2000年シドニー五輪(2000年9月17日〜27日) 

・・・日本はプロ選手8名を含むメンバーで大会に臨み、4勝3敗の4位で辛くも予選リーグを通過しました。そして決勝トーナメントでは、キューバと韓国に力負けして五輪史上初のメダルなし(4位)に終りました。


日本選手の最終個人成績(青字はプロ選手)

野手 試合 打数・安打 打率 本塁打 打点 盗塁
松中信彦 8試合 35打数13安打 .371 1 2 0
田口壮 9試合 39打数14安打 .359 0 6 3
田中幸雄 8試合 31打数10安打 .323 2 7 0
沖原佳典 9試合 35打数11安打 .314 2 6 0
中村紀洋 9試合 39打数12安打 .308 2 8 0
広瀬純 7試合 17打数5安打 .294 0 1 0
鈴木郁洋 8試合 31打数9安打 .290 0 4 1
飯塚智広 9試合 28打数8安打 .286 0 3 1
野田浩輔 3試合 4打数1安打 .250 0 0 0
平馬淳 9試合 28打数6安打 .214 0 1 0
阿部慎之助 8試合 18打数2安打 .111 0 2 0
梶山義彦 8試合 19打数2安打 .105 0 1 0
野上修 4試合 4打数0安打 .000 0 0 0
赤星憲広 5試合 2打数0安打 .000 0 0 2
合計 9試合 330打数93安打 .282 7 41 7
プロ計   175打数58安打 .331 5 27 4
アマチュア計   155打数35安打 .226 2 14 3
投手 登板 勝敗 投球回 被安打 奪三振 四死球 自責点 防御率
河野昌人 3試合 0勝0敗 4回 2 2 1 0 0.00
石川雅規 3試合 0勝0敗 3回2/3 4 3 1 0 0.00
吉見祐治 2試合 1勝0敗 8回 5 12 4 1 1.13
土井善和 3試合 0勝1敗 5回 4 3 1 1 1.80
杉浦正則 2試合 1勝0敗 4回 2 3 0 1 2.25
松坂大輔 3試合 0勝1敗 27回 21 25 8 7 2.33
黒木知宏 2試合 1勝1敗 15回 13 13 3 5 3.00
山田秋親 3試合 0勝0敗 8回 11 10 3 3 3.38
渡辺俊介 2試合 1勝1敗 5回1/3 4 2 3 3 5.06
杉内俊哉 2試合 0勝1敗 3回 2 2 1 2 6.00
合計 9試合 4勝5敗 83回 68 75 25 23 2.49
プロ計   1勝2敗 46回 36 40 12 12 2.35
アマチュア計   3勝3敗 37回 32 35 13 11 2.68


決勝トーナメント組み合わせ

準決勝 9月26日 キューバ○3−0●日本(10:30) アメリカ○3−2●韓国(17:30)
3位決定戦 9月27日 韓国○3−1●日本(10:30)  
決勝 アメリカ○4−0●キューバ(17:30)  


3位決定戦・対韓国戦
・・・9月27日(水)に行われた3位決定戦・対韓国戦は7回まで両チーム3安打ずつの投手戦。しかし、先に崩れたのは日本の先発・松坂でした。7回まで3安打1四球10奪三振の力投でしたが、8回は二死から3番・李に2点タイムリーツーベース、4番・金にもタイムリーを許し3失点。日本は9回表に松中・田中の連打で1点を返したにとどまりました。
 この結果日本は4位に終り、公開競技として採用されたロス五輪以来のメダル獲得は4大会連続でストップしました。

日  本 000 000 001 1
韓  国 000 000 03X 3


準決勝・対キューバ戦
・・・9月26日(火)に行われた準決勝・対キューバ戦は、先発・黒木が3回までキューバ打線を1安打に抑える無難な立ち上がりを見せましたが、4回にエラーがらみで一死二塁の場面で4番・キンデランに先制タイムリーを許してしまいます。さらに6回にも一死一・二塁からワイルドピッチで走者二・三塁と自らピンチを招き、またもキンデランに2点タイムリーを喫して3失点。
打線も4回の一死一・ニ塁を併殺でつぶすなど、好機に一本が出ず結局6安打無四球で0-3の完封負け。日本は27日の3位決定戦で銅メダルを懸けて、準決勝・韓国と対戦します。

日   本 000 000 000 0
キューバ 000 102 000 3


予選リーグ勝敗表
(成績上位4チームが決勝トーナメント進出)

