AB型 のあなた。
 
私は、優しいリュミエールさまが大好き。
恋愛とか、あんまり積極的な方じゃないけれど、そんな私にリュミエールさまは、まるで天使みたいな笑顔を向けて下さる。
…天使様は貴方の方じゃないのかしら?
そう思いながら、ずっと見つめていた。
貴方の事だけを。。。
 
そっと、遠くから眺めているだけでも幸せだった。
眺めて、少しでも貴方に近づけるように…
髪も伸ばした。いまでは背中に届くほどのストレートロングに。
香りにも気を使った。
リュミエールさまのお付けになってる、野薔薇のボディーローション。
食べ物も、香草を使った物を好んで食べるようにした。
生活のなにもかもが、貴方色に。。。

 
「…似ているな。」
 
日の曜日。
テラスで、クラヴィスさまとお茶をする機会に恵まれた。
リュミエールさまがお慕いしているクラヴィスさまとお話しする事は、私にとってこの上ない幸運だった。
リュミエールさまは、いつもこの方のお顔を眺めていらっしゃるのね。
もしかして、この方からリュミエールさまの情報が聞けるかも。
 
そんな風に考えていた私に、クラヴィスさまが唐突にぼそりと言った。
 
「お前は、リュミエールに似ているな。」
 
え?
一瞬私の顔は、無意識にほころんだ。
それは、私にとってこの世でいちばん嬉しい誉め言葉なのだから。
 
嬉しさを何とか押し殺すように、私はゆっくりと、カモミールティーの入ったカップを口元に運ぶ。
クラヴィス様は、手にしたアイリッシュカフェの入ったカップをそのままに、じっと私の事を見つめている。
なんだか、くすぐったい。
 
「クラヴィスさま?何か…」
 
「。。。ハーブティーが好きなのか?」
 
厳密には、ハーブティーを好むリュミエールさまが好き。
 
「はい。とても心が落ち着きますから。」
 
「…おまえは心が落ち着かぬ事が多いのか。」
 
そう、言われて一瞬私は固まってしまった。それって一体。。。どういう意味なのかしら?
 
「…フ、まあいい。ところで、お前の誕生日はいつだ?」
 
今日のクラヴィスさまは、いちいち唐突過ぎて私の頭の中は、もうパニック状態になっている。
 
「???あ、あの、O月O日ですけれど?」
 
「…そうか。別に誕生日が同じだ、という訳でもないのだな。」
 
???
え?
 
「そう、あっけに取られることもなかろう?リュミエールと同じ5月3日生まれだから、そのように似ているのかと思ったまでだ。」
 
何と言う事…リュミエールさまのお誕生日という、レア-な情報が期せずして手に入ってしまった。
しかも、それはもうすぐ。
 
 
早速次の日に、私は育成をサボってプレゼントを買いに行った。
お店の人に、贈る相手の年齢を話して相談してみた。
そして、薦められるままに購入した。
    
そうして、今私の手にはラッピングしたこげ茶色の革ジャンがある。
 
「リュミエールさま」
後姿のリュミエール様に、そっと声をかける。
リュミエール様はゆっくりとこちらに振り返った。
 
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