第21話
黒ばらは夜ひらく

(シナリオ仮題・黒ばらのたくらみ)

アントワネットの美しさ、気高さに恋焦がれるローアン大司教は
ジャンヌにアントワネットに会わせて欲しいと頼む。
代償として次から次へと金貨を要求するジャンヌ
アントワネットからの恋文はニセ司法書士のレトーに書かせ
疑い始めたローアンを
アントワネットそっくりの盲目の売春婦・ニコル・ド・オリバに会わせるのだった。

「わたくしの気持ちはおわかりですね」
「そうそう、それだけの仕事であんたの10年分の稼ぎより、もっと沢山のお金が手に入るんだからね」


ワンポイント講座

これからの4本はジャンヌ編とも言うべき
ジャンヌ大活躍!
第16話「母、その人の名は・・・?」以来の登場です!

ジャンヌを演じられた松金 よね子さんは舞台女優さんバリバリなので
心配はしていなかったけれど
いや〜!凄い!
(ヨメキントリオとのギャップも凄いけど)

オスカル・アンドレ・ロザリーが別荘で過ごすシーンはアニメオリジナル
海岸でのジャンヌとのやり取りは
カモメは飛ぶわ、波は立つわ、光は射すわ
「あなたみたいな人はよくいるけど
私が一番、魅力を感じない種類の人だわ」

アントワネットがローアンを嫌っているのは
前オーストリア駐在大使をしていたローアンが
僧侶の身でありながら女遊びをして散財して
母であるマリア・テレジアに毛嫌いされていたその影響を受けたから

ベルサイユ庭園のビーナスの茂みで会うローアンとニコル・ド・オリバ(声・松島 みのり)
「わたくしの気持ちはおわかりですね」
ニコル・ド・オリバは、原作では目が見え「あたいに15000リーブルくれるんだね」とガラ悪し
アニメでは盲目で「ひと晩でたったの10スー、先払いが決まりです」悲壮感が漂います。

ジャンヌの台詞を二つほど
「面白いねぇ・・・世の中って・・・
いけないんだよ・・・面白くなきゃ・・・」
「ただの空しい散歩ですわ」



王妃アントワネットでさえ買うのをためらった
豪華な首飾り
それが、今、巡り巡ってジャンヌの前にある
宮廷を揺るがしたあの首飾り事件
今、その幕が切っておとされようとしている
次回
ベルサイユのばら
首飾りは不吉な輝き
おたのしみに


第22話
首飾りは不吉な輝き

(シナリオ仮題・不吉な宝石箱)

宝石商ベメールが宮殿に首飾りを持ってきた
前国王ルイ15世がデュ・バリー夫人に贈る為に作った首飾り
160万リーブル、今のお金で192億円

買う意思のない事をやんわりと伝えたアントワネット
しかし、この首飾りはのちにアントワネットを思いもよらぬ事件へとつき落とす事になるのである

「実は今日、大胆不敵にもわたくしのおなかを足で蹴飛ばした家臣の事で陛下に苦情を申し上げにまいりました」
王妃は懐妊したのである

子供との時間を持ちたいアントワネットは公務をしたくないと
ベルサイユ宮殿から
広大なベルサイユ庭園の一角に作られた小さな館・小離宮へと移った
事実上、アントワネットの公式謁見は取りやめになったのだ

民衆だけでなく貴族の中にさえ王室に反感を抱くものが増え始めていた

娘・アントワネットの身を案じながら
偉大なる母オーストリア女帝・マリア・テレジアは63歳でその生涯を閉じる
オーストリアへ手紙を書くアントワネット
「メルシー伯爵・・・おかしいですね
書いている文字がはっきりと見えないのですよ」
溢れる涙

ベメールはアントワネットに口添えして欲しいと件の首飾りをジャンヌのもとへ持ち込む
ローアンを保証人に仕立てジャンヌは首飾りを手中に収める
そしてニコラスはイギリスへ、レトーはスイスへと逃げるのだった


ワンポイント講座

う・・・当時の貴族の出産は約50人の宮廷貴族が
見物する中で行われたそうで・・・
これは、たまらん (^_^;)

この22話でいきなり二人の子供を持つことになるアントワネット
第一王女:マリー・テレーズ・ド・フランス
第一王子:ルイ・ジョゼフ・グザビエ(33話で、再登場)


出た!吟遊詩人

飲もうぜみんな
今のうちだ
もうすぐ俺たちはビールのかわりに
銃を持たなきゃならない
飲もうぜみんな
今のうちだ
味気の無いスープも重い税金も
みんなみんな飲み干しちまえばいい

小離宮に出入りを許されるのはごく親しい人々だけ
しっかりポリニャック夫人の姿が!
また、ピアノを弾くオスカルの姿も見られます

ロベスピエール先生
第13話「アラスの風よ応えて・・・」以来、久し振りの登場!
ベルナール・シャトレも一緒にいますよ
老けてんの〜

この22話のEDから、あの
「愛しても愛と呼べない
僕の目はもう君を見ることが出来なくなる
あぁ・・・オスカル・・・オスカ〜〜〜ル」がカットされてますです。
ウッキ!



