まぶしい太陽
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駆り立てるリズムの中
ハァハァ・・・
走る少年・・・マリオン(声・水島 裕)
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視点が切り替わりながら、なおも走り続けるマリオン
ナレーション(声・井上 真樹夫)
マリオン・・・どこへ行く・・・マリオン
なぜ走る・・・
もう、どうにもなりゃしない
わかっているのかい、マリオン
こわれた壷はもどらない
あふれた水はかえらない
しずんだ夏の太陽は二度とお前を照らさない
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それでもマリオン、行くんだね
なぜ・・・
なぜ・・・
なぜ、お前は急がねばならないのか
なぜ!!
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嵐になりそうな強風の中
銃を手に背中合わせで立つ少年
リンド(声・古川 登志夫)とジャック(声・古谷 徹)
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ジャック「リンド、どちらが倒れても恨みっこなしだ」
リンド「そうとも、ジャック、死ねば恨まずにすむだろうよ。お互いの心臓を狙えば恨んでる暇もあるまい」
ジャック「それじゃ、20まで数えよう」
雨が降って来る
ひとつ・・・ふたつ・・・みっつ・・・
走りながら叫ぶマリオン「やめろ~」
よっつ・・・
マリオン「もう、沢山だ!死ぬなジャック!死ぬなリンド!」
20までのカウントが続く中、尚も走り続けるマリオン
「やめろ!」
20!
「やめるんだ~!!」
銃声がひびき
・・・ぼくらはもどろう
もとにもどろう・・・
夏のはじめに・・・
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場面は寄宿舎へと変わる
その扉の1枚に近づき
扉が開く
メインテーマのピアノ曲流れる中
そのままタイトル
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スタッフロールが流れる
母からの手紙を読み、それを床に落とすマリオン
イャッホー!解放されたぁ!夏休みだぞ!フランス万歳!青春万歳!
今日から夏休み
はしゃぐ少年たちに胴上げされている
線の細い少年クロード(声・三ツ矢 雄二)
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その様子を窓越しに見ているマリオン
少年たち「まじぃ・・・マリオン」「合理党総裁さま」
「頭も腕ももひとつおまけに顔も違う」
「だから町中の女の子たちがふたことめにはマリオンさま」
「みことめだってマリオンさまだ」「くそっ!面白くない」
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リンドとクロードに片手で挨拶をおくる
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何度読んでも変わりゃしない
ママンは出来立てのパパといっしょにマルセイユへバカンスだ
いってらっしゃい・・・ママン
手紙を破く
夏休みに入ったらあとからきますか?マリオン
ジャマならジャマとそういえばいい!
町のカフェにきた合理党
マリオン・クロード・リンド・ジャックの4人
上級生アルマンとガブリエルが市長の娘レダニア(声・潘 恵子)を
めぐって喧嘩をはじめた
女の子のことに首を突っ込むこと自体
不合理だと思うけど・・・
おばさんの店がこわされては、ぼくたちだって迷惑だ
合理党リーダー
マリオン・フィエスがこのけんかの成敗をさせてもらう!
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マリオンとガブリエルはある方法で度胸を競い合うことになった
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度胸を試す方法は
線路の上に走ってくる汽車に背を向けて立ち、
どちらがぎりぎりまで向かってくる汽車の恐怖に耐えて立っていられるかというもの。
恐怖のあまり早々に逃げ出したガブリエル。
勝ち誇るマリオン
マリオン「列車を止めさせたなんて新記録だな」
マリオンの止めた汽車から降りてきた貴婦人
「メルシー、マリオン。ここで止めてもらって助かったわ。すぐ、そこが別荘なの」
マリオンにキスする貴婦人(声・武藤 礼子)
紅潮するマリオン
「純情なのね、私はサラ・ヴィーダ、遊びにいらして・・・」
降り続く雨
マリオンの部屋にいる4人
リンド「あいつこのころおかしいぞ」
ジャック「雨のせいだよ、雨」
リンド「また、手紙破いてる・・・誰からきたんだか」
ジャック「マザコンじゃないのか?おふくろが新しいおやじとあんまりいちゃつくんで・・・」
リンド「妹が出来たってよ」
ジャック「妹?」
リンド「あいつと種違い」
クロード「よしなよ」
レダニアからの手紙を破くマリオン
「雨の日もいちどはきっとカフェに参ります。あなたを待って・・・レダ」
クロード「レダと白鳥の神話知ってる?」
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クロード「ゼウスは白鳥になって乙女のレダを愛したんだよ
そしてレダは卵をふたつ生んだんだってさ」
ジャック「つまり白鳥とレダはセックスしたんだ」
クロード「白鳥になれるやつってどんな男だろうね」
リンド「大袈裟に考えることなんかないよ。
セックスなんてたかが男と女の生殖作業じゃないか
愛してなくたってセックスは可能なんだ、体の欲望を発散するだけのことだ」
ジャック「パンを食べたりコーヒーを飲んだりすんのと大して変わりはないんだ」
サラとのキスが頭をよぎるマリオン
マリオン「やめろ!」
と、部屋を出ていく
ジャック「ちぇっ!あいつこのテの話しになると逃げやがる」
リンド「オクテなんだよ」
クロード「だけどさ・・・女知ってる?」