気が付けば、傍に貴方が… 
飛空都市に召された日、アンジェリークは初めてこの宇宙の「女王陛下」や「守護聖」の姿を見た。
それは、当然の事ではある。
そして、そんな天の人々は、元は自分と同じ人間であるという事がにわかには信じがたいほどの存在感だった。。。
醸し出されるオーラの荘厳さに圧倒されながら、何が何だか判らないうちに1日目が終わった。
 
守護聖さま達はとても気さくで、アンジェリークに対して気遣うようにいつも何やかんやと話し掛けてくれた。
2人の、年配の守護聖を除いて…
アンジェリークは、しかし、先ず近寄り難い存在である2人の守護聖にまで親切を望むほど贅沢者ではなかったので、
そんな事など気にもならずに日々がゆっくりと過ぎて行った。
毎日、ひとり〜ふたり位の守護聖さまとお話する事は出来た。
まだ、ロザリアとは打ち解けていなかったけれど。
 
飛空都市に来て初めての月の曜日。
一番に話しかけてくれたのはオリヴィエさまだった。
あれは、公園に出かけてみた時の事。。。
 
 
 
「は〜い♪アンジェリークじゃない?お元気ぃ?」
 
遠くから手を振っているのは紛れも無い、夢の守護聖さま。
インパクトがあったので、物覚えの悪いアンジェリークが1番に覚えた守護聖さまでもあった。
外出してみたものの、初めての飛空都市に不安だったアンジェリークは、嬉しくなってオリヴィエさまの元へ走って行った。
 
「おや?随分元気なコだね。よしよし、その調子だよ。」
 
オリヴィエさまは、アンジェリークの頭を撫で撫でした。
…子供扱いしてる。
そんなオリヴィエの態度が、アンジェリークにとっては実は、頼りになるお兄さんの様で何だか嬉しくもあった。
 
「今度、執務室にもお邪魔していいですか?」
「もっちろん!待ってるからね。」
 
そんな些細な会話で、アンジェリークはオリヴィエの事がすっかり好きになってしまった。
 
 
 
ランディーさまに会ったのも公園だった。
いつの曜日だったかは忘れてしまったが、公園にはいるや爽快な笑い声が響いてきた事にビックリした。
…このお声は?
公園をゆっくりと見渡す。
…?
どこからか声はしているのだが、姿がさっぱり見当たらない。
公園の入り口でしばらくもじもじしていると、いきなり目の前にランディーさまが落ちてきた。
…!!!!!!!!!
アンジェリークの驚きようといったら…。あまりの突然の事に声も出ないといった感じだった。
 
「やあ!ごめんごめん。随分驚かせてしまったようだね。ね?大丈夫かい?」
 
ちょっぴり心配そうに自分の顔を覗き込む風の守護聖。
爽やかな好青年、と言った感じのランディーさま。
まるで隣のクラスの人気者と廊下でバッタリ遭遇したかのようなトキメキに、アンジェリークは自分の顔が思わず赤らむのに気付いた。
それ以来、ランディーさまには一目置くようになったアンジェリークだった。
 
 
 
最初に育成に伺ったのは地の守護聖の執務室だった。
エリューシオンの神官は、地の知恵を大陸が欲しがっているとアンジェリークに伝えた。
…知恵の守護聖なのだから、きっと頭のいい方なんだろう。
アンジェリークは、初めての育成でその人を訪れる事に、大いなる緊張と安心を同時に抱いていた。
…きっと、今後の指針を示してくれるはず。。。アドバイスなんか戴けたらラッキーだな。
…わたしがあまりに何も知らないんで、呆れられちゃうかも。。。
しかし、アンジェリークの不安の方はその人に会った瞬間に掻き消えた。
 
「ようこそ、いらっしゃい。」
 
そういって柔らかに微笑む地の守護聖は、見るからに温和で優しそうな面立ちだった。
アンジェリークがマニュアルどうりに育成を頼むと、ルヴァはにっこりと依頼を快諾してくれた上に、
ゆっくりと判りやすく、育成のシステムを教えてくれた。
依頼した力が、どのように守護聖から大陸に送られるのか。。。
それは、アンジェリークが今後育成を続けて行く上で最も大切な知識だった。
…ルヴァさま。
アンジェリークのルヴァに対する"安心感"は直ぐに彼女の心一杯に広がった。
 