ジャンヌ逮捕
首飾り事件もこれで幕かと思われたが
ジャンヌの巧みな言い抜けで裁判は意外な展開を
この時、ショックを受けるアントワネットに
さらに民衆の罵声が追い打ちをかけた
次回
ベルサイユのばら
ずる賢くてたくましく!
おたのしみに

第23話
ずる賢くてたくましく!

(シナリオ仮題・ああ、首飾り事件)

1785年8月15日
フランス犯罪至上、あまりにも名高い首飾り事件の幕開き

公文書偽造、窃盗、詐欺
そして王室侮辱罪の容疑により
逃亡中のニコラスを除く首飾り事件の関係者全員が捕らえられ
裁判を受けることになった

「ジャンヌはジャンヌ・バロアというのは、私とパリの下町で一緒に育った姉さんなんです」
ロザリーの言葉に振り向くオスカル

「この指輪を渡して欲しいんです・・・私達の母さんの形見です」
指輪をオスカルに言付けるロザリー

指輪を牢獄のジャンヌに届けるオスカル
「知らないねぇ、ロザリーなんて・・・それにあたしは安物を身につけない主義なのよ」

裁判が始まった
「ロザリー、見ろ、指輪だ、姉さんはお前が渡した指輪をちゃんとつけているぞ」

シラを切りとおすジャンヌ
「母さん、少しでもいいからあたしに力を貸して」

全てはマリー・アントワネットが仕組んだこと。
アントワネットと自分はレスボス関係にあり
ポリニャック夫人も、そしてオスカルをそばに置くのも
その趣味からとでっち上げるジャンヌ

証人としてニコル・ド・オリバが呼ばれる
「ニコル・ド・オリバどうかね?そこにいる女が君をビーナスの茂みへと連れて行きニセ王妃の役を頼んだ女かね?」

ジャンヌの顔をなでるニコル・ド・オリバ
「間違いありません・・・ジャンヌ・バロアさんです」
「ふふふ・・・まいったな・・・」

首飾り事件は古い権力に対しての怒りを民衆と若者たちに
はっきりと植え付けたということでフランス革命への引き金となる事件であった

「地獄へ落ちろ!マリーアントワネット!アタシは無実だっ!」
ジャンヌは絶叫しながら焼きゴテを押される
サルペトリエール牢獄へ運ばれたジャンヌ
ジャンヌのたくみなウソは国中の人気と同情を集め
ジャンヌを見ようという人々が毎日、押しかけた
「フフフ・・・面白かった・・・久し振りにゾクゾクするくらい
あたし・・・子供のころに
こんなイタズラごっこをしたかったなぁ・・・みんなと」


ワンポイント講座

「我々は期待しようじゃないか!裁かれるべきは犯罪ではなくて
ベルサイユそのものであるということに!」
酒場で演説する森 功至♪
・・・違う・・・ロベスピエール先生
サン・ジュスト(声・古川 登志夫)
ベルナール・シャトレも同席しています。

証人として法廷に呼ばれたニコル・ド・オリバ
ジャンヌの顔をさわる下り
盲目にした設定が生きてますね。

いずれ自分の命取りになるであろうニコル・ド・オリバを殺める機会はありながら
それが出来なかったジャンヌ。
ジャンヌの優しさ?が垣間見えた名シーンでした。

裁判長の声は加藤 精三さん
飛雄馬の父ちゃん!星 一徹だ!

判決は
ニコラス・ド・ラモット:見つけ次第、逮捕終身漕役刑
レトー・ド・ビレット:ムチ打ち50回ののち35年間の国外追放
ニコル・ド・オリバ:無罪
ルイ・ド・ローアン:首飾り事件についても王室侮辱罪についても無罪
ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット:
両肩にVの字(フランス語で泥棒を意味するVoleuseの頭文字)の焼きゴテを押して終身禁固の刑





ジャンヌの脱獄に手を貸した疑いをかけられたオスカル
なんとかお助けしなきゃ
ロザリーは苦しむ
そんな折りあのいやな母が救いの手を差し伸べてきた
ポリニャック家へ入ることと引き換えに
次回
ベルサイユのばら
アデュウ私の青春
おたのしみに

第24話
アデュウわたしの青春

(シナリオ仮題・黒い百合折れた)

ジャンヌが脱獄
ジャンヌを逃した男は
「わしはお前を助けた、お前はわしの頼む仕事をする」と、だけ。

ロザリーの元を訪れるポリニャック夫人
「ロザリー・・・お願い、ポリニャック家へきて
シャルロットが死んでから私は一人、一緒に暮らして欲しいのです」
「お断りします!」
去るロザリー
残されたポリニャック夫人・・・ウソ泣きかいっ!

