←この人の前世、誰なんでしょう?未だに解りません)が前世での敗戦の記憶を
持っていますので日本軍は連戦連勝、連合軍はボロ負け状態です。技術者等も多く転生しているので、彼等の持つ前世の記憶
(メタ情報)を使って新兵器(と言うより未来兵器ですね)を次々に開発してしまうのは、結構反則技なのでは?
とか思ってしまったりもします。
「紺碧の艦隊」は、前半ではタイトルになっている秘密潜水艦隊やその他の日本海軍部隊の活躍が中心ですが、
後半になると政治や社会の事が中心になってしまう為、読む人によっては話しのテンポが遅く感じられてしまうかもしれません。
まあ、その分は「旭日の艦隊」の方で補っているのかもしれませんが。
戦いの方は、第二次世界大戦は終戦協定が結ばれましたが、結局ヒトラーにより第三次世界大戦が始まってしまい、
シリーズも「新・紺碧の艦隊」「新・旭日の艦隊」として再開されています。
( 1999 / 09 / 15 )
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