ビスクドールのページ 8

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EDEN・BEBE  4
(FRANCE Fleischmann&Bloedel
フライシュマン&ブレーデル
1890−1899年)

アンティークビスクドールと一口に言っても実に様々なメーカーがあります。

ビスクドールの専門店さんに通って見せていただいたり、
洋書などを見ているうちに
「これはジュモウ」「これはスタイナー」などと
どこのメーカーにも、それぞれ特徴があるのが、わかってきます。
中には「え!これがジュモウ?」「これがケストナー?」といった顔の人形も、
(特にキャラクタードールに)ありますが、
そのうちに「私は、このメ−カーの、こんな顔のタイプの人形が好きみたい」と、いうのが
自分でわかってくるようになると思います。

自分の好みのタイプの人形を探そうとした場合、
専門店さんに「こういうタイプで予算は幾ら」とお願いしてしまうのも
ひとつの手と思います。
(残念ながらアンティークビスクドールは、安いものではないので、
後々のトラブルにならないように、細かい点まで、きちんとお約束をしておいた方がいいでしょう)

このエデン・ベベは
エデンのかわいいタイプ探しています
予算は○○円前後
と、国内の専門店さんにお願いして数ヵ月後
「エデンが入ったので見にいらっしゃいませんか?」とご連絡をいただき
その場で購入を決めました。

顔アップ オープンマウス5枚歯 あまり見る機会のない横から
ウィッグをとると・・・ こんな感じです ヘッドマーク
EDEN BEBE
PARIS
目は石膏で固定されています


ここで、このメーカーについて簡単に触れておきましょう
製作会社のフライシュマン・ブレーデルというのはどう見てもドイツ語っぽいですよね?
また、ビスクの本を読むと
ドイツ人が作ったフランス人形と書かれている場合が多いです。

時代を調べると1873年にドイツに創設されたメーカーですが、
1890年にパリに支店を出して、エデン・ベベを製造販売し、フランスでこの名を登録したとあります。

1899年にはフランスのメーカーが経済的に行き詰まりSFBJが統合発足されますが、
その時には、フライシュマンがSFBJの代表になっています。
(エンサイクロペディアによるとエデン・ベベは
1890年から1899年にはフライシュマン・ブレーデルによって
1899年から1953年にはSFBJによって作られていたとありました)

しかし、1914年には第一次大戦が勃発し
ドイツ人であったフライシュマンは、敵国人という事で財産を没収されスペインへ亡命し、そこで亡くなっています
一個人の力では、どうしょうも出来ない時代の流れとはいえ、ちょっと気の毒ですね。

全身51cm ウィッグは現代のもの
カールし過ぎ〜&リボンは、いらないか?


このエデン
ドレスは現代のものですが
下着まで数えると4枚も!着ており
それぞれ作りが凝っているので、なかなか見応えがあります。

2枚目 3枚目 4枚目 ボディはゴツイです
オリジナルかどうかは不明


私のココロにグッ!ときた箇所のクローズアップ

1枚目のドレス
細かいレースがステキ
2枚目のドレス(下着)
襟がついてます!
4枚目の肌着
下はおズボンになっています


胸のバッジは、いつつけられたものかは、わかりませんが
コウノトリが象られ〜SALUT D‘ALSACE〜と、あります。
(〜やあ!アルザス〜の意になります)
コウノトリはフランスとドイツの国境であるアルザス地方のシンボルとして有名ですが、
幸運と赤ん坊を運んでくる鳥と言われ、
アルザス地方の教会や家の屋根には巣を作りやすいように、足つきの大きな巣床が備え付けられています。


フライシュマン・ブレーデル社はそれほど規模の大きなメーカーでは、なかった割に可愛い人形を作っており
特に日本国内で人気があります。
現在、入手が困難なメーカーのひとつとなっています。


1993年・5月・国内の専門店にて購入
2003年3月26日 作成

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