 
 
王立研究院に出かけた時、そこでバッタリリュミエールさまに会った。
儚げな水の守護聖はあまり気配を感じさせない。
その所為か、その人の存在に気が付いた一瞬、アンジェリークはドキリとした。
 
「こんにちは。」
 
声をかけると、水の守護聖はアンジェリークを見て嬉しそうに会釈した。
 
「こんにちは。頑張っておいでのようですね。」
 
アンジェリークは元気良く水の守護聖にお辞儀をして、大陸へと向かった。
その日、大陸の神官は水の力が民の望みだと言った。
その神官の言葉を聞いた途端、アンジェリークは先程会ったリュミエールの顔を思い浮かべた。
優しそうな水の守護聖。王立研究院に足を運ぶほど職務に熱心な彼の人なら、育成をお願いしたらきっと喜んで力を送ってくれるだろう。。。
遊星盤から降り立ち、早速明日は水の守護聖の執務室を訪れようと考えながら遊星盤のある部屋を出ると、資料を繰っていた水の守護聖が振り返った。
 
「明日、お待ちしていますね。」
 
彼の人は微笑んでそう言うと、王立研究院を出ていった。
アンジェリークは、そんなリュミエールさまの仕事に対する姿勢に、尊敬の念すら抱いていた。
 
 
 
今日はどうしようかと起き抜けの頭で身支度をしていると、突然チャイムが鳴った。
頭のリボンを結びながら、慌ててドアの覗き窓から訪問者を確認する。
青いマントの裾をたなびかせた、炎の守護聖がそこに立っていた。
突然のオスカーの訪問に驚いたアンジェリークは、取り敢えず返事をしてドアを開ける。
 
「よう、お嬢ちゃん。今日は俺と1日一緒に過ごす、なんていうのはどうかな?」
 
アンジェリークの頭の中は、今のセリフを聞いただけで沸騰寸前だった。
 
「はい、はい、喜んでっ。」
 
緊張でロレツが回らないながらも、自分の部屋でお喋りをする事にしたアンジェリーク。
思わずオスカーさまに、好みの女性のタイプなぞ、尋ねてしまう。
 
「…そんなに俺の好みが知りたいのか?俺の好みのタイプの女性は…全宇宙の全ての女性、だな。
もちろんお嬢ちゃんもその中に入っているぜ?!」
 
アンジェリークは選んだ話題を激しく後悔しながらも、オスカーに大人の男性の魅力を見出し、密かに憧れたのだった。
 
 
 
 
「女王候補として次の行動に迷った時は、補佐官室を訪ねなさい。」
 
いかにも面倒見のよさそうな女王補佐官のディアさまは、初日にそう言った。
アンジェリークは、民の望みが同じ位の地と緑のどちらを優先させて送ればいいのか困り果てて、ディアの部屋を訪れた。
 
「ようこそ、星を導く子よ。」
 
にっこりと微笑んだディアは、アンジェリークに何か困った事があるのかと尋ねた。
アンジェリークが悩んでいる事を率直に話すと、ディアはゆっくりと頷いた。
 
「地の力は以前大陸に注がれた事があるようね。今度は緑の力を送ってあげる番だわ。」
 
ディアが何でも知っている事に驚いたアンジェリークは、言われた通りマルセルの執務室へ向かった。
ディアが言う事は、何でも正しいような気がしたから。
 
 
 
