若松 勉(わかまつ つとむ) 1947年4月17日生まれ・右投げ左打ち

 北海道・北海高から電電北海道を経て70年ドラフト3位でヤクルト・アトムズに入団。1年目に規定打席不足ながら打率.303をマーク。2年目に早くも打率.329で首位打者となったのを皮切りに常にベストテン上位に顔を出す存在となる。77年には球団新の.358で2度目の首位打者。この年わずか14三振とミートの技術は天下一品であった。翌78年は首位打者こそ逃したものの、打率.341で球団創設29年目の初優勝に大きく貢献し、MVPに選ばれた。

 81年は右肩脱臼で長期欠場し、10年ぶりに規定打席不足に終り連続3割も5年でストップ。翌年から4年連続3割を続けただけに残念な怪我だった。87年は開幕戦で2本塁打と好スタートを切ったが、右足を痛めて戦線離脱。以後は代打の切り札として42歳までプレーした。

 76年7月9日の中日戦でサイクルヒット達成。通算サヨナラ本塁打8本はセ・リーグタイ記録。77年6月12・13日には史上2人目の2試合連続代打サヨナラ本塁打。79年7月11日の中日戦でも代打サヨナラ本塁打し、通算3本の代打サヨナラ本塁打は歴代最多タイ記録。80年9月19日の阪神戦で外野手として1試合11守備機会の日本記録。85年10月9日の阪神戦で史上21人目の2000本安打達成。

 MVP1回(78)、首位打者2回(72、77)。ベストナイン9度(72〜74、76〜80、84)、ゴールデングラブ2度(77、78)受賞。月間MVP2回(77年9月、82年9月)。オールスター出場11度(72〜80、83、84)、73年第1戦と77年第1戦でMVP受賞。日本シリーズで78年に優秀選手賞受賞。09年野球殿堂入り。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)
71 ヤクルト 112 274 40 83 18 1 3 112 15 6 22 28 .303
72 ヤクルト 115 365 54 120 17 4 14 187 49 20 31 32 .329(1位)
73 ヤクルト 128 438 59 137 29 2 17 221 60 12 37 43 .313(2位)
74 ヤクルト 130 477 80 149 30 4 20 247 74 18 49 31 .312(5位)
75 ヤクルト 123 453 55 132 16 3 8 178 48 6 41 30 .291(8位)
76 ヤクルト 127 485 80 167 20 4 17 246 70 9 48 25 .344(3位)
77 ヤクルト 122 441 95 158 30 5 20 258 70 13 53 14 .358(1位)
78 ヤクルト 120 460 100 157 30 5 17 248 71 12 57 24 .341(2位)
79 ヤクルト 120 438 81 134 30 1 17 217 65 8 50 38 .306(8位)
80 ヤクルト 116 427 62 150 36 1 15 233 63 16 46 31 .351(2位)
81 ヤクルト 95 323 49 94 12 2 13 149 37 5 28 24 .291
82 ヤクルト 112 390 50 121 12 2 11 170 38 6 28 27 .310(6位)
83 ヤクルト 112 413 61 139 21 1 15 207 60 11 28 21 .337(2位)
84 ヤクルト 114 397 49 129 22 2 9 182 50 6 40 26 .325(5位)
85 ヤクルト 114 443 52 133 13 1 12 184 34 2 31 30 .300(16位)
86 ヤクルト 119 400 38 110 14 2 6 146 39 1 27 29 .275(16位)
87 ヤクルト 55 69 6 26 2 2 3 41 16 0 10 7 .377
88 ヤクルト 73 66 1 23 2 1 1 30 18 0 7 1 .348
89 ヤクルト 55 49 3 11 1 0 2 18 7 0 5 2 .224
                             
19年 2062 6808 1015 2173 355 43 220 3274 884 151 638 463 .319
歴代順位 31位 40位 31位 19位 23位 61位 71位 28位 52位 110位 71位   2位
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)