八千代市保育園父母会

連絡会ニュースNo.11

1999年 6月  2日(水)発行

 八千代市保育園父母会連絡会広報部

 (「垣内講演&結成総会報告」号)

「配置基準」と「公設公営」を守り保育を充実!

〜財政効率を理由に、配置基準切り下げ、臨時職員化で進む「行革」〜

 「公立保育園の民間委託や配置基準の改悪に反対し、子育て行政の拡充を求める請願」署名は、もう一息で5万筆に迫っています(5月29日現在)。6月議会提出に向け、父母と保母の2人3脚で全市議会議員へ「紹介議員要請」を行う中、守るべき八千代の保育の水準の高さに理解を深める議員も多くなってきています。そんな中、いきなり4月から実施された保母の配置基準(4,5歳児)の改悪は、該当園(高津西・大和田南・ゆりのき台)だけの問題ではありません。又、退職者不補充施策で看護婦が臨時職員化(大和田西・睦北)されています。このような水準の実質的切り下げこそ、『公設民営化』が狙っていることではないでしょうか?

ゆりのき台保育園 保護者会発行ニュースより一部抜粋

らいおん組の担任が今年から1人に!!〜 これは保育の質の低下!? 〜

「保育園の民営化」は昨年から話題になっており、現在も八千代市保育園父母会連絡会を中心にいろいろな動きを見せております。この、「民営化」の影響はゆりのき台保育園にもやってきました。(中略)

ある保護者の方が「大澤市長への手紙」を出し、「市長が公言していた『保育の質は落とさない』を破っているのではないか。」というようなことを質問しました。市長からの回答は、「国の基準を守って保育士を配置しているので、保育の質の低下にはならないし、実際に質が低下したとは考えない」とのことです。

  今までの八千代市の基準 ⇒5歳児は、子供24人ごとに保育士1人を配置する。つまり、1クラスに子供が30人いたら2人配置しなければならなかったので、らいおん組担任が2人いたのです。

  国の基準 ⇒5歳児は、子供30人ごとに保育士1人を配置する。つまり、1クラスに子供が30人いたら1人の配置でよい。ということでらいおん組担任が1人になった

 総会を通じ、役員も揃い、会則も承認され、体制の整った連絡会として、垣内講演の中身をよく噛み締めたいと思います。又、会則第3条<目的>第1項にある「子どもの立場に立ってよりよい保育がなされるように努める」ため、「年度替わりで現行の保育水準の変更はない」と言った市長の言葉に沿って、

保母の配置を昨年の水準に戻し、従前通り正規の看護婦を全園に配置すること。を要求します。

 

1.1999年度役員決定。県保問協に加盟。[連絡会結成総会開催]

 5月27日(木)夜、予定通り総会を開催しました。来賓として、保母代表、千葉県保育問題協議会副会長が挨拶しました。全会一致で、役員・会則・県保問協への加盟が承認されました。よろしくお願いします.

 千葉県保育問題協議会とは?千葉県下の子育て・保育に関わる団体で構成されている組織。お互い情報交換し、共通課題で対県交渉をしたり、県議会に書名を出したりしています。また、全国保育問題連絡会に加盟し、厚生省交渉や全国保育署名など国へ向けての働きかけもしています。(県保問協副会長あいさつより)

 

2.「子ども父母にやさしい」保育園であるために必要なこと

 〜「八千代と保育所民間委託を考える」 垣内国光(日本福祉大学助教授)講演〜

 総会に先立つ講演会には、父母25名・保母等職員60名その他合わせて100名ほどが集まりました.ユーモアも交えながら優しさいっぱいの垣内先生の親しげな語り口にあっという間の2時間でした.講演後、垣内先生より連絡会に多大なるカンパをいただきました.この場を借りて、厚くお礼申し上げます.以下、講演の要点です.

  T.子どもにとって「いい保育園」とは

「保母が子どもや父母を強く思っている保育園」であり、

「父母として当たり前の要求ができる保育園」

   1.「元気」=健康で生き生き、豊かな遊びを保証

     「思いやり」=喜びや悲しみを響かせ合う子どもを育てる父母と保母の共同の関係

     「賢さ」=伝え合いたいほどの体験や内面の育ち

   2.「保育の専門性」@子どもを豊かに発達させる専門的力量

               A地域の子育てを励まし父母の輪を広げ要求を育てる専門的力量

     「みんなの保育をみんなで守り育てようとする父母の輪と運動」

     「どの子も差別無く必要充分な保育を保証する制度や施策」

   3.「八千代の保育は子どもや父母にとってかなり高い水準の保育を実現してきた」

   4.「『子どもと父母の権利を保障したい』と頑張れる父母と保母」がいる八千代の子育て

  ∴「公立の建物だから守るのではなくこういう公共性の高い保育だから

                  守っていきたいと考えているのではないか」

 U.民間委託に大義はない!

  1. 子どもの権利条約
  2. 「児童に関するすべての措置を取るに当たっては、公的もしくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする.」(第3条)

    「締約国は、父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備からその児童が便益を受ける権利を有することを確保するためのすべての適当な処置を取る.」(第18条)

  3. 児童福祉法
  4. 「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う.」(第2条)

  5. 社会福祉事業法

「国及び地方公共団体は、法律により帰せられたその責任を他の社会福祉事業を経営するものに転嫁し、又はこれらの者の財政的援助を求めないこと」(第5条:行政責任転嫁禁止の規)

→保育事業は公立施設が行い、それができない場合に社会福祉法人立施設に保育を委託してきており企業参入を認めてこなかった.

V.八千代市長の主張について

1.保育の多様化に公立では応えられないのか?

         →父母の望みであり保育者もその心構えがある。

2.公立にかかっているお金は高いのか?

  →職員の平均勤続年数4〜5年の職場がいいのか?

    =4〜5年で教師が辞めてしまう学校をいい学校といえるか?

3.公立があるからこそ保育の公共性が確保できる.

4.保育の質は、投下されたお金と専門性によって決まる!

 W.運動の今後の課題

八千代の子どもと父母の権利保障のためにたたかっている.

→万一民間委託が強行されても、その内容を監視して市民に知らせ、よりよい保育を目指していく.署名運動でたたかいが終わるわけではない.

  1. 保育の自由が保障されること.
  2. 保育について学び続け、闘い続けること.

父母と保母が柔らかい関係できちんと運動し続けること.

参加した父母のアンケートから(一部抜粋)

各園代表者会議開催

6月6日()午前10時より 市役所にて

主な協議題 @議員要請行動の集約について

※訪問時、「検討する.会派で相談する.」等の返答をしてくれた議員には 再確認の上、会議に報告して下さるようお願いします.

       A署名提出行動について

      B第2回検討委員会への意見集約(全園アンケート計画中)

      C連絡会会費の納入について※各園代表者は、この日に会費をおもちより下さい.

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