プラレール幻の逸品展示室:その24
続:幻の初代全自動ふみきり
−「全自動ふみきりセット」の全貌が今明らかに−

夢というものは、ずっと願っていれば、いつかはかなうものなのでしょうか…


前回、「全自動ふみきり」単体を入手しをご紹介しました


いつかこのふみきりの入ったセットを見ることが出来たら、と思っておりましたが
縁あってそのオリジナルのフルセットを入手することが出来、その願いがかなうことになりました

私にとって、まさに奇跡と言ってもよいくらいです


箱のサイズはタテ48cm、ヨコ60cm、厚さ6cmというかなり大きなものでした
考えてみれば、直線レール2本分の長さの全自動ふみきりとレール、車両などを収めているのですから
このサイズになるのも仕方ありません


それでは、おそらく日本初公開であろうと思われるそのセットの画像をお見せいたしましょう!

←60cm→

 
48cm
  ↓
 

セットの内容は、「全自動ふみきり」「D51」「無蓋車」「自動車運搬車」「ブルーバード」と
レールやロード部品、橋脚、標識、街灯などです

前の持ち主の方は、子供の頃発売当時に買ってもらったものをそのまま取っておかれていたとのことでした
その方のお話では、当時もとても生産数が少なく、店頭でも一度きりしか見なかったそうです

発売後約37年ほど経っているのにもかかわらず、状態はとても良く、部品も全て揃っていました

箱のイメージは、写真を全面に配したデザインとなっており、
通常のこの時代(メリーゴーランドマーク時代)のものより多少モダンな感じがします




それでは、セットを組んでみましょう

前回、手持ちの部品で再現したものと、ロード部品の配置が若干異なっている事がわかりました


さらに驚くべきことに、全自動ふみきりや車両などが全て当時と同じように動いたのです

前回、車の車輪を空転させるローラーが無いため、うまくふみきりで停車しないのではと書きましたが
この点についても、後輪を細めのタイヤにすることで、強制的にスリップさせて停止させるというやりかたで
いささか荒っぽいですがちゃんと列車通過中は一時停止することがわかりました

それでは、ふみきり通過中の連続写真をお見せしましょう

D51とブルーバードがふみきりに差しかかる
D51がふみきりに進入、警報ベルが鳴って遮断機が下りる
ストッパーがかかり、ブルーバードが一時停止してD51の通過を待つ
D51が通過し遮断機が上がってストッパーが外れブルーバードが走り出す


それでは方向を変えてもう一度見てみましょう

D51がふみきりを通過中
D51がふみきりを通過し終える
遮断機が上がり始める
ストッパーが外れ、ブルーバードが走り出す



37年を経過して今なお変わらず動き続けるその姿を見て、私は胸に熱いものを感じました

前回、「耐久性に問題があったのでは」などと生意気なことを書いてしまいましたが
目の前で動き続けるその姿は、そんなことを微塵も感じさせない力強いものでした

一番最初に、一番高度なシステムを作り上げたトミーの技術力と情熱に
あらためて敬意と感動を禁じえません

このセットの現存数は、おそらく日本中でも数えるほどではないかと思われます…
その一つを当博物館にて、大切に保存してゆきたいと思っています
(2002年4月11日作成)