  日本 アメリカ オランダ オーストラリア イタリア 南アフリカ 韓国 キューバ 勝敗 順位
日本 ---- ●2-4x ○10-2 ○7-3 ○6-1 ○8-0 ●6-7 ●2-6 4勝3敗 4位
アメリカ ○4x-2 ------ ○6-2 ○12-1 ○4-2 ○11-1 ○4-0 ●1-6 6勝1敗 2位
オランダ ●2-10 ●2-6 ------- ○6-4 ○3-2 ●2-3 ●0-2 ○4-2 3勝4敗 5位
オーストラリア ●3-7 ●1-12 ●4-6 ----------- ●7-8 ○10-4 ○5-3 ●0-1 2勝5敗 7位
イタリア ●1-6 ●2-4 ●2-3 ○8-7 ------ ○13-0 ●2-10 ●5-13 2勝5敗 6位
南アフリカ ●0-8 ●1-11 ○3-2 ●4-10 ●0-13 -------- ●3-13 ●0-16 1勝6敗 8位
韓国 ○7-6 ●0-4 ○2-0 ●3-5 ○10-2 ○13-3 ---- ●5-6 4勝3敗 3位
キューバ ○6-2 ○6-1 ●2-4 ○1-0 ○13-5 ○16-0 ○6-5 ------- 6勝1敗 1位

対キューバ戦
・・・9月24日(日)に行われた対キューバ戦は、先発・山田が2回、3回と1点ずつを失いましたが、日本も4回裏に2点を返して同点。しかし、キューバは5回表に主砲・キンデランの3ランで勝ち越すと、6回表にも1点を追加して、そのまま6-2で勝ち予選リーグ1位を決めました。
 敗れた日本は予選リーグ4勝3敗で韓国と並びましたが、23日の直接対決で敗れているため韓国が3位で日本が4位という順位になりました。
 この結果、26日に行われる準決勝は第1試合が予選1位のキューバVS4位の日本、第2試合が予選2位のアメリカVS3位の韓国という組み合わせになりました。

キューバ 011 031 000 6
日   本 000 200 000 2


対韓国戦
・・・9月23日(土)に行われた対韓国戦は、初回に韓国が先発・松坂の立ち上がりを攻めて4番・金の2点タイムリーツーベースと6番・李の2ランで4点を先行。日本もその裏、すかさず沖原の先頭打者本塁打と中村の投手強襲タイムリーで2点を返します。さらに5回には飯塚のレフトファウルフライを韓国選手が捕球したため犠牲フライとなって3塁走者が生還し、1点差に迫りました。
 2回以降、韓国打線を抑えてきた松坂ですが、7回ついに追加点を許し再び2点差。しかし、取られたら取り返す日本はその裏に1死満塁のチャンスで田口がライト前に2点タイムリーして同点としました。
 試合は5-5の同点で延長に入りましたが、10回に韓国は日本の2番手・土井から満塁のチャンスをつかみ、中村の失策と中犠飛で2点を挙げ、その裏の日本の反撃を田中のタイムリーの1点に抑えて逃げ切りました。
 日本は2敗目を喫しましたが、オランダとオーストラリアが敗れて4敗以上のチームが4つになっため、日本の予選4位以上が決定し、決勝トーナメント進出が確定しました。

韓国 400 000 100 2 7
日本 200 010 200 1 6


対南アフリカ戦
・・・9月22日(金)に行われた対南アフリカ戦は、日本が初回に田口・阿部・田中の3本のタイムリーで3点を先制。5回には中村がライトスタンドに2号2ラン。さらに8回には田中と広瀬のタイムリーで2点、9回にも田中の2号ソロで1点を追加し、結局8-0で快勝し予選リーグの成績を4勝1敗としました。
 この日の結果により、日本はイタリアと南アフリカを勝ち星で下回る事はなくなりましたが、オランダ・オーストラリア・韓国に勝ち数で並ばれる可能性はあります。勝ち数が並んだ場合は当該国同士の対戦成績で順位が決まる(それも同じ場合は当該国同士の試合の総得点で決める)のですが、日本・オーストラリア・韓国が4勝3敗になった場合には当該国勝敗がそれぞれ1勝1敗で並び、総得点で日本が他の2国に劣る可能性があり、決勝トーナメント進出決定は明日以降に持ち越されました。

