ミニコラム  【 零式艦戦 】

通称「ゼロ戦」の名で知られる、日本航空機史上屈指の名戦闘機。誰でもその名を一度は耳にした事があるはず。 正式名称は「三菱零式艦上戦闘機」と言い、欧米では「ZERO」若しくは「ZEKE」と呼ばれました。 (但し、三二型だけは主翼の形状が大きく異なる為、新型機と勘違いされて「HAMP」と呼称されたそうです) 「零式」は正しくは「れいしき」と読みますので、本来ならば「ぜろせん」ではなく「れいせん」と呼称されるのが正解でしょう。
一一型、二一型、三二型など多くの機体バリエーションが存在します。型式は十の桁が機体形式を、 一の桁が発動機形式を表わし、五二型であれば5番目の機体形式、2番目の発動機と言う組み合わせになる訳です。
機体の軽量化の為に装甲を薄くして、空中戦(旋回)性能を徹底追及した結果、パイロットの高度な技量と相俟って 開戦当初は無敵の強さを誇りました。しかし、ミッドウェー作戦の大敗によりベテラン・パイロットが減少すると、 防御の弱さが露呈してあっと言う間に連合軍戦闘機に優位を奪われてしまいます。開戦当初の強さに奢り、後継機の 開発を疎かにしていた日本海軍は、遂に終戦までに零式艦戦の後継機を戦場に送り出す事はできず、戦局を挽回する 切り札を得る事は出来ませんでした。

( 2000 / 05 / 14 )




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