八千代市立保育園父母会

連絡会ニュースNo.3

1998年12月16日(水)

発行

八千代市立保育園父母会連絡会広報部

(126福祉部長懇談会報告号)

仮事務局:ゆりのき台保育園父母会内連絡会代表委員(ご意見・ご質問は各園の父母会ポストまでお願いします)

 

『市長との話し合いの場をセットします。』(保健福祉部長)

『部長回答では納得できない。民営化白紙撤回と市長対話を求める。』(父母)

 12月6日(日)午後1時より4時15分まで3時間以上にわたり、安原保健福祉部長他4名(樺沢次長・佐々木児童福祉課長・岩澤児童福祉係長・宇井保育園係長)と保育園父母73名との懇談会が市役所2階の会議室で行われました。

 父母会連絡会代表委員は各園父母の皆さんの質問事項を整理し、懇談会に先立ち12月3日朝『市長にお尋ねします』と題し保健福祉部にあらかじめ文書で質問していました。

 懇談会は事前提出質問の各項目に対し部長が口頭回答する形で始まりました。その後項目ごとの回答内容に関連し、父母があらためて質問したり率直な意見を当局にぶつけていきました。

 以下に保健福祉部長が答えた要点をお知らせ致します。『市長にお尋ねします。』文書の細かい質問内容は、当日出席者か各保育園の役員の手元にありますのでご参照下さい。 

【1】市の基本姿勢(広報記事など)について

 現在の市財政は非常に厳しい。平成10年5月29日行財政改革推進本部会議で財政健全化見直し対象事業12項目の基本方針が決定され保育園の公設民営化が打ち出された。民営化に向け受託法人選考審査委員会[仮称]に保護者代表にも参加してもらい詰める。日曜保育・一時保育の多様なニーズに応えるためにも民間活力が必要だ。

【2】平成22年度までに新設を含めて4〜5園の委託(市長手紙)について

 東葉高速鉄道沿線の乳幼児保育・障害児保育への強い需要や一時保育・日曜保育への早急な対応として「平成12〜13年度までにモデル的に一園委託」(11月議会答弁)する。平成22年度までに、4〜5園現行の4法人への委託をしていく。公立と私立との比率を50%:50%にしていく。又、新設については、民設民営を基本に公設民営も視野に入れる。

(需要に応えるためになぜ民間委託にせねばならないのかいくら聞いても理由がわかりませんでした。)

【3】保育事業費の「超過負担」(内訳)について

 保育料は、国の徴収金の1年遅れの70%の徴収で保護者の負担を軽減している。(公私立保母の比較質問に対して)公立では、平均年齢は37.6歳・平均勤務年数は17.1年・平均給与月額は376,817円、一方私立は年齢31.8歳・年数6.4年・給与313,583円だ。

【4】「最低基準を大幅に上回る職員配置」「保育事業の行き過ぎた支出」(市長手紙)について

 市負担金〔子どもひとりの1ヶ月あたり〕

 

八千代市

千葉市

船橋市

市川市

公立

13万9538円

9万6360円

11万6809円

9万9034円

私立

4万8086円

3万9261円

3万7026円

4万4874円

 父母の要望・職員の労働条件改善に合わせ、国基準(最低基準)の上乗せをしてきた。千葉県下でも高いほうだ。危機的な財政状況なので、民営化の議論になる。

【5】民間委託の内容について

 公設民営でも現行保育水準は保つ。来年度以降も各園に看護婦・栄養士を配置する。しかし将来的には2園に一人配置も検討していく。不必要な無駄が無いか研究していく。保育料は変わらない。民営でも、入園審査等、児童福祉課が窓口で責任を持つ。

【6】民間委託以外の合理化について

 原則として「職員の欠員不補充と臨時職員補充」の予定だ。「4・5歳児の私立保育園・幼稚園へのシフト」は制度的には考えていない。民間幼稚園の一部でもお預かり保育を実施しているので、保育園にするか幼稚園にするかは保護者の選択に任せる。                       (以上福祉部長回答を要約)

 一括回答後父母からの再質問に対し部長は「現在の財政状況は非常に厳しいのでご理解願いたい。」「多様なニーズにこたえるために民営化する必要があるのでご理解願いたい」「民営でも現行の八千代市の保育園水準は保つのでご理解願いたい。」と繰り返すばかりでした。以下が父母側から出された主な意見です。