日    本 300 020 021 8
南アフリカ 000 000 000 0


対イタリア戦
・・・9月20日(水)に行われた対イタリア戦は、初回にイタリアがダブルスチールで1点を先制しましたが、日本は2回表に田中のソロホームランですかさず同点。4回には鈴木のタイムリー、5回には中村の2点タイムリーで4-1とリード。さらに8回、9回にも1点ずつ加点して6-1で快勝。予選リーグ3連勝を飾りました。
日本は唯一全勝を守ったアメリカに次ぎ、2位でキューバと並んでいます。

日  本 010 120 011 6
イタリア 100 000 000 1


対オーストラリア戦
・・・9月19日(火)に行われた対オーストラリア戦は、1回表に日本が田口の遊撃強襲タイムリーで1点を先行しましたが、先発・黒木が3回裏にニルソン(前中日・ディンゴ)に逆転3ランを喫して2点のビハインド。
しかし、日本は5回に沖原のタイムリーと田口の犠牲フライで2点を返し同点。6回にも鈴木のタイムリーと沖原の3ランで一挙に4点を入れ7-3と突き放し、そのまま逃げ切りました。8回を5安打9奪三振の黒木が1勝目。これで日本の予選リーグ成績は2勝1敗となり、キューバ・アメリカに次ぐ3位となっています。

日      本 100 024 000 7
オーストラリア 003 000 000 3


対オランダ戦
・・・9月18日(月)に行われた対オランダ戦は、1回裏に日本が中村のタイムリーで1点を先行。2回表にオランダが1点を返し同点とすると、その裏日本は鈴木の2点タイムリーと飯塚のタイムリーで3点。4回裏にも中村、松中の連続ホームランで3点を加え7-1と序盤で大きくリード。
 7回表にオランダはようやく2点目を取りましたが、その裏日本は松中のタイムリーなどで2点を加え、さらに8回にも1点を取って10-2と大勝しました。  

オランダ 010 000 100 2
日  本 130 300 21X 10


対アメリカ戦
・・・9月17日(日)に行われた対アメリカ戦は7回裏アメリカが2点を先行しましたが、日本も8回と9回に1点ずつ返して同点。試合は延長戦にもつれこみました。そして迎えた13回裏に、アメリカは無死二塁から三番・ニールがライトスタンドにホームランを放ち、サヨナラ勝ち。日本は大事な初戦に痛い黒星を喫しました。日本の初戦黒星は五輪では初めての事です。  

日   本 000 000 011 000 0 2
アメリカ 000 000 200 000 2x 4


壮行試合開催
・・・8月14日(月)に西武ドームで五輪壮行試合が行われ、6-1で五輪代表チームが勝ちました。
 対戦相手はアマチュア選抜チームで、藤田太陽(川崎製鉄千葉)、山本省吾(慶応大)、阿部真宏(法政大)ら、惜しくも全日本チームからは洩れたものの、今秋のドラフト候補が揃っています。

出場メンバー決定
・・・7月24日に五輪等対策特別委員会からシドニー五輪の野球に出場する24人の選手名が発表されました。杉浦投手(日本生命)は3大会連続の出場になります。

守備 背番号 選手名(所属) 投打 身長・体重 生年月日 キャリア
投手 11 土井善和(日本生命) 右右 176cm・70kg 69.11.26 桜宮高-東海大
12 河野昌人(広島) 右右 185cm・83kg 78.5.7 龍谷高
13 渡辺俊介(新日鉄君津) 右右 177cm・70kg 76.8.27 国学院栃木高-国学大
14 吉見祐治(東北福祉大) 左左 188cm・82kg 78.5.21 星林高
15 石川雅規(青山学院大) 左左 169cm・58kg 80.1.22 秋田商
16 山田秋親(立命館大) 右右 183cm・80kg 78.9.19 北嵯峨高
17 杉内俊哉(三菱重工長崎) 左左 175cm・77kg 80.10.30 鹿児島実業高
18 松坂大輔(西武) 右右 180cm・78kg 80.9.13 横浜高
19 杉浦正則(日本生命) 右右 180cm・82kg 68.5.23 橋本高-同志社大
54 黒木知宏(千葉ロッテ) 右右 178cm・74kg 73.12.13 延岡学園-新王子製紙春日井
捕手 2 鈴木郁洋(中日) 右右 181cm・72kg 75.5.23 仙台育英高-東北福祉大
21 阿部慎之助(中央大) 右左 180cm・82kg 79.3.20 安田学園高
22 野田浩輔(新日鉄君津) 右右 180cm・82kg 77.12.4 八代東高
内野手 3 松中信彦(福岡ダイエー) 左左 183cm・94kg 73.12.26 八代一高-新日鉄君津
4 平馬淳(東芝) 右右 176cm・80kg 75.7.4 横浜高-法政大-東芝府中
5 中村紀洋(大阪近鉄) 右右 180cm・78kg 73.7.24 渋谷高
6 田中幸雄(日本ハム) 右右 184cm・94kg 67.12.14 都城高
8 沖原佳典(NTT東日本) 右右 177cm・75kg 72.7.27 西条高-亜細亜大-NTT関東
9 野上修(日本生命) 右右 167cm・66kg 74.4.4 水戸商-明治大
外野手 1 田口壮(オリックス) 右右 177cm・74kg 69.7.2 西宮北高-関西学院大
10 梶山義彦(三菱自動車川崎) 右左 187cm・78kg 70.7.24 静岡高
24 飯塚智広(NTT東日本) 左左 163cm・70kg 75.9.28 二松学舎沼南-亜細亜大-NTT関東
25 広瀬純(法政大) 右右 181cm・83kg 79.3.29 佐伯鶴城高
26 赤星憲広(JR東日本) 右左 170cm・65kg 76.4.10 大府高-亜細亜大