「こんにちは。」
 
まだ守護聖さまの執務室を訪れる事に慣れていないアンジェリークは、緊張した面持ちで中の主に声をかけた。
 
「やあ!!アンジェリーク。来てくれたんだね!」
 
突然、凄い勢いで扉が開き、中から飛び出してきたマルセルがアンジェリークの腕をひっぱると中に招き入れた。
 
「もうっ、待ってたんだから僕。アンジェにこれが見せたくって、なのにアンジェったらちっとも来てくれないんだもん。」
 
ほとんど初対面だと言うのに、緑の守護聖は臆面もなくアンジェリークにチューリップの鉢を見せる。
 
「僕ね、ここに来てからみんなに教わることばっかりで、アンジェ達が来てくれて、やっとアンジェ達に僕が色々教えてあげられるんだ。
ねえ、何か知りたい事、無い?僕、ここの事ならなんでも教えてあげる。遠慮なんてしなくたっていいからね!」
 
マルセルの無邪気な人懐っこさに、いつしかアンジェリークの緊張もほぐれていた。
アンジェリークにとって、マルセルは気兼ねの要らない親友の様にさえ感じられた。
 
 
 
飛空都市に来て、まだ訪れていない所が2つあった。森の湖と占いの館。
ひとりで湖に行けばホームシックになりそうで、アンジェリークは森の湖を敬遠していた。
女のコらしい興味も手伝って、今日は占いの館に行く事に決めた。
薄暗い館の中央の絨毯を踏んで歩くと、すぐに占い師サラと目が合った。
 
「ようこそ、女王候補さん。」
 
サラはとても魅力的な女性だった。その、大きな瞳で見つめられると、女のアンジェリークでさえドキッとするほどに…
とにかく、自分の事を占ってもらうことにした。
…今、1番私と親密度が高いのは。。。マルセルさま。
マルセルとは昨日会ったばかりだ。確かに今の自分にとって1番身近に感じている存在だろう。
…相性がいいのは、どなたかしら?
相性の確認をしようとした時、サラの姿の向こうにちらりと人影が見えた。
それは、まだお話をした事のない守護聖のひとり、ゼフェルだった。
アンジェリークは、お話をするチャンスだと考えゼフェルの元へ走った。
 
 
 
「こんにちは。」
 
幾分遠慮がちに声をかけると、鋼の守護聖は驚いた様に目の前に現れたアンジェリークを見た。
 
「…おめー、試験開始早々こんなトコに遊びに来て大丈夫なのかよ。まあ、ヒトの事はいえね―か。」
 
占いの館も、ディアから紹介された試験に必要な施設だと思っていたアンジェリークは、ゼフェルの言葉に若干疑問を感じつつも
そんな彼の守護聖の言葉に、自分に対する温かみを感じた。
 
「ここには良く来られるんですか?」
 
「だー、敬語なんてオレには使わなくていいぜ。フツーに喋れよ。かたっくるしいのは御免だぜ。」
 
それからゼフェルは暫しアンジェリークと、まるでクラスメイト同志で喋ってるかの様な気楽さで会話をした。
アンジェリークにとっては、久し振りにボーイフレンドに会ったかのような錯覚を起こすほど、嬉しい時間を過ごす事ができた。
 
 
 
そんなこんなで5日間が過ぎ去った。
ある程度は守護聖さまと親しくなれたような気がして、アンジェリークもようやく女王試験に臨む心構えが自分の中に
芽生えたような気がしていた。
明日は惑星視察の日。アンジェリークは育成の記録を付けると、早々に床に入って休む事にした。
 
 
 
満天の星空の中…
何者かの視線を感じる…
しかし、辺りには星々の瞬きだけが存在し、視線の主であろう誰かの姿を覆い隠してしまっている。
…2人の候補は、無事にやっているようだな…
遠くで、低い声がそう呟いた時、けたたましく目覚ましのベルが鳴りアンジェリークの記憶からその夢は消え去っていた。
 
 
 
いつもより早めに寮を出て、王立研究院へと向かう。
惑星視察は、とても緊張する。今まで自分がやって来た事の成果が如実に現れるのだから。。。
研究院の中に入ると、主任を務めるパスハが機嫌よく出迎えてくれた。
パスハに促がされて遊星盤に乗る。一瞬の浮遊感がちょっぴり怖い。
しかし、直ぐにアンジェリークは神官の待つ大陸へと降り立つ事が出来た。
 