「方針決定後の話し合いでは順序が逆だ。」

「私たちのニーズは現状維持。公立12園の公設公営。」

「子どもたちの問題はお金で論じてはいけない。」

「良好と言われる八千代市の保育水準が真っ先に改悪されて良いのか?」

「民間委託で本当にコスト削減になるのか?保母の経験年数には意味がある。保育の質を下げないならそれなりの給与保障があるのは当然だ。」

「少子化傾向が強まる中、大人〔特に女性〕が働きながら安心して子どもを生み育てられる環境作りが今求められている。」

「ある民間保育園は『公立と同水準』を経営方針にしている。前提に公立の高水準があるから民間の水準も維持できる。公立が民営化すれば水準が下がるのは必至。」

「民営化しても変わらないと言うが、現在でも私立では指定の制服・制帽・かばん・体操服を強制的に買わせている。又、時間外保育も予定時間より遅れると30分単位で別途料金を取られる。既に独自の休日保育を打ち出している園もあるが、日曜保育や一時保育も公平なサービス・財源を考慮し公立で対応すべきだ。公的責任をどう管理していけるのか?」との指摘に対しては、「規定の保育時間以降の別料金までは市として指導できないし、休日保育も民間で自主事業として行う分は監督できない。」と答えました。

「保健福祉部は私たちの立場で子どものことを考えてほしい。これだけ反対の声があるのに公設民営化を強行するのか?」との呼びかけに対しても明確な答えはもらえませんでした。結局父母会の当日の総意として「長い答弁の割に中身がなく残念だ。部長回答には納得できない。民営化の白紙撤回を求める直接市長と話をするしかない。」ということで「今日の父母から出た意見を文書で市長に伝えその申し送り内容を父母会側に確認させること早急に市長対話をセットすること。」の2点を部長に求め、部長も了解し約束しました。又私たちは「民営化そのものに反対なのでそのあり方を検討する選考審査委員会[仮称]には、参加できない。」と答えました。

市長との直接の懇談会は福祉部と調整します。期日・場所が決まり次第お知らせします。

八千代市議会議員選挙が20日投票です。私たちの要求を実現してくれる候補者を選びましょう。

『懇談会に参加しての意見や感想』アンケートより            

八千代市議会議員候補者に『保育園の民間委託』の賛否とその理由をお尋ねしました。

池内 一雄(無所属)  :反対:だんだんと営利志向になり易く保育の本来の目的が損なわれるおそれがある

伊東 幹雄(無所属)  :反対:充実した教育が望まれるから

小田口晃啓(日本共産党):反対:八千代市の優れた保育水準と公的責任を果たすには、民間委託では不可能と考えます

小林えみ子(日本共産党):反対:女性が子育てに専念できないさまざまな要因のもとで、子育てに責任を持つのが行政の責任です。子供達は未来の主権者です。安定した身分と環境に置かれた保母・職員さんたちによって、よりすこやかに育つ子供たち。コスト削減のための民営化はそれら全てを失わせる危険性を持っていると思われます

宇野 玄二(無所属)  :反対:基本的に。ただし民間の良いぶぶんを取り込んでいくならば反対しない

山本ようすけ(日本共産党):反対:働く女性が安心して子育てができるように条件を整えることは公の責任で

植田 進 (日本共産党):反対:少子化問題が深刻になっている中で働く女性が安心して生み育てることができる環境づくりが求められています。そのためにも公的責任による、子育て支援が重要と考えています。とりわけ八千代市では看護婦・栄養士さんの配置で、子育てに不安をかかえる母親にとってはかけがえのない存在になっているのに民間委託となれば、削減されてしまいます

清水 英 (無所属)  :反対

西 ぐんじ(民主党)  :?:前提条件(1)教育関係は市民生活に必要な項目である              (2)実行性のある投資は絶対的に必要

                        (3)特に子供は将来に向けての宝である

             現下の課題は(1)財政の健全化 イ.公共投資の過去・現在の問題点の洗い出し   ロ.経常経費の見直し

                    (2)予算運用の硬直化

             対応のあり方 バブル時の投資案件の見直し・経常経費の見直しを実行して市民生活に必要な項目への振替投資(小生の新語)を断行することが重要と考えます

《「八千代市職労婦人部ニュース号外(98.12.15)」(婦人部実施の公開質問状への回答結果)より公立保育園民営化問題に関する部分だけをそのまま転載させていただきました。立候補予定者47名中事前把握できた46名に依頼し、9名から回答が寄せられたものを原文のままご返事をいただいた順に掲載しています。》                         

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