アニメ製作会社には、それぞれのカラーというものがありますが
その中でタツノコプロダクションは
アクションとギャグのタツノコ
というイメージが一般的と思います。
このふたつの路線がクローズアップされがちの同社ですが
少女・メルヘン路線が数作品ばかりあります。
女の子を主人公にした初のタツノコアニメ作品が
「風船少女テンプルちゃん」です。
アニメ全般が好きな私ですが、見ていなかった一時期があり、テンプルちゃんは、その時期にあてはまります。
で、どういう話なのか調べてみました。
音楽が大好きな少女テンプルちゃんは、風船(小さな飛行船)で遊んでいたところ、
いたずらっ子の風の子に流されてしまいました。
泣き虫だったテンプルちゃんは、仲間に助けられ成長しながら、お父さんやお母さんのいる「若草村」を探して旅を続けます。
ガボテン島を連想してしまいました。
は、さておき
テンプルちゃんという名前はアメリカの人気子役として一世を風靡した
シャーリー・テンプルから来ているのでは?と思います。
(まさかテンプル・ボディ・アッパー・フックの世界じゃないでしょ?)
シャーリー・テンプルは1928年生。
ハリウッドの人気子役(映画女優)として1930年代に
30本を越える主演作があります。
その頃にはアメリカの人形メーカー数社がコンポジションやビニールで
シャーリー・テンプル人形を製造していました。
アイデアル社のコンポ製 | 風船少女テンプルちゃん あかんぼ少女タマミちゃん |
アイデアル社の人形のドレスには 本人の写真のバッジがついていました |
「風船少女テンプルちゃん」は見ていなかったにもかかわらず、
OP・EDとも3番までソラで唄えます。
それは、高校生の頃、少女アニメ大全集というレコードをカセットテープにダビングしてもらい聞いていたからですっ!
って、威張る話では、ないですね。
唄ってみました(笑)
ねずみのチュッピー・ポピポピ どらねこドーラは、ポロンポロン アヒルのガッペが、ビバビバ フワット雲の子、ブンブンブンブン♪ |
テンプルちゃんがタクトをとれば タムタムぼうやが リズムをとるよ♪ |
タツノコキャラでありながら
ポップで水森 亜土を連想させる<思いません?
キャラクターデザインは、タツノコキャラクターデザイン室に在籍していた下元 明子さん。
下元さんのキャラクターは他に
「ポールのミラクル大作戦」「一発貫太くん」「森の陽気な小人たち・ベルフィーとリルビット」が有名です。
さて、テンプルちゃんですが、放映話数は26話と短いものに終わってしまいました。
視聴していなかった人間の戯言ですが
ボルテスVと同じ放映時間帯だった
というのも短命に終わってしまった原因のひとつかも?と思います。
(ボルテスが4ヶ月早く始まりましたが、最終回の放映日・時間ともぴったり重なります)
それなのに、人形が発売されていたとは!
いや〜!驚きましたっす!
顔アップ・四角いマツゲも再現! | 独特のカールを見事に表現しています |
かわいいとか美しいという形容詞でなく
この人形には「愛らしい」という言葉が似合いますね。
全身29センチ | 帽子をかぶせて31センチ |
顔部分のみがビニール製、他は全て布に詰め物です。
箱・前面 | 横 | 箱・裏面 | 箱・上部 |
配色が絶妙な外箱(全面が紙製で中は見えません)
すてきなバトンがついています!
と、箱にありますが
持たせるのではなくてマジックテープで止めるの!
逆転の発想〜♪
でも・・・でもよ?パッチリお目々のテンプルちゃんなのに
人形になったらお目々を閉じているのね・・・。
ん?この箱の上に貼ってあるシールは?
も・・・もしかしたら「この箱の中には目閉じバージョンの人形が入っていますよ」のしるしかも?
となると、この「シールのテンプルちゃんが目を開けていて、中の人形も目を開けている」バージョンがあるのかも?
う〜〜〜。メラメラ!
「風船少女テンプルちゃん」は、タツノコプロ創始者・吉田 竜夫氏が、かかわった最後の作品。
病気の為、45才と若くして亡くなられた氏ですが
最期に、こんなに愛らしい娘を遺してくれました。
あ、ダメだ、泣きたくなってきた (^_^;)
おまけ
シャーリー・テンプルを検索していたら
ひっかかるのは子供服のシャーリー・テンプルが一番多かったです。
これは同社が
シャーリー・テンプルが、戦争で暗い世の中に映画を通じて子供たちに夢を与えたように、
洋服を通じて子供たちに夢を与えてあげたいとの事から、
ブランド名をそのようにしたそうです。
不二家の初期商品「フランスキャラメル」のパッケージデザインに使われていた女の子のモデルも
シャーリー・テンプルだそうです。
メンソレータムのリトルナースも テンプルちゃんという説がありました |
意外なところではカクテルに、その名前がありました。
子役ということで考慮されたのか?
カクテルのシャーリー・テンプルはノン・アルコール。
ジンジャーエールがベースでグレナディン・シロップで色づけされているそうです。
これは、機会があれば飲んでみたいですね!
2002年・春・オークションで入手
作成年月日2002年4月10日