荒木 雅博(あらき まさひろ) 1977年9月13日生まれ・右投げ右打ち

 熊本工高から95年ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。1年目からファームではスタメン起用されチーム最多の86試合に出場するが、打率は規定打席到達者最下位の.231とまだまだ非力さが目に付いた。翌97年は5月末に一軍入りを果たし、主に代走・守備要員だったが63試合で12盗塁と俊足ぶりを見せた。しかし98年からの3年間はトータル3安打と停滞。

 6年目の01年に規定打席不足ながら打率.338をマークしてようやく一軍定着を果たした。02年は.259、03年も.237と打撃面では苦戦したが、堅実な守備で二塁のポジションをキープして井端との1・2番コンビを結成していった。04年は初の全試合出場で自己最多の176安打を放ち、リーグ2位の39盗塁をマーク。ベストナインとゴールデングラブを受賞してリーグを代表する二塁手に成長した。

 05年も自己最多の181安打、42盗塁でその地位を不動のものにした。打率も.291と3割は逃したが、前年並みの数字を残した。06年は右脇腹痛で1ヶ月以上登録抹消されたが自己初の3割打者となり、チームの優勝に貢献。井端とのコンビも健在でベストナイン・ゴールデングラブを揃って3年連続受賞した。
 07年は右足内転筋を痛め、前年に続き長期欠場。打率.263と不本意な成績だったが、31盗塁でチーム21年ぶりの盗塁王に輝いた。

 08年は故障なくシーズンを乗り切ったものの、打率.243と03年以来の低打率。球団初の5年連続30盗塁を達成したが盗塁王争いは3位に終わった。また8月の北京五輪に出場し、3位決定戦で先制本塁打を放つなど打率.263、2盗塁の成績を残した。
 09年はリーグタイとなる6年連続30盗塁に4年ぶりの150安打、6年連続ゴールデングラブと走攻守に活躍。変わらぬ存在感を発揮した。10年は5年ぶりに170安打を放つコンスタントな活躍で、2度目の3割は逃したがものの自己2番目となる打率.294をマークした。盗塁は20個止まりで連続30盗塁が6年でストップした。11年は通算1500試合・1500安打・300盗塁と節目の記録に到達。4度目の出場となったオールスター第1戦では2ランホームランを放った。

 12年は7月に左足肉離れで一時戦列を離れた事もあり、128安打の打率.251に12盗塁と物足りない数字に終わった。打線のつなぎ役としてはリーグ2位の36犠打と貢献した。13年は2001年以来12年ぶりのBクラスと低迷したチームと歩調を合わせるような打撃不振で打率.222に留まった。8月中旬から9月下旬まで前年に続き左足を痛め40日ほど登録抹消された事もあり、105試合の出場で12年ぶりの規定打席不足に終わった。
 14年は5月末に死球を受け右手人差し指を骨折、およそ1ヵ月半戦列を離れた。打率は8月上旬まで2割8分台と健闘したが、その後は下降線を辿り.268。2年ぶりに規定打席に到達し、リーグ3位の33犠打とつなぎ役を果たした。

 15年は左投手の際のスタメン起用が主となり、出場機会は激減し01年以降では最少の試合数・打数に留まった。それに伴い、安打・打点・得点・盗塁など各部門も01年以降ワーストの数字が並んだ。4月末で打率.204と出遅れたものの7月末には.270まで巻き返していたが、最終的に.251に終わった。
 2000本まで残り110本で臨んだ2016年。5月末で42安打と順調でシーズン中の記録達成も期待されたが、6月9日から7月8日まで1カ月にわたり47打席ノーヒットの大スランプに見舞われた。打率も2割3分台まで落ちて6月は月間6安打、7月は先発機会も減ってわずか4安打と急ブレーキがかかった。8月に猛打賞3度と巻き返したが、最終的に71安打の打率.246に留まった。

 17年は残り39本からのスタート。4月・5月にそれぞれ18安打を記録して残り3本とし、打率も5月末で.271とまずまずの数字。そして迎えた6月3日の楽天戦。第2打席にライト前ヒットを放ち2000本安打を達成した。
 18年は開幕一軍から漏れ、初昇格が6月1日と遅いスタートとなった。出場機会も限られ、52試合で22安打ながら打率.268とここ3年の打率を上回った。この年限りで引退し、中日一筋23年の現役生活に別れを告げた。

 05年の623打数は年間打数のセ・リーグ新記録。05年に二塁手として年間913守備機会の日本記録。2017年6月3日の楽天戦で美馬投手からライト前ヒットを放ち、史上48人目の通算2000本安打達成。

 盗塁王1回(07)。ベストナイン3度(04〜06)、ゴールデングラブ6度(04〜09)受賞。オールスター出場5度(04、05、08、11、12)、08年第2戦でMVP受賞。五輪出場1度(08)。1977年9月13日生まれ。右投げ右打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
96 中日 一軍出場なし                        
97 中日 63 67 9 12 2 0 0 14 2 12 5 0 2 16 .179
98 中日 7 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
99 中日 16 4 4 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 .250
00 中日 40 10 11 2 0 0 0 2 3 3 0 2 0 4 .200
01 中日 111 272 53 92 12 1 4 118 23 13 10 1 21 48 .338
02 中日 131 406 43 105 7 1 2 120 18 16 25 2 12 59 .259(23位)
03 中日 133 417 42 99 13 5 3 131 41 16 24 3 28 68 .237(26位)
04 中日 138 602 93 176 23 1 3 210 44 39 7 3 28 87 .292(25位)
05 中日 145 623 88 181 22 3 2 215 41 42 6 4 41 74 .291(17位)
06 中日 112 464 69 139 19 1 2 166 31 30 15 0 27 49 .300(10位)
07 中日 113 457 66 120 15 0 1 138 25 31 30 1 22 55 .263(28位)
08 中日 130 538 64 131 15 2 4 162 28 32 15 1 37 81 .243(33位)
09 中日 140 582 80 157 21 1 2 186 38 37 19 1 29 70 .270(18位)
10 中日 136 579 65 170 29 5 3 218 39 20 5 1 40 73 .294(18位)
11 中日 135 543 58 143 20 2 2 173 24 18 10 1 39 73 .263(15位)
12 中日 129 510 50 128 21 1 3 160 31 12 36 2 21 65 .251(17位)
13 中日 105 338 35 75 9 0 0 84 19 12 18 2 26 33 .222
14 中日 109 395 46 106 17 2 1 130 21 17 33 1 42 63 .268(19位)
15 中日 97 211 23 53 10 0 0 63 13 9 6 1 20 31 .251
16 中日 93 289 25 71 8 1 1 84 16 13 14 0 18 39 .246
17 中日 85 249 17 62 6 1 0 70 8 5 5 0 13 41 .249
18 中日 52 82 11 22 6 0 1 31 3 0 1 0 1 13 .268
                                 
23年 2220 7639 954 2045 275 27 34 2476 468 378 284 26 467 1043 .268