平成19110

八千代市子ども部部長 佐々木とく子様

受諾法人選考委員会 委員各位

高津西保育園父母会会長

意見書

 昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。さて、111日に受諾法人選考委員会が開かれると市のホームページで知り、たいへん驚いています。しかも高津西の見学とは一体どんな意味があるのでしょうか。

 年が明け、高津西保育園には9日より新職員予定者7名が各クラスの保育に入り、子どもたちは新しい先生が来たと喜んでいるようです。日常的に実習生を受け入れている八千代市の保育園では、さまざまな人と関わることは子ども達の発達の手助けとなっています。しかし、この事態を受け入れていない保護者が多数いることは決して見逃さないで下さい。 

 1226日の三者懇談会でも繰り返しお伝えしましたが、実際の合同保育に入る前に法人と保護者とで十分な協議の場をのぞんでいました。100歩譲って、「一度でもいいから協議の場をもってから合同保育を始めてほしい。1週間でも良いので合同保育開始を延期してほしい」とお願いしました。が、「決定事項は変えられない、変えない」との市の回答にはまったく誠意が感じられません。あらためて、合同保育開始に合意していないことを申し入れます。

 また、18920日付けの委員長宛ての要望書(回答をいただいていません)で「選考過程を公開して下さい」と要望しましたが、決定した法人が「最高の法人」であるのなら、選考過程をすべて非公開とする意味がわかりません。1226日の懇談会でも情報は速やかに知らせてほしいと申し入れましたが、111日の委員会については通知がありません。6月議会から始まりすべて保護者不在のまま密室で計画を進め、決定事項にただ従わせるというやり方に、承服できません。議会答弁での「保護者の理解を得られるよう何度でも説明する」という言葉は、形だけとなっていませんか? 横浜での裁判での判決でも「保護者の理解のないままの説明会は、説明責任を果たしたとはいえない」ことは明らかです。にもかかわらず決定事項を変えない行政の姿勢に対抗して、父母会有志で政治団体を設立し市長選に臨み民意を仰ぎました。結果は僅差で負けましたが、保育園民営化が争点の一つとなった市長選において票が2分し拮抗した事実を、市はもっと重く受け止めるべきです。

9月議会で「せめて1年の延期を」と陳情提出したことも、私たちとしては最大限譲歩したつもりです。民営化の成功した他市の事例では、引継ぎに十分時間をかけ合同保育に入るまでに数十回もの協議が重ねられています。森田委員長が関わった世田谷区でも、「発表から移管まで最低2年必要」としているのに、なぜ八千代ではこんなに急ぎ、しかも非公開なのでしょうか? 

頑なに反対しているのは一部の保護者だけ、と思われているのかもしれませんが、 選挙の投票率と同様に「意見を言ってもムダ」「日常生活で手いっぱいなので関わりたくない」「行政の決めたことは変えられない」とあきらめている保護者が少なくありません。生活のために共働きをし、子どもの体調が悪くても仕事が休めない、休めばクビになる、登園時にすがって泣く子を置いて仕事に行かなくてはなりません。日中どうしているのかな…離れていても、皆子どもを気づかいながら仕事をしています。それに加えて保育園の先生が一度に替わり、どんな保育になるかと不安、新しい先生に慣れてくれるのか?行政の都合で心配事がいっそう増えています。民営化を理由に転園を希望・検討している家庭は、父母会が把握しているだけでも96世帯中17世帯です(卒園26世帯)。発表から移管までの時間がもっとあれば、協議の場がもっとあれば、この家庭は悩むことがなかったかもしれません。転園したくても仕事や子どものことを考えるとできなくて苦しんでいる家庭も少なくありません。

もっと当事者に、目を向けて下さい。この民営化で苦しい思いをしているのは大和田西、村上南保育園も同じです。高津西が基準となり、これから2年間同じことが繰り返されるのです。本当に良い民営化にしたいのなら、裁判所が市と選考委員会のやり方が正当かどうか判断するのを待ってから、移管を行なったほうが、懸命ではないでしょうか? 

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