「あ、来たです。天使さま、お待ちしていたですよ。」
 
神官は、大陸の民は今闇の力を欲しがっているとアンジェリークに告げた。
アンジェリークは大陸から戻る遊星盤の上で、来週の月の曜日には思いきって闇の守護聖の執務室を訪れることにしようと決意した。
 
 
 
 
そして、土の曜日の夕方。
アンジェリークは明日の事を考えていた。
聞くところによると、守護聖は完全週休2日制で土、日の曜日には執務を離れ、思い思いの過ごし方をしているらしい。
平日には育成の為にみなさんとお話が出来る。
土の曜日には王立研究院から遊星盤に乗って大陸の神官に会いに行く。
けれど、日の曜日には、一体自分は何をすればよいのだろう…。
―こんなことなら、昨日のうちにディア様にその事をお尋ねしておけば良かった…。
当然、今日・明日は補佐官ディアもお休みなのだ。
―明日は、思い切って森の湖にでも出かけてみよう…。
そう考えながら、いつしかアンジェリークは夢の世界へと入っていった。
 
 
 
 
飛空都市に来て、初めて迎える日の曜日がやってきた。
慣れない場所でやる事がない、と言う事がどんなに不安なものかを、アンジェリークは嫌と言うほど思い知らされたような気がした。
―どうしよう…。
ベッドの上に座ってぼんやりしていると、突然チャイムが鳴った。
―え〜???
まさか、日の曜日に訪問者があるとは思っても居なかったアンジェリーク。一瞬飛びあがるほど驚いた。
しかし、何をしてよいのか判らずに困り果てていた所なだけに、訪問者への期待が妄想を伴って夢の様に膨らむ。
―マルセル様かな?それともオリヴィエ様?え、案外オスカー様だったりして!!きゃ〜わたしったら♪
自分を訪ねてくれそうな守護聖を思い浮かべながら、でも半分は“こういう時ってドアを開けてみたらロザリアだった、なんてオチがつくのよね〜”
なんて考えながら、覗き窓を覗く事すら忘れて、思い切りドアを開ける。
 
 
 
 
「…折角の休日に突然押しかけてすまない。今日は空いているのか?」
来訪の主を確認し、ぽかんと口を開けて突っ立っているアンジェリークに、ジュリアスはそう言って微笑んだ。
光の守護聖ジュリアス。今日初めて一対一で話す守護聖…。
「あ…はい。何をすればいいのか、判らなくって困っていました。」
根が素直なアンジェリーク。柳にカエルとばかりにジュリアスの言葉に飛びつく。
「そうか。来て良かった。慣れぬ場所で戸惑っているのではないかと思って、気にしていたのだ。」
どこで会ってもいつも険しい表情をしていた光の守護聖。何となく近寄りがたくてここ1周間敬遠していたけれど…。
「では、飛空都市の中を案内しよう。それとも何か私に聞いておきたい事でもあるか?」
―聞いておきたい事…それは山ほどあるようなきがする。先ずは今日の過ごし方…
「あの…。あの…。」
何を訊いて良いのやらもじもじするアンジェリークに、ジュリアスは先程から変わらぬ眩しい微笑を投げかけている。
「…何も遠慮する事はない。言ってみるが良い。」
光の守護聖の微笑が、本当に光輝く様に眩しくて、アンジェリークは一瞬その微笑に幻惑された。
何をしようか途方にくれながら、昨日から頭の中を回っていた無数の“したい事”が今も頭の中をぐるぐる巡る。
―どうしよう。どうしよう。折角の素敵なチャンスなのに!!
―早く、何か言わないと…。
「一緒に森の湖に行きたいです!!」
あろうことか、パニックに陥ったアンジェリークが言った台詞は、9人の守護聖の首座を務めるジュリアスを「恋人達のデートスポット」に誘うものであった。
「…。」
当然と言えば当然だったがジュリアスの動きは今の言葉によって止まった。
そのまま固まっている為、辛うじて、その口元に微笑みの名残が見えている。
ジュリアスの様子がおかしくなった事は一目瞭然だった。アンジェリークは訳のわからない不安で泣きそうになった。
アンジェリークにしてみれば、いままで訪れた所のない場所に連れて行って欲しかっただけなのだ。
森の湖にそんな別称があることなど、飛空都市に来たばかりのアンジェリークには、もとより知る由もないのだから。
 
