立浪 和義(たつなみ かずよし) 1969年8月19日生まれ・右投げ左打ち

 87年PL学園で史上4校目の春夏連覇を達成し、ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。1年目から遊撃のポジションを獲得し110試合に出場。開幕戦の高卒ルーキー先発出場は22年ぶり、高校の先輩である清原でさえなし得なかった快挙であった。この年は.223の低打率ながら22盗塁と安定した守備が買われ、セ・リーグの野手としては史上初の高卒1年目の新人王に輝く。

 翌89年は故障で30試合の出場に終わるが、90年には128試合で155安打を放ち弱冠21歳にして堂々の打率.303(6位)を記録。91年は初の全試合出場で打率.290。92年は怪我で98試合の出場に終るが打率.301(9位)と2度目の3割打者となる。

 その後2年間3割から遠ざかるが、95年147安打で3度目の3割(.301、9位)をマークすると翌96年は自己最多の165安打でこれも自己ベストの打率.323(3位)、しかも2度目の全試合出場で念願のベストナインに選ばれる。00年は出場停止事件もあったが、春先には1500本安打と300二塁打、そしてシーズンでは4年ぶり5度目の3割を達成。01年は3割は逃したものの、5年ぶりに140安打を突破。

 02年はチーム事情により後半戦は4番打者も務め、自己記録を大幅に更新する92打点と勝負強さを発揮。本塁打も5年ぶり二桁に乗せ、自己タイの16本をマークした。また、4年連続7度目の30二塁打を記録して中距離打者の持ち味を発揮した。
 03年も途中から4番に座り前年に次ぐ自己2番目の80打点をマーク。7月の巨人戦では1試合3安打の固め打ちで一気に2000本安打を達成した。33歳10ヶ月での達成は歴代4位の年少記録。

 04年は4月こそ低打率のスタートだったが5月以降調子を上げて、5月・6月と連続月間MVPに輝いた。一時は打率トップに立つ活躍ぶりだったが終盤は打率を下げ、それでも2年ぶり7度目の3割打者となった。また、5月23日の横浜戦で通算423二塁打のセ・リーグ新記録を達成した。
 そして05年5月19日の日本ハム戦で福本豊の記録を17年ぶりに更新する通算450二塁打の日本新記録達成。しかしシーズンを通して打撃では波に乗れず、16年連続100安打は達成したがその16年間では3番目に少ない127安打止まり。打率も.253と1・2年目以来の低打率に終わった。

 06年は開幕直後にサヨナラ満塁本塁打を放つ活躍はあったものの、終わって見ればこれが唯一の本塁打。後半戦は代打要員となり、シーズンの代打成績.321と切り札的存在となった。07年も代打成績.307と2年連続3割台。代打での打点は歴代2位となる27打点を記録し、勝負強さを発揮した。08年は出場全試合が代打起用だったが打率.205と不振に終わった。
 ラストイヤーを宣言して臨んだ09年は代打で18安打・16打点と勝負強さを取り戻した。ホーム最終戦となった9月30日の巨人戦では先発出場して二塁打1本を含む3安打を放ち有終の美を飾った。

 90年から16年連続で100安打以上。97年8月22日の阪神戦でチーム35年ぶり3人目のサイクルヒット達成。02年5月21日のヤクルト戦と06年4月7日の巨人戦でサヨナラ満塁本塁打。07年8月28日の横浜戦で代打満塁本塁打。通算487二塁打は日本記録。年間30二塁打7度は歴代最多記録。03年7月5日の巨人戦で林投手からライト前ヒットを放ち、史上30人目の2000本安打達成。

 新人王(88)。ベストナイン2度(96、04)、ゴールデングラブ5度(88、95〜97、03)受賞。月間MVP3回(02年6月、04年5月・6月)。オールスター出場10度(88、91、94〜98、00、02、04)。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)
88 中日 110 336 61 75 15 1 4 104 18 22 46 53 .223(29位)
89 中日 30 85 10 20 6 1 2 34 8 3 10 10 .235
90 中日 128 511 73 155 33 6 11 233 45 18 65 61 .303(6位)
91 中日 131 520 87 151 35 2 10 220 45 10 75 69 .290(15位)
92 中日 98 379 52 114 16 4 5 153 42 8 53 52 .301(9位)
93 中日 128 500 73 143 18 3 16 215 50 6 73 51 .286(12位)
94 中日 129 489 90 134 27 1 10 193 53 12 85 50 .274(20位)
95 中日 126 489 72 147 25 1 11 207 53 10 63 46 .301(8位)
96 中日 130 511 91 165 39 2 10 238 62 2 71 57 .323(3位)
97 中日 133 495 77 133 24 3 14 205 55 8 82 42 .269(23位)
98 中日 134 504 60 137 24 1 8 187 43 6 78 60 .272(22位)
99 中日 123 417 54 111 32 1 4 157 53 3 52 44 .266(25位)
00 中日 126 436 58 132 30 3 9 195 58 5 49 43 .303(7位)
01 中日 139 507 52 148 30 2 9 209 65 6 56 54 .292(16位)
02 中日 137 506 62 153 34 2 16 239 92 4 51 55 .302(9位)
03 中日 135 500 52 140 28 2 13 211 80 2 59 72 .280(21位)
04 中日 134 523 68 161 25 0 5 201 70 5 50 52 .308(9位)
05 中日 138 501 57 127 25 1 9 181 56 2 73 76 .253(31位)
06 中日 113 259 17 68 10 1 1 83 31 3 19 28 .263
07 中日 101 109 4 30 2 1 2 40 31 0 17 14 .275
08 中日 86 73 2 15 4 0 1 22 10 0 12 11 .205
09 中日 77 66 3 21 5 0 1 29 17 0 13 7 .318
                             
22年 2586 8716 1175 2480 487 38 171 3556 1037 135 1152 1007 .285
歴代順位 6位 7位 17位 7位 1位 84位 117位 17位 30位   10位 45位 65位
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)