プロテクト名簿提出
・・・セ・リーグ各球団は7月3日の理事会で35名のプロテクト名簿を提出。この名簿は7月4日にセ・リーグの事務局長から日本アマチュア野球連盟の事務局長に提出される予定。今後はこの名簿に基づき、プロテクト外の選手から派遣選手を選考し、本人の出場意向確認とドーピング検査を経て正式決定する流れとなる模様です。JOCのエントリー締切日は7月25日となっています。

シドニー五輪出場予定のプロ野球選手
・・・シドニー五輪に参加するプロ野球選手の顔ぶれが以下のように決定しました。

チーム名 選手名 昨年の成績 今季の成績(9/14現在)
ダイエー 松中信彦内野手 126試合 23本塁打・71打点・打率.268 120試合33本塁打・103打点・打率.310
西武  松坂大輔投手 25試合 16勝5敗・防御率2.60・151奪三振 25試合 12勝7敗1S・防御率4.36
129奪三振
オリックス 田口壮外野手 133試合 9本塁打・56打点・打率.269 117試合 7本塁打・43打点・打率.281
ロッテ 黒木知宏投手 29試合 14勝10敗・防御率2.50・171奪三振 23試合 8勝11敗・防御率5.63
117奪三振
日本ハム 田中幸雄内野手 131試合 23本塁打・74打点・打率.270 90試合 14本塁打・43打点・打率.245
近鉄 中村紀洋内野手 135試合 31本塁打・95打点・打率.261 121試合38本塁打・108打点・打率.281
中日 鈴木郁洋捕手 36試合 0本塁打・7打点・打率.214 38試合 1本塁打・10打点・打率.246
広島 河野昌人投手 12試合 1勝3敗・防御率5.07・37奪三振 46試合 4勝5敗9S・防御率4.52
49奪三振


シドニー五輪・野球の日程表
・・・国際野球連盟(IBAF)より発表された2000年秋のシドニー五輪における野球のスケジュール表です。
 8カ国が総当りで各7試合のリーグ戦を行い、上位4チームが決勝トーナメントに進出します。
対戦カードの後の( )内は試合開始時間(日本時間)。

予選リーグ 9月17日 キューバ−南アフリカ(9:30) アメリカ−日本(10:30)
イタリア−韓国(16:30) オーストラリア−オランダ(17:30)
9月18日 キューバ−イタリア(9:30) 韓国−オーストラリア(10:30)
アメリカ−南アフリカ(16:30) 日本−オランダ(17:30)
9月19日 南アフリカ−イタリア(9:30) オーストラリア−日本(10:30)
オランダ−アメリカ(16:30) 韓国−キューバ(17:30)
9月20日 イタリア−日本(9:30) オランダ−キューバ(10:30)
南アフリカ−オーストラリア(16:30) アメリカ−韓国(17:30)
9月22日 韓国−オランダ(9:30) キューバ−オーストラリア(10:30)
南アフリカ−日本(16:30) アメリカ−イタリア(17:30)
9月23日 オランダ−南アフリカ(9:30) 日本−韓国(10:30)
オーストラリア−イタリア(16:30) キューバ−アメリカ(17:30)
9月24日 イタリア−オランダ(9:30) 韓国−南アフリカ(10:30)
日本−キューバ(16:30) オーストラリア−アメリカ(17:30)
準決勝 9月26日 予選1位−予選4位(10:30) 予選2位−予選3位(17:30)
  9月27日 3位決定戦(10:30) 決勝(17:30)