 
一体自分が何をしてジュリアスの機嫌を損ねてしまったのか戸惑うアンジェリークの様子が、何とはなしにジュリアスには理解できた。
それならば。
ジュリアスは、優しく諭す様にアンジェリークに話しかけた。
「そのような所よりも、今、私がお前を連れて行きたいと思っている所が他にある。
 お前の肩には、大いなる使命と責任がかかっているのだ。そのか細い肩で今後、そのような責務を背負って行く為に、私はお前の道標となろう。
 これからその場所に向かうが、お前に来る気があるなら、着いて来るが良い。」
ほんの刹那、優しい光がアンジェリークの瞳を覗きこむ。
あまりにも一瞬の事にアンジェリークがぼうっとなっていると、ジュリアスは、サッと踵を返し女王候補寮を後にした。
アンジェリークは、その背中を慌てて追いかけた。
 
 
 
 
 
ジュリアスが向かうその先にアンジェリークは驚いた。
ジュリアスが入って行ったのは、今日はお休みな筈の聖殿にあるジュリアスの執務室だったのだ。
「さあ、こちらだ。入るが良い。」
ジュリアスに促がされるままに執務室に足を踏み入れる。思えば、この部屋にはまだ来た事がなかった。
光溢れる室内。調度品も太陽の光を受けてキラキラ輝いている。
大きな窓…。
その窓辺に立ち、ジュリアスは自分を手招いた。そして無言で窓の外を眺める。
アンジェリークも、そんなジュリアスの仕草に習う様に窓の外に目を向けた。
大きな窓からは、飛空都市にあるありとあらゆる風景が見渡せた。
公園も見える。アンジェリークが部屋をもらっている女王候補寮も、その先に広がる大自然も…。
聖殿がある飛空都市の中枢から少し離れた所には、この飛空都市で生活している人々の住居も見える。
普段自分が足を踏み入れる事を許されていない場所までも全てが、ここから見渡せてしまう…。
 
ハッと我に返る。あまりの壮大な風景についつい見入ってしまっていた。
今まで気が付かなかったのが不思議なほど、ジュリアスの視線を間近に感じた。何だかすごく、恥ずかしい。
つい俯いてしまったアンジェリークの肩に、ジュリアスはそっと触れる。
「…常に視野を広げ、様々な事柄を眺める心づもりでいる事。お前にはそれを身に付けて欲しい。
 いつも全てを見つめている者であれ。虚飾も、真実も、存在する全ての事を見つめている、そんなお前であって欲しい。
 お前は今、ひとつの大陸の民を導く者なのだ。計り知れない命と未来が、お前の腕に委ねられている。」
アンジェリークはハッとした。
飛空都市に来て、この1週間。自身の不安を抱えて、目先の事しか見えていなかった。
何をして過ごせば良いのか…。
そう悩んでいたさっきの自分が思い出された。これからは違う。やる事は沢山あるような気がしたから…。
「私は常に、そんなお前の道標であろうと思う。先の見えない暗い中にあっては、私の光をその心に求めると良い。
 必ず、私はお前の心を照らす光となってお前の傍にあろう。」
アンジェリークの不安はすっかり掻き消えていた。
これからは、自分の行く先には常に明るい光が満ち溢れているような気がしたから。
揺るぎ無い、光り輝く未来の為に。
アンジェリークは、今、目の前に居る光の守護聖にその指針を見出した。
 
そして、女王候補アンジェリークの物語は今、始まった…。
 
 
 
END
 
学習机へ

そして今、お読みになった皆様の心の中に、ゲーム「アンジェリーク」の、オープニング曲が響いていたら幸いです(^^ゞ
  …実はいま、書いている本人の頭の中にはあの音楽が渦巻いていたりします(笑)