公立保育園民営化のガイドライン(案)
このガイドラインは、公立保育園の民営化を行っていく上での基本となるルール、基準であり、より良い民営化を進めるための基本的な指針となるものです。民営化にあたり、このガイドラインを基本として、保護者の意見・要望を伺いながら民営化を実施していきます。
このガイドラインは、民営化に対する保護者の不安を解消し、円滑な移行を進めるとともに、より良い社会福祉法人の参入を図ることを目的としています。
このガイドラインは、平成21年度まで計画している公立保育園3園の民間移管について適用します。
市内を生活圏ごとに7つの圏域に分け、子育て支援と子ども支援の中核となる機関・施設を公立保育園内に整備し、社会福祉法人の新しい力を既存の公立保育園に借りることにより保育サービスの活性化を図り、質の向上に努めます。したがって、民営化対象園の決定は、7圏域の中核施設を除いた以下の3園とします。
5.対象園の決定と説明会の実施
平成18年6月定例市議会で「八千代市保育園条例の一部改正」が決定しました。
(高津西保育園 平成19年3月31日廃園、大和田西保育園 平成20年3月31日廃園、村上南保育園 平成21年3月31日廃園)可決後、該当園保育園職員・保護者及び父母会連絡会に説明を実施します。
・民間移管を行う理由
・その方法と選定基準
・スケジュール(選定方法、選考委員会の時期、保護者への説明の時期、選考過程への参画)
・受託法人の決定の期日と引継ぎ方法。
・転園希望者への対応(説明会)
保護者要望を反映させるための説明会と意見を取り入れた計画を作ること。
また、大和田西保育園と、村上南保育園については、来年度の入園申請時期に間に合うように、平成18年中に、同様に説明会を実施すること。
6.民営化の手法
公立保育園を民営化する手法として、民間移管方式とします。(対応は以下)
・土地については、私有地は無償貸与とし、それ以外の土地については、受託法人が賃貸借契約を結び地代を支払い、その後、市が補助するものとする。
私有地については、行政財産から普通財産に変更し「土地使用賃借契約」を結ぶ。
*根拠規定:「八千代市財産の交換、譲与、無償対付等に関する条例(普通財産の無償貸与又は減額貸付)に該当
*市有地以外の地代は、民間保育園運営費補助に項目を新設し対応する予定である。
・建物については譲与とする。(6月議会に議案上程)
*前回民営化の際、建物の譲与は保育園条例に下記のとおり規定済み。
・・・市は、保育園としての用途を廃止した後の当該保育園の用に供していた建物を社会福祉法(昭和24年法律45号)第2条第3項第2号に規定する保育所を経営する事業を行う社会福祉法人の保育所の用に供するため社会福祉法人に譲与することができる。・・・
・備品などの物品の譲与について
*「八千代市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」(物品の譲与又は減額譲与)により無償譲渡とする。
7.運営主体
運営主体は社会福祉法人とします。これまでに、保育園の運営の実績がある法人であること。
8.受託法人の公募
移管した保育園が良好に運営されるためには、優良な社会福祉法人を選考することが、よりよい保育につながることから、公募の範囲は限定せず市内外から広く募集します。多くの社会福祉法人に応募していただくために、インターネット・記者発表、市広報等広く情報提供を行い、応募期間も2ヶ月程度確保します。
また、募集要項(案)を対象保護者に公開し、対象園保護者の意見・要望を反映します。
9.受託法人の選考基準
公立保育園の保育水準を満たし、保育の質を維持・向上できる受託法人を選定したいと考えています。そのためには、事業の継続性や安定性等とともに、保育園運営上の内容(保育の質)を中心とした審査を行い、優良な社会福祉法人を選考します。選考では 以下の点を重視します。
書類審査、理事長・園長予定者ヒヤリング、既存法人は施設見学を行い、運営の透明性や経営体質を確認していきます。
<保育士の配置>
0歳児:3対1、1歳児:5対1、2歳児:6対1、3歳児15対1
4歳児:25対1、5歳児:30対1とする。
<次の正規職員を配置する>
園長、フリー保育士、看護士、栄養士、調理員、その他必要な職員(委託医)
また、配置予定職員は、年齢・性別・経験年数のバランスをとる。経験年数については、
10.受諾法人の選定
受諾法人選考委員会が選考し、市長が決定します。
受託法人の決定にあたって、単に応募法人の中での相対的な優位者を決定するのではなく、市立水準を満たす法人とします。
応募期間締め切り後の応募は受け付けず、選考は、締め切り後
45日以内に行うこと。期日までに、該当法人が決定できない場合は、当該園の公立保育園の廃止条例を改正します。
受託法人が決定した段階で、対象園の保護者だけでなく、広く市民にもお知らせします。また、対象園の保護者には、受託法人からの説明会を行います。
選定にあたっては、情報を公開し、保護者に十分な説明を行えるような手続きを踏みます。
・保護者会の選考委員会の傍聴を認める。
・法人の応募状況について、保護者側に提供する。
例えば、逐次または、定期的に(公募開始から1〜2週間単位)報告する。
・応募法人の園長予定者が、保護者と対話をする機会を設ける。
・既存保育園を視察する機会を保障する。
・選考した受諾法人については、選考理由を説明する。
応募資格要件及び選考基準と照合した資料を提供する。
11.引継ぎ
@円滑な引継ぎを行うために、保護者、受諾法人、移管対象保育園(公私)の職員、市の5者による話し合いの場を設定します。
A引継ぎ期間は原則一年間とし、3ヶ月は、受託法人側の職員が全員揃った状態で、公立保育園の職員と合同保育の形で引継ぎを行います。さらに、一人ひとりの子どもの様子や保護者の不安や意見を真摯に受け止め、子どもや保護者の負担を最小限にするため、4月以降は、必要に応じ臨機応変に対応します。
B公立保育園の職員は、段階的に引き上げること。同じ時期に全職員の引き上げのないようにします。
C引継ぎの際、受諾法人は、看護士、栄養士を正職員で配置することとする。が、正規職員での配置が間に合わなかった場合、公立保育園の看護士、栄養士がこれにあたり、
3ヶ月の引継ぎを行います。D対象園の公立保育士は、子どもの負担を軽減するために、近隣の公立保育園に異動できるよう配慮します。
12.移管後の市の責任
@公立保育園の保育内容を継承し法人独自の保育運営に繋げるため、公立保育園の延長会議、保健会議、栄養士会議、研修への参加を保障します。
A保護者と新園において問題が生じた場合は、市が解決に向け努力します。(受託法人及び当該保育園保護者、市の三者で協議会を設置します)
なお、苦情解決の仕組みを新園に義務付け、苦情解決の窓口を市に設けます。
B法人の質の維持向上のために、補助金、研修、人材育成の面で市が積極的に支援をする。民間保育園運営費補助要綱に基づく市単独補助を継続します。
13.転園希望者への対応
民営化を理由に当該園からの転園を希望するものについては、転園を保障します。
14.民営化園の評価と情報の公開について
市全体の保育内容やサービスの状況を定期的に確認し、市全体の保育の質の向上を図るため学識経験者、保育関係者、保護者代表などからなる協議体を設置し評価、指導を行っていきます。
なお、民間移管園については、移管後1年以内から定期的に受託法人選考委員と上記協議体の委員により移管園を訪問し、移管条件の確認や状況把握・保育内容等が守られているかを検証し、今後の民間移管や保育園運営に反映します。