「イース」シリーズ
(日本ファルコム)


今さら言うまでもない、日本ファルコムの超有名ARPGシリーズです。
パソコンでは「イース」「イース2」そして続編と言うより新作の「ワンダラーズ・フロム・イース」。
小説、マンガ、さらにはOVAにもなりました。
余談ですが、「イース2」のOVAはかなりよいデキです。
ゲームをアニメ化すると、たいていろくなものができないのですが、これは数少ない例外だと思いますので、
ぜひ一度ご覧になることをオススメします。

 

 

「イース」「イース2」…。
経験値稼ぎがやたらにきつく、ほとんどヒントのない状態で謎を解かねばならなかった当時のRPGにおいて、
あれほどテンポよく展開の進むRPGは衝撃的でした。
半キャラずらしでがしがし敵を倒していくのは爽快でした。
ただ「イース2」では途中からファイアーの魔法に頼りきりになってしまうため、
いまひとつその辺の爽快感に欠けてた気がします。
なんか後半はレベルアップがめんどくさく感じましたし。
そういう意味では、「イース」の方がゲームバランスがよかったと思います。
中盤でレベルMAXに達するため、後はムダな経験値稼ぎをする必要がありませんでしたし、
それでいて緊張感とアクション性が薄れないのは絶妙でした。
それにしても、ヨグレクレス&オムルガンダルク・ファクトを倒すのに
ドエライ苦労したのって、私だけでしょうか?

 

 

そして、イース1・2の最大の魅力であるシナリオ。
6冊の古文書「イースの書」に秘められた謎、
二人の女神フィーナとレア、
天空の古代王国イース、
魔法の源「黒い真珠」とその力によって生み出された超金属「クレリア」、
そして、それらの謎に挑む異国の冒険者アドル・クリスティン。
綿密な舞台設定とよく練られたストーリーは、本当に感動的でした。
ゲームのエンディングで
あそこまで感動したのは初めてでした。
特に、フィーナとアドルの別れのシーンは、今思い出しても感涙モノです。

 

 

…そして3年後(だったと思う)、満を持して登場した待望の続編「ワンダラーズ・フロム・イース」。
前2作とまったく異なる横スクロールアクションとして生まれ変わり、
全国の「イース」ファンの期待を一身に背負った作品だったのですが…。
いまひとつ評判は良くありませんでした。

 

 

その理由は、おそらく前作よりもシナリオが盛り上がりに欠けたからではないでしょうか。
イース2の鐘突き堂やラスボス直前みたいな、緊迫感のある演出が足りなかった気がします。
それと、シナリオが前作とほとんどつながりがないことも影響してるでしょう。
二人の女神や神官の子孫達、そしてリリアの再登場を望んでいた人は、決して少なくなかったと思うのですが。

 

 

アクションゲームとしてはまあまあ面白いと言えなくもないのですが…
横スクロール画面になってしまったために、移動方向がほぼ左右に限定されてしまい、
世界が狭く感じてしまったこと、
さらにはかえってアクション性が低下してしまったことも
原因のひとつでしょう。

 

 

要するに、前作の売りだった「壮大さ」と「感動」が薄れてしまってるのです。
これじゃ、やっぱり評判がよくないのも無理はないのでは…。

 

 

しかし、私がこのゲームで最高にガッカリした原因は、ズバリエンディングでした。
一連の事件を解決し、再び旅に出るべく砂浜にたたずむアドルと相棒ドギ…。
そこに本編のヒロイン、エレナが現れます。
見つめあう二人…。
そして潤んだ瞳のエレナの全身イラストが…

…って、なんじゃこりゃあ!!
いくらなんでも
頭が大きすぎるぞ、この女!
着ぐるみ人形か、コイツは!?
描いてておかしいと思わなかったのかよCG担当!!
こんなんがヒロインで感動できるワケねえだろッ!!!

…いっそ文字だけのエンディングの方が、まだマシでしたよ…。
とほほ…。

 

 

さて、先のエレナの話は置いといて、
「イース」シリーズを語る上で欠かせないのがヒロインの存在でしょう。
イースの二人の女神フィーナとレア、そして何よりも元祖RPGヒロインとも言える少女リリア。
おそらく、RPGで本格的にヒロインの存在を際立たせたのは、このゲームが初めてではないでしょうか?
その後のストーリー主導型RPGの方向性を決定づけたとさえ言えます、良くも悪くも

 

 

…しかし、シリーズごとにコロコロとヒロインが変わるものだから、
どうもアドル君には女をとっかえひっかえしてる印象がつきまとっちゃいましたが。
「RPG界の寅さん」とか言われてたし。

あんな真面目な少年なのに…。

 

 

そう言えば最近、この2作、Windows版でリメイクされました。
「イース・エターナル」「イース2・エターナル」って名前で。
グラフィックや演出は飛躍的にl向上してますし、そつなくまとまったリメイク版でしたけど、
やっぱり現在のゲームの内容のボリューム比較すると短く感じるんですよね…どうしても。
どうせなら最初から2作まとめて1本の作品として
販売するべきだったと思います。

そうすれば、もっともっと高い評価を得られたのではないでしょうか。
あの名作と名高いPCエンジン版「イース1・2」のように…。
(PCエンジン版は、エンディングでアドルとリリアのキスシーンまで披露するという大サービスぶりでしたしね)
ま、OVA版「イース2」のDVDがオマケについてくるのですから、そこまで言うのは贅沢でしょう。 

おまけ:イースシリーズ登場人物紹介


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