市民の間では「ジャンヌ・バロア回想録」が飛ぶように売れていた

ジャンヌとニコラスが潜んでいるサベルヌ修道院
あおる様に酒を飲むジャンヌ
「フ−、なんだか疲れちゃったな、あたし・・・」

指輪を封書でロザリーに返してよこしたジャンヌ
「ロザリー、指輪はお前が持っていなさい、だって私は今とても幸せだから、サベルヌにて」

犯人の夫・ニコラスが近衛連隊の部下
犯人の妹を引き取っている
これを公表されたくなければポリニャック家に来いと、ロザリーに凄むポリニャック

連日の出動も空しくジャンヌを捕らえられないオスカル
脅しをかけてくるポリニャック夫人
ロザリーはポリニャック家へ行く決心をした。

オスカルの家を出る為、荷造りするロザリー
「さよなら私の青春、さよなら私の幸せ、さよなら、私のオスカル様」

ロザリーの残した手紙からジャンヌの潜伏先が判明した
また治安大臣の元へも
さる有力者からジャンヌの居場所はサベルヌの修道院と密告があった。

修道院へ向かうオスカル
銃声が聞こえるまでは誰も手出しはするな
そう言い付けて一人、乗り込むオスカル
「この場所を教えたのはロザリーかい」
「ロザリーではない、断じて」
「そうかい、よかった、まだいたんだね
こんな私にだって一人ぐらい味方が・・・
信じられる人間が・・・よかった」

オスカルを背後から殴るニコラス
「なんか、もう飽きちまったんだよ」というジャンヌを置いて
ひとり逃亡を企てる
「アンドレ・・・」薄れる意識の中で呼ぶオスカル

「今!確かにオスカルが俺を呼んだ!」

ニコラスを刺すジャンヌ
「あたしと一緒に死んでおくれ」

修道院へ入ってくるアンドレ
「この匂いは?・・・火薬だ!」

「ごめんよ、ニコラス、ごめんね、あたし一人じゃ寂しくて」
「しかしおめえ、最高にいい女だったぜ」
「ホントかい?嬉しい」
キスする二人

修道院は大爆発

こうして首飾り事件は一応落着した
しかしジャンヌの脱獄を助け、回想録の出版に手を貸したのは誰か

ひそかに王位を奪おうとした国王の従兄弟
オルレアン公であろうと言われているが
その真実もまた
ジャンヌの死とともに
永遠に闇の中へと消えていった


ワンポイント講座


23話についた予告がかなり面白い(笑)
なんとかお助けしなきゃ
これでは「しんちゃん」
そんな折りあのいやな母が救いの手を差し伸べてきた
そこまで言いわんでも

ジャンヌ編完結!
くう!ジャンヌ!
ニコラスの言葉だけれど
「おめえ最高にいい女だったぜ・・・」

原作とアニメはジャンヌとニコラスの最期は、かなり違います。
(原作だとジャンヌはオスカルを刺すつもりで誤ってニコラスを刺してしまい
自らは狂って手すりから落ちて死んでしまう)

アニメのジャンヌに漂う孤独感・・・虚無感・・・
チーフ・ディレクターが出崎さんになって
より魅力的に描かれたキャラクターであったと思います。

ちょこちょことは出ていたけれど、おとなしくしていたポリニャック夫人
パワーアップしてお久し振りね♪とロザリーの前へ登場!
原作ではオスカルに
「あなたが彼らの仲間だからです!」と凄むも
「はやくも更年期障害でござるか」と言い返されてます。

アニメではジャルジェ家を去るロザリーに自分のペンダントをかけてやるオスカルですが
原作だと、自分の肖像画を渡してます<デカイですよ (^_^;)

ジャンヌを脱獄させた覆面の男の声は
オルレアン公(既に懐かしい)の声の市川 治さん
でも、この男については「不明人物」ということになっております。
そこんとこ、よろぴく。



身も心も疲れ果てフェルゼンは帰ってきた
アントワネットとはもう会うまいと一度は決めた彼だったが
思い出の国は変わり果てていた
彼女が民衆の憎しみの中にさらされているのを見て
次回
ベルサイユのばら
かた恋のメヌエット
おたのしみに