
奈良県在住の小寺氏が当HPで延命寺の算額を知り、2000/5/25に調査し、6/4に日本数学史学会で発表されました。上の算額の画像をクリックすると、小寺氏のHPへリンクします。 |
今有円内如図 上下円□中円二個 上円径若干下円径 若干得外円径術問如何 答曰
術曰置下円径以上円径除之名乾 加一個半之名坤自之加乾三段開
平方坤乗上円径得外円径合問
下総千葉郡辺田村 □□□□重惇撰 嘉永壬子初春
□ で示している部分は、字が消えていて判読できません。
「上円の直径と下円の直径が与えられた時、外円の直径を求めよ」という問題です。
「上円の直径を上、下円の直径を下と書きます。 下÷上=乾とおき、(乾+1)÷2=坤とおくと、外円の直径={root(坤^2+3乾)+坤}×上で求まる。」というのが、算額に書かれている内容です。
嘉永五年奉納 (1852)
小寺氏の解説を以下に記載します。
『この問題の面白いのは中円径が答に現われないことです.上円径と下円径を決めると外円径が上式で求まりますが,中円2個が接するので上円径と下円径を任意に指定することは出来ません.上円径と中円径を指定すると外円径と下円径が決定できます.(ここまでなら和算でよくある問題です)だからその外円径を上円径と下円径で表してみよ,と云うのが本問の意味でした.面白い問